【文徒】2019年(令和元)5月7日(第7巻76号・通巻1496号)


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1)【記事】太田出版前社長の高瀬幸途が亡くなった…
2)【記事】いったい誰が「厚かましい顔」なのか?
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.5.7 Shuppanjin

1)【記事】太田出版前社長の高瀬幸途が亡くなった…

太田出版社長の高瀬幸途が大動脈解離で亡くなった。71歳。
https://www.asahi.com/articles/ASM4T4CCZM4TUCLV009.html
末井昭は通夜に参列したようだ。
高瀬幸途さんが亡くなられました。太田出版時代に大変お世話になりました。今日お通夜です」
https://twitter.com/sueiakira/status/1122370853411250176
図書出版クレインのツイートには高瀬の優しさがにじみ出ている。
高瀬幸途(元太田出版社長)さんが、お亡くなりになった。創業まもなくの頃、四谷の事務所を訪ねていただいた。ベストセラーを出して印刷所の手配がもしできなかったら、いつでも連絡して、太田で使ってるところ紹介するから、なんて言葉、ほんとうれしかった。どうもありがとうございました。合掌」
https://twitter.com/cranebook/status/1121556232978911232
九龍ジョーのツイート。
「高瀬さん、ありがとうございました。生意気な私でした。拾ってもらいました。たくさん言葉をいただきました。あたかも自分の言葉のように話していることが、じつは高瀬さんから教わったことだったりします。挙げればキリのない素晴らしい本の数々。ずっと生き続けると思います」
https://twitter.com/wannyan/status/1121576741913317378
アソシエーショニストの吉永剛志のツイートである。
高瀬幸途さん逝去。私には兄貴分だった。NAMは具体性がないと言われていたが高瀬さんの尽力で協同組合の人的ネットワークはかなりのものだった。数年前ある関西の協同組合を訪ねた直後『(彼らと比べ)俺は全然だめだ、俺は何もできてない』と言っていたのが忘れられない。屈折韜晦でなく本心だった」
https://twitter.com/take4luckylong/status/1121648372702568450
香山リカのデビュー作を担当したのは高瀬であった。
「私の最初の単行本は1991年、高瀬さんが社長だった太田出版から出していただきました。そして今年、久しぶりに同社から根本敬論を出したばかり。
高瀬さんの数多の功績を称え、心からご冥福をお祈りします」
https://twitter.com/rkayama/status/1121438418469134336
「名もなき王国」(ポプラ社)の倉数茂が呟いている。
「自分が知っている人の中でもっとも危険な香りのする人だった。そして自分の前ではいつも穏やかな紳士だった。死刑囚の友人について語っていた姿が忘れられない」
https://twitter.com/kurageru/status/1121702867142713344
「死刑囚の友人」とは、大道寺将司のことだろう。太田出版は大道寺の二冊の句集「棺一基」と「残の月」を刊行している。
告別式で読経したのは上杉清。弔辞を読んだのは柄谷行人であった。日名子暁の紹介で、井内秀明が企画した「リベルタン」復刊を高瀬に持ちかけた際に私は同行している。「リベルタン」は創刊号しか出ていない幻の雑誌である。結局、この企画は実らなかったけれど、高瀬は私たちの思いをよく理解してくれたものである。
蛇足ながら書いておくと、中森明夫が「本が好き。」で青春小説「東京トワイライトエイジ」を連載しているが、この小説に登場する「国江義雄さん」が太田出版の社長であった高瀬幸途柄谷行人紹介したそうである。
https://honsuki.jp/series/tokyo_twilightage/16805.html

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2)【記事】いったい誰が「厚かましい顔」なのか?

4月17日付共同通信「震災を題材の『美しい顔』刊行」で北条裕子は共同通信の取材に応じて「(初出の)雑誌掲載時に、参考と、その編著者や取材対象者への敬意と感謝を載せるよう、編集者に相談すべきだった。後悔しています」とコメントしている。
https://this.kiji.is/491185689384420449?c=39546741839462401
このコメントについて、「薔薇少女」が敏感に反応している。
「『参考献と、その編著者や取材対象者への敬意と感謝を載せるよう、編集者に相談すべきだった。後悔しています』て…  そこなのか  作家として  悔いるのはそこか  他人の章をまんま流用したことじゃないのか  ほんと驚くな…」
https://twitter.com/barasyojo/status/1123024123423117312
東北学院大学教授にして、「私の夢まで、会いに来てくれた」「霊性の震災学」「震災学入門」「3.11慟哭の記録」で東日本大震災と正面から向き合い続ける金菱清も次のようなツイートを投稿している。
「『編著者や取材対象者に対して』とあるが、慟哭の記録は手記収集の性格上どれにも当てはまらない。出版にあたり小手先の言の修正ではなく、該当箇所は全て削除すべきであった。それらを抜いて完成しえないのは作品が未成熟であり、一方的な刊行は前回に増してさらに質が悪い」
https://twitter.com/kanabun0711/status/1118806528910184448
この金菱のツイートを「瑪瑙」がリツイートして呟いている。
「結局、北条裕子と講談社にとっては、被災地や被災者も小説のための舞台装置でしかないという事なのでしょう。今となっては『美しい顔』という題名がただただ虚しく感じられるばかりです」
https://twitter.com/menou_main/status/1118847571651284993
今度は、この「瑪瑙」の呟きを詩人の河津聖恵がリツイートしている。その上で河津はまず、こうツイートした。
「盗用問題で騒がれた北条裕子『美しい顔』が、該当部分を訂正などして講談社から刊行されたそうで、ちょっと驚きました。そろそろ人々が騒ぎを忘れつつもどこか印象の消えないうちにということでしょうか。パーツの組み合わせを感じさせた小説でしたが、それゆえに削除不可能だったのでしょう」
https://twitter.com/kiyoekawazu/status/1121277029310054400
河津は怒っているのだ。河津はツイッターへの投稿を止めなかった。こう続けた。
「でもこんな形であらためて刊行できてしまうとは、作者や編集者や関係者の感性というか、学に携わる者としての自尊心を疑う」
https://twitter.com/kiyoekawazu/status/1121278304189730816
遂には河津をして「学なんていらない」と呟かせてしまう。
学界を侵す『苦悩の不在』がもうどうにもならないならば、学なんていらない。この国全体を侵すそれに、お墨付きを与えるものになるから」
https://twitter.com/kiyoekawazu/status/1121280840334372864
産経ニュースの4月30日付「『甘さ、未熟さがあった』 類似表現物議の芥川賞候補作家」でも北条裕子はインタビューに応じている。
https://www.sankei.com/life/news/190430/lif1904300002-n1.html
北条は金菱清による次のような4月7日のツイートを当然知っているはずだが、こうしたツイートなどまるでなかったかのようなコメントが並ぶ。
「『美しい顔』の出版について談話だと当方が協議や交渉を経て改訂稿を認める形になっています。そのような事実はなく、改訂案が一方的に送られてきました。原作者が『剽窃』の疑われている作品の改訂への関与など断じてありえません。編著者の関与について撤回訂正を求めます」
https://twitter.com/kanabun0711/status/1114698406201401344
岩本太郎が「週刊金曜日」4月12日号で書いている「類似表現指摘の『芥川賞』候補作が単行本化 合意なしと憤る編者も」がインターネットで公開された。
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2019/04/26/antena-464/
この記事で講談社広報室は、「金菱氏には陳謝するとともに版元を通じて誠意をもって交渉を続けてまいりましたが、残念ながらご理解をいただけませんでした」とコメントしているが、金菱がの「協議と交渉」のテーブルにすらつかなかったことは「出版人 広告人」5月号の「講談社『美しい顔』刊行に至る『協議と交渉』の内実」で明らかにした通りである。

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3)【本日の一行情報】

◎「仮想通貨 Watch」が「HAKUHODO Blockchain Initiativeが提供するマーケティング領域におけるブロックチェーン活用サービスの本当の狙い」を公開している。
「昨年9月に株式会社博報堂が発足した『HAKUHODO Blockchain Initiative』(博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ)は、マーケティング領域におけるブロックチェーン技術を活用したソリューションの開発を進めている。3月18日、同社は新サービス『TokenCastMedia(トークン・キャスト・メディア)』を活用し、深夜ラジオ番組の放送内でDAppsゲームのキャラクターやアイテムを配布する試験放送を実施した。また、番組の放送に併せてブロックチェーンエンジニアコミュニティ『BlockchainEXE』によりイベントが開催され、みんなで番組を聞きながらキャラクーを受け取るパブリックリスニングイベントが行われた」
私たちの生活をインターネットが大きく変えたようにブロックチェーンも私たちの生活を大きく変えることだろう。この記事はHAKUHODO Blockchain Initiativeの伊藤佑介を取材することで成り立っている
「BtoBtoCというビジネス展開が多い博報堂は、企業の課題解決のためにブロックチェーン技術を導入するが、最終的には生活者が面白いもの、使いたいものでなければ、課題解決にはならないと考えているという。生活者のことを誰よりも深く知るという生活者発想をフィロソフィーとする博報堂にとっては、ブロックチェーンはあくまでも生活者をエンパワーメントするツールの一つとなる技術であって、無理矢理導入するものではない。最終的には、そのブロックチェーンを活用したサービスを『生活者の一人として自分が実際に使いたいと思えるのかどうか』の一点に尽きると自らの考えを示した」
https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/interview/1178169.html

幻冬舎ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)専門メディア「あたらしい経済」は、ブロックチェーン・暗号資産の情報発信と教育強化を目的として、インフォバーングループが推進する企業内イノベーター・ハブ「Unchained」と業務提携し、ビジネスパーソン向けのブロックチェーン教育プログラム「ビジネス・ブロックチェーン・キャンプ」(Business Blockchain Camp: BBC)を7月に開始することを決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000445.000007254.html
https://www.infobahn.co.jp/news/11596

◎「TechCrunch Japan」の公開した「米国の大手百貨店がApple Payの取り扱いをやめた理由」は、こう書いている。
Apple Payを利用する顧客は少ないとJCPenneyがほのめかしていることに注目だ。「圧倒的多数」の買い物客は、物理カードを使って支払いをしているという。このことから、JCPenneyが今後再びApple Payに対応するかどうかは疑問だ」
https://jp.techcrunch.com/2019/04/24/2019-04-22-jcpenney-explains-why-it-dropped-apple-pay/
「TechCrunch Japan」のこの記事は「顧客データにアクセスできないことが、小売業者が当初Apple Payの導入をためらうひとつの理由」だと指摘している。

◎「おたぽる」の「Appleが動画配信サービスに本格参入 『AppleTV+』の不安要素は独自すぎる倫理基準?」はストリーミングサービス「AppleTV+」の日本上陸について次のように危惧しているのだが、的外れのような気がしないでもない。
Appleの倫理基準が独自かつ極めて苛烈なものというのは出版業界では広く知られているところ。マンガアプリが普及する以前にも、電子書籍Appleの審査に引っ掛かって配信できないという事件は幾度も起こった。今回の新たな動画配信でも同様のことが起こる可能性があるのだ」
https://otapol.com/2019/04/post-62743.html
https://www.apple.com/jp/apple-tv-plus/
いずれにしても、「映画館」を必要としない時代は、もうすぐそこまで来ているのだ。

◎「鈴木敏夫ジブリ展」が5月12日(日)まで神田明神 化交流館「EDOCCO」2F 神田明神ホールで開催されている。展示は全六章で構成されているが、第三章は編集者として創刊から制作に携わったアニメ雑誌「アニメージュ」の業績を紹介した「徳間書店時代」となっている。
http://www.tvlife.jp/entame/222500
私など「アニメージュ」というと初代編集長をつとめた尾形英夫イメージが強いんだよなあ。尾形は安彦良和のアニメ映画「アリオン」でもプロデューサーとして名前を連ねている。ちなみに「アリオン」も宮崎駿の「風の谷のナウシカ」と同様に徳間書店と博報堂のタッグで制作されている。

◎日販は、5月31日(金)まで、全国の80書店で「おはなしマラソン」読み聞かせキャンペーンを開催している。
https://www.nippan.co.jp/news/ohanashi_20190423/

◎「おカネの教室」で知られる高井浩章が「フォーサイト」(新潮社)に「人生に必要な知恵はすべて『マンガ』で学んでね」を発表している。高井は三姉妹の父親だが、マンガを読書の入口にした家庭教育を実践している。
https://www.fsight.jp/articles/-/45247
ビジネスとしてもマンガは最強のコンテンツである。大手出版社の利益の源泉はデジタルシフトを果たしたマンガに他ならない。

◎右手に野田サトルの「ゴールデンカムイ」(集英社)、左手に響ワタルの「琉球のユウナ」(白泉社)である。高井浩章の気持ちが私にはよくわかる。
https://ddnavi.com/review/533863/a/
https://twitter.com/hibikane/status/1121290382715736064
琉球のユウナ」は実写ドラマで見てみたいなあ。

◎カカクコムが運営する「食べログ」は、吉高由里子主演のTBSドラマ「わたし、定時で帰ります。」と初の共同企画を実施している。原作は新潮社より刊行されている朱野帰子の同名小説シリーズである。
https://realsound.jp/tech/2019/04/post-352000.html
テレビや映画は出版から生み出された「物語」なしには成立しないのである。このことに出版社は自信を持つべきだし、原作提供にとどまらないビジネスチャンスを見出すべきである。広告業界的にいえば「IP戦略」ということになる。

◎学研プラスは、4コマ漫画によって60種類の恐竜のプロフィールや生態を紹介する「ゆるゆる恐竜図鑑」を発売した。定価は980円(税別)。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1904/24/news116.html
“マンガの力”を図鑑に活用した企画である。「キン肉マン」の図鑑同様に、これも大人がハマる企画である。「さわって学べるプログラミング図鑑」も学研プラスの仕事である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002150.000002535.html

インプレスが「Amazon広告“打ち手”大全」を刊行した。商売柄、買わねばならないのだろう。
https://book.impress.co.jp/books/1118101062
インプレスは無料セミナー「ネット広告は"3強"の時代へ! 先駆者が語るAmazon広告のインパクト ~『Amazon広告打ち手大全』出版記念セミナー」を2019年5月21日(火)に開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002709.000005875.html

◎投資家のウォーレン・バフェットは、ブルームバーグによるとバッファロー・ニュースやオマハ・ワールドヘラルドといった活字メディア帝国も率いているという。その彼が、大半の新聞は広告減少により生き残れないと考えている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-23/PQEJDX6K50YA01

◎駐車場予約アプリで知られるakippaは、今年65周年を迎えるラジオ局のニッポン放送と提携し、ラジオリスナー向けに遊休スペースの活用や予約制駐車場の利用を促進する取り組みを開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000180.000016205.html

◎学研プラスは、外国人従業員・アルバイトを雇用する企業・法人の教育に関する課題解決に向け、ClipLineとデジタルツールの協業を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002153.000002535.html

◎「上野の森 親子ブックフェスタ2019」が5月3日~5日まで上野恩賜公園噴水池広場、東京都美術館国立国会図書館国際子ども図書館で開催され、絵本、児童書など約5万冊の書籍を読者謝恩価格で販売した。
http://www.jpic.or.jp/event/ueno/
https://gkp-koushiki.gakken.jp/2019/04/23/8828/

スポーツニッポンによればテレビ朝日は定例会見で、4月15日発売「週刊ポスト」にNHK記者との不倫疑惑を報じられた村上祐子の番組生出演を当面見合わせると発表した。村上は元アナウンサー、現在は報道局政治部記者で「朝まで生テレビ!」で司会を務める。
https://mainichi.jp/articles/20190424/spn/00m/200/006000c

讀賣新聞オンラインが4月24日付で「LINEに対抗、携帯大手3社アプリに新機能」を掲載している。
「NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社は23日、電話番号を使ってメッセージの送受信ができるスマートフォンアプリ『+(プラス)メッセージ』の機能を拡充すると発表した。企業の公式アカウントで事務手続きや店の予約を行ったり、重要なお知らせを受け取ったりできるようにする。無料通話アプリ『LINE』に対抗する」
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190423-OYT1T50330/
どこか「偉そうな」感じがするんだよね。これを払拭しない限り「LINE」に対抗はできないのではないだろうか。

スマホメディアを運営する4MEEEは、4月27日(土)より、ファッション誌「4MEEE 2019 Summer」を発売した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000013886.html

トーハンは、早川書房の「HAYAKAWA FACTORY」ブランド新商品として、デルフォニックスが手がける「ロルバーン ポケット付メモL」のオリジナルデザイン3種を販売する。
https://www.tohan.jp/news/20190425_1396.html

幻冬舎女性誌「GINGER」6月号の付録は「MUVEILレオパード柄ビーチサンダル」。これで800円(税込)は安い。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000007254.html

集英社の「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」「少年ジャンプ+」で連載されている「ライフル・イズ・ビューティフル」のアニメ化が決まった。
https://news.anibu.jp/20190425-120401.html

集英社は「キン肉マン40周年キャンペーン」を展開中だ。5月2日に「キン肉マン」67巻、6月17日に68巻と単行本が2カ月連続で発売され、5月20日発売の「週刊プレイボーイ」では表紙をキン肉マンキン肉マンソルジャーが飾り、6月17日発売の週刊少年ジャンプ」29号には、11年ぶりに読み切りで登場するなどの企画が実施される。
https://natalie.mu/comic/news/329335

◎「一生歩ける1日1回5秒ストレッチ」(小学館集英社プロダクション)の著者であり、スポーツ医科学パーソナルトレーニングム「乃木坂Matsui Physical Design Lab.」を主宰する松井薫がNHKあさイチ」に出演した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000002610.html

秋田市の乃帆書房は「長いお休み」と銘打ち、3冊以上のシリーズになっている書籍のフェアを開催するとともに、書籍をアイテムに使う大喜利のようなゲーム「BRING YOUR OWN BOOK(ブリング・ユア・オウン・ブック)」(4月27日)、五十音を題材にプレーする「部屋と言葉」(4月29日)、単語を書いたカードを組み合わせて書籍の題名を作る「横暴編集長」(5月2日)の3種のゲーム会を開催した。
https://akita.keizai.biz/headline/3157/
書店に人を集める工夫が必要な時代なのである。

KADOKAWAは、KADOKAWAアプリを利用し、同社の書籍を1,000円分買うごとに100円相当と交換できる実質10%を還元する「ありがとう平成!よろしく令和!ニコニコカドカワキャンペーン」を5月23日まで開催する。20%を還元する書店もあるというのだけれど。
https://kadobun.jp/news/564/a09950bc
https://promo.kadokawa.co.jp/yoroshiku-reiwa/
KADOKAWAは再販制をどのように考えているのだろうか。

◎AIを活用したアプリを提供するHEROZのアプリ「将棋ウォーズ」は、2019年4月26日(金)から2019年5月20日(月)まで、羽海野チカ3月のライオン」(白泉社の唯一のスピンオフ「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代」とのコラボイベントを実施する。
https://heroz.co.jp/release/2019/04/26shogi_3gatsu/

双葉社は、現在上映中の「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」のヒットを記念し、主題歌「ハルノヒ」を歌う「あいみょん」と「クレヨンしんちゃん」とのコラボ商品を発売する
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000014531.html

◎「おたぽる」が昼間たかしの「『漫画アクション』電子版は『気分はもう戦争3(だったかも知れない)』は未収録! ふざけんなコノヤロ~!」を掲載した。
https://otapol.com/2019/04/post-62907.html
気分はもう戦争」は、やっぱり紙じゃないと感じが出ないよね。

◎アムタスは、講談社との共同プロジェクトの一環として、電子雑誌「ハツキス」掲載作品の最新話を、「めちゃコミック」において4月25日(木)より独占先行配信を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000268.000022277.html

◎昭和58年(1983)の「島耕作」シリーズスタートから2017年(平成29年)までの作品を、作品内の暦、掲載号をもとに1年ごと、33巻にわけて収録する電子書籍改元 島耕作」が講談社からリリースされた。巻によっては、30Pと島耕作があまり働いていない1年や、900Pを超える大忙しだった1年もあり、価格は本体50円~2500円(税別)となっている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002132.000001719.html

◎「BUSINESS INSIDER JAPAN」が「BRUTUS、ぴあがデジタル版復活に込めた想い『PV至上主義サイトにどう対抗するか』編集長が語る」を公開している。「BRUTUS」の編集長・西田善太の発言。共感できるなあ。
「『BRUTUS.jp』では、読み手がキーワードを頼りに、『BRUTUS』の過去記事の中を自由に泳ぐことで、『とんかつには興味ないけど学は好き』という方に『とんかつと学』という記事(特集『とんかつ好き。』)に出合うことができる。まるで自分だけの特集をつくるような感覚で。
現在、過去5年分の『BRUTUS』の記事が掲載されていますが、最終的には、権利的、ビジネス的に可能な範囲で、全バックナンバーの情報が網羅されているデータベースを構築していきます。
また、音楽の記事ではSpotifyのリストに飛べて実際にその曲が聴けたり、映像の記事ではYouTubeのリンクから映像が観られるようにもする予定です」
こちらは「ぴあ」の編集長・岡政人の発言。これも頷ける発言だ。
「・・・『ぴあ』のようにエンタテインメントに関する情報を正確かつ大量に網羅したものは、意外にインターネット上にはありそうでないということです。映画や音楽ライブ、演劇、イベント、それぞれの情報は確かに検索すれば公式サイトやニュース記事として断片的には出てくるのですが、まとめて一覧でチェックできるものはありません。映画の情報はGoogleYahoo!で検索すれば一覧で出てきますが、それは実は、大元の情報を『ぴあ』が提供しているからなんです。
しかし最初は社内でもなかなか意図が伝わりませんでした。若手の意見も聞きたいと新入社員にアプリのプロトタイプを試してもらったときも、8割の子には『Twitterで情報は得られるのに、なんでまとめなきゃいけないんですか?』と。ネットを分かっている方ほど、反対意見は多かったです」
https://www.businessinsider.jp/post-188915

◎「J-CASTニュース」が「ガスト炎上GW企画の驚愕条件 全国1361店、24日で回れば...」を掲載している。
「1日平均で57店を1か月弱で回らなければならないうえ、飲食代だけで最低136万円もかかる。さらに、各都道府県の各店舗を回れば、莫大な交通費も必要になってしまう。それだけに、『えぇ...完全赤字やろこんなん』『これ無理じゃね?』『普通の人はやらんわ』といった疑問や批判が相次ぎ、『こんなんYouTuber用企画やんけ』とあきれる声も出た。
その後、御朱飲食帳プロモーションのサイトが削除されていたが、ガストの公式サイトは4月24日昼過ぎ、お知らせの中で、御朱飲食帳プロモーションの企画を中止したことを明らかにした」
https://www.j-cast.com/2019/04/24356190.html?p=all
ガストは「お詫び」を発表した。
「本告知は、『ガスト』というブランドが日本全国、全都道府県に1300店以上あること等を楽しみながら知っていただきたいとの想いと、そのための話題づくりを趣旨として企画いたしました。しかしながら、お客様からキャンペーン条件についてご意見をいただき、弊社で再考した結果、企画を中止することといたしました」
https://www.skylark.co.jp/gusto/info_0424.html
ガストは「冗談」と「非常識」の区別をつけられなかったということである。AbemaNewsキャスターの辻歩のツイート。
「批判が寄せられて中止になったガスト全店制覇キャンペーンの「御朱飲食帳」なるものの東京版を作ってみました。ズッシリ。
これを47都道府県分作って、20日くらいで1300店舗以上回るのは流石にムリーー!」
https://twitter.com/tsuji_ayumu/status/1121241460794224641
ガストは改めて、5店舗の飲食で応募できる「新・御朱飲食帳キャンペーン」を始めた。
https://www.skylark.co.jp/gusto/event/

シーザスターズは、近年需要が高まっているアウトドア市場及び登山市場をさらに盛り上げるべく、キャンプ料理レシピサイト「ソトレシピ(https://sotorecipe.com/」と、新潮社のWeb漫画サイト「くらげバンチ」でに連載され、コミックスが累計90万部の大ヒットとなった「山と食欲と私」がコラボした「#ヤマレシピ」SNSフォトコンテストを開催している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000029427.html

◎大広はSOOTH、ヒトクセ、ビデオリサーチ、ソネット・メディア・ネットワークスとともに共同研究プロジェクト「気持センシングラボ」を進めているが、ここにエイベックスが参画することが決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000042292.html

◎honto本の通販ストアと電子書籍ストア(https://honto.jp/ebook)において、日本図書普及が発行する「図書カードNEXT」での決済を7月中旬より開始する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000009424.html

◎「DIGIDAY」が公開した「常勝だった Netflix にも、そろそろ弱点が見えてきた」は次のように書いている。
「一部の業界関係者は、Netflixの未来は最終的に、サブスクリプション料金をどれだけ上げられるかではなく、中心的な収益源がサブスクリプションひとつしかないという弱みがさらに拡大するかどうかにかかっていると主張している」
https://digiday.jp/platforms/netflix-is-massive-but-its-not-invulnerable/

毎日新聞の4月25日付「NHK 板野裕爾氏“返り咲き”人事に複数の経営委員が懸念 取材で明らかに」は書いている。
「・・・NHK経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)の複数の委員が人事案の審議中に懸念を示し、上田良一会長は『私の方でもそういう懸念をしっかり踏まえてやっていく』と約束していたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。かつて政権の意向を番組制作に反映させたといわれる板野氏の返り咲きには、NHK内外から批判の声が上がっていた」
https://mainichi.jp/articles/20190425/k00/00m/010/216000c

津田大介の「週刊朝日」連載「ウェブの見方 紙の味方」が最終回を迎えた。
週刊朝日は次号からのリニューアルで、対象読者をより高年齢層に設定するそうだ。紙媒体を巡る経済状況が厳しい折、やむを得ない判断なのだろうが、その方針で雑誌をつくれば10年後に読者が大幅に減ることは避けようがない。現存する最古の週刊誌の行く末は、紙媒体の未来とも重なるはずだ
https://dot.asahi.com/wa/2019042400067.html?page=1

日本推理作家協会賞は、「長編および連作短編集部門」が葉真中顕の「凍てつく太陽」(幻冬舎)に、「短編部門」が沢村伊智の「学校は死の匂い」(「小説 野性時代」8月号)に、「評論・研究部門」が長山靖生の「日本SF精神史【完全版】」(河出書房新社)に決まった。
https://www.sankei.com/life/news/190425/lif1904250035-n1.html

藝春秋電子書籍編集部では、年5月1日(水)より順次、春秋の電子写真集42作品を、インドネシア、タイ、台湾、韓国の4カ国7ストアで配信を始めた。また、海外配信開始を記念して、インドネシアの人気コスプレイヤー、Jeanice Angのオリジナル電子写真集「Jeanice Ang in Japan」を日本と海外で配信する。
https://www.atpress.ne.jp/news/183028

集英社矢沢あいの「天使なんかじゃない」のコミックス新装再編版全5巻を6月25日から2カ月連続で刊行する。
https://mantan-web.jp/article/20190425dog00m200026000c.html

◎「みちのく本屋プロレス」が4月29日、盛岡市大通の書店「Pono books&time(ポノ ブックス&タイム)で開催された。
https://morioka.keizai.biz/headline/2819/

三省堂書店は、名古屋本店・名古屋高島屋店の統合を迎えるにあたり、名古屋高島屋店にて、4月29日(月)より「本のバトン」というタイトルでブックフェアを開催している。
https://www.atpress.ne.jp/news/182835

◎無料漫画配信サービス「サイコミ」を運営するCygamesは小学館と、Webコミック事業における業務提携を締結し、新たなコミックスレーベル「サイコミ×裏サンデー」を4月26日に創設した。第1弾として、サイコミで人気No.1の「TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには」を販売開始した。また、この業務提携にあたり、小学館マンガワン編集室の石橋和章が「サイコミ」のアドバイザーとして作品プロデュースに参画することになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000479.000005593.html

小学館は、色川武大阿佐田哲也電子全集を、生誕90年、没後30年を記念して、4月26日より全23巻の配信を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000279.000013640.html

◎「週刊春WOMAN vol.2」の表紙は香取慎吾による描き下ろし新作絵画だが、これを記念して、ハイブリッド型総合書店「honto」は抽選で1名に非売品ポスターをプレゼントするキャンペーンをツイッター展開した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000351.000009424.html

◎日刊スポーツは4月25日付で「『けもフレ』SNS炎上社員は異動、テレ東経緯説明」を発表した。
「小孫社長は『メディアの人間は、自分たちの出した商品に対しての反応については真摯に受け止めるようにあるべき』とし、『今回の件を契機に、視聴者からどんな反応を届けられたとしても、真正面から受け止める姿勢を堅持していなければいけない』と述べた」
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201904250000644.html

講談社は4月25日より三省堂神保町本店において「令和フェア」を開催している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002169.000001719.html

◎日販と呉海自カレー事業者部会は共同で、漫画「空母いぶき」(小学館)と広島県呉市ご当地グルメ「呉海自カレー」がコラボした特製レトルトカレー「空母いぶきカレー」を、4月26日(金)より全国の書店で販売を開始した。5月15日(水)より一部コンビニエンスストアでも販売開始する。
https://www.nippan.co.jp/news/aircraftcarrieribuki_curry/

◎ブックリスタがストアシステムを提供し、KDDIが運営する電子書籍ストア「ブックパス」は、4月27日(土)発売のヤマシタトモコ「違国日記」(祥伝社)新刊配信を記念したキャンペーンを実施している。期間中に、ブックパスの読み放題「総合コース」会員で「違国日記」最新刊4巻をブックパスで購入すると抽選で30名を、作者のヤマシタトモコと交流できるスペシャルイベント(ティーパーティー)に無料で招待するというものだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000321.000006388.html

藝春秋が運営する「春オンライン」( https://bunshun.jp/ )の月間ページビュー(PV)が、2019年4月に1億PVを突破した。正確に言うと4月末時点で月間PV数:1億1956、万PV、月間UU数:1858万UU。「春オンライン」は2017年1月にオープンし、2018年5月に5000万PVを突破し、それから1年経たずに倍増したことになる。今年4月から週刊春編集局に入り、週刊春編集部との連携を強化している。

日本漫画家協会賞の大賞は山田参助の「あれよ星屑」(KADOKAWA/エンターブレイン)と横田吉昭の「横田吉昭のカートゥーン」(自費出版)に決定したが、「横田吉昭のカートゥーンが気になって仕方ない。受賞理由は「戦争、戦場をテーマに、すばらしい画力で、国際的に通用する。横田氏のカートゥーンこそ、現時代に最も必要なメッセージである。高く評価したい」とのことである。横田の一コマ漫画は全国の地方紙を飾っている。そう、共同通信のマンガ家である。私も読んでみたい。どこか出版してくれないものか。
https://www.sankei.com/entertainments/news/190504/ent1905040002-n1.html
https://www.nihonmangakakyokai.or.jp/?tbl=event&id=7818

◎「小学生向け人気ファッション誌の名物編集長49歳が、小学生キッズモデルに“不適切行為”」は「週刊春デジタル」が3月10日に公開した有料会員限定のオリジナル「スクープ」記事だ。
「その日、品川区の老舗シティホテルの一室で、ある男と小学生の女児が同じベッドで横になっていた。2人は親子ほど年齢が離れているが、男はこの女児の父親ではない。男の正体は小学生向け人気ファッション誌の編集長。そして、女児はその雑誌のキッズモデルだった――」
https://bunshun.jp/articles/-/11512
「小学生向け人気ファッション誌」は発売・三栄書房、発行・エルティーエムの隔月刊誌「JSガール」。通称「マック店長」と呼ばれる、その編集長Nとは長谷浩二である。公式ブログ「JSガール マック店長のブログ」は現在、削除されたようである。

KADOKAWAは、新元号の「令和」をデザインした全4色のスマートフォン向け壁紙を「KADOKAWA公式アプリ」にて配布した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005825.000007006.html

東京新聞に登場した「東京コピーライターズクラブ(TCC)」会長をつとめるコピーライターの谷山雅計は平成を代表する広告として「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)と宇宙人ジョーンズの「このろくでもない、すばらしき世界。」(サントリーの缶コーヒーBOSS)を挙げる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019042602000258.html

クックパッドの運営する生鮮食品ECサービス「クックパッドート」が、日本流通産業新聞社の主催する「日本ネット経済新聞」の新規事業賞を受賞した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000027849.html

◎2013年に過労死したNHK記者の佐戸未和(当時31歳)の軌跡をまとめた尾崎孝史(写真家)の「未和 NHK記者はなぜ過労死したのか」(岩波書店、2052円)が5月8日に発売される。
「遺体で発見される直前の2日間、未和さんと連絡がつかないことへの同僚らの対応が不明瞭なままであることへの疑問や、新たな関連情報も記している。また、未和さんの死後の17年と18年に、NHKでの長時間労働や明け方までの勤務後、脳出血で倒れて重い後遺症が残ったスタッフが2人いたことも紹介している」
https://mainichi.jp/articles/20190427/k00/00m/040/014000c

◎嗚呼!田中真理さま!!ポール・ニザンの「アデン・アラビア」のあまりにも有名な一節を冒頭のタイトルバックにかかげる山口清一郎の「恋の狩人 欲望」は、不発の青春と不発の革命の葛藤を描いていた。田中真理が警視庁から出て来るシーンから映画は始まるが、これ当然ながら無許可撮影であろう。そうそう頭脳警察も劇中歌で流れるんだぜ。「北村透谷 わが冬の歌」は山口と田中によるATG映画なのだが、この映画をもって田中真理は銀幕から撤退を余儀なくされる。田中真理を忘れない編集者が「週刊ポスト」にはいるのだろうか。警視庁に摘発された「ラブ・ハンター 恋の狩人」には大島渚の「新宿泥棒日記」と足立正生の「赤軍-P.F.L.P 世界戦争宣言」のポスターが登場する。
https://www.news-postseven.com/archives/20190426_1357605.html
田中真理中川梨絵芹明香山口美也子が私にとっての四大美神である。

ハースト婦人画報社は「ELLE WOMEN in SOCIETY(エル・ウーマン・イン・ソサエティ)2019」を、6月15日(土)にヒカリエ渋谷ホールA・Bにて開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000008128.html
私にとって「ELLE」はゴダールの「勝手にしやがれ」である。

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4)【深夜の誌人語録】

広報が鍛えるべきは「触覚」であって、「口先」では決してない。