【文徒】2016年(平成28)3月10日(第4巻46号・通巻733号)

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1)【記事】雑誌情況への提言 主婦と生活社の人事をめぐって
2)【本日の一行情報】
3)【人事】集英社 3月22日付人事異動と組織改編
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.3.10.Shuppanjin

1)【記事】雑誌情況への提言 主婦と生活社の人事をめぐって

客:主婦と生活社の3月28日付役員人事が話題になっている。
主:取締役販売本部福岡駐在所所長だった古川一夫も退任して、販売本部福岡駐在所が廃止になる。こういうことを平気でやる会社なんだよな、主婦と生活社は。福岡駐在所ってのは、古川一夫取締役のためにつくった組織にしか過ぎなかったわけだよ。
客:常務取締役で広告を担当していた佐々木行夫が相談役に退くんだよね。
主:遠藤大介会長からすれば、佐々木常務を相談役で遇することで、「将軍様」としての温情をお示しになられたということなんだろ(笑)。
客:これで遠藤会長にモノ言える役員は、誰もいなくなった。
主:佐々木常務が遠藤会長にちゃんとモノを言えたかどうかは別にして、高納勝寿社長からすれば煙たい存在ではあったんじゃないの。高納社長は佐々木常務の知見に逆立ちしても及ばなかったからね。
客:高納社長は電通嫌いで知られているよね。
主:佐々木常務が電通重視派だったからね。「小」なりといえども、佐々木常務は「東京タイムズ」という新聞社の出身だったから、俣木相談役や高嶋会長とは旧知の間柄だ。
客:広告代理店の関係者に対しても、それこそ身銭を切って付き合っていた。
主:大手の広告会社をやめた奴が事業を立ち上げる際には何百万と貸したりもしている。一円も返って来なかったと聞くよ。「侠気」があるのさ。だからファンも多かった。
客:熊谷透広告部長が販売本部販売部次長(部長待遇)に異動する。遠藤会長が熊谷広告部長を誕生させたんじゃないの。
主:キャラクターからすれば販売のほうが合っていると思うよ。遠藤会長は会社の現場がどうなっているのか分からないくせに人事権に執着しているから、主婦と生活社は風通しの悪い会社になったんだと思うよ。
客:「私のカントリー」の細野敏彦編集長が取締役に新任され、広告部長となるんだね。世界文化社の出身だったよね。
主:最初は八重洲出版さ。それから世界文化社だよ。それで「Car Ex」編集長、「ミス家庭画報」副編集長、「グレイスフル ウエディング」編集長、広告部部長を経験して、主婦と生活社に入った。いろいろと情報を聞く限りでは広告人としての実力は未知数だな。いずれにしても、佐々木常務を経営から外すことで、出版のシロウトが寄ってたかって主婦と生活社をガタガタにしてしまうのではないだろうか。

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2)【本日の一行情報】

小学館美術書「Eternal Collection 2016・春」で、日本写真印刷コミュニケーションズが開発した高品質カラーデジタル印刷システムが採用された。
「小ロットでオフセット印刷と同等の色調をフルカラーで再現でき、様々な用紙の使用が可能で美術本などに適した風合いを表現できる。大量/極小を問わず同品質の印刷物を作成可能になっている。これにより、従来は一定の印刷数量に達せず出版の機会を逸していた美術本や、再版費用の制約により品切れになっていた希少本を必要な部数だけ作成することが可能になる」
http://www.keyman.or.jp/nw/20066357/

JTB パブリッシングは、20〜30 代の女性をターゲットにした国内の新しいガイドブックシリーズ「マニマニ」を創刊した。定価850円。創刊にあたり、オリジナルグッズも一部の書店で発売する。こちらは「旅のおとも♪なんでもピロー(クマ・リス)」各 900 円、「おさんぽトート」1000 円、「旅するアニマルマステ(マスキングテープ)」200 円、「もこもこアルパカふせん」250 円というラインナップだ。(いずれも金額は税別)
http://www.jtbpublishing.com/newsrelease/20160308272.pdf
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Umeda-Main-Store/20160308131033.html
(上記の紀伊國屋URLは「システムメンテナンスのためサービス停止中。2016年3月10日午前11時に再開予定。)

◎セキュリティーソフト大手のトレンドマイクロの調査によれば、Android端末を狙うモバイル不正アプリが累積 1,000万個を突破したという。2010年8月に最初の Android不正アプリの検出に対応して以来、5年を経たずしての 1,000万個到達だ。驚くべきは昨年だけで、それまでの 5年間で登場したおよそ 430万個を大きく超える、およそ 630万個が登場していることだ。
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/12960?cm_re=articles-_-threat-_-blog

桜井画門の「亜人」を原作とした劇場版アニメのシリーズ第二部「亜人 -衝突-」は、5月6日から5月26日の3週間の限定公開となり、第三部「亜人 -衝戟-」は9月23日より全国公開となる。
http://animeanime.jp/article/2016/03/07/27337.html

いとうせいこうの「我々の恋愛」(講談社)の刊行を記念して、作家・小野正嗣とのトークイベントが4月5日、紀伊國屋書店新宿本店8階イベントスペースで開催される。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20160307100040.html
(上記の紀伊國屋URLは「システムメンテナンスのためサービス停止中。2016年3月10日午前11時に再開予定。)

東京商工リサーチ芳林堂書店の「破産手続開始申立書」の内容が判明したとして紹介している。これによれば芳林堂書店は語学や飲食業に参入した投資の一部が不良資産化し有利子負債が増加し、本業たる書店事業も、平成17年8月期に47億2900万円であった売上高が26年8月期には39億2000万円にまで減少し、資金繰りが次第に悪化していったという。
太洋社に対する支払いの繰り延べを要請して凌いだが、そのことによって太洋社からの仕入報奨金(売価ベースで1.8%)を受け取ることが出来なくなり、利益率がさらに悪化し、28年1月には、太洋社が求めていた額の56%程度しか支払いをすることが出来ず、商品の納入が停止される事態となり、自力での店舗の運営が困難になったとのことである。書泉に対する事業譲渡は約1億4800万円であったことも明らかになった。むろん、最大の債権者は太洋社で債権額は12億1111万円であった。
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20160307_03.html

電通の2月度単体売上高。七か月ぶりで前年実績を下回った。雑誌は前年比82.0%。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016028-0307.pdf

電通電通テックは、パーソナライズド動画ソリューションを提供する米国SundaySky, Inc.(サンデースカイ社)と協業し、顧客エンゲージメントを高めるパーソナライズド動画の制作・配信サービスの提供を開始した。これはサンデースカイ社が保有する「Smart Video」を活用したサービスで、特に通信、保険、金融、医療、旅行、Eコマースなどの業界において、新規顧客の獲得率やリピート率、顧客満足度などの向上に役立つ。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0308-008702.html

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、チェコの有力デジタルエージェンシー「Adexpres.com s.r.o.」(アドエスクプレス社)の株式100%を取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0309-008703.html

◎「フットボール批評 10号」に掲載された田崎健太の「捏造記事を許すな」によれば、「欧州サッカー批評 11号」(双葉社・2015年8月発売)が掲載したFCバルセロナルイス・エンリケ監督のインタビュー記事を「捏造記事」として批判している。「フットボール批評」は、もともとは「サッカー批評」として双葉社から刊行されていた。「サッカー批評」が「欧州サッカー批評」としてリニューアルするに際して、「サッカー批評」の編集プロダクションが手を引くことになり、この編集プロダクションが「サッカー批評」の執筆陣を母胎にして「フットボール批評」を創刊する。BuzzFeed Newsによれば双葉社は疑惑を否定している。
http://www.buzzfeed.com/daichi/barcelona-interview?utm_term=.vo9vwejy0W#.wwZaJP1n2x

TSUTAYAオンラインゲーム「東京ハーレム」のキャラクターをベースにしたコミカライズ作品「東京ハーレム」(漫画:アシオミマサト、原作:T-MEDIAホールディングス、企画:レッド・エンタテインメント)の連載が白泉社の「ヤングアニマル嵐」でスタートした。
http://top.tsite.jp/news/comic/i/28042139/?sc_int=tcore_news_recent

◎ビデオリサーチは、日本雑誌協会及び日本雑誌広告協会に協力し、2015年9月〜11月に実施した「雑誌広告効果測定調査」の結果によれば、雑誌読者のうち、掲載された広告に「注目」した(確かに見た)人の割合を示す「広告注目率」は、36誌693素材平均で45.0%だった。また読者のうち、広告を「確かに見」て「内容まで読んだ/じっくり見た」人の割合を示す「広告精読率」の平均は29.1%だった。
https://www.videor.co.jp/press/2016/160309.htm

◎これもビデオリサーチの調査。2015年の「タレント別テレビCM量上位10人」は次の通り。
1位「濱田岳」、2位「上戸彩」、3位「桐谷健太」、4位「松田翔太」、5位「広瀬すず」、6位「綾瀬はるか」、7位「西島秀俊」、8位「有村架純」、9位「樋口可南子」、10位「Dante Carver」
https://www.videor.co.jp/press/2016/160308.htm

◎「婦人公論」(中央公論新社)の創刊100周年を記念してスタートした女性向け実用シリーズ「婦人公論の本」の第3弾として「看取り・葬儀・気持ちの立て直し方『家族の死』」(741円+税)が発売された。
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/special/feature/CO022131/20160307-OYT8T50080.html?from=ycont_top_txt

読売広告社代表取締役社長に4月1日付で博報堂出身の藤沼大輔取締役専務執行役員が昇任する。中田安則代表取締役社長は代表取締役会長に昇任する。
http://www.yomiko.co.jp/news/item/old/pdf/20160307.pdf

トランスコスモスソーシャルメディア運用支援を手がけ、シンガポールを本社とするソーシャルギアは、Facebook広告事業の拡大のため、動画ファッション雑誌を運営するC Channelとネイティブ動画広告コンテンツ制作において業務提携を結んだ。ソーシャルギアは、Facebook Marketing Partnersの「Community Management」のカテゴリーにおいて公認パートナーに選ばれている。
http://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/160308.html

◎ 3 月 7 日、タイの首都バンコクに「KADOKAWA Animation and Design School」が開校した。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20160307_i7yjx.pdf

KADOKAWAと「モデルプレス」を運営するネットネイティブは、10〜30 代の女性に向けた新しいコミックコンテンツを開発するための取り組みを開始した。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20160307_jmeh7.pdf

◎読売新聞の記事には「週刊文春」の名前が見当たらなかった。
「巨人によると、球団職員が2月29日に週刊文春から高木京投手の野球賭博への関与を示唆する取材を受け、調査を開始。笠原元選手の誘いで2014年の4月から5月にかけてプロ野球8、9試合に賭けたことが明らかになった。高木京投手は当初否定していたが、8日に関与を認めた」(サンケイスポーツ)
http://www.sanspo.com/baseball/news/20160308/gia16030821050009-n1.html
「球団の説明では、昨秋の賭博問題発覚後、高木投手は『自分の名前も出るのでは』と不安になっていたという。週刊文春の取材を受け、球団は今月1日から本人に事情を聞いた。『笠原に名前を貸していただけ』と7日まで関与を否定したが、両親から『正直に話した方がいい』と促され、8日になって認めたという」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ387SWFJ38UTQP029.html
「球団は今年2月29日に週刊文春から取材を受けたため、今月1日から高木投手への調査を実施」(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160309/k00/00m/040/095000c
「巨人軍が発表した高木選手からの聴取結果によると、高木選手は2014年4月下旬〜5月上旬、当時チームメートだった笠原将生しょうき・元選手(25)(NPBの無期失格処分を受け、巨人軍を契約解除)に誘われ、プロ野球の計8〜9試合を対象に賭けをした。賭けの相手となったのは、笠原氏の知人の飲食店経営者で、笠原氏の携帯電話を使い、賭けの対象となるチームや金額などの情報が伝えられたという」
http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/20160308-OYT1T50118.html

◎銀座のファッションイベント「ギンザ ファッション ウィーク(GFW)」で、ハースト婦人画報社の4誌とのコラボ企画が実施される。「WWDジャパン」によれば三越銀座店は「ハーパーズ バザー」、プランタン銀座は「エル・ジャポン」、銀座・和光は「婦人画報」とタッグを組み、各店のおすすめ商品を誌面で紹介するそうだ。
https://www.wwdjapan.com/fashion/2016/03/08/00019886.html

◎「本のある暮らし」をテーマに、文房具、雑貨、リトルプレスをセレクトした「LIBRETTO NAGOYA」が3月9日にオープンした。
http://thelibretto.jp/banana/2544368
今井書店 木次マルシェリーズ店も3月9日にオープンした。
http://www1.imaibooks.co.jp/book/?news=%e4%bb%8a%e4%ba%95%e6%9b%b8%e5%ba%97-%e6%9c%a8%e6%ac%a1%e3%83%9e%e3%83%ab%e3%82%b7%e3%82%a7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%e5%ba%97%e3%81%8c%e3%80%813%e6%9c%889%e6%97%a5%e3%81%ab%e3%82%aa%e3%83%bc

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3)【人事】集英社 3月22日付人事異動と組織改編

【組織変更】
ライツ事業部「商品企画課」をコンテンツ事業部に移管する。

【人事異動】
廣野眞一
新役職:取締役 宣伝部・コンテンツ事業部・広報部・読者サービス室担当
旧役職:取締役 宣伝部・コンテンツ事業部・広報部・読者サービス室担当 兼 コンテンツ事業部部長

武田冬門
新役職:ジャンプ・コミック出版編集部部長
旧役職:ジャンプ・コミック出版編集部部長代理 兼 ジャンプ・コミック出版編集長

渡辺直樹
新役職:コンテンツ事業部部長
旧役職:ライツ事業部部長

木下暢起
新役職:ライツ事業部部長
旧役職:ジャンプ・コミック出版編集部部長

益田和之
新役職:ライツ事業部部長代理 兼 海外出版課課長
旧役職:デジタル事業部部長代理

柿沼佳寿子
新役職:宣伝部書籍宣伝課課長(PR担当)
旧役職:広報部広報課課長

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4)【深夜の誌人語録】

「具体」にこだわれ。「具体」を「抽象」にすり替えて、わかったような顔をするな。