【文徒】2016年(平成28)9月27日(第4巻180号・通巻867号)

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1)【記事】「Abema TV」でたった一日で削除された桜井誠チャンネルにユニリーバのCMが流れる
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.9.27.Shuppanjin

1)【記事】「Abema TV」でたった一日で削除された桜井誠チャンネルにユニリーバのCMが流れる

ユニリーバ・ジャパンは9月23日付で「インターネット動画サイト番組へのスポンサーについて」なる文章を発表した。
「9月21日(水)にインターネット動画サイト「Abema TV」で放映された番組において弊社ブランドの広告が流れたことに関して、Twitter等に書き込みをいただきました。
弊社では、「Abema TV」と直接の広告取引はありません。しかしながら動画広告ネットワークからの配信の可能性があり事実関係を確認中です。
今後は、当該番組を含め、政治団体・グループを支援しているとみられる番組での広告出稿は止めるよう、本日、広告代理店を通じて動画広告ネットワークへ要請しました」
https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2016/advertisement-Internet.html
「Abema TV」はサイバーエージェントテレビ朝日が共同出資するインターネットテレビ局だが、在特会の前会長にして、政治団体日本第一党」党首である桜井誠 が公式番組チャンネルを開設した際にその番組内でユニリーバ・ジャパンのCMが流れたのである。ヘイトスピーチを売り物にしている桜井のチャンネルということもあって、放送前からSNSで批判が巻き起こっていた。そのせいかどうか、現在では桜井のチャンネルは9月21日の初回放送から1日で 削除されているのだが、その初回放送においてユニリーバ・ジャパンのCMが何度も流れたというわけである。
http://www.j-cast.com/2016/09/23278853.html
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/25/unilever-japan-sakurai_n_12178760.html
http://netgeek.biz/archives/83551
http://matome.naver.jp/odai/2147444567871193401
動画広告ネットワークから配信されるネット広告の怖さとは、こういうところにある。オーディエンスからすれば、「Abema TV」もまた従来のテレビと同様にユニリーバ・ジャパンがヘイトスピーチの常習犯の番組と知ってスポンサーになっているものと勘違いしてしまうのである。実際、ユニリーバ・ジャパンに多数の抗議の声が寄せられたからこそ、ユニリーバ・ジャパンは冒頭のような釈明の文章を出さざるを得なかったのである。
法政大学社会学部メディア社会学科准教授の藤代裕之 は自らのブログ「ガ島通信」に「ネットメディアで問題が相次ぐのは『ネットだから』で許される時代が終わったということ」を発表しているが、そこで次のように書いている。
「デジタル広告は、特定の媒体や番組、時間に広告を掲載することが出来るマスメディアと異なり、ネットのさまざまなサイトに、さまざまな条件で広告を配信することが出来ますし、効果も測定できますが、配信先を確認するのは難しいのです。そこで問題が起きれば、こちらも『事後対応』してきたわけです。
『事前考査なんて出来ません。マスメディアとは違う』『事後に対応すればいいじゃないですか』そんなことを言うデジタル広告会社やネットメディアの関係者にも多く会ってきましたが、ユニリーバが直面したように、広告主のブランドイメージとは程遠いサイトや番組に広告が出てしまうと後の祭り。広告会社やネットワーク運営企業に『社会的な常識』があれば出さなくてもよかったリリースを出すことになってしまうのです」
http://blogos.com/article/191635/
藤代が指摘しているように「プラットフォームだから」「ネットだから」という言い訳を捨て、「メディア」として信頼を高めていかなければならないということである。
香山リカが次のようにツイートしている。
桜井誠の番組、AmebaTVはただ中止して幕引きではなく、既存のテレビ局に準じて、きちんとした『①おわび』、どういう経緯でこんな番組が企画され許可降りたのかの『②検証』、今後二度とこんなことがないようにするための『③対策』の三つをお願いしたい。大がかりな放送事業なのだから 」
https://twitter.com/rkayama/status/778952118484938752
これは金子勝のツイート。
「バックがテレ朝のネットTVに、レイシストのヘイト番組ができ批判で中止された。ついにここまできたか…」
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/779164255304036353

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2)【本日の一行情報】

光文社古典新訳文庫の創刊10周年を記念して売上累計トップ15作品の電子版が半額で配信されている。「純粋理性批判」とか「善悪の彼岸」が堂々トップ15入りしている光景は圧巻である。
小説では「闇の奥」がベスト15に入っている!
http://www.ebookjapan.jp/ebj/special/st/kobuntop15.asp

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、フランスの独立系大手スポーツマーケティング会社「KENEO SAS」(ケネオ社)の株式100%取得で合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016116-0923.pdf

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、米国におけるOOH(屋外・交通広告)ビジネスの強化・拡充のため、現地のOOH専門の広告会社「C2C Media LLC」と制作会社「D1 Ink, Ltd.」(2社を合わせた通称は「C2Cアウトドア社」)の株式100%を取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016117-0923.pdf

東急不動産SCマネジメントは、「東急プラザ銀座」で、小学館とコラボした「今日からはじまる 明日が変わる ギンザで磨く働く女性応援プロジェクト」を始動する。その第1弾イベントとして「Oggi・Domani×しごとなでしこ」のコラボによるスペシャルショー&スタイリング講座“銀座で見る・知る” MEET the Fashionを10月6日(木)に、6階「キリコラウンジ」で開催する。
http://www.goo.gl/XDe0VJ

小学館の「週刊少年サンデー」とサイバードは、「名探偵コナン公式アプリ」において、毛利蘭にコナンの正体がバレてしまいそうになるエピソードを特集した特別キャンペーンを、9月23日(金)から10月14日(金)までの期間限定で実施 している。
http://www.cybird.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/160923final_01.pdf

◎TVアニメ「3月のライオン」の公式カフェが東京・丸の内のマルノウチリーディングスタイル・カフェにて10月9日(日)〜12月30日(金)まで期間限定でオープンする。
http://animeanime.jp/article/2016/09/23/30616.html

◎「BBC Radio 1 」のコンセプトは「音楽ラジオのNetflix」だそうだ。ジェイ・コウガミは 「All Digital Music」に発表した 「『音楽ラジオのNetflix』を目指す英BBC Radio 1、歴史あるラジオ局の新戦略とは?」で次のように書いている。
BBC Radio 1と1Xtraでコントローラーを務めるベン・クーパー(Ben Cooper)はガーディアンの取材で、BBC Radio 1が目指すNetflixモデルの新戦略について語っています。クーパーは、Netflixのようなオンデマンド視聴が可能なコンテンツをラジオに導入し、スマホ特化型のラジオ番組をすでに25時間分制作依頼したことを明らかにしています。
クーパーの語る『スマホ特化型ラジオ番組』戦略では、リスナーはスマホでラジオ番組をストリーミング再生もダウンロード視聴も可能になります。これによって、通勤時間や職場でもBBCを環境に制限なく視聴出来るメリットを生まれる見込みです」
http://jaykogami.com/2016/09/13495.html

◎「渋谷のラジオ」は、レコチョクの提供する共創・体験型プラットフォーム「WIZY」を通じて、【“音楽の街” 渋谷のハロウィンをクリーンに!シブラジから渋谷を愛するみなさんへ】プロジェクトを展開している。
http://www.musicman-net.com/artist/61169.html

TBSラジオ文化放送ニッポン放送がタッグを組んで「パックインミュージック×セイ!ヤング×オールナイトニッポン オトナフェス 深夜放送まつり」が幕張メッセ・イベントホールで9月22日に開催された。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000214.000003392.html
雑誌も見習いたいところだ。

◎pixivとKADOKWAコミックエッセイ編集部とがコラボしたWEBコミック誌「ピクシブエッセイ」から、初の単行本3タイトルが刊行された。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002690.000007006.html

◎「角川文庫ミステリフェア」と映画「インフェルノ」がコラボして「映画『インフェルノ』公開記念 謎解きキャンペーン」を書店と映画館で展開している。 書店や映画館などにちりばめられた謎を解いてWEBサイトから応募すると賞品が当たる 。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002685.000007006.html

◎日販は、9月23日(金)〜10月2日(日)、東京・浅草の隅田川テラスで開催される「RIVERSIDE&TOKYO」に、移動式本屋「BOOK ROUTE」を出店している。
http://www.nippan.co.jp/news/bookroute_riversidetokyo/

双葉社が刊行した「Animoe」は恋する乙女のためのアニメムック である。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000014531.html

ジークレストアバターゲームアプリ「ポケットランド」は、白泉社が発行する女性向け漫画雑誌「LaLa」の創刊40周年を記念し、「桜蘭高校ホスト部」「会長はメイド様!」「夏目友人帳」の限定コラボアバターアイテム を無料で提供するコラボイベントを展開している。
https://www.gcrest.com/news/3542

新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」は9月22日までの28日間で、観客動員770万人、興行収入100億円を突破した。関連出版物も売れに売れている。KADOKAWAは笑いが止まらないことだろう。
http://news.mynavi.jp/news/2016/09/23/497/

◎日本雑誌広告賞が発表された。経済産業大臣賞はマツダ、総合賞は資生堂、広告賞運営委員会特別賞はトヨタマーケティングジャパン。
http://dentsu-ho.com/articles/4487

◎9月24日に発売 の小学館のマンガ誌「サンデーS(スーパー)」11月号は、完売した10月号と同じく「対峙する赤井と安室シール」 と青山剛昌描き下ろしイラストを使用したミニ複製原画応募者全員サービスへの応募券がついている。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1609/24/news027.html

◎女子の間で藤緒あいの「もしくはルーズソックス」(祥伝社)の評判が良いようである。
http://ddnavi.com/news/324161/a/

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3)【深夜の誌人語録】

一日を二十四時間以上にしようと思ったならば、人の倍以上働くことである。