【文徒】2017年(平成29)11月22日(第5巻220号・通巻1149号)

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1)【記事】「ミニストップ」が成人誌の取り扱いを中止
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「ミニストップ」が成人誌の取り扱いを中止

イオングループのコンビニ「ミニストップ」は、来年1月1日から全店2245店で成人誌の取り扱いを中止する。取り敢えず12月1日から千葉市内のミニストップでやめるという。
https://www.ministop.co.jp/corporate/release/assets/pdf/20171121_10.pdf
朝日新聞によれば「雑誌の売り上げに占める成人誌の割合は5%程度。取り扱いをやめることで女性客らの集客アップを期待している」という。
http://www.asahi.com/articles/ASKCP3TNFKCPULFA005.html
千葉市長の熊谷俊人は次のようにツイートしている。
「(1)ミニストップ㈱と全店舗での成人誌の取扱い中止について発表。
災害時のトイレ解放など、コンビニ店舗の社会インフラとしての重要性が増す中、過激な成人誌の表紙がトイレへの通路等に露出されていることに対して何らかの対策を求める意見がありました」
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/932811219659931648
「(2)千葉市では議会質問を契機にコンビニ各社にフィルムで一部を隠す対策を提案いたしましたが、店舗での負担増から実現は困難でした。本市提案をきっかけにミニストップ内部でご検討頂き、誰もが安心して利用できる店舗実現のため新たな取組実施に至りました」
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/932811324634959872
「(3)日本雑誌協会から表現の自由が妨げられるという批判がありますが、ミニストップ㈱の陳列に関する自主的な営業判断です。
私は表現の自由を極めて重視する政治思想ですが、販促目的で過激な表紙を作成する以上、陳列に対する社会的反応も甘受すべきと思いますし、業界の自主改革を期待します」
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/932811627228889088
昨年、日本雑誌協会日本書籍出版協会は、堺市ファミリーマートが始めた成人誌の表紙の写真などをビニールカバーで隠す取り組みについて同市に中止を求める声明を発表したが、今回はミニストップに対して何か声明を出すのだろうか。行政の判断ではなく、一私企業の商売上の判断だけに声明を出すことは無理だろう。今後、ミニストップのようなコンビニが増えるのかもしれない。
http://www.sankei.com/west/news/160401/wst1604010068-n1.html

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2)【本日の一行情報】

石原慎太郎ツイッター産経新聞に断筆宣言をしていた。これがそのツイート。
「先日ある人に問われたので敢えて記しますが、私が産経新聞の月曜の一面に連載していたコラム『日本よ』を止めたのは不仲の小池知事におもねった編集局長が当分休筆してくれと言ってきたので天下の公器の新聞の腰抜けにあきれて絶筆しました」
https://twitter.com/i_shintaro/status/928528326603374593
確かに石原のコラム「日本よ」が産経の一面を飾ることはなくなっていた。「週刊ポスト」は、こう書いている。
「『コラムの休載を申し出たのは編集局長ですが、横にもう一人、同席していた。その“もう一人”の編集委員の存在が本人の怒りを増幅させたようです』
その編集委員とは、石原都政13年間の大半を担当した名物記者で、都政担当の中でも突出して石原氏と親しい人物だった。猪瀬直樹知事時代には一時退職して特別秘書に登用され、産経に復職後は再び都庁を担当している」
http://www.news-postseven.com/archives/20171120_630796.html?PAGE=1#container

祥伝社の「Zipper」が12月22日発売号をもって休刊することになった。
https://twitter.com/zipperjp/status/932821468764807168
こんなツイートを発見。
「zipper、高校生の頃愛読していたので、休刊めちゃくちゃショックなんだけど、それよりなによりそのお知らせの画像がおそらく編集部の誰かのiPhoneのメモ帳アプリのスクショって思うとほんともうなんも言えねえ……」
https://twitter.com/megacycleota/status/932832078382620672
きゃりーぱみゅぱみゅも一言。
「悲しい」
https://twitter.com/pamyurin/status/932895187403030528
これはモデルの瀬戸あゆみのツイート。
「わたしがわたしであることのきっかけを作ってくれたZipperが、この度休刊になることが決定しました。わたしがパチパチズの卒業宣言をした次の号が最後との発表。
……でしたが、次の号では、わたしとmimの単独企画があります。 最後まで、個性派ガールの味方、Zipperをよろしくお願いします」
https://twitter.com/setoayumi/status/932899909866418177

◎C Channelが運営する動画ショッピングチャンネル「CHEER CLOSET」は、集英社のティーンズ女性誌Seventeen」の専属モデルとして活躍する江野沢愛美セレクトショップを開設した。
http://www.cheercloset.jp/enosawamanami/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000025680.html

◎大山誠一の「神話と天皇」(平凡社)は読まねばならない。「聖徳太子はいなかった」説程度に驚いてはいられない。毎日新聞によれば大山は天皇制を「藤原氏が永続的に国家の実権を握るため、藤原不比等がつくった制度」と定義しているそうだ。毎日は「古代史全般の解釈変更を迫る意欲作」と評している。
https://mainichi.jp/articles/20171120/dde/014/040/002000c

◎「半ちゃんラーメン」の「さぶちゃん」が店を閉じていた。「さぶちゃん」は神保町を代表するラーメン屋だと私は認識していただけに淋しい。「東洋経済オンライン」のスクープである。
http://toyokeizai.net/articles/-/198248

◎VENUSは、今や伝説のギャル誌となった「小悪魔ageha」を、ファッション誌「GLITTER」を発行するトランスメディアから、偶数月月初をベースに刊行する隔月誌として復刊させる。創刊号は2017年12月14日(木)に発売し、それ以降は2018年2月1日〜偶数月月初発行となる。
https://www.atpress.ne.jp/news/143478

◎Donutsは、12月4日(月)から12月28日(木)まで、ライブ&動画コミュニティアプリ「MixChannel」内ライブ配信機能「MixChannel LIVE」において「『小悪魔ageha』読者モデルオーディション」を開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000004237.html

◎宝島社は家計簿商戦で台風の目を狙っているのだろう。インスタグラムのフォロワーが5万8千人を超え、ちょっとしたブームとなっている「づんの家計簿」に目をつけ、「みんなの『づんの家計簿』」を発売する。ネットから紙へは、実は宝島社の出版の得意技である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000603.000005069.html

コンデナスト・ジャパンは、コンデナスト・ヴィデオを2015年に立ち上げ、動画配信サービス「VOGUE VIDEOS」「VOGUE GIRL VIDEO」「GQ VIDEO」や、ソーシャルプラットフォーム上で、日本初上陸のタイトルも含め3,000エピソード以上のオリジナルシリーズの制作・配給・配信を行っている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000418.000000930.html
コンデナスト・ジャパンは自らをプレミアム デジタル パブリッシャーと認識している。

◎アマゾンジャパンは、競合するLINEのスマートスピーカーの販売を禁止しているという。アマゾン、間違いなく評判を落とすな。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/171120/bsj1711200500001-n1.htm

◎産経が「文庫貸し出しダメ!?…文春社長発言に波紋 図書館側『公平に扱うのが使命』と反論」を掲載した。
http://www.sankei.com/life/news/171120/lif1711200016-n1.html

◎広告の接触率調査。「テレビCM」が1位で、2位「電車の車内広告」54%、3位「スマホで見るネット広告」。雑誌広告は10位。
https://markezine.jp/article/detail/27255

岸本斉史NARUTO-ナルト-」が歌舞伎化され、2018年8月に新橋演舞場で上演されることになった。ナルト役に坂東巳之助さん、サスケ役には中村隼人
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1711/19/news019.html

アサツーDKの筆頭株主であるWPPは、米投資ファンドベインキャピタルによるTOBに合意した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-21/OZHWA26K50XS01

◎3ミニッツは、Gunosyの運営する3つの情報キュレーションサービス「グノシー」「ニュースパス」「LUCRA」にファッション動画マガジン「MINE BY 3M」(マインバイスリーエム)のコンテンツを提供開始した。
http://www.3minute-inc.com/archives/756

◎私もガキの頃からプロレスファンであり、村松友視の「私、プロレスの味方です」(情報センター出版局)に喝采を送ったひとりである。村松の駆使する「過激」という言葉に官能したひとりであったと言い換えても良いだろう。そんな村松が40年前の猪木VSアリ戦を見事に読み解いている。落とし前をつけたというべきか。その流儀が格好良い。「アリと猪木のものがたり」(河出書房新社)である。村松プロレス論は竹中労の格好良さの嫡子なのである。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309026299/
村松中央公論社の文芸誌「海」の編集者であった。

◎新潮社出身の松家仁之が「光の犬」を新潮社から上梓している。松家は「考える人」の創刊編集長。新潮社に入社する前に文藝春秋文學界新人賞で佳作をとっている。「光の犬」を読みながら私はベルトルッチの映画「1900年」を思い出していた。
http://www.shinchosha.co.jp/book/332813/

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3)【深夜の誌人語録】

何ができるかを考えるよりも、何をしないかを先に決めるように私はしている。