【文徒】2016年(平成28)6月20日(第4巻113号・通巻800号)

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1)【記事】「産経ニュース」の誤報香山リカ激怒
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「産経ニュース」の誤報香山リカ激怒

「産経ニュース」が6月16日に配信した「TBS番組『街の声』の20代女性が被災地をリポートしたピースボートスタッフに酷似していた?!『さくらなじゃいか』との声続出」というタイトルの記事は、誤報だったようで既に削除されている。一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター(山本隆代表理事)による抗議文は「産経ニュース」に掲載されている。
http://www.sankei.com/affairs/news/160617/afr1606170010-n1.html
日本報道検証機構代表で、弁護士の楊井人文は、「YAHOO!ニュース」で次のように書いている。
「山本氏によると、17日午前中に産経新聞のニュースサイト担当者から連絡があり、執筆記者に確認の上、訂正を出す方向だと言われたという」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20160617-00058923/
香山リカは、自らの公式ブログに「『産経ニュース』の誤報は人権侵害だ」をエントリ、次のように書いている。
「記事に取り上げられた女性は、NGOで働く一般人だ。たまたまテレビインタビューでこたえたために顔の映像が残っているだけで、ふだんは顔や名前を露出させて表現活動を行っているわけではない。
それが、『TBS』『ピースボート』というネットの一部の世界で『サヨク的』と見なされる記号が陰謀論的に結びつき、そこに『若い女性』というセクシズム(性差別主義)が加味されて、一気に人々の興味関心の対象となってしまった」
http://lineblog.me/kayamarika/archives/4258637.html

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2)【本日の一行情報】

舛添要一東京都知事はフジテレビに怒っているようだ。「ギャンブルジャーナル」によれば「舛添氏の政治資金問題の取材において、フジテレビは彼の子どもを追いかけ回し、妻である雅美さんを『変な女』と報じた」そうだ。
http://biz-journal.jp/gj/2016/06/post_635.html
産経もフジも同一メディアグループである。

◎「ITpro」は宝島社が「デジタル戦略に頼らずに新しい収益源の確立に挑んでい」て、「生活雑貨のブランドを自らプロデュース。外部メーカーにライセンス提供し、様々な商品を世に送り出すことに挑戦している」と書いているが、これこそ宝島社にとってのデジタルシフトなのではないか。デジタルシフトとは発想を「マス コンテンツ メディア」から「ニッチ コミュニティ サービス」に転換することにほかならないのだから。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/060800124/060800004/?rt=nocnt

◎AFP通信は「今回の問題が大会の開催に影響を与えることはなさそうだが、スキャンダルだらけの大会の新たな恥となった」とまで言い切っている。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160615/k10010557291000.html

◎「J-CAST 会社ウォッチ」によれば、6月14日現在、「Amazon.co.jpの『本・政治家』カテゴリーの売れ筋ランキングで、トップ10中7点を『角栄本』が占めている
そうだ。しかし、宝島社の「田中角栄100の言葉 日本人に贈る人生と仕事の心得」が50万部とは驚きだ。
http://www.j-cast.com/kaisha/2016/06/16269619.html
田中角栄って多くの日本人にとって、政治家というよりも「侠客」だったんじゃないのかなと私は思っている。田中角栄に「侠(おとこと読む)」の字を振った「週刊実話」は、さすがである。
http://wjn.jp/article/tag/%81u%93c%92%86%8Ap%89h%81v%8B%A0%28%82%A8%82%C6%82%B1%29%82%CC%8F%88%90%A2/

◎LINEは、七夕のリデザインを目的としたプロジェクトチーム「みんなの七夕プロジェクト実行委員会」に参画することになった。「みんなの七夕プロジェクト実行委員会」は、電通、バスキュール、LINEによる、七夕のリデザインを目的とした継続的なプロジェクトチームだ。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1383

◎ウィリアム王子がイギリスの同性愛者向け雑誌「アティテュード」の表紙を飾ることになった。「表紙には、笑顔のウィリアム王子の写真の横に『性的志向であれ他の理由であれ、いじめられることがあってはならない』という王子の言葉が掲載される(ハフィントンポスト)そうだ。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/16/prince-william_n_10498932.html

長谷川幸洋は「現代ビジネス」において、「週刊文春」に「なぜ新聞やテレビが負けるかといえば、大半の記者は記者クラブにべったりで、とてもじゃないが独自にスキャンダルを発掘するような余裕もなく、そんな取材体制にもなっていないからだ」と指摘している。また長谷川は新聞やテレビも契約記者制にすれば良いと提言しているが、これも頷ける話だ。
「文春に限らず週刊誌の現場で取材活動をしているのは契約記者たちである。彼らは成果を上げなければ、たちまち将来が危うくなる。
ダメな記者はだいたい40歳過ぎくらいでお払い箱になる。だから、それまでに名を上げて、たとえ契約が更新されなくても、食っていけるだけの実力と評判を勝ち取らなければならない。だから必死で仕事をするのだ」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48927

インターネットテレビ局「AbemaTV」が新卒採用をするという。
https://www.cyberagent.co.jp/recruit/fresh/program_detail/id=12166

サイバーエージェント、ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン、スマートニュース、選挙ドットコム、Twitter Japan、ドワンゴ日本ビデオニュースBuzzFeed Japan、ヤフー、LINEのネット事業者10社による選挙応援プロジェクト「わっしょい!ネット選挙」は、6月19日(日)20時からニコファーレ(六本木)で、参院選2016「ネット党首討論」を開催する。
https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=12164

◎学研プラスはダイエット&健康情報メディア「FYTTE」で、読者1,000人の投票で決定する「ダイエット&ヘルシーのトレンドランキング」を発表したが、新しく発行したタブロイド紙「FYTTE JOURNAL」の紙上でも発表し、朝日新聞および読売新聞を購読している東京・大阪エリアの10万世帯に対して、6月16日の朝刊に折り込む形で配布した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000714.000002535.html

◎好文堂書店(長崎市浜町)は、作家を誕生日の星座と血液型でグループ分けしたコーナーを設けているそうだ。
http://nagasaki.keizai.biz/headline/1248/

◎「ITpro」によれば、ハースト婦人画報社のイヴ・ブゴン代表取締役社長&CEOは、「消費者の間にスマートフォンスマホ)が行き渡った今、すべての編集者がコンテンツ発信のリズムを変えるべき時代がやってきた」と発言している。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/060800124/060800002/

世界文化社のモノ情報誌「Begin」は、6月16日発売8月号で「上半期BB100」と題した売れたモノランキングを発表した。第1位は「ポーター再爆発!!」、第2位は「タイメックスのウォーターベリー レッド・ウィング・シュー・レザー」、第3位は「イージーセットアップ」。オレには全く縁のない世界だ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000009728.html

朝日出版社の「[生声CD&電子書籍版付き]オバマ広島演説」が、紀伊國屋書店広島店の週間ブックランキングで第1位となった。
https://www.value-press.com/pressrelease/164354

◎「ケ知事」って言い方、良いじゃない。
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15520.html

山口県周南市は新徳山駅ビル図書館の指定管理者を募集していたが、募集があったのはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)だけだった。
http://www.asahi.com/articles/ASJ6J4J0CJ6JTZNB00D.html

信州大学学術研究院の牧田幸裕准教授による「電通の変貌、なぜ脱「伝統的広告代理店」加速?広告とコンサル、垣根消失&相互侵食で競争」。次のようなところが印象に残った。
ビッグデータを蓄積し、データサイエンティストまたはAIがそれを解析し、プロモーションをかける。ビッグデータを蓄積するため、GPS情報を入手し、消費者の購買意思決定プロセスを把握できるようにするために、ECでの購買へ消費者を誘導する。マーケティング部門のみならず、システム部門、営業部門との連携が必要になる。もはや広告宣伝部長だけではマネージしきれない。部門横断的な経営会議マターになる」
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15505.html
広告会社の役割が劇的に変わることだろう。

◎「クランクイン!!」によれば「上海を拠点とする中国企業Shanghai Minghuan Investmentが、人気コミック『ONE PIECE』の著作権を作者・尾田栄一郎から購入。窪田正孝主演で実写映画化を計画中という」事実は全くないそうだ。
http://www.crank-in.net/game_animation/news/43677
最近「ジャンプ」絡みの映像化に関する情報はガセが多い。PVを稼ぐため意図的に流しているのだとしたらタチが悪い。

◎公式サイトがオープンしていればガセではない。集英社の「週刊ヤングジャンプ」(連載中の「東京喰種トーキョーグール」が実写映画化される。
http://animeanime.jp/article/2016/06/17/29036.html
http://tokyoghoul.jp/

◎「夏ぴあファミリー こどもと遊ぼう首都圏版」が発売された。夏の定番商品である。第2特集では今年大注目のグランピングを筆頭に「自然体験デビューガイド」を特集している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000213.000011710.html
こっちは、私も買う!湯川れい子80th記念本「音楽を愛して、音楽に愛されて〜ぴあ Special Issue 湯川れい子 80th記念BOOK〜」だ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000011710.html
対談相手に小泉純一郎元首相が登場しているが、湯川を小泉に紹介したのは、川内康範だったのだろうか。

浦和レッズは「SNSにおける差別的な投稿について(第3報)」を発表した。
明治安田生命J1リーグ1stステージ第15節、鹿島アントラーズ戦後のカイオ選手に向けて、SNSで差別的な投稿を行った人物から連絡があり、このたび面談しましたので、ご報告いたします。
投稿者によると、鹿島戦当日は自宅でテレビ観戦をしていました。浦和レッズが敗れたことで感情的になり、当該のメッセージをSNSに掲載してしまったということです。
クラブと約束した面談に現れなかったことについては、今回の件が非常に大きな問題となり、怖くなってしまったということでした。
投稿者は、今回の行動を非常に後悔しており、カイオ選手をはじめ、鹿島アントラーズのみなさま、この件でご不快な思いをされたみなさま、浦和レッズのファン・サポーターのみなさま、浦和レッズに対して謝罪したいと話しました。
差別的な行為は断固として許すことはできません。浦和レッズは、本人への対応については、本人の今後の取り組みなどを見た上で決めて参ります。
このような出来事が起きてしまい、誠に遺憾であり、カイオ選手、鹿島アントラーズのみなさま、浦和レッズのファン・サポーターおよび関係者のみなさま、ホームタウンのみなさま、Jリーグおよびサッカーを愛するすべてのみなさまに、ご心配とご迷惑をおかけしましたことを改めてお詫びいたします。
浦和レッズは、引き続き差別撲滅に向けた取り組みを進めていくとともに、このようなことが起こらないような社会をつくる一助になりますよう、力を尽くして参ります」
http://goo.gl/e3Nr4l

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3)【深夜の誌人語録】

友人と同じように敵を大切にできる品位を持ちたいものだ。