【文徒】2016年(平成28)年12月16日(第4巻235号・通巻922号)

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1)【記事】KADOKAWA流商法について
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】KADOKAWA流商法について

KADOKAWAの関連会社であるキャラアニは、タカラトミーのロングセラーキャラクター“リカちゃん”の大人向けブランド「LiccA」(リカ)をライセンス取得し、大人の女性向け雑貨ラインナップ「LiccA my‘chouchou'」(リカ マイシュシュ)の51アイテムを、11月より全国で発売しているが、「LiccA my‘chouchou'」の商品ラインナップを集めた「LiccA my‘chouchou' 期間限定ショップ」が紀伊國屋書店西武渋谷店にオープンした。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002925.000007006.html
雑貨を手がける書店は間違いなく増えるだろう。KADOKAWAならずとも雑貨にかかわる出版社も増えよう。
「紙から映像へ」ではなく、「映像から紙」へというアプローチは「君の名は。」で味を占めたのだろう。KADOKAWAは2017年3月11日(土)から公開される広瀬すず主演の映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」に関連してノンフィクション単行本「チア☆ダン 『女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』の真実」を2017年1月31日に発売し、映画ノベライズ「小説 チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」(角川つばさ文庫)を2017年2月15日発売に発売する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002929.000007006.html
いずれにしても「君の名は。」クラスのメガヒットがなければ、私の見立てからするとKADOKAWAは再び迷走を始めるに違いない。

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2)【本日の一行情報】

◎大ヒットとなったアニメ映画「この世界の片隅に」で主演声優をつとめた能年玲奈改め「のん」が映画の舞台を巡った写真集「のん、呉へ。2泊3日の旅」が双葉社から発売された。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000014531.html

◎12月26日発売の「アンアン」(マガジンハウス)の特集「スポーツ、映画、テレビ、音楽… an・anが今、輝くあの人に ありがとう 2016−17」には日本ハム大谷翔平が登場し、「赤裸々に恋愛観を語った」(日刊スポーツ)そうだ。
http://www.nikkansports.com/baseball/news/1751711.html
「アンアン」はファッション誌に特化しなかったことが結局「吉」と出たんだよね。

ツイッターで話題の新作ホラー漫画「迷うは君の世界1」(史群アル仙)の発売を記念し、12月17日(土)に、東京・渋谷のHMV&BOOKS TOKYOでROLLYの生演奏に合わせて即興で史群アル仙がBIG漫画を執筆するというコラボイベントが開催される。
「迷うは君の世界1」の版元は主婦の友社である。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000649.000002372.html
主婦の友社は「コミカワ」を擁している。これがそう。
https://comicawa.com/TitleDetail/00001-0000000023
https://twitter.com/shimure_arusen

ハースト婦人画報社は、NTTドコモが運営するグルメ情報サービス「dグルメ」に、「婦人画報」、「MEN’S CLUB」、「25ans」、「Richesse」、「美しいキモノ」、「Harper’s BAZAAR」の合計6誌の最新号に掲載されたグルメ記事を「ファッショニスタ通信 食楽」として12月15日(木)より配信している。記事は雑誌レイアウトのままではなく、HTMLで再構成しスマホ最適化を図っている。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000008128.html
自らが擁する雑誌から特定のテーマや記事単位でコンテンツをデジタル化し、これを販売する取り組みだ。記事のバラ売りだがBtoCではなく、BtoBであるところがミソである。そうそう「エルジャポン」が入っていないことも留意しておくべきだろう。

◎JR東京駅の「三省堂書店」で12月14日、天井から水が漏れ出し、雑誌や床が水浸しになってしまった。
http://www.news24.jp/articles/2016/12/14/07349046.html

博報堂は、博報堂DYメディアパートナーズ、博報堂プロダクツ、博報堂DYデジタルの各社と連携し、テレビCMからオンライン動画まで、幅広い用途とタッチポイントに適した動画コンテンツを使って、マーケティング効果の最大化を目指すタスクフォース、「hakuhodo.movie」の活動を開始した。「動画統合ソリューション」を提供する。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2016/12/20161214.pdf

楽天三木谷浩史が中心となって発足させた経済団体「新経済連盟」。代表理事をつとめるのは三木谷だが、定例会見を二度にわたって欠席しているそうだ。9月は2日前に欠席を伝え、12月は会見開始時刻直前に欠席を伝えたという。そりゃあ記者は怒るだろう。産経ニュースは次のように書いている。
「記者からは『完全にビジネスマナー違反。他の経済団体ではありえない』『社会人としての基本ができていない。政府などに提言する資格があるのか』など批判や意見が続出している」
http://www.sankei.com/economy/news/161214/ecn1612140022-n1.html

コンデナスト・ジャパンは「VOGUE JAPAN」「GQ JAPAN」「WIRED 日本版」「VOGUE GIRL」のLINE公式アカウント開設に合わせ、各編集部が厳選したクリスマスプレゼントが毎日当たるキャンペーンを実施中だ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000327.000000930.html
コンデナスト・ジャパンは自らをマルチメディアカンパニーと位置付けている。

幻冬舎は「47都道府県をめぐる 幻冬舎文庫 冬の読書フェア」を開催している。約3000点から、70作をセレクトし、それぞれ、縁のある都道府県を探し出して、割り振ったとのことである。
http://www.gentosha.jp/articles/-/6911
文庫フェアにも読者&書店を刺激する「フック」なり「ひねり」を利かせる必要がある。

◎「日経BPnet」に掲載された「『電通事件』は繰り返される」(吉田典史)で日本労働弁護団自由法曹団などに所属する和泉貴士は次のように述べている。
「…ストレス耐性が弱かったとしても、日本人の労働者の平均的な範囲内にとどまる限り、会社はその人を雇った以上、過労自殺に対する責任があるとするのが裁判例の一般的な傾向だと思います」
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/92290/121300050/?P=1

電通批判が止まらない。「週刊文春」が「電通の真実」を特集した。まず目に飛び込んで来たのは「『電通社員にライターで焼かれた』女子大生の告発と真相」というタイトルだ。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6884

昭文社跡見学園女子大学は、小冊子スタイルの大学案内ガイド「ことりっぷ 跡見学園女子大学」を制作、発行した。
http://goo.gl/mdBZIN

◎「ヤングマガジンサード」(講談社)に連載されている「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」(ペトス)がテレビアニメ化され、TOOKYO MXほかで1月7日から放送開始となるが、テレビアニメ放送前日の1月6日に発売される「ヤングマガジンサード」が、103(デミ)円で発売されることになった。原作は発行部数が110万部を突破している。
http://anime.eiga.com/news/103824/

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3)【深夜の誌人語録】

深刻になればなるほど解決は遠のくものである。