【文徒】2017年(平成29)年5月30日(第5巻99号・通巻1028号)

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1)【記事】各地で進む新聞販売店“蘇生”に向けた取り組み
2)【本日の一行情報】

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1)【記事】各地で進む新聞販売店"蘇生"に向けた取り組み(岩本太郎)

大阪府枚方市を中心に10カ所の営業所を持ち、西日本の新聞販売店としては最多だという3万人の購読者を持つ新聞販売店「アクセス」は、その顧客数を活かして地元商店で割引などのサービスが受けられる会員制サービスやコメの宅配、子供向け英会話教室運営、グルメ本や地域限定のスポーツ紙(新聞購読者に無料配布)の編集・発行も行っているそうだ。『AERA』の取材によれば、アクセス代表の村田孝義が思い描く事業モデルは以下のようなものであるそうだ。
《読者の新聞離れが進む今、9割新聞配達、1割折り込み広告という収入構造を改めなければならないと、社内には新規ビジネスの担当社員を配置している。将来的には6割新聞配達、1割折り込み広告、3割新規事業といった比率にできないかと考えている》
https://dot.asahi.com/aera/2017052500061.html
こうした新聞販売店を“蘇生”させるための試みは各地で始まっているらしい。同記事では新聞販売店へのコンサル業務を手掛ける企業「MIKAWAYA21」が全国の400店ほどの新聞販売店で展開しているという「まごころサポート」についても紹介されている。30分500円でエアコンや換気扇のクリーニングサービスなど何でも屋的に困りごとの相談に乗るというサービスだが、同社社長の青木慶哉はその狙いを次のように語る。
新聞販売店は折り込み広告を自前で刷ることができるので、発信力は抜群。加えて「◯◯新聞を配っている」という信用力もあるので、家の中に入る必要のある作業を頼む心理的なハードルが低い。
「全国の加盟店が平均月20件ほどのお手伝いをしていますから、1カ月で8千〜1万件くらいの困りごとを解決していることになります。新聞販売店高齢化社会を支える仕組みをつくっていきたいですね」》
読売新聞系列の販売店でも高齢者を対象にした新規事業が始まっている。大阪府の「読売センター能勢」では配達員の待機時間を活かした、高齢者夫婦や一人暮らしのお年寄りへのサポート事業を実施している。
http://読売センター能勢.com/
新聞社側もこうした販売店支援策には前向きであるらしい。朝日新聞は昨年4月、系列販売店「ASA」の戸別配達網を活用した2つの新規ビジネス(野菜や総菜の販売・商品配達やマンション管理)を異業種とのコラボで始めたことを公表している。マンション管理についてはコラボ相手のベンチャー企業との資本・業務提携の形を採り、朝日新聞社からも取締役1人が派遣されたそうだ。
http://edgefirst.hateblo.jp/entry/2016/04/28/085604
新聞販売店はその業務の性格上、交通の便も良い市街地の一角にあるケースが多い。ここを地域内での情報発信拠点として活用するというのは、ジリ貧状態の新聞販売店を活性化する一つの方策として注目される動きといえよう。そこにはまた、街中の書店を活性化していくうえで応用できそうなヒントもまた見出せるかもしれない。

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎一方で新聞販売店を舞台にした「押し紙」の問題は一向に解消される気配がない。この4月には国会の場(経済産業委員会)でも35年ぶり議論された。この問題を継続的に追い続けてきたジャーナリストの黒藪哲哉は、JCJ日本ジャーナリスト会議)機関紙『ジャーナリスト』5月25日号のインタビューに応じ、《日販協(日本新聞販売協会)は80年代のころまでは、押し紙問題解決に向けて熱心に取り組んでいた。ところが90年代ころから変質。再販売価格維持制度(再販)の指定から新聞を除外しようと政府が動き出したのが主因》などと解説。
https://blogs.yahoo.co.jp/mintia1950/13836555.html
ちなみにインタビュアーの橋詰雅博はかつて『日刊ゲンダイ』で32年間にわたり編集部記者として活躍したジャーナリストだ。

花田紀凱が産経の「週刊誌ウォッチング」で「『文春砲』汚れた銃弾」第2弾を掲載した『週刊新潮』6月1日号に「ひと言、言いたい」。上記の記事についてではなく、同号に掲載された「『誤嚥性肺炎』で死なないための『10カ条』」という記事に、パクリを見つけたのだそうだ。
《この記事、大半は、わが社(飛鳥新社)が最近刊行した西山耕一郎医師の『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』からのパクリ。せめて本のタイトル、本の写真くらい載せるのが礼儀だろう。“スクープ泥棒”とは言いませんが》
http://www.sankei.com/premium/news/170528/prm1705280020-n1.html

Yahoo!ニュースで“「グラフ化してみる」ジャーナブロガー”の不破雷蔵が、日本雑誌協会発表の2017年第1四半期(1〜3月)印刷証明付き部数データをもとに「一般週刊誌」「育児系雑誌」「犬猫系雑誌」「少年向けコミック誌」「男性向けコミック誌」「少女向けコミック誌」の各ジャンルにおける部数動向を分析。一般週刊誌では『サンデー毎日』『AERA』が今回「10万部割れ倶楽部」に入り、とりわけ後者については《衰亡ぶりは著しく、部数がほぼ一直線に減っている状態》などと、過去10年間の印刷実績の推移をグラフに示しながら解説している。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170527-00071346/
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170527-00071347/
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170528-00071381/
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170528-00071383/
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170529-00071414/
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170529-00071416/

◎JR京浜東北線蕨駅から徒歩4分の繁華街で7日にオープンした「アンテナブックス&カフェしばしば舎」は、トランスビューが扱う出版社50社の本を全点陳列。名前の通りカフェスタイルの書店で、出版社や著者と一緒に企画したイベントや、地域のサークル活動、読書会などのイベントも今後展開していく予定だ。
http://www.shibashibasha.com/
https://mainichi.jp/articles/20170527/ddl/k11/040/089000c

◎地方局発の大ヒット番組として伝説な『水曜どうでしょう』(大泉洋出世作)の製作元・北海道テレビHTB)の社屋移転に関連して“どうでしょう信者”などと呼ばれた全国のファンの間から現社屋について「ファンが集える場所(記念館・博物館等)であり続けて欲しい」との要望が浮上。「change.org」で署名活動が始まるまでに至った。
https://twitter.com/jundou_com/status/868945687408279552

◎25日に霞ヶ関弁護士会館で行われた前文科事務次官前川喜平の記者会見では狭い会見場内に100人を超える報道陣が集結し、カメラのレンズが熱気で曇ってしまう状況下で行われたらしい。
http://news.livedoor.com/article/detail/13119352/

◎加計問題ではNHKの社会部も前川に単独インタビューを行っているものの、上層部からのお達しできちんと放送できないでいるらしい。元NHKプロデューサーで、かつての『ETV2001』問題での対応などから地位を追われて現在は武蔵大学社会学部教授を務める永田浩三は、この間のNHKの現場から伝わってくる動静をFacebook上で逐一、悲痛な調子で訴えている。
《現場は激しく抵抗したようだが、抗えないほどの力によって、お蔵入りにした。
ひとびとが大事に育ててきた公共放送が、くだらない政治家にひれ伏す。情けなくないか。あれだけたくさんの記者がいながら、加計学園にからんだ独自のニュースがゼロというのは異常すぎないか》
https://www.facebook.com/kozo.nagata.9/posts/1306667132716500

富山市議会で14人の市議が辞職に追い込まれた一連の政務活動費不正問題について、追跡取材を続けてきた地元民放局チューリップテレビの取材班が執筆した『富山市議はなぜ14人も辞めたのか〜政務活動費の闇を追う〜』が25日に岩波書店から刊行された。
https://www.iwanami.co.jp/book/?book_no=287034
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/index.html?TID_DT03=20170526144943

◎『ニュース女子』問題について東京MXが番組審議委員会からの要請に基づき、再取材のうえ近く放送する予定の検証番組では、ジャーナリストの吉岡攻に同局から番組制作の依頼が行われたらしい。吉岡は沖縄在住の写真家で、かつて日本テレビ系の『NNNドキュメント』やテレビ朝日系の『ニュースステーション』でもディレクターとして活躍。著書に『虐待と微笑 裏切られた兵士たちの戦争』(講談社BOOK倶楽部)などがある。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/99035
http://www.labornetjp.org/news/2017/1495678222031staff01
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062179362

◎埼玉県川越市をエリアとするフリーペーパー『kawagoe premium』は地元の印刷会社・櫻井印刷所が2015年10月に創刊。地元の情報を丹念に取材した内容が評判を呼び、創刊号から品切れが続出。昨年には「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016」を創刊からわずか1年で受賞するに至った。
http://kawagoepremium.com/
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2797959

小学館シンガポール法人「小学館アジア」が25日、同社では2つめの独自商品となる『ストーリー・オブLKY』を発売。同国初代首相のリー・クアンユー氏の一生を描いた子ども向け学習漫画である。同社では昨年10月、同じくリー首相の一生を描いた大人向け漫画作品『LKY物語』」を発売し、シンガポール紀伊國屋書店の漫画部門ではベストセラーの1冊となったという。
https://www.nna.jp/news/show/1614294