【文徒】2019年(平成31)4月17日(第7巻70号・通巻1488号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】祝!最近書店開店情報 
2)【記事】講談社の広報が劣化させた「足で聴く姿勢」
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】祝!最近書店開店情報 

紀伊國屋書店 天王寺ミオ店が3月1日(金)にオープンした。天王寺駅隣接のショッピングセンター「天王寺ミオ」本館9階に504.07坪の店舗を構える。そう、ここは旭屋書店MiO店の跡地である。ツイッターで、こんなアピールをしていた。
「出版社の皆様にもフォロー&拡散頂ければ幸いです。そこで… 2019/3/31までに @Kino_TennojiMIO をフォローしていただき #紀伊國屋書店天王寺ミオ店のレジ前 をつけて、当店のお客様にアピールしたい商品をツイート頂いた出版社の方、抽選で1社様に下記写真の場所での商品展開をお約束いたします!
なお、応募に関しては出版社公式アカウントに限らせていただきます。また、当店のお客様にその本をおススメいただく熱い!理由を、A3横サイズのパネルでご提供いただくことが条件となります。展開期間は当選発表後、商品店着~4月末までとさせていただきます。ぜひご応募&拡散をお願いいたします!」
https://twitter.com/Kino_TennojiMIO/status/1107245426753699840
https://twitter.com/Kino_TennojiMIO/status/1107245592957194240
HMVルミネエスト新宿」が長年営業していたルミネエスト新宿6Fから場所をJR新宿駅東口改札/中央東口改札直結ルミネエストB1に変え、音楽、映像ソフトを中心に書籍と融合させた新しい「HMV&BOOKS」の小型店「HMV&BOOKS SPOT SHINJUKU」として3月7日(木)にリニューアルオープンした。店舗面積は約143平方メートル。
https://www.hmv.co.jp/fl/34/170/1/
札幌市豊平に8坪というスペースで「かの書房」は3月18日(月)にオープンした。3月18日にこうツイートしている。
「無事オープンしました。
入荷しているものは少ないですが、店内はこんな感じになりました!」
https://twitter.com/kanosyobo_1216/status/1107472248846204928
ブログ「かの書房がゆく!」には次のように書かれている。
「一般的に本屋さんは、発注をかけておいて、開店の数日前に商品を入荷させて従業員や家族、取次の方々と複数人で荷物を棚に詰めるらしいのですが、かの書房はすべてひとりで行います」
https://kano-syobo.hatenablog.com/entry/2019/02/18/012111
すべてひとりで行うのは「加納あすか」だ。加納は「あすか書房 サッポロファクトリー店」の出身だそうだ。ここで書店員として働き始めたのは4年前の2015年だ。しかし「あすか書房 サッポロファクトリー店」は閉店してしまう。その後、古書の「書肆吉成」や札幌市内の大手書店チェーン店を経て独立を決意する。実は、「かの書房」を別にすれば、現在、札幌市内には個人経営の新刊書店が一軒もないのである。
「かの書房」の特徴は、独自に「推し作家」を定めていることだ。その数は次のような顔ぶれの25名である。
佐々木禎子、太田紫織、萩鵜アキ、葛来奈都、松田詩依、かがちはかおる、七福さゆり、m:m、恵三朗という9人は北海道にゆかりのある作家である。
桜井美奈、佐藤青南、八巻にのは、桜井海、吉谷光平、鷹樹烏介、前川裕、はくり、Fe、志駕晃、内藤了、知念実希人、隙名こと、藍沢羽衣、祢涼、谷瑞恵
https://kano-syobo.hatenablog.com/entry/2019/02/01/231141
しかし、オープン当日には庫・芸書は入荷しなかった。加納は「かの書房がゆく!」で、こう説明している。
「初期在庫(オープン時に店に並べたい作品)を選定し、まとめてデータを取次さんに出したのが2月10日ごろ。
そして、順繰り入荷してくる予定でした。
児童書は割と順調に入荷し、クラウドファンディングで選書していただいたタイトルも比較的スムーズに入荷してきました。
そして一昨日のことです。
庫と芸書、出版社から入荷してないからオープン後に入荷します』と連絡がありました。
ちょっと待って待って、庫と芸書ってウチの看板商品ですけど?!
そんな悲鳴もむなしく、小規模書店、個人商店、試される大地北海道…とにかくいろんな要素が合わさり、後回しにされ、オープン時に目玉商品が入荷しないということになってしまいました」
https://kano-syobo.hatenablog.com/entry/2019/03/14/235941
営業時間は4月から平日が12:00~21:00、土日が土日 11:00~21:00。帳合はe-honを使っているからトーハンなのだろう。
https://kano-syobo.hatenablog.com/about
広島県福山市宮脇書店神辺店が3月15日(金)にオープンした。「フジグラン神辺にオープンする宮脇書店 2月11日に閉店するTSUTAYA跡かな?」というツイートがあったが、その通り。「フジグラン神辺店」の「TSUTAYAが2月11日をもって閉店し、同じ場所に「宮脇書店が出店したということだ。
https://twitter.com/botaiyo/status/1086319130620383232
有隣堂トレヴ三鷹店が3月22日(金)にオープンした。三鷹の駅ビルである。ここも、もともと書店のあった場所だ。教堂であった。空犬太郎が次のようにツイートしていた。
「本日オープンの有隣堂トレヴ三鷹店、これがあったら買おうと気に留めていた新刊庫や雑誌をチェック。いずれも見つかったが、各1だったので、ちょっと購入を迷う。でも、こういう本を買う客がいるんだよ、ということのアピールになれば、くらいの意味で、購入」
https://twitter.com/sorainu1968/status/1109081429936209920
日販のグループ会社であり、TSUTAYAを50店舗以上擁するブラスは、「多田屋稲毛店」を、ファミリーマートとの一体型店舗に改装し、「ファミリーマート 多田屋稲毛店」として3月26日にオープンした。CVSエリア約198平米、書店エリア約297平米、イートインコーナー12席の計495平米というスペースだ。同店舗は、日販の100%子会社で全国のグループ書店を統括するNICリテールズと、ファミリーマートとの包括提携契約に基づく出店として全国で3店舗目の出店となる。オープン直後にこんな評価をされていた。
「最寄りの書店がコンビニとの一体型店舗として昨日リニューアルオープンしたので、帰りに寄ってみた。分かってたけど本の売り場は半減、とりわけ芸書新刊コーナーはほぼ壊滅してた。残念だけど、辛うじて書店として残っただけでも良かったとしなければならないのかも」
https://www.ryutsuu.biz/store/l032215.html
https://twitter.com/wondertaxi/status/1110682969696395264
「Cafune Books」(カフネブックス)は2019年2月に、田園都市線の池尻大橋駅近くにオープンした。扱っているジャンルは、生き方/働き方/家族/ライティング/翻訳など、店主の池野花が読んで面白かった本、これから読みたい本を揃えている。池野花は日本生まれ日本育ちの日韓ハーフ(父:韓国 母:日本)で、本職はフリーライターだそうだ。「CafuneBooks(カフネブックス)」はライター業のかたわら週3日営業しているという。こうした自由な発想の「副業書店」は今後増えるのではないだろうか。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=542
福井県池田町の「本屋 とにもかくにも。」もユニークだ。書店のなかった福井県池田町に移住した柴田智加が開業したのは出張型の本屋カフェである。取り扱うのは古書が中心だが、町内のコーヒー店内や週末マルシェに出店している。新刊書を扱う出張型の本屋カフェを誰かオープンしないだろうか。書店のない街は増えるだろうから、ニーズはあると思う。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/831661
日本橋小伝馬町の8坪4階建てのタイニービルに、おむすび屋や本屋がつまった「東京を楽しむ」新拠点「ANDON」がオープンした。1階の昼は「おむすびスタンド」、夜は「秋田の日本酒の立ち飲み」をメインに、2階の本屋、3階のイベントスペースという構成だそうだ。
https://andon.shop/
兼業書店や副業書店という言い方では説明のできない「極私的書店」が全国で生まれつつある。

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2)【記事】講談社の広報が劣化させた「足で聴く姿勢」

講談社の広報は明らかに劣化している。そうでないなら、例えば、電話一本で正式な「抗議」をするという安易な方法は使わなかったはずである。実は、私は初代広報室長からも、二代目広報室長からも「抗議」を受けたことがある。この二度の「抗議」は、結局、口頭で終わったが、初代も二代目も当時の私の事務所に訪ねて来たものである。しかし、現在の広報室長は私に「抗議」するに際して、私の事務所に訪ねて来て「抗議」をしたことは一度たりともない。いつも電話にメール。決して足を使おうとしない。
昨日の記事に私は「公聴」と書いたが、更に言うのであれば、どんな企業、どんな組織の広報であっても絶対に欠いてならないのは「足で聴く姿勢」である。いくら白いコートを羽織って恰好つけてみせても、「足で聴く姿勢」を持っていなければ、いざというときにはパニックに陥って、正確な判断を下せなくなってしまうはずだ。
4月9日付「」に「【記事】 東北学院大学教授の金菱清が講談社に『お知らせ』の撤回訂正を求める」の記事を掲載して以降、講談社広報室の人間は誰一人として私に接触しようとして来なかったのである。
4月9日の午前中、乾智之広報室長から電話がかかって来た。まず、何故、広報室に当てなかったのかと激しい勢いで詰め寄って来た。私としては、こういうツイートがあり、それについて、こういう反響があると紹介した記事だから、広報室に当てなかったと説明したはずだ。そうすると乾広報室長は事実誤認だとか、名誉棄損だという言葉を激しくぶつけて来た。
仕方なく私としては、記事そのものを何度か読み上げることにした。名誉棄損があるとすれば具体的にどういう表現が良くなかったのか、事実誤認があるとすれば、どこが事実誤認なのか明示してもらわなければ、記事を訂正しようもあるまい。そうしたやりとりの末、乾広報室長は講談社として正式に抗議するという旨を述べて電話を切った。
さすがに私は納得できなかった。そこで講談社の渡瀬昌彦常務取締役にスマホでメールを送った。4月12日付に掲載した「社告」でも既に紹介しているが、私はこう書いた。
「御社の広報室長から、今朝のの記事で正式に抗議すると電話がありましたが、ただただ驚くばかりです。あまり弱い者イジメはなさらぬようお願い申し上げます」
これに対して渡瀬常務からは次のような返信があった。
「金菱氏の言説は事実と異なるものであり、大変遺憾です。抗議は、社としてのものです。そう受け取ってください。渡瀬」
ここで渡瀬のいうところの「金菱氏の言説」とは、私が記事で紹介した東北学院大学教授の金菱清が4月7日に投稿した「『美しい顔』の出版について談話だと当方が協議や交渉を経て改訂稿を認める形になっています。そのような事実はなく、改訂案が一方的に送られてきました。原作者が『剽窃』の疑われている作品の改訂への関与など断じてありえません。編著者の関与について撤回訂正を求めます。http://bit.ly/2VmwJRLというツイートを当然、指すのだろう。
渡瀬常務は、このツイートについて、はっきりと「金菱氏の言説は事実と異なるものであり、大変遺憾です」と断定しているのである。私は渡瀬常務に次のようなメールを送ることにした。
「事実と違うという情報発信をされるのですよね」
この私の問いに対して渡瀬常務は、こう応じた。
「この件に関して現時点で公式リリースはいまのところ流していません。金菱氏の出方によります」
私は、このメールには次のように返信しておいた。
「しっかりと背景を踏まえて、出来る限り丁寧な決着を期待しております。でも書きましたが質が問われているかと思います」
このメールのやり取りの後、私は取材のため事務所を出て、その日は事務所には戻らなかった。4月15日付で紹介した乾広報室長からのメールが届いたのは翌4月10日になってからのこと。この広報室長からのメールについては、私の見解を既に述べているので、ここでは繰り返さない。今回、着目したいのは、4月9日の広報担当常務のメールである。なかでも「金菱氏の言説は事実と異なるものであり、大変遺憾です。抗議は、社としてのものです。そう受け取ってください」という章だろう。
実は、この件について「週刊金曜日」が取材し、記事にしている。「今週の巻頭トピック」のなかの一本だから、半ページの小さな記事だが、「『美しい顔』問題は解決したのか」を掲載している。しかも、記事を書いているのは驚くべきことに岩本太郎ではないか!岩本の記事であれば与太記事である可能性は限りなく低い。岩本の取材に対して講談社広報室は「金菱氏には陳謝するとともに版元を通じて誠意をもって交渉を続けてまいりましたが、残念ながらご理解をいただけませんでした」と答え理ている。
広報担当常務が断言して見せた「金菱氏の言説は事実と異なるもの」だという認識は、このコメントからは微塵も感じられない。いったい、これはどういうことのだろうか。講談社が4月4日に公開した「『美しい顔』刊行についてのお知らせ」という章に戻って考えてみる必要がありそうである。それは、次のような「群像編集部」名義の章であった。

----------------------(以下、引用)------------------------------
「群像」2018 年 6 月号に掲載した第 61 回群像新人学賞当選作「美しい顔」(北条裕子)について、著者の北条裕子氏ならびに編集部は、発表時の参考献未掲載の過失を反省するとともに、各位からのご指摘を真摯に受け止めて献の扱いについて熟慮し、献編著者および関係者との協議と交渉を経て、著者自身の表現として同作を改稿いたしました。
つきましては、2019 年 4 月 17 日、北条裕子著『美しい顔』を著者の第一著作品単行本として講談社より刊行いたします。
参考献編著者および関係者の方々には多大なご迷惑をおかけしてしまいましたことを改めてお詫び申し上げます。また、東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々、被災地で尽力された方々の安寧を心からお祈り申し上げます。
                            群像編集部
------------------------(引用ここまで)---------------------------

もしも私が金菱の立場にあり、この章を目にしたら、金菱と同じように感じたことだろう。しかし、これは巷間言われるよう「官僚の作」であるとすれば、どうなるのだろうか。これは週刊誌にかかわったのち現在は大学で教鞭もとる編集プロダクションの経営者から届いたメールである。こう書かれている。
「当然、広報室もかかわっていると推測される『群像編集部』名義の4月4日の告知は、よく読むと、『協議はした』とありますが、合意したとは書かれていませんね。官僚の作の常套からすれば『拒絶』も含めて『協議した』となるわけです。講談社側としては、『協議はした(持ちかけた)が、合意をしたとは言ってない』と言いたいのでしょう。また、そう言い張るつもりのでしょう。
金菱氏が「合意できたと読める」と言っているのだとしたら、そういう言説は事実と異なるものと今井さんにつっぱねることも不可能ではないでしょう。『官僚の作』たる所以です。普通は、金菱氏のように理解するのでしょうけれど。
いずれにしても、小説と素材となったノンフィクションの関係という構図の中で、著作権問題とフェアユースにおいてクリアしていると判断して、この本を守るという、芸担当でもある広報担当の渡瀬常務の意思があり、それに、乾広報室長が乗って煽っているというところでしょうか。要するに金菱に納得してもらってないということを表明しないまま済ませたかったのでしょう。そのほうが商売になりますからね」
時計の針を昨年に戻して、最初から、この問題を考えてみければならないようである。そもそも、「美しい顔」を刊行するに際して、なぜこのような章をわざわざ出す必要があったのか、と。広報的な視点から検証がなされなければなるまい。
「銀の夢 オグリキャップに賭けた人々」で講談社ノンフィクション賞を受賞した渡瀬夏彦の言葉を借りて言うのであれば・・・市井の生活者のごく普通の感覚から遠く離れた地点に立つ広報マンがここにいることを明らかにしたいのである。この章は講談社の広報室長への「個人攻撃」などであるはずもなく、一人でも多くのメディア関係者や読者・視聴者に共有してほしい筆者なりのささなやかな「問題提起」なのである。
https://watanatsu.ti-da.net/e11016745.html

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3)【本日の一行情報】

◎ぴあより、写真集「俺 矢沢永吉」が発売となったが、三省堂書店池袋本店、有隣堂横浜西口店、紀伊國屋グランフロント大阪店など全国15の書店で同書のパネル展を開催している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001193.000011710.html
映画「キャロル」が懐かしいなあ。名画だよ。内藤誠の「番格ロック」も最高でさ。

吉田秋生原作のTVアニメ「BANANA FISH」のイベント「BANANA FISH STORE 2 in 紀伊國屋書店 西武渋谷店」が4月26日より開催される。「BANANA FISH」のトレーナーなどグッズが会場にて先行販売される。
https://nijimen.net/topics/22078

◎何と大胆な試みだ。やるじゃないか!徳間書店!サメマチオが山風太郎の「人間臨終図巻」をマンガ化した「追読人間臨終図巻Ⅰ」が4月25日に刊行される。「三分間のアニミズム」(小学館)のサメマチオが山田風太郎をどう「消化」するのか。期待は高まる
http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198648350
https://www.shogakukan.co.jp/books/09189555

◎「iRONNA」に元木昌彦が「元週刊現代編集長の直言『でさえ2025年で消える』」を寄稿している。
「週刊誌が読まれなくなった要因はいくつもある。インターネットの普及、ゲームやスマートフォンにカネがかかる、KIOSKなどの売り場の減少などが挙げられるだろう。
だが、一番大きな要因は、週刊誌にしかできないテーマを見失ってしまったことと、週刊誌の最大の読者層であった団塊世代が年齢を重ね、定年、年金生活、高齢者になったことだと、私は思っている」
https://ironna.jp/article/12354?p=1
それはそうなのだろう。元木が指摘するように週刊誌という形態は時代のデジタルシフトによって傷ついて傷ついて襤褸雑巾のようになるだろう。しかし、紙の雑誌として最もしぶとく生き残ってゆくのも実は週刊誌なのではないだろうか。何よりも紙の媒体において可能性を開花させて来た週刊誌ジャーリズムが、その威力を発揮する場をインターネットの世界に移せないはずはないのである。世の中、新聞ジャーナリズムだけになってしまったならば味も素っ気もなくなっちまう。

◎「ダイヤモンド・オンライン」が「ネットフリックスとナベツネ、新旧メディア王者5つの意外な共通点」を公開している。新聞の朝刊・夕刊のセット売りは確かにサブスクリプションモデルの「元祖」だ。
「読売新聞を率いるナベツネの持つ流通網の最大の特徴は、日本全国約7000店の販売店だ。朝日新聞毎日新聞は、人口減少が急速に進む郊外から人口密集地の都市圏へ販売の重点を移しており、売店数は右肩下がり。そんな中、読売新聞は日本全国、津々浦々に配達する態勢を維持。自前の販売網を死守している。それが世界最大の新聞の地位を揺るぎないものにしている」
https://diamond.jp/articles/-/199666
今後、この販売網がいつまで維持できるかが問われている。讀賣聞といえども動脈硬化を覚悟しければならないだろう。

◎日販は、一般社団法人山口県観光連盟の協力のもと、4月12日(金)より「YAMAGUCHI MAGIC!×書店祭」を広島・山口・福岡エリアの71書店で実施している。
https://www.nippan.co.jp/news/yamaguchimajic/
観光協会と書店とのジョイントは相性が良いと思う。

◎日販は、イギリスの出版社DK社と、同社の日本での総代理店であるフォルトゥーナと共同で、DK社創業45周年記念「世界で愛されるDK社の図鑑フェア」を4月10日(水)より全国の書店11店舗で展開している。
コーチャンフォー 新川通り店
コーチャンフォー ミュンヘン大橋
丸善 仙台アエル
有隣堂 テラスモール湘南
STORY STORY
堂書店 府中本店
リブロ イオンモール鶴見店
TSUTAYA BOOKSTORE ららぽーとEXPOCITY
未来屋書店 四條畷
https://www.nippan.co.jp/news/dk_45th/
DK本の価格は安くはないが、図書館のみならず個人ユースも掘り起こせるような「商材」が揃っているように思う。フェアは、年間を通じて45周年を盛り上げるべくゴールデンウィーク・夏・冬の3シーズンにわたって開催される。蔦屋書店とは相性が良いと思うんだけれど。大人が買ってしまうなんてこともあり得るはずだ。

◎「ダイヤモンド・オンライン」が東京大学教授・森川博之のデビュー作「データ・ドリブン・エコノミー」(ダイヤモンド社の一部を公開している。
「デジタル化は不可避であり、結果的にこれからはいろいろな業界・業種が領域を広げていく。そのため、これまでの競争相手以外と戦わなければならなくなり、結果として否応なくデジタルを使ったビジネスに乗り出さなければならなくなる」
https://diamond.jp/articles/-/199061
出版ビジネスも「例外」なく、「これまでの競争相手以外と戦わなければならなくなく」なろう。マンガなどには、そういう兆候が顕著に現れている。「データ・ドリブン・エコノミー」は読んでおきたい。森川は「仮説」の大切さをわかっている。森川のこんな発言は頭に入れておいて損はあるまい。
「成功事例が少ない世界では、始める前から、『どれだけの売り上げが立つ』とは明言できません。仮説を立てる段階で成果をどのように出せるかまで事細かに考えていては、いくら待っても実行フェーズに進まない。『何かの役に立つかもしれない』といったレベルでもいいので、仮説を立てたら、まずは施策を走らせることが重要なのです」
https://d-marketing.yahoo.co.jp/entry/20180515496175.html
この発言も「理会」したい。
「デジタルは、まだ探索のフェーズにあるんです。そして、先の海兵隊の話のように、探索は失敗する確率が非常に高い。しかし、探索をしなければ世の中の変革についていけず、ビジネスが行き詰まってしまうのです。デジタルの活用は、事業領域の拡大と不可分の関係にあるといえます」
https://d-marketing.yahoo.co.jp/entry/20180516496176.html?sc_i=post_latter_d

博報堂は、動画を使ったマーケティング効果の最大化を目指すプロジェクト「hakuhodo.movie」(ハクホウドウ・ドット・ムービー)の取組みの一環として、テレビCMとオンラインプラットフォームを横断した最適なメディアプラニングとクリエイティブプラニングで動画広告の「視聴後来店率」の最大化を目指す動画専門チーム「movisit」(ムーヴィジット)を始動させた。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2019/04/20190415.pdf

◎and factoryは、日本芸社とアプリ事業における業務提携契約を締結した。今後は共同でアプリ開発を行い、アプリローンチ後も両社で運営事業を行っていく。
https://andfactory.co.jp/news/post-2274/
and factoryのリリースは4月16日午後1時の時点で「株式会社日本芸社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:中村誠以下日本芸社)」と住所を間違って書いている。

ADKホールディングスは、社員ひとりひとりの個性に合わせ、最大限の成長を支援したいという考えから、今年4月に入社した新入社員の育成を業務として制度化し、取り組みやすくすることで育成効果を高める「成長株育成プロジェクト」をスタートした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000043950.html
https://www.adk.jp/ikusei/

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4)【深夜の誌人語録】

謙虚にまさる鎧はないのである。