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1)【記事】講談社がライツ・メディアビジネス事業に関する春の説明会を開催
2)【本日の一行情報】
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- 2017.4.25 Shuppanjin
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1)【記事】講談社がライツ・メディアビジネス事業に関する春の説明会を開催(岩本太郎)
講談社のライツ・メディアビジネス事業における2017年春の企画説明会が、昨24日午後2時より同社本館6階の講堂で開催された。
冒頭、挨拶に立った古川公平取締役は「2016年度の当社決算においてデジタル広告は対前年比で183%と大きく伸長しました。ライツと連携した広告企画としては『東京タラレバ娘』のドラマ化に合わせて多くのクライアント様から媒体に対してバラエティに富んだご出稿をいただいたほか、ライツ部門の映像化の話題作では現在『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のハリウッド実写版が全世界で公開中。GWには木村拓哉さん主演の映画『無限の住人』が公開されます」と全体概況を報告。
続いて説明に立った第二事業局の鈴木伸育局長からは、まず1月初めに公表された、デジタルガレージとの共同による「コンピレーションメディア」(ポスト・キュレーションメディア)開発事業の、その後の進捗状況についての説明があった。合弁会社のDKMediaによる運営の下、来たる6月にローンチされる女性向けの新たなウェブメディアの名称は『HOLICS』。約1年前から研究開発が進められてきたものだが、図らずも昨年後半以来“フェイクニュース”騒動などが持ち上がる世相にあって注目を集めていた企画で、名称は“偏愛”の意味だという。
「普通のネタであっても『何故それが好きか』を熱く語る姿や内容はそれだけでも人の心を揺さぶるエンターテイメントだと考えています」というのが鈴木局長による由来の説明だ。紙媒体以来の編集者たちが持っていた、自分が面白いと思ったコンテンツに対する熱情になぞらえたネーミングでもあるようだ。
正面スクリーンでは、1月の企画発表の際にも公表された「コンピレーションメディアの全体像」のチャート図(以下の記事でも紹介されている)が映し出され、講談社の全女性誌の協力のもとに運営されることや、権利処理にAIによる自動処理技術が活用されること、編集長は関万里子・前『with』編集長がDKMediaに出向のうえ着任する予定であることなどが報告された。ちなみに、広告商品については「少なくとも年内に関しては発表する予定はありません。我々としては年内はメディアとしての成長を見守りたい」(鈴木局長)とのことだった。
http://markezine.jp/article/detail/25964
続いて第二事業広告部の佐藤栄部長より女性向けメディアの企画についての説明が行われた。来年で創刊20周年を迎える『VoCE』は雑誌発行部数、ウェブのPV数ともに目下右肩上がりで、広告面でも好調。特にSNSでの反響は高く、TwitterフォロワーとYouTubeのチャンネル登録者数では目下競合する美容情報誌の中では第1位。『with』も現在発売中の5月号が本誌・増刊ともに完売するなど好調で、今期はセミナーなどの「プレミアムフライデーイベント」をウェブとも連動した広告企画として販売を予定。
来年で創刊35周年の『ViVi』もSNSのフォロワー数の伸びがエンゲージメント力の増大にも如実に表れており、恒例の「ViViナイト」、および生中継「ViViライブ」(AbemaTV)など、イベントとネットを組み合わせた展開がますます拡大中。『FRaU』も来年で創刊25周年となるが、この5月1日には子育てをテーマに、ウェブサイトと電子雑誌による新メディア『BABY!』を、コミック誌の『モーニング』との連動プロジェクトとして創刊するという企画が発表された。
男性向けメディアを担当する第一事業局からは、第一事業広告部長の長崎亘宏部長が説明に立った。『現代ビジネス』は昨年8月31日に行ったリニューアルの結果、PV数は減った一方でUU数は増加。これは「織り込み済み」の結果だったそうで「むしろユーザビリティを向上させることなどにより、他のニュースメディアに対する差別化を図っていきたい」との姿勢を強調していた。
また、ウェブメディアのみに一本化されて約1年を経た『クーリエ・ジャポン』は有料会員が約8300人、SNSのフォロワーは約26万人に到達。
こうした手応えをもとに今年度は同社のウェブメディア全体にかかる新たな施策として、米国の「スプリンクラー(Sprinklr)」という統合ソーシャルマネージメントプラットフォームとも提携のうえ、広告効果測定の機能を強化していくことが発表された。
https://www.sprinklr.com/ja/
最後は、それまで司会進行を担当していたライツ・メディアビジネス局の伊東剛局次長(メディアビジネス部部長)がプレゼン。同社のコンテンツに関する新たな情報サイト「C-STATION」が、この日より仮オープンしたことが報告された。「コンテンツ・マーケティングに関するクライアントのみなさまのお悩みを解決するためのサイトとして、1年5か月の構想期間を経て立ち上げました。これにより新規案件の開発強化、即ち提案本数の拡大を最大の狙いとしています」とのこと。マンガコンテンツの動画活用の方法などがサイト上でビジュアルに確認できるなどの機能が説明された
http://c.kodansha.net/
このように内容的に盛り沢山だったライツ・メディアビジネス説明会だったが、どうしても解せないことが私にはあった。冒頭のコンピレーションメディアに関する説明と、最後に告知された第39回「読者が選ぶ・講談社広告賞」および第1回「講談社デジタル広告大賞」の感謝の会(7月26日開催予定)についての説明が「この場限りとさせていただきます」と、主催者側から報道にストップが掛けられたのは一体どうしたことか?
前者は「上場企業であるデジタルガレージとの共同事業であるため」、後者は「情報が6月解禁」というのが理由とされたが、そうであれば何もこの場で発表する必要はあるまい。これだけ沢山の広告代理店に情報を解禁しておきながら、報道に対しては情報を公開しないとは、どういう意図からのことなのか。広告代理店関係者に情報を解禁してしまえば、その情報は広告代理店を介してクライアントたる企業に伝播するだろう。「報道」のみが疎外されてしまうということになるのだ。
こうした情報発信の仕方は「人事」などの発表に際してもなくはなかったが、こうした積み重ねが、ゆくゆくは講談社の広報機能を阻害させてしまい、ひいては会社に重大なる危機を及ぼすことになりかねないということを古川公平取締役や鈴木伸育第二事業局長は理解すべきではないだろうか?
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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)
◎昨日も紹介した新SNS「マストドン(Mastodon)」で、日本向けインスタンス(サーバ)の「mstdn.jp」を立ち上げた22歳の大学院生「ぬるかる(@nullkal)」に『ITMediaNEWS』が直撃インタビュー。筑波大学を今春卒業し、現在は同大学院(図書館情報メディア研究科)に所属している修士課程1年の男性だそうだ。取材は彼の実家で行われ、両親も同席のうえ時おり話に加わる中、先週末にネット上で一躍時の人となって以降のエピソードや、急遽ドワンゴに入社が決まるまでの経緯などについて語っている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/24/news045.html
◎「ジャンプ+」に掲載された、漫画家の矢吹健太朗のデザインによる『少年ジャンプ』編集部の女子トイレのマークが「セクハラだ」などとネット上で批判を浴びた件で同編集部は23日に謝罪。問題の写真を載せた矢吹のコミックエッセイ「すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!」第3話の掲載を中止すると共に《作品中に配慮に欠ける箇所がありましたことを深くお詫び申し上げます》と公式サイトで表明した。
https://shonenjumpplus.com/article/entry/heppoko_03
http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/23/shounen-jump_n_16188254.html
◎『週刊文春』新谷学編集長が朝日新聞の連載「1強」のインタビューに登場。「報道機関はファクトで武装し戦え」との見出しの下、《朝日も安倍政権を批判するなら、安倍首相がぐうの音も出ないようなスクープを出せばいい》など檄を飛ばしている。
http://www.asahi.com/articles/ASK4G2VZMK4GUTFK001.html
◎その『週刊文春』新谷に対してホリエモンこと堀江貴文が噛みついている。先月『NEWSPICKS』に掲載された新谷への連続インタビューをコメント欄で猛批判。同誌に過去何度か報道されたことへの怨念がこもっているようだ。
https://newspicks.com/news/1433033/
http://biz-journal.jp/gj/2017/04/post_3199.html
◎20日発売の『週刊文春』が掲載した「『クックパッド』は危ない[要注意メニュー一覧]」を受けて、『文春オンライン』編集長の竹田直弘が『Abema TIMES』において「食品というのは人間の生きる死ぬに関わる問題。それをチェックなしにバンバン載せていっていいものか」と映像でも批判。
https://abematimes.com/posts/2284943
◎『週刊新潮』が先月掲載した「トクホの大嘘」を、業界紙の『週刊通販新聞』が批判。「雑誌メディアに詳しいフリーライター」による《昨年、週刊現代が『医者に出されても飲んではいけない薬』という企画をやった。部数が伸びた、というほどではないが右には上がったと。それで続報を打ち続けた》というコメントのほか、同記事で名前の挙がったメーカーの担当者の証言なども織り交ぜながら《巷では「文春砲」が評判だが、「大嘘」を放った新潮砲は、さながら"空砲"ではなかったか》と揶揄している。
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2017/04/post-2827.html
◎映画『海辺の週刊大衆』主演の又吉直樹を『日刊大衆』が映画ロケ現場で取材。「もし週刊大衆で小説を書くならどんなお話を構想されますか?」などとインタビューしている。
https://taishu.jp/detail/27549/
◎『ウォーリーをさがせ!(Where’s Wally?)』が今年6月で出版30周年。記念企画も動き出しているようだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000378.000003436.html
◎NHKの番組『趣味の園芸』は放送開始から今年で50周年。こちらの記念番組は5月7日朝に放送される。
http://www4.nhk.or.jp/syumi-engei/
http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2089614.html
◎アマゾンとよしもとが新人発掘の狙いから共同で行っている「原作開発プロジェクト」が、現在の「小説部門」「ノンフィクション部門」に加えて「マンガ部門」の作品募集も次回から行うそうだ。去る22日に行われた『島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭』での前記2部門の受賞作と共に発表された。ただし日本語作品は審査対象外で、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、ロシア語、スペイン語、フランス語、ベトナム語のマンガが応募資格になるとか。
http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2089579.html
◎なおも新聞の「押し紙」問題はくすぶり続けている。『週刊新潮』が先に販売店主らの証言などをもとに報じたところによれば、店頭に置ける部数の水増し率は《朝日30%読売40%日経20%産経26%毎日74%》なんてところもあるらしい。
https://www.dailyshincho.jp/article/2016/05020400/
ちなみに同記事の中で最近広まっている勧誘方法として紹介されている“バクダン”(お客さんに購読料分の現金を渡し、これで新聞を取ってくれ、というもの)は、何も新しいやり方ではない。30年近く前になるが、私も押しかけ営業にやって来た20歳そこそこと思しき青年に自室のドア前で土下座され、差し出された千円札3枚で読売新聞を確か1カ月だけとった。
◎デジタル化を推し進めた『ニューヨークタイムズ』は、今や全読者の約40%を30代までの若者たちが占めるようになったという。
http://wired.jp/2017/04/21/nyt-and-millennials/
◎神奈川県の大磯・二宮・中井の3町をエリアとして23日に開局したコミュニティFM局「湘南マジックウェイブ」は星槎グループの学校法人国際学園が「企画運営」を担い、スタジオも大磯町の星槎湘南大磯キャンパスに設置。番組制作にも学生や町民ボランティアが参加していくそうだ。
http://fm-smw.jp/
http://www.kanaloco.jp/article/246098
http://www.townnews.co.jp/0606/2017/04/21/379091.html