【文徒】2018年(平成30)5月25日(第6巻95号・通巻1269号)

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1)【記事】日大アメフト事件の炎上はつづく
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】日大アメフト事件の炎上はつづく

やはりSNSの時代を象徴しているというべきだろう。日大のアメフト部殺人タックル事件の被害者の父親である奥野康俊がFacebookで次のように呼びかけている。
「前監督は一切の関与を否定。これでは宮川君が、可哀想でなりません。酷すぎます。
親の立場で我が息子と重ねると宮川君は、加害者ではありますが、指導者2人に対して、体の震えが止まりません。
以下お願いです。
前内田監督が悪質なタックルシーンを試合中見てなかったと会見で述べられました。
試合中のビデオ、動画、写真を撮っていた観客の皆さん、前内田監督が見ているシーン、顔の向きがわかるシーンなんでも結構です。
そのデータを頂きたいのですがよろしくお願いします。
私は、この事件に息子と、アメフト、アメフトを愛する両大学の子どもたちの為、日本のスポーツ界の信頼回復の為全てを捧げる所存です」
https://www.facebook.com/okuno.yasutoshi/posts/1704383802982209
マスメディアがこの投稿に飛びつかないはずはない。例えば毎日新聞は5月24日付で「『日大選手、かわいそう』被害者の父が投稿」を掲載しているし、NHKも「被害者父親『体震え止まらない』」として取り上げている。
https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00e/050/274000c?fm=mnm
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180524/0012166.html
こうしたマスメディアの反応がガソリンの役割を果たし、SNSが炎上する。言葉は悪いかもしれないがマスメディアとソーシャルメディアは共犯関係を切り結んでいるのである。「週刊文春」も内田監督の「音声」を引っ提げて参戦。内田監督が殺人タックルのあった試合後、囲み取材で語った肉声音源を公開している。
「宮川はよくやったと思いますよ」「よく言うよ、関学が一番汚いでしょ」
これが日大=内田の本音なのだろう。
https://twitter.com/shukan_bunshun/status/999185293637922816
昨日もツイッターの炎上現場を検証してみたが、この件はまだまだ炎上するだろうな。日露戦争講和条約=ポーツマス条約に不満な大衆が内務大臣官邸、国民新聞社、交番などを焼き討ちにする事件が起きたが、これに似ている情況がインターネットで怒っているように思えてならない。
こんな投稿までされてしまった、井上奨コーチは。
https://twitter.com/univadm/status/999062241654718464
これは鈴木耕のツイート。
「日大アメフト記者会見、司会者のやり方を見ていたら『菅官房長官の会見』とよく似ていることを発見。同じ質問をするな、さっき答えたからもう答えない等々…。みんな安倍政権のやり方を真似している」
https://twitter.com/kou_1970/status/999482329830604800
ちなみに危機管理学部が存在するのは日大と加計学園だけである。加計学園千葉科学大学倉敷芸術科学大学危機管理学部が存在する。それでも私は焼打ちに加担するつもりはない。
今晩の私は気分転換に「日大全共闘1968叛乱のクロニクル」(白順社)を読みながら寝ることとしよう。著者は日大芸闘委の委員長だった眞武善行。
https://honto.jp/netstore/pd-book_29043709.html

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2)【本日の一行情報】

◎世田谷区の88歳の主婦は「おしゃれが上達する大人服」(主婦の友社)の読者モデルに応募。見事、採用され、ページを飾った。中日新聞が「<わたしの転機> 80代で読者モデルに応募、ファッション書籍を飾る」を掲載している。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2018052302000003.html

◎米カルチャー誌「インタビュー マガジン」(Interview Magazine)が休刊。アンディ・ウォーホルが創刊したことで知られる。私が業界誌記者として月刊の小冊子の編集をまかされたとき念頭に置いた雑誌である。
https://www.wwdjapan.com/615400

◎吉山盛綱は大城書店石川店店長である。
「・・・主に沖縄の出版社が自社で出版した本のことを『沖縄県産本』と言っています。沖縄県内のほとんどの書店さんが県産本を扱っており、私たち大城書店も数多く販売させていただいております」
「県産本は私たち沖縄の書店になくてはならない、書店の強みだと私は思います」
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-723640.html

金城学院大学TSUTAYAが展開する「草叢BOOKS」新守山店は、4月1日、本・映画・音楽などの文化的活動を通して地域社会の発展に貢献するために産学連携活動に関する協定を締結した。
http://univ-journal.jp/20545/

◎平和の棚の会は10周年記念イベントとして斎藤美奈子(文芸評論家)×吉村千彰(朝日新聞読書欄編集長)トークセッション「考えることから始めよう 私たちの平和のために!」を6月14日(木)に文化産業信用組合会議室3Fで開催する。
https://twitter.com/commons_books/status/999221965633208320

朝日新聞デジタルは5月22日付で「『幼い責任転嫁』まんだらけ反論 『愛と誠』原画入札」を掲載している。
https://www.asahi.com/articles/ASL5Q6DG2L5QUCVL02G.html

◎「ViVi」(講談社)の読モがAVに出演していたようだ。
http://www.cyzowoman.com/2018/05/post_185359_1.html
昔は、こういう情報を仕入れると即座に入手したものだが、今の私にはその元気がない。

集英社のブランド事業部が運営する「HAPPY PLUS」(ハピプラ)は、同社が発行する9つの女性誌の公式ウェブメディアプラットフォームだが、そのひとつをなす「Marisol ONLINE」が3500万PVを突破した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000011454.html
新たに女性誌が設定すべき問いは書店が減少し、また書店における雑誌売場が縮小するなか、女性誌の販売を書店やコンビニに依存してばかりいることが得策かということである。ファッションがメインのコンテンツなのであれば、その近くで女性誌も売るべきなのである。ユニクロで雑誌を売るという冒険に挑む出版社はないのだろうか。

◎産経は「中日新聞記者を停職処分 元組員への資料漏えい」を5月23日付で掲載し、次のように書いている。
中日新聞社は23日、愛知県警の報道発表資料を元暴力団組員の男に送信したとして、社会部の県警担当だった記者を停職1カ月の懲戒処分とし、平田浩二名古屋本社編集局長と寺本政司同編集局次長兼社会部長をけん責とする処分を公表した」
https://www.sankei.com/affairs/news/180523/afr1805230010-n1.html

篠田麻里子はファッション誌「MORE」7月号で、10年間つとめた専属モデルを卒業する。
https://mdpr.jp/news/detail/1768067

プロ野球巨人は公式スポンサーだった日大の広告を公式ホームページなどから外した。
http://www.topics.or.jp/articles/-/50887

日本テレビは2017年度の視聴率で4年連続の三冠を達成した。驚くべきは広告収入でテレビ朝日は1927億円で、フジテレビの1906億円を上回り、初の民放2位になったことだ。
https://dot.asahi.com/wa/2018052300052.html?page=1
フジテレビはもっとコンテンツの内容を産経化したほうが商売的には良いのではないだろうか。

◎そりゃあ朝日新聞に限らずマスコミ業界にはセクハラは多いだろう。そもそも女性の進出も遅れているからね。女性の進出が遅れている職場ほどセクハラは多くなるのではないか。
http://bunshun.jp/articles/-/7480

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3)【深夜の誌人語録】

失敗したからといって間違いを犯したわけではないということもあるし、成功しても間違いだったということもあるのだ。