【文徒】2018年(平成30)8月8日(第6巻147号・通巻1321号)
Index------------------------------------------------------
1)【記事】BOOKS昭和堂(津田沼)閉店の衝撃
2)【記事】最近書店閉店事情
3)【記事】敗戦日を迎える前に・・・私の愛した書店たち
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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- 2018.8.8 Shuppanjin
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もともと津田沼は書店の激戦区であった。丸善があり、くまざわ書店があり、今やくまざわ書店系列のACADEMIAは、もともとは芳林堂であった。そうそう未来屋書店もあるでよ!そうしたなかにあってBOOKS昭和堂は異彩を放っていた。他の競合店は都内に本店を持っていたが、BOOKS昭和堂は、ここ津田沼の駅前ビルに一店舗あるのみの地場の書店であった。しかも、BOOKS昭和堂を傘下に持つ大和商事OKグループは船橋市にパチンコホールの第1号店をオープンすることで歴史を刻み始めた企業なのである。
https://www.daiwashoji.co.jp/company-info/
BOOKS昭和堂の名を一躍郄らしめたのは、手書きPOPの巧みさによってであった。今や手書きPOPなど珍しくも何ともなくなってしまったが、BOOKS昭和堂は手書きPOPによって、それまで埋もれていた作品を掘り起こし時代の波に乗せ、全国区のベストセラーに育てていったものである。
今や伝説と言って良いと思うが、テリー・ケイの新潮文庫「白い犬のワルツ」がそうだった。BOOKS昭和堂を起点にして売れまくった一冊である。BOOKS昭和堂は海外文芸に強かったのである。津田沼に集う若者はBOOKS昭和堂で「ライ麦畑でつかまえて」を買うのが正しい通過儀礼であると私などは思いこんでいたほど、その品揃えを評価していたことがある。閉店も午後11時であったことから、仕事帰りにも立ち寄れる書店であった。
そんなBOOKS昭和堂が9月15日(日)閉店することになってしまった。版元の大泉書店のツイート。
「BOOKS昭和堂閉店…
またも大変お世話になっている書店が…
つい先週営業で訪問させていただきお話したばかりなのに…
言えなかったんだろうなぁ…
皆さん最後の09/15まで通い続けてくださいね…」
https://twitter.com/oizumishoten/status/1026330869051445249
ツイッターには閉店を惜しむ呟きが溢れている。
「津田沼駅の駅前本屋さん『BOOKS 昭和堂』が閉店します。営業時間も長く、下のカフェとのコラボや可愛らしい本紹介など今までかなりの人達が日常的に利用してきた本屋さんです。近所の本屋も閉店が続いています。残念」
https://twitter.com/HazamaUS/status/1026069710314467328
「津田沼の本屋さん『昭和堂』がとうとう閉店(T_T)
本が売れない時代だけれど、残念だな〜」
https://twitter.com/toranomo/status/1024999714511413249
「津田沼の昭和堂閉店のお知らせ…。ショック。友達のいなかった暗黒の高校時代、学校帰りに毎日寄って立ち読みするのが唯一の癒しで、参考書も雑誌も小説も漫画もここで買ってた。数年前に引越してからはあまり行けてないけど淋しい。閉まってしまう前にもう一度行ってたくさん買おう」
「昭和堂の何がいいって、店員さんが皆きびきびしていて、かつブックカバーをとても丁寧にかけてくれる。そして、そのブックカバーの紙がしっかりしているのもいい。
分かりやすい配置もいい。
ホントに好きな本屋さんなんだよー(涙)」
https://twitter.com/ayatanako/status/1026315832182206470
https://twitter.com/ayatanako/status/1026316620728217600
「昔住んでた津田沼の書店「昭和堂」からメール来てたからなにかと思ったら閉店のお知らせだった。
立地的には結構良いと思うんだけど、中小規模の書店は厳しいか」
https://twitter.com/_moto/status/1026313200239693824
「え、待って。ショック過ぎるんですけど!!昭和堂、閉店って…
しかも9/15って!急!!遅くまでやってるし、めっちゃ利用してたのに…
先週末は行かなかったからわかんなかったけど…メールきた…」
https://twitter.com/kuromisa201/status/1026281831371423744
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2)【記事】最近書店閉店事情
ブックファースト高田馬場店が8月24日(金)をもって閉店。
「ブックファースト高田馬場店は2018年8月24日(金)をもちまして閉店させていただきます。
1999年5月の開業以来、多くの皆様よりご愛顧いただき、誠にありがとうございました」
http://www.book1st.net/img/topic/images/takadanobaba%20cl.jpg
スカイシアタープロジェクト主宰の四方田直樹のツイート。
「高田馬場で芝居を観た帰りにふと立ち寄ったブックファースト高田馬場店が今月下旬に閉店とか。
同じ日に渋谷駅の埼京線ホームに向かう途中にあるBOOK EXPRESSも下旬に閉めると知ったので(こちらは駅の開発に伴うものかもだけど)ショックありました」
https://twitter.com/MISO_DARE/status/1025975991644999680
「藤村」の職業は編集者。ブックファースト高田馬場店の閉店を知り、次のように呟いている。
「ブックファースト高田馬場店も閉店……。
ここ一年、書店さんの閉店が加速しているように思える」
https://twitter.com/fujimula/status/1023778729267408897
アシーネ福岡店が8月31日(金)をもって閉店。
「【閉店のお知らせ】
未来屋書店アシーネ福岡店は、8月31日をもちまして閉店させて頂きます。
長年のご愛顧をいただき、従業員一同、感謝しております。
また、短い間ではございましたが、フォローしてくださった方々、ありがとうございました。
最後まで、どうぞよろしくお願いいたします」
https://twitter.com/Athine_fukuoka/status/1019793343654420481
リブロ明石店が8月19日(日)をもって閉店。
「リブロ明石店は誠に勝手ながら8月19日(日)をもちまして、営業を終了し、閉店することになりました。
永年のお客様からの温かいご支援、ご愛顧を賜りましたことを、心より御礼申し上げます。
なお、最終営業日まで引き続きご利用のほど、お願い申し上げます」
http://www.libro.jp/blog/libro/blog/post_1.php
https://twitter.com/libro_jp/status/1024646842334638080
「明石ジャーナル」も報じている。
「アスピア明石2階にある本屋さん『LIBRO(リブロ)明石店』が2018年8月19日(日)をもって閉店となるそうです!」
https://akashi-journal.com/openclose/libro-akashi/
約400平方メートルの売り場を誇った北海道帯広市のザ・本屋さん WOW店が8月19日(日)をもって閉店。
「2018年8月19日をもってWOW店を閉店させて頂く事になりました。長きに渡りご愛顧いただきありがとうございました。
元々WOWにてスタートさせたツイッターでしたので、WOWと名前をつけていましたが、このタイミングでアカウント名を変更させて頂きます。今後ともザ本屋さんをよろしくお願いいたします」
https://twitter.com/zahon_obihiro/status/1019644028457848833
こんな声もある。
「ザ・本屋さんWOW店閉店するのか
まぁ、すぐ近くに宮脇のでかいの移転してきちゃったしまぁ微妙な立地だよねあそこ
昔はあそこの本屋すげえお世話になったんだけど…
ザ・本屋さんも気がつけばどんどん規模縮小してるしこれも時代の流れってやつか」
https://twitter.com/yuzu_emon/status/1024822742606999553
十勝毎日新聞は次のように書いている。
「『ザ・本屋さん』(本社帯広、高橋智信社長)は20日、帯広市内のWOW店(西4南29)を8月19日で閉店すると発表した。併設する本社事務所の移転や、他店との競合による売り上げの落ち込みが理由。本社は同月上旬をめどに、西11南1に移転する。店舗はいちまるグループ(帯広)の所有で、閉店後の空きスペース利用は未定」
https://kachimai.jp/article/index.php?no=431879
三省堂書店大垣店が8月31日(金)をもって閉店。
「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
三省堂書店大垣店は、平成30年8月31日をもちまして閉店させて頂きます。
これまでの皆様のご厚情に対し深く感謝申し上げます」
https://twitter.com/ohgaki_sanseido/status/1023411879920594944
アシーネ 宝塚中山店(兵庫)が7月16日(月・祝)をもって閉店。「情報誌ComiPa! コミパ」が「ダイエー宝塚中山店の本屋さんアシーネが閉店してた!」を掲載している。
「7/16に閉店したんですね。知らなかった。
時々行って、たまに文庫とかムックとか買ってたんですが‥‥ううん残念」
http://takarazuka-comipa.blog.jp/2018-07-28-10736122
未来屋書店北谷店が 8月31日(金)をもって閉店。
「【お知らせ】未来屋書店北谷店は2018年8月31日をもちまして閉店いたします。残りの約1ヶ月も北谷店らしく営業して参ります!皆様のご来店お待ちしております!」
https://twitter.com/miraiya_chatan/status/1023120018928619521
「理由あって沖縄からSideM全力応援中北谷店です。当店は8月31日をもちまして閉店致します。当店へお越しくださり一緒に盛り上げて下さった同僚の皆様、本当にありがとうございました!閉店までの期間も全力で応援して参りますので宜しくお願い致します!(今後につきましては決定次第お知らせ致します)」
https://twitter.com/miraiya_chatan/status/1023120478024548352
「ほんと未来屋書店北谷店には感謝しかねぇ...とても良い本屋だった...」
https://twitter.com/Gyakus/status/1023562063837159424
これは声優の仲村宗悟が未来屋書店北谷店の閉店を惜しんでのツイートである。
「ありがとうございます!!m(_ _)m
8月31日に閉店されるという事でとても悲しいですが...いつも応援してくださって元気をもらっていました!
本当にありがとうございます!!」
https://twitter.com/ShugoAbc/status/1023169103463243776
正文館書店藤ヶ丘店(名古屋市)が8月26日(日)をもって閉店。
「お客様へ 日頃はひとかたならぬご愛顧をいただき、深謝いたします。
さて、正文館書店藤ヶ丘店は、昭和53年より40年間にわたり、皆様のご厚情により営業を続けてまいりましたが、諸般の事情により平成30年8月26日(日)をもちまして閉店することになりました。
今日まで皆様からいただきましたご支援とご厚誼に対しまして、心より御礼申し上げます。
尚、正文館本店・知立店・長久手店・緑店は、これまで通り営業をさせていただきます。
今後とも、正文館書店をご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます」
http://www.shobunkanshoten.co.jp/fujigaokaten.php
正文館書店本店は今年の夏もまた。
「名古屋市東区にある正文館書店本店さんに、夏の企画展のポスターとチラシを置いていただきました。正文館書店では、毎年この時期に戦争関連図書の大きなコーナーができます。そのラインナップはいつもすごいです。『原爆の図』丸木美術館の岡村幸宣学芸員の著作もありました。読みたい本ばかりです!」
https://twitter.com/peaceaichi/status/1025734793453957120/photo/1
神戸市元町のJAPAN BOOKS (ジャパンブックス)が8月31日(金)をもって閉店。
http://www.japanbooks.jp/
「JR元町駅西口の書店『ジャパンブックス』が8月31日で閉店とのこと(理由は『JR高架耐震工事による立退き』)
モトコー(元町高架通商店街)が立ち退きは知ってたけど、たしかに本屋も高架下ではあるわな… そうなると同じく高架下の丸玉食堂はどうなるんやろうか…」
https://twitter.com/sowhatdosickie/status/1024671154634539008
「去年くらいまで毎月のように元町に行く用事があって、ジャパンブックスさんにはよく寄せてもらっていました。二階のマンガがとても充実していて、紙でマンガ買ってたときにはとてもお世話になりました。閉店するのはさびしいなぁ」
https://twitter.com/rok/status/1025360966232367104
リブロ春日店が8月27日(月)をもって閉店。
「リブロ春日店は誠に勝手ながら8月27日(月)をもちまして、営業を終了し、閉店することになりました。
永年のお客様からの温かいご支援、ご愛顧を賜りましたことを、心より御礼申し上げます。
なお、最終営業日まで引き続きご利用のほど、お願い申し上げます」
http://www.libro.jp/blog/libro/blog/post_2.php
https://twitter.com/libro_jp/status/1024647132022681600
香川県観音寺市の宮脇書店観音寺国道店が8月31日をもって閉店。
「そっか、閉店するのか。隣のゲーム屋・キャンプも無くなって、寂しくなるね」
https://twitter.com/KAMIUTA1995/status/1011294322124382209
「こちらの宮脇書店観音寺国道店は今月末にて閉店となります。31年の営業の中、いろいろとお世話になりました。『E.G.G.』などの各イベントの告知もしていただいております。
最終日は何かしらまとめ買いに行こうと思います」
https://twitter.com/nisebito_/status/1024776176680628224
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3)【記事】敗戦日を迎える前に・・・私の愛した書店たち
大島渚の「儀式」や吉田喜重の「エロス+虐殺」、あるいは小川伸介の「三里塚 第二砦の人々」よりも「犬神家の一族」を上位に置く、「1970年代日本映画ベストテン」を恥ずかしげもなく発表してしまう日本の映画雑誌の傍若無人ぶりにはただただ呆れかえるしかなかったけれど、まあ、それはさておくにしても、敗戦日に備えて消えた書店ベストテンを私なりに考えてみた。
むろん、裾野を全国に拡げれば、結果は違ったものになろうが、私が利用していた(つまりは愛していた)書店に限ってベストテンを選ぶことにした。
1位「近藤書店」(銀座) ここの2階に行けば人文書の新刊を買うのに困ることはなかった。社会人になってからの私を支えてくれた書店のひとつである。加えて句集や歌集にもスペースを割いてくれていた。浅田彰の「構造と力」は初版で買った。緑色のカバーには「知は力なり」と書かれていた。もともとは北村透谷の「楚囚之詩」の版元であった。
2位「芳林堂池袋本店」 何故か吉本隆明の主宰する雑誌「試行」は必ず、ここで買っていた。羽仁五郎の「都市の論理」を買った書店である。ともかくマルクスの似合う書店であった。
3位「旭屋書店渋谷店」 旭屋書店は銀座店も好きであったが、私は旭屋書店であるのならば、銀座店よりも渋谷店のほうが好きであった。佐藤泰志の「きみの鳥はうたえる」は、ここで買った。
4位「青山ブックセンター六本木店」 元麻布に9年ほど住んでいたことがあり、その頃は毎晩、必ず立ち寄っていた。今も愛用しているゲバラのTシャツは、ここで買った。ゴダールの映画に出て来てもおかしくない雰囲気を持った書店でもあった。
5位「中山書房」 私の地元である下総中山に存在したトーハン帳合の書店。ここの丁寧なカバーに慣れていたため銀座では近藤書店をメインに使うようになった。10代の私は雑誌に夢中になり、中山書房で「映画批評」「海」「現代詩手帖」「ユリイカ」を定期購読していた。
6位「茗渓堂書店」(御茶ノ水) 山の本の品揃えで有名であったが、私はマンガをここでよく買っていた記憶がある。確か真崎守の「共犯幻想」を購入したのは、予備校帰りに茗渓堂書店に立ち寄ったときであったと思う。
7位「文鳥堂書店赤坂店」 赤坂に事務所を置く小さな会社に30年以上にわたって勤務した私だが、私が赤坂で重宝した書店は赤坂見附の駅ビルにあった旭屋書店でもなければ、橋本龍太郎が贔屓にしていた金松堂でもなく、文鳥堂書店であった。人文系の書物に対する目配せが最も効いていたのが文鳥堂書店であった。朝日新聞の書評に掲載された本は最も坪面積の広い旭屋書店に行ってもなく、金松堂でもなく、文鳥堂書店だけに置かれていたという経験は一度や二度ではなかった。カバーに書かれていたのは武者小路実篤の「よく味はふ者の血とならん」という言葉だった。
8位「地方・小出版流通センター書肆アクセス」(神保町) ここでなければ手に入れられなかった歌集や詩集、句集は枚挙にいとまない。夏石番矢の句集「猟常記」をここで手に入れた時の興奮は忘れられない。「キッチン南海」でカツカレーを食いながら圧倒されたのが昨日のことのようである。
9位「冨山房」(神保町) すずらん通りを彩っていた名門書店のひとつである。出版部門も持っており、どうでも良いことかもしれないが、私は冨山房百科文庫に収められた荒正人の「第二の青春・負け犬」は、わざわざ冨山房で買ったものである。
10位「弘栄堂書店吉祥寺店」 大学生の頃、吉祥寺で待ち合わせの場所は弘栄堂書店と決めていた。吉祥寺には他にも書店があったのだが、最も私好みの棚を展開していたのが弘栄堂書店であった。総武線沿線の市川や船橋のシャポーにも出店しており、店の雰囲気に慣れていたということもあるだろう。思潮社の現代詩文庫の一冊として出されていた「清水昶詩集」は、ここで買った。「明後日へと深い林を遊撃する」というフレーズは今も頭に焼きついている。
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4)【本日の一行情報】
◎広告収入が減少傾向にある既存のマスメディアのなかにあってラジオ広告費だけは2年連続で僅かながらでもプラス成長している。ラジオをネット上で同時配信するサービス「radiko」に加え、スマートスピーカーが登場したことだ。「東洋経済オンライン」の「『ラジオ』止まらぬ高齢化、若者呼び戻せるか スマホ・AIスピーカーで変わる音声メディア」は読んでおきたい。
https://toyokeizai.net/articles/-/231901
ラジオはデジタルシフトに成功したのかもしれない。もちろん、スマートスピーカーの誕生を踏まえて、ボイスメディア「Voicy」がリリースされるなど、新たな競合も生まれつつある。そう、音の雑誌だってあり得る。
◎酒井順子の「百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成」(中央公論新社)。産経は次のように褒めている。
「常識がいつ非常識になるか分からない、という不安も感じるが、それでも本書が心地良いのは、著者の筆致が淡々としてときにユーモラスだから。大正生まれの吉行淳之介らがいう『女性は殴られると喜ぶ』説なども『驚くような発言』と柔らかくかわし、右翼、左翼と目される論者どちらの発言も冷静に扱う。『歴史』に向き合うときに必要な謙虚さなのかもしれない」
https://www.sankei.com/life/news/180805/lif1808050024-n1.html
「右翼、左翼と目される論者どちらの発言も冷静に扱う」無色透明感が、まあ私は苦手なんですよ。酒井順子には斎藤美奈子のような「毒」(=破壊力)がないのである。
◎広島、長崎と来て8月15日を迎えることになるのだが、その間、是非、オススメしたいのが根本雅也の「ヒロシマ・パラドクス」(勉誠出版)である。こちらは「破壊力」抜群!非常に論争的な内容でもある。田仲康博による書評が東京新聞に掲載された。
「本書の新しさは、言説や表象を研究する認識論的な視点に加えて、今も<原爆>とともに生きざるを得ない人々のリアリティ、彼らの存在そのものに光をあてる存在論的な視点をあわせ持っていることにある。
<原爆>は現在進行形の暴力装置として人びとの<生>を抑圧する。終章で著者は言い放つ。反原爆とは『人が生きることを否定するものに反対する立場』であると」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2018080502000194.html
http://www.soc.hit-u.ac.jp/research/archives/doctor/?choice=exam&thesisID=317
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=9_26&products_id=100891
◎CCCメディアハウスは野田聖子総務相の「みらいを、つかめ」を刊行する。
https://www.asahi.com/articles/ASL854TR8L85UTFK007.html
http://books.cccmh.co.jp/list/detail/2266/
私は政治家の本はどうも苦手である。もっとも、これは面白いぞ。しかも、ネットでタダで読める。
http://www.ohira.or.jp/cd/book/de/index.html
http://www.ohira.or.jp/cd/book/si/index.html
この文章など鋭過ぎるのよ。
「社会党は、客観情勢の変化に直面しながら、みずからの教条の下にかたくななまでに硬直化し、柔軟性を失っていなかったとはいえないように思う。極端にいうと、教条には誤りはないが、事態の方に誤りがあるとでもいいたいような風情が見られないではなかった。勿論、みずからの信奉する教条をみだりに掲げたり下げたりすることは、政党にとって自殺的である。その意味において本来政党というものは『非寛容』な組織ではある。しかし非寛容は独善であってはいけない。国民あっての政党であるからである」
http://www.ohira.or.jp/cd/book/si/si_44.pdf
安倍は逆立ちしても、こういう文章を書けないだろうが、野田にしても同じようなものなんじゃないのかなあ。
◎鴻上尚史の「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」(講談社現代新書)が「週刊ヤングマガジン」(講談社)で、「不死身の特攻兵 生キトシ生ケル者タチヘ」としてコミカライズされ、6日発売の第36・37合併号で連載をスタートさせた。
https://mainichi.jp/articles/20180805/dyo/00m/200/023000c
恐らく、映像化も視野に入れているのだろう。
◎久しぶりの宮崎学である。祥伝社新書から「山口組と日本 結成103年の通史から近代を読む」が刊行された。これは買いである。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396115449
山口組が美空ひばりや田端義夫が属する神戸芸能社を擁していたことはよく知られているが、実は昨晩、音楽プロデューサーとして浅川マキやりりィ、桑名正博、亀渕友香を育てた寺本幸司の80歳を迎える誕生日パーティが原宿で開かれ出席した。実は、寺本は芸映の出身である。芸映のトップに君臨した青木伸樹とともに伴淳三郎のマネージャーをつとめていたのだ。パーティで寺本の語る芸映時代のハナシは、芸能のまさに「原風景」を切り取っていて圧巻であった。芸映の青木伸樹を主人公に芸能の「原風景」を描くノンフィクションを誰か企画しないものかなあ。
◎又吉直樹が新聞小説に挑戦することになった。9月3日から毎日新聞夕刊で「人間」というタイトルで連載開始となる。
「タイトルは『人間』。東京で漫画家の夢に破れた男が、かつて同世代の仲間たちと過ごした日々を振り返るところから物語がスタートする。太宰治の没後70年の今年、『人間失格』をほうふつとさせる思い切ったタイトルで挑む新境地となりそうだ」
https://mainichi.jp/articles/20180806/k00/00m/040/145000c
◎日販発表の7月の雑誌・書籍・コミック売上動向。雑誌は前年同月比7.1%減、書籍は同8.2%減、コミックは同0.4%減、開発品は同17.0%増。雑誌・書籍・コミック合計売上は前年同月比5.6%減。
https://www.ryutsuu.biz/sales/k080612.html
◎「宝島」(講談社)で圧倒的な才能を満天下に知らしめた真藤順丈はロバート・アルドリッチの「北国の帝王」が好きなのか。映画の趣味が良いんだよね。
https://ddnavi.com/review/467235/a/
アルドリッチはチャップリンやエイブラハム・ポロンスキーの助監督をつとめていたこともあって、赤狩りの標的になった反骨の映画作家である。
◎講談社は豪雨による種々の影響から、7月6日発売の「月刊少年マガジン」8月号を購読できない状況が発生していることを踏まえて「月刊少年マガジン」8月号を8月6日(月)〜31日(金)の期間限定でwebにて無料公開している。
http://www.gmaga.co/news/121.html
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5)【深夜の誌人語録】
功を焦るならば最悪の結果が待っていよう。
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