【文徒】2019年(平成31)4月10日(第7巻65号・通巻1483号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.4.10 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情

カルチャーエージェント教堂溝の口南口店が4月20日(土)をもって閉店。溝の口教堂にとって「聖地」だったはず。小さい店とはいえ、「聖地」の一角が崩れるわけだ。
https://mizonokuchi-blog.com/bunkyodo-ca/
岡山県岡山市中区のブックランドあきば高島店が5月31日(金)をもって閉店。
「【閉店のお知らせ】
日頃より当店をご利用頂き誠にありがとうございます。
この度、諸般の事情により
2019年5月31日(金)
をもちまして閉店させて頂くこととなりました。
長らくご愛願を賜りましたこと、従業員一同心より感謝申し上げます」
https://twitter.com/bookland_akiba/status/1112369093363929089
宮脇書店総社店やブックランドあきば高島店などに棚を持つ古書五車堂がツイートしている。
「当店が開店以来、ずっとおせわになっているブックランドあきば高島店が5/31で閉店します。感謝をこめて、当店の棚に限り、40~60%OFFの大幅値下げにて販売いたします。棚いっぱい詰めてきましたので、ぜひお越しください! 追加もあるかも~」
https://twitter.com/gosya_nakagawa/status/1115224245364088832
「漫画家、映画を語る。」「マンガの現在地!」「ワルの漫画術」「COMIC IS DEAD」「ロック・コミック」などに編集者として、ライターとして係わって来た島田一志も呟いている。
「ブックランドあきば高島店さんが5月末に閉店するらしい。こちらのお店は素晴らしい情報の発信地だっただけでなく、私が作るマニアックな本を毎回展開して下さりました。昨年一度お店に立ち寄らせていただきましたが、その漫画愛あふれる売り場に感動したばかりでした。岡山の方は開いてるうちにぜひ」
https://twitter.com/kazzshi69/status/1112726624884027392
マンガが充実していたことをうかがわせるツイートがブックランドあきば高島店には多いようである。これもそうだ。
「岡山にある、ブックランドあきば高島店が、あと2ヶ月で閉店となります。
綱島先生との縁で、大変お世話になった本屋さんです。
又、きーちゃんと当方で作った、チーム無責任施工の、飛び出しレイカルを、飾らさせて頂いてます。
この本屋さん限定の特典もあります。
無くなってしまうのが惜しいです」
https://twitter.com/furukawa_tetu2/status/1112697129279971328
ブックファースト コミックランド梅田店が5月6日(月)をもって閉店。
「お客様へのお知らせです。
この度ブックファーストコミックランド梅田店は5月6日(月)をもちまして閉店させて頂くこととなりました。5月6日までは精一杯営業させて頂きます。ご来店お待ちしております」
https://twitter.com/book1st_cl/status/1114155888506335232
「大阪に行くと必ず行っていた『ブックファーストコミックランド梅田店』が閉店」
https://twitter.com/hika_note/status/1114573486909837312
立地は良かったのにあ。
「泉の広場にビビりながらブックファーストコミックランド梅田店さんに行って買い物をして、帰り、ラーメン食べよかな天丼にしよかな、それとも紅茶かなって迷いながら歩くのが幸せだったなあ。閉店までに必ず伺おう」
https://twitter.com/MichiruF/status/1114697649398005761
品揃えも良かった。
「まじかー!昔よく行ったなあ。東の高岡書店に続いて西のブックファーストコミックランド梅田店も閉店か……」
https://twitter.com/twinpeace4912/status/1114515012347809792
開店は2000年4月。
ブックファーストコミックランド梅田店、5/6で閉店…マジか…。というか、2000年4月開店やったんや。90年代からある気がしてた」
https://twitter.com/ameyutaka/status/1113966405995483136
そりゃあ閉店と聞けば驚くよ。オレも驚いたもん。
ブックファーストコミックランド梅田店閉店だって!?!???!??!なんで!!!!これからどうしたらいいのー!?!?!?あんなに隠れ家的オタクの聖地がー!?!!?!嘘でしょ…………32番街の紀伊国屋だって奪われたんだよ???嘘でしょ……………」
https://twitter.com/ktyhm/status/1112759418796441605
蔦屋書店上野店が5月6日(月・祝)をもって閉店。
「上野のTSUTAYA閉店しちゃうんだって 悲しい。
遅い時間までやってる本屋さん貴重なのに…」
https://twitter.com/sinon_tia/status/1113055859200778242
閉店するのはTSUTAYAブランドばかりではなく、蔦屋書店ブランドも閉店する。
「酔い覚ましに散歩していたら蔦屋書店上野店が5/6閉店する看板を発見してテンションが下がった。この近くで仕事していた頃に帰り道本を買って帰っていたね。これも時代の趨勢なのかもね」
https://twitter.com/catstewam/status/1114782835494096896
八重洲ブックセンター社長も一言呟く。
「★出店時は大騒ぎだったのよ……」
https://twitter.com/yaesuyama/status/1113216744309420032
教堂書店 経堂店が5月11日(土)をもって閉店。八重洲ブックセンター長のタイムラインをチェックしていて知った。
https://twitter.com/yaesuyama/status/1113581975292469254
「経堂駅前のピーコック地下の教堂が5月11日(土)をもって閉店(ゲオも)。
駅の南側に教堂、北側に三省堂がある貴重な街だったのに」
https://twitter.com/fromsetagaya/status/1113333859402211328
三省堂書店名古屋髙島屋店が5月31日(金)をもって閉店。「三省堂書店名古屋髙島屋店 閉店と名古屋本店への統合のお知らせ」は次のように書いている。
「今から45年前の1974年に、三省堂書店名古屋駅前地下街・テルミナに出店致しました。
その後2000年にジェイアール名古屋タカシマヤの開店と同時に出店し、今日に至りました。
この度名古屋髙島屋店は、2017年4月にオープンした隣接のタカシマヤ ゲートタワーモール8Fの名古屋本店に統合するため、5月31日をもちまして閉店させていただきます。
永年この名古屋駅で大勢のお客様に賜りましたご愛顧に対し、先ずは心から感謝を申し上げます。
6月1日より、タカシマヤ ゲートタワーモール8Fの東海地区最大級となる名古屋本店にて、より充実した商品と店内での化催事イベントにより、新しい知識と出会い、喜びを感じていただけるよう、従業員一同努力して参ります。
今までご支援くださったお客様に、更にこれからの未来を担うお子様方にも、ずっと愛していただける書店を目指して参りますので、末永くお引き立ての程よろしくお願い申し上げます」
https://www.books-sanseido.co.jp/news/657259#RMt86pC.twitter_tweet_ninja_l
共立出版サブアカウント「アリがと蟻」は反応する。
三省堂書店名古屋髙島屋店は、隣接するタカシマヤ ゲートタワーモール8階の名古屋本店に統合しますので、5月末で閉店ですね。承知しました」
https://twitter.com/1738310/status/1113578235403460608
豊川堂プリオ豊川店(愛知県豊川市)が4月20日(土)をもって閉店。
「平素は、豊川堂プリオ豊川店にご愛顧頂きまして、誠にありがとうございます。
大変勝手ではございますが、豊川堂プリオ豊川店は、2019年4月20日(土)をもって閉店させて頂くこととなりました。2010年10月の開店から多くのお客様にご支援頂いたこと、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
今後は、千歳通りアイレクステラスクラシック内にある、『nido by Honey Bee Project』にて、これからの書店像を見据えた店舗を構築して、本のある豊かな暮らし、流行に流されすぎない丁寧な暮らしをコンセプトに、新たな書店のかたちを展開していきたいと考えています。屋号は違いますが、本、雑貨、カフェが併設された豊川堂の直営店舗となっております。お客様にワクワクして頂けるように、店舗スタッフ一同お待ちしておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます」
http://housendou.syoten-web.com/shops/
香川県観音寺市宮脇書店 観音寺駅前店が5月6日(月・祝)をもって閉店。
「平成から令和へ。
長い間ありがとうございました。
宮脇書店観音寺駅前店
令和元年5月6日閉店へ」
https://twitter.com/2011momiji/status/1114775721434476544
宮脇書店観音寺駅前店の閉店の話、私は今日うどん攻略本を買った時に知ったんですよね。<RT
多分もう行けないと思うけど、最初で最後の訪問ができてよかった
ありがとう、ありがとう」
https://twitter.com/k_mashi_ro/status/1114885388785442818
「えっ、宮脇書店観音寺駅前店無くなるの…
わすゆ公開前のコンテンツが冷えてた時期に
アキバや神保町の本屋回っても無いゆゆゆのムック
日本の在庫すべてここにあるんじゃ…って感じだったのに」
https://twitter.com/bordanslipper/status/1114865289399693313

------------------------------------------------------

2)【本日の一行情報】

本屋大賞瀬尾まいこの「そして、バトンは渡された」(藝春秋)に決まった。
2位「ひと」小野寺 史宜/祥伝社
3位「ベルリンは晴れているか」深緑 野分/筑摩書房
4位「熱帯」森見 登美彦/藝春秋
5位「ある男」平野 啓一郎/藝春秋
6位「さざなみのよる」木皿 泉/河出書房新社
7位「愛なき世界」三浦 しをん/中央公論新社
8位「ひとつむぎの手」知念 実希人/新潮社
9位「火のないところに煙は」芦沢 央/新潮社
10位「フーガはユーガ」伊坂 幸太郎/実業之日本社
https://twitter.com/hontai/status/1115570211850047489
https://twitter.com/hontai/status/1115570310953050113
小野寺史宜は要チェックだな。

◎スイーツったって食べられるわけじゃいけれど、カワイイと人気らしい。「あやぺこ」こと舞台女優の宇仁菅綾が主婦の友社から刊行した「あやぺこの粘土で作るプチかわスイーツ」が発売初日に並み居るベストセラーを押しのけAmazon.co.jp本総合ランキング13位を獲得したそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000903.000002372.html

集英社講談社は、「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年マガジン」の連載などの作品、約150タイトルを無料で読むことができるWEBサイト「少年ジャンマガ学園」を4月8日(月)から6月10日(月)の期間限定で公開する。「週刊少年ジャンプ」が競合誌とタッグを組むのは初めてのこと。「週刊少年マガジン」は「週刊少年サンデーとタッグを組んだことがある。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000043688.html

◎エンターモーションは、電通との業務提携を通し、エンターモーションが展開する小売流通・外食企業向けの店舗集客を実現するアプリCRMプラットフォームサービス「Insight Core」(インサイトコア)を活用した各種ソリューションの提供を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000014010.html

◎日販は、2018年4月~2019年3月に図書館選書センターに来場した約1,300館の図書館関係者が選書した図書と、その出版社のランキングを発表した。セット部門では、「政治のしくみを知るための 日本の府省 しごと事典」(岩崎書店)が第1位だ。小学校の単品部門では、「鳥獣戯画を読みとく」(岩崎書店)が第1位。中学校単品部門では「わけがわかる中学社会」(学研プラス)が第1位。このシリーズは3位にもランクインしている。特筆すべきは「プロに教わる1秒で心をつかむPOPのつくり方」(パイインターナショナル)が第2位に入っていることだ。
https://www.nippan.co.jp/news/sensho-center-ranking2018/

◎ドライバー専門求人サイトの「ドラEVER」は、深刻なドライバー不足解消と物流業界のイメージ向上を目的に、4月より全国テレビCMの放映を開始する。
https://response.jp/article/2019/04/08/321101.html

スターバックス コーヒーとLINEは、デジタル領域におけるイノベーションの加速化を目的に包括的な業務提携を締結した。
https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2019-2834.php
「BUSINESS INSIDER JAPAN」が掲載した「スターバックスとLINEの提携サービスがスタート ── コーヒーとメッセンジャーの王者が手を組む理由」は次のように書いている。
「では、LINE側の狙いは何か。大きく分けると『キャッシュレス事業の促進』『LINEプラットフォーム活用のモデルケースの確立』にある」
https://www.businessinsider.jp/post-188753

◎「BuzzFeedNews」の「『ネットリンチで広告費を稼いでいる』netgeekへの裁判がついに始まる」は書いている。
「事実を曲げて人を罵倒する記事によって名誉を毀損されたなどとして、ブロガーや大学教授、会社員ら5人が4月8日、インターネットメディア『netgeek』運営者を東京地裁に提訴した。それぞれ330万円の損害賠償を求めている」
https://www.buzzfeed.com/jp/daisukefuruta/netgeek-trial01?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter

◎北海道地区において日販と共同配送を開始したセコマは、コンビニエンスストア「セイコーマート」において、スマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」の導入を開始した。その先の展開はあるのだろうか。
https://www.ryutsuu.biz/it/l040819.html

◎産経ニュースは4月8日付「『令(うるわ)しく平和』新元号案者とされる中西氏が出版社にコメント 18日増刷分出荷へ」で次のように書いている。
万葉集を出典とする新元号『令和(れいわ)』の考案者として浮上している国際日本化研究センター名誉教授の中西進氏が、政府による1日の新元号発表後、自身の著書を出す筑摩書房東京)に対し、万葉集は『令(うるわ)しく平和に生きる日本人の原点です』とのコメントを送っていた」
https://www.sankei.com/life/news/190408/lif1904080024-n1.html
筑摩書房が令和特需に乗るべく、中西の「万葉の秀歌』(ちくま学庫)の重版をするに際して中西から送られて来たメッセージなのだそうだ。中西は日本ペンクラブ編「憲法についていま私が考えること」(KADOKAWA)に寄稿している一人である。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321801000017/
中西は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」の賛同者の一人としても名前を連ねている。
http://sogakari.com/wp-content/uploads/2015/09/%E7%B7%8F%E3%81%8C%E3%81%8B%E3%82%8A%E8%B3%9B%E5%90%8C%E8%80%85%E4%B8%80%E8%A6%A7.pdf

福島県田村市の石川屋は絵本に特化している。石川屋は江戸末期創業の老舗商店であり、現在では医薬品を扱うと同時に高さ5メートルの棚に絵本をズラリと並べる専門書店で、品揃えは1000冊以上だ。河北新報のインタビューに応え、店主の石井修一は次のように語っている。
「本販売は祖父の代に始まり、20年前に私が継いだ時も普通の『まちの本屋』でした。2008年ごろに絵本に特化しました」
「最大の理由は深刻な活字離れ。読書の入り口である絵本から楽しさを見つけ、家族との会話につながれば、活字への抵抗感がなくなると思いました」
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190408_63035.html

◎4月8日、テレビ東京で午後9時より放送された「池上彰の現代史を歩く」が取り上げたのはリクルート事件であった。それだけならば驚かないが、当事者のひとりであり、この30年間、沈黙を守って来た間宮舜二郎がなんと出演しているではないか。常務取締役までつとめた間宮はリクルート事件の総てを知るキイパーソンであることは間違いあるまい。
https://www.tv-tokyo.co.jp/ikegamiakira/
最近では危機管理の専門家として知られるリスク・ヘッジの代表取締役社長である田中辰巳もかつて間宮の有能な部下であった。当時、株を趣味にしていたことも二人の共通項である。間宮は猟銃を趣味にしていたが、田中もクレー射撃をたしなむと聞いたことがある。昨年、藝春秋を退任した木俣正剛も現在、リスク・ヘッジの顧問であったかと思う。
私はリクルート事件以前から、間宮とは交流があった。実は間宮も中央大学のOBであった。間宮は確か所沢白門会の副会長をつとめていたはずだ。また間宮は若き日には現代詩人としても詩壇からも注目されていた。「現代の快楽」という詩集も刊行していたはずだ。「現代詩手帖」の目次には、はっきりと間宮の名前が刻印されている。
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/29603392.html
その後、詩を捨てることになる間宮だが、私たちとともに俳句を始めることになる。東京アドエージ社長の赤石憲彦が趣味と実益を兼ねて「俳句未来」なる同人誌を創刊すると、同人として加わるのである。むろん、私も同人であったが、講談社の鈴木富夫や日刊現代の浦上脩二、浦上が亡くなると小学館の坂本隆も同人に加わる。この「俳句未来」は赤石の死後、鈴木富夫に引き継がれ、現在、「俳句欅」として刊行をつづけているが、「俳句欅」に間宮は加わっていない

------------------------------------------------------

3)【深夜の誌人語録】

いたるところに権力は偏在し、いたるところで権力は暴走する。