【文徒】2019年(令和元)5月8日(第7巻77号・通巻1497号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】遠藤ミチロウの訃報に触れて
2)【記事】日経の「海賊版サイト対策」記事で大渕哲也教授に批判が集中?!
3)【記事】全公開!読者からの電子メール
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】遠藤ミチロウの訃報に触れて

遠藤ミチロウオフィスによる投稿であった。
遠藤ミチロウは、昨年より膵臓癌を患い闘病を続けてまいりましたが、2019年4月25日に都内の病院にて永眠いたしました。
 葬儀は本人の意向により近親者のみで執り行いました。後日、音楽葬を行う予定です。
 生前のご厚誼を深謝し、謹んでご報告申し上げます」
https://twitter.com/michiro60/status/1123248153036070912
山下達郎TOKYO FMの「サンデー・ソングブック」で遠藤ミチロウを追悼した。スターリンのアルバムで遠藤ミチロウ山下達郎の「RIDE ON TIME」をカバーしているのだ。山下曰く
「私もいろいろといままで、いろんな方にカバーしていただきましたけども。その中でも1、2を争う強烈な印象が残っております」
https://miyearnzzlabo.com/archives/56865
東京新聞は5月4日付「筆洗」で遠藤ミチロウを取り上げている。
「評論家で詩人の吉本隆明さんにも執筆に行き詰まった時期があった。書くのをもうやめようかと悩んだときに、自らの音楽を追求し続けているある音楽家の演奏に感激し、翻意したそうだ▼一九九〇年代の逸話か。時代を代表する知識人の意欲を取り戻させた演奏の主が、遠藤ミチロウさんだ。日本のパンクロックの草分けである。バンド『ザ・スターリン』のリーダーでボーカルだった」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019050402000127.html
河北新報は5月3日付「河北春秋」で遠藤ミチロウを取り上げている。
いわき市北西部に志田名(しだみょう)地区という集落がある。東京電力福島第1原発事故で放射線量が高いホットスポットになった。若者は避難し、高齢者だけが残った。復興から置き去りにされた集落に通ったのが、二本松市出身のミュージシャン遠藤ミチロウさんだった」
「5年前、宮城県女川町の笹かま店で行ったライブもその一つ。その時の言葉が印象に残る。『政治のやり方は汚い。復興予算さえ食い物にする』『東京五輪は復興の足を引っ張るだけ。原発もうその情報ばかり流す』」
https://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyunju/20190503_01.html
雑誌「音楽と人」がツイートしている。
BUCK-TICK、京都KBSホールで昨年中止になった『No.0 -Guernican Moon-』の振替公演、最終日。アンコールに今井が遠藤ミチロウのTシャツで登場。メンバー紹介でスターリンの『ワルシャワの幻想』を弾き、櫻井が『メシ喰わせろ!』と叫ぶシーンに胸が詰まる。福岡で対バンしたのは何年前だったか
https://twitter.com/ongaku_to_hito/status/1123936459344482305
BOWWOWの山本恭司は遠藤ミチロウを「叫ぶ詩人」と書いている。
遠藤ミチロウさんが亡くなった。
70年代に対バンした時は噂通り楽屋には物凄い物が用意されていてライブ中それを客席に投げ入れたりしていた。
ずっと怖い人だと思っていたら腰の低いとても優しい人だった。最後に会ったのはエンケンさんの入院先の病院のロビーでだった。叫ぶ詩人の死、とても残念だ」
https://twitter.com/KyojiTWJ/status/1123272271802449920
夕凪のボーカル・伊藤せい子もはツイッターで叫んでいる。
「令和なんざ糞食らえ。
遠藤ミチロウが生きているなら何でも良かったのだ。
去年の今日はムジカに来てくれた。
13年前ムジカを始めた時も、なぜ声かけてくれないの?と駆けつけてくれた私のアイドル。
中学の時に初めて見たスターリンから沢山の出来事。
一生忘れません。
ありがとうございました」
https://twitter.com/SEPONyuunagi/status/1123269818927407104
詩人の和合亮一とも交友があった。
遠藤ミチロウさんの訃報を知りました ある夕暮れ 福島駅で偶然にもお会いした折に お元気なご様子でしたのに ただ たださびしいです 語り合った音楽と詩と福島と人生のお話 生涯 忘れません ご冥福をお祈りいたします」
https://twitter.com/wago2828/status/1123264850602352641
民謡歌手・伊藤多喜雄遠藤ミチロウとジョイントしている。
「また一緒に唄えるものと思っていたのでとても残念です。遠藤ミチロウさんとは、アピア40や娘のめぐ留を通して知り合うことができ、それからは父娘で大変お世話になりました。最初にミチロウさんが民謡を唄ってくれると聞いて、とても驚くのと同時に、ものすごく嬉しかったです」
https://twitter.com/ITOTAKiO/status/1124648009516503040
音楽プロデューサーのs-kenエスケン)も呟いている。
「新時代来る前に逝った遠藤ミチロウ。4年前イベントで再会。東ロッカーズ後、80年代に入ったあたりによく対バンした。
豚の臓物をばらまかれた後のステージ、やりにくかったよって思い出話に花が咲いた。
『すいませんでした』
とステージの過激さのとは打って変わって温和で気さくに話せる人だった」
https://twitter.com/dudleytt/status/1123499162706763779
漫画家のカネコ アツシはザ・スターリンを介して寺山修司吉本隆明を知ったそうである。
「THE STALINに夢中だった。寺山修司吉本隆明バタイユもそこで知った。何より『虫』のジャケで丸尾末広さんというマンガ家を知った事で、僕はいまマンガ家として生きている。全ては遠藤ミチロウという知性がもたらしてくれたものだった。あなたが生きた証がここにも居ります。
令和元年初日 」
https://twitter.com/kaneko_atsushi_/status/1123356387436707841
会田誠にも影響を与えているのか!
「僕は追悼ツイートする役割じゃないかもしれないけれど。/「吐き気がするほどーロマンチックだぜー!」というフレーズは、僕が表現者として出て行こうとしていた時、爆音のBGMとして心で鳴っていた気がします。あの時代、そういう人は多かったと思います
https://twitter.com/makotoaida/status/1123256635797860352
bayfm「ミュージック・インシュアランス」のDJであった岩田由記夫は遠藤ミチロウ江戸アケミと並ぶ怪ヴォーカリストと位置付けている。
「令和に入り最初の呟きが遠藤ミチロウの訃報とは悲しすぎる。1990年に逝った
JAGATARA江戸アケミと並ぶ怪ヴォーカリストだった。ミチロウの音楽にはロックが失った反骨神が宿っていた。本人と会ったのは一度だけだったがスターリンのライヴは何度も観た。失って初めて知る熱い思いが心を侵食します」
https://twitter.com/IWATAYUKIO/status/1123405579404242949
渋さ知らズのツイートだ。私は渋さ知らズのコンサートで遠藤ミチロウの「ジ・エンド」を聞き衝撃を受けたものである。
「ミチロウさん
あなたは真面目過ぎるが故にパンクでした。
本当にありがとうございました。
先に行っている先輩達もいますが徐々に集まるので、また一緒に演奏やりましょう
心から御冥福をお祈り申し上げます」
https://twitter.com/Shibusashirazu/status/1123767911527735296
遠藤ミチロウ吉本隆明が好きだった。オレと同じ理由で好きだった。遠藤曰く「僕は彼が一人でやっているのが好きなんです」。これは岡山大学新聞に掲載された記事である。
https://www.erde.co.jp/~masaru/okayama/279/stalin.html
吉本ばななが呟く。
「ミチロウさん、ずっとうちの父の友だちでいてくれてありがとう。今頃ふたりが久しぶりに出会っていますように。安らかに」
https://twitter.com/y_banana/status/1123399198257209344
ゴールデンウィーク中、私の脳裏から「吐き気がするほどロマンチックだぜ」という一節が離れなかった。これは吉本隆明の詩人としての言葉である。
「詩とはなにか。それは、現実の社会で口に出せば全世界を凍らせるかもしれないほんとのことを、かくという行為で口に出すことである」

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2)【記事】日経の「海賊版サイト対策」記事で大渕哲也教授に批判が集中?!

日経が電子版で5月5日に発表した「海賊版サイト対策 法整備なぜ紛糾?(識者に聞く)」が話題になっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44214340V20C19A4TCJ000/
東大教授の大渕哲也委員に批判が集中しているようだ。まずは漫画家の赤松健のツイートを紹介しよう。
「大渕先生の主張が『ネットで利用者の声が大きくなり真の当事者が本音を言いづらくなったという側面もあると思う』と変化。『真の当事者』って一体誰なんでしょう?具体的な名前を一人でも上げてほしい」
https://twitter.com/KenAkamatsu/status/1125206838805286912
評論家の三崎尚人赤松健の投稿をリツイートして言う。
著作権法上、権利者も利用者も当事者であるのにも関わらず、法制・基本問題小委員会の副主査である東大教授が『真の当事者』という発言をすること、しかも権利者であるマンガ家をスルーして、出版社やCODAにしか話を聞かなかったのに、一体『真の当事者』とは誰なのかしら?」
https://twitter.com/nmisaki/status/1125342640193527809
次のツイートを投稿した草原敦夫はREADYFOR執行役員CLO・弁護士だという。
「『企業内の複製がいい例だ。現行法でも違法だが実際に摘発されることはほぼない。』という大渕先生の理由付けはひどいな。
法は『制裁』の役割に加え、規範として『行動指針』の役割も果たすべきであるのに」
https://twitter.com/atsuokshr0925/status/1125415947756433408
内閣官房情報化統括責任者補佐官の楠正憲もこうツイートしている
「漫画家の声ひとつちゃんと聞かなかったせいで行き詰まったのに、この人は何をいってるのかな?→ 議論に影響を及ぼしたネットの声の大半は著作物の利用者だった」
https://twitter.com/masanork/status/1124974940711673856
「たぬきのたからばこ」は広告デザイナーだという。
「この大渕哲也みたいな人がいるから、曖昧で適用範囲が広く、警察が恣意的に取り締まりできてしまうような悪法が生まれる」
https://twitter.com/hi_kmd/status/1125010927739232258
「情報管理LOG」を運営する「yoshinon」も呟いている
「どう考えても恣意的運用可能な酷い状態の法案を不透明なままで通したくなかったからじゃないかな。この東大教授は、自分がいいように使われているという意識はなさそうね」
https://twitter.com/yoshinon/status/1125226682670096385
鳥取環境大学で情報メディアセンター長をつとめる齊藤明紀のツイートは「証明」と書くべきところを「照明」と間違って投稿していたが、「照明→証明」という訂正も即座に投稿されたので、これを踏まえて引用しておこう。
「『そんな厳しい法適用はされませんよ』ってのが全く信用ならないのはcoinhiveでも無限アラートでも証明されてるわけですが」
https://twitter.com/a_saitoh/status/1125003011535728640

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3)【記事】全公開!読者からの電子メール

この間、様々な関係者から少なからぬ数の激励の電子メールが届いた。このメールもその一つである。数々のヒット作を生んで来た編集者だけのことはあり、ことの本質を鋭く言い当てている。ここに全を紹介しておこう。
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今井照容
ご無沙汰、お赦しください。
連休に突入したあとの間の抜けたメールですから、いつこれをお読みになるのか分かりませんが、差し出がましいことを承知で一筆差し上げます。
例の講談社との一件、ずっと傍観しておりましたが、日本一(!)の出版社の惨憺たる所業に呆れて僭越ながら一言感想を申し述べます。
と言ったところで、論評する以前の、幼児の八つ当たりのような反応なので、真摯に向き合う気にはなりませんが。
今井さんがおっしゃる通り、抗議の内容が不明であることは、もちろんですが、吉川賞パーティでの「排除」といい、出稿(出広)の取りやめといい、すべて第三者から見ても恥ずかしくなるようなふるまいで、とても「言論機関」ではありませんね。
ただのアホなクライアントが「我が社に不利益なこと書くとはけしからん」と媒体に圧力をかけたという構造で、これでは書き手や他社をすぐ「訴えるぞ」と脅す朝日新聞以下です。見下(くだ)すにもほどがあります。
そもそも抗議する相手は「事実と違うこと」を述べたとされる金菱氏であるべきですが、これはそもそも決裂した相手なのでアンタッチャブル、それゆえそれを紹介した「」に逆上するしか感情の持って行き所がなかったのでしょう。これが傍観者の誰にも分っちゃうところが情けない。この瞬間に恥も外聞も消し飛んだのですね
ところでこれは社長の意向でしょうか。それともその意を忖度した部下の独断専行でしょうか、「役員会」とやらを覗いてみたかったですね。
いずれにせよ、去年の新潮社(45の廃刊)といい、私は日本の出版社のトップは社内を調整する統治力も、社外(社会)に対応する知性もバランスも失ってしまったのかと暗澹たる気持ちになります
これがまさに「劣化」なんでしょうが、そこを衝くと、自信がないゆえにこうやって取り乱すわけですね。
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今回の件で呆れているのは何も私ばかりではないのである。

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4)【本日の一行情報】

集英社の女性ファッション誌「SPUR」7月号(5月23日発売)の付録は、「ほんやのねこ」(白泉社)のヒグチユウコ描きおろし「手ぶらでおでかけケース」だ。
https://spur.hpplus.jp/magazine/topics/201904/22/N1FIYYM/

◎「PIA MUSIC COMPLEX」(通称「ぴあフェス」)が、 今年も新木場・若洲公園にて、 9月28 日(土)・29 日(日)に開催されるが、昨年に続く登場となるSaucy Dog、「ぴあフェス」初登場となるNothing's Carved In Stone、打首獄門同好会、SIX LOUNGEの4組が第2弾出演者として発表された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001204.000011710.html

Kindleで配信中の主婦の友社の電子雑誌のバックナンバーが、100円で購入できるキャンペーンが4/26(金)~5/6(月)の期間限定で開催された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000914.000002372.html

◎平成を代表するベストセラーが養老孟司新潮新書バカの壁であったことは間違いあるまい。「デイリー新潮」によれば4月6日放送の「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)で発表された「平成で売れた実用書 ベストセラーランキング!」で第一位となった。平成15年(2003年)に発売されてから現在まで444万部を売り上げている。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/05030731/?all=1
これからは、こうしたベストセラーにおいてもIP戦略の可能性を探っていかねばなるまい。

◎KKベストセラーズは重版276刷、累計82万部を売った藤田田(日本マクドナルド創業者)の「ユダヤの商法」を復刊したところ、即重版となったという。これを記念して5月1日~5月3日の期間限定で全無料公開を実施した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000021693.html

◎2014年に休刊したギャル系ファッション雑誌「egg」が 、5月1日にセブンイレブン、書店他、にて復刊号を発売した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000031838.html

◎「mashup NY」によればニューヨーク市有地でのアルコール飲料の広告が禁止されることになった。広告が禁止される場所は、バス待合所やニューススタンド(売店)、電話ボックス、Wi-FiキオスクのLinkNYCなどが含まれ、レストランや野球場などのスタジアム、コンサートホールなどアルコール飲料を販売する会場は例外となる。
https://www.mashupreporter.com/nyc-bans-alcohol-ad/

◎まさに令和フィーバーである。明治は、5月1日(水)より令和元年がスタートするにあたり、「明治プロビオヨーグルトR-1の史上初の“元号またぎCM”を放映した。元号またぎCMは、4月30日(火) の夜に放映した「もうすぐR-1」篇、5月1日(水)0時以降に放映される「いまからR-1」篇の前後編2部作である。R-1は令和元年だとSNSで話題になった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000015904.html

◎Messenger、Instagram、WhatsAppの間で相互にメッセージを送信できるようになるそうだ。
https://japanese.engadget.com/2019/05/01/facebook-3-messenger-instagram-whatsapp/

Facebookはオープンな「町の広場」のようなサービスからプライベートな「リビングルーム」のようなサービスにシフトするとマーク・ザッカーバーグCEOはワシントンポストで述べている。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/02/news019.html
「WIRED.jp」が「ザッカーバーグが示したフェイスブックの『プライヴァシー重視』路線は本物なのか」を公開している。
「アプリでは『グループ』のタブを真ん中にもってきて、ニュースフィードでもグループからのコンテンツが優先的に表示される。また、新しいグループへの参加を勧めるレコメンデーションが頻繁に届くようになるという。つまり、グループ機能を全面に押し出すのだ」
https://wired.jp/2019/05/02/f8-zuckerberg-future-is-private/

◎「おたぽる」が「書店業界最大チェーンが抱える大幅赤字 出版業界の再編はこれから本格化か」を掲載している。むろん、教堂のことである。
「業界関係者によれば、同社の売り上げ不振の原因はコミックや雑誌の販売の減少。対して、近年強化されている房具の売り上げは好調との声も聞こえてきている。長らく雑誌の売り上げによって支えられてきた出版業界が転換を迫られていることを如実に示す現象である」
https://otapol.com/2019/05/post-63682.html
「出版状況クロニクル132(2019年4月1日~4月30日)」は、こう書いている。
東京証券取引所教堂GHDに対し、最後通牒というべき上場廃止猶予期間入り銘柄に指定している。そのために今期中に財務を健全化しなければ、上場廃止が待ち受けていることになる。教堂GHDにとって、残された時間は少ない」
http://odamitsuo.hatenablog.com/entry/2019/05/01/000000

◎「WEDGE Infinity」が「ニューヨークのリアル本屋に復調の兆し、地域に根付きアマゾンに対抗」を公開。マンハッタンで「ブックカルチャー」を運営するクリス・デブリン代表が次のように語っている。日本の書店でも言い得ることである。
「人々は、物事がインターネットを使ってあまりにも簡単にできるようになったことで失ったものがあることに気付き始めている。
だから、いま、農家が地方から都市に来て、リンゴや蜂蜜を売り、チーズを作っている。まるで昔の市場がそうだったかのようなやり方だが、人々はこれに価値観を見出し、こういう生活を好むようになっている。近所の人と『こんにちは』と会話をしながら子供について話をし、椅子に座ってのんびりと本を読むというような感じだ
だが、アマゾンで本を注してもこういう経験はできない。その体験をしたいと思えば出かけて、本屋に行くのも一つの方法だ。だから私たちは、本屋の中にエンタテインメントやアニメーション、音楽も取り入れて、コミュニティのためにワインも飲めるパーティなどもやりたいと思う」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15998

朝日新聞「GLOBAL+」に掲載された「『本が売れないからコーヒーを』ではない 韓国の経験が教える生存戦略」で、「本と社会研究所」代表のペク・ウォングンは次のように述べている。
「2017年の統計によれば、1年間に発行された5万9724点のうち、翻訳書が1万1383点と19%を占めます。そのうち日本の作品は、漫画を含めて4905点で、翻訳書の43%を占めています。内訳は漫画が4割、学が3割です。外国の翻訳書のうち日本が最も多く、米国が続きます。日本は先進国のなかでは化的にも近く、誰しもちょっとは知っている国です。おもしろい本であれば、韓日両国の政治関係がどうであれ、読む。本を選ぶときには作者の国籍を問いません」
https://globe.asahi.com/article/12325661

◎熊本は魅力的な書店の宝庫だ。天草市の本渡の中心部に位置する中央通り商店街に店舗を構える「本屋と活版印刷所」はネーミング通り「入って右手が本屋、左手には活版印刷所という造り」だそうである。「日刊タウン情報クマモト」が紹介している。書籍は「ミシマ社」のほか、「ナナロク社」「夏葉社」の本を中心に300冊ほど取り揃えている。「大きな本屋、都会では味わえない『ここだけ』でしか買うことのできない何かを見つけに、海の町へ行くのって、なんだか最高です」という気持ちが私には痛いほど理解できる。
https://tankuma.com/outing/new-spot-honya-20190503/

内田樹が「東洋経済オンライン」に「新天皇が『テムズ川の水上交通』を研究した理由」を寄稿して、次のように書いているのだが、私も同じようなことを思っていた。
「…徳仁親王が『道』の研究のために学習院史学科に進んだ1978年は、まさに網野の『無縁・公界・楽』が刊行された年であった。徳仁親王の研究関心が網野の本と無関係であったと考えることは難しい」
https://toyokeizai.net/articles/-/278677

◎「ウートピ」に「週刊春WOMAN」編集長の井崎彩が登場している。次のような既存の女性誌批判は当たっているのではあるまいか。
「私自身もそうでしたが、女性ファッション誌は年齢が上がるにしたがい自分に合うものがなくなってくる。節約主婦とかキャリアOLとかラグジュアリーなマダムとか、読者像が細かく規定されすぎていて、どれにもハマらないと感じる女性が増えていると思うんです。また、美容とファッションと占いといった女性誌の代表的テーマ以外の情報を知りたいと思ったときに、ちょうどいい雑誌がないんですね。
時事的なニュースを取り上げる雑誌としては女性週刊誌がありますが、専業主婦が大半だった時代の価値観で作られているというイメージがあって。とくに働く女性の場合は『自分とは違う』と感じてしまう。一方、働く女性に人気のある『AERA』だと、専業主婦の方はピンとこないかもしれない」
https://wotopi.jp/archives/85595
タイトルは「週刊春WOMAN」でなく「春WOMAN」で良いのではないだろうか。

◎宝島社から刊行された「アマゾンのすごい問題解決」の著者であ佐藤将之について毎日新聞の5月5日付「今週の本棚・本と人」は次のように書いている。
「2000年にアマゾンジャパンに入社。書籍仕入れ部門などを経て、オペレーション部門ディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの構築を担った。16年に退社し、現在は経営コンサルタントとして企業の運営や成長支援に当たっている」
http://mainichi.jp/articles/20190505/ddm/015/070/016000c
J-CAST会社ウォッチ」も取り上げていた。そこにこんな一節があった。
「小売り業の会社として泥くささに徹し、ITの進化をとらえて『新しい時代』に応じて、現在の成功を果たしたと読めなくはない」
https://www.j-cast.com/kaisha/2019/05/03356456.html?p=all

西日本新聞が5月5日付で「『覚えのない請求』明細に アマゾン名義の不正利用多発 キャッシュレスに不安」を発表している。
「『身に覚えのない請求があり困っている』。福岡市の男性(64)から、インターネット通販大手「アマゾン」名義で不正請求があったとの情報が特命取材班に寄せられた。調べてみると、2月から4月にかけて同様の被害が相次いでいることが分かった」
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/anatoku/article/507764/

Netflixがテレビ向け高音質オーディオの配信を発表した。「オーディオは圧縮されてはいるもののオリジナルの音源と区別がつかない」そうだ。
https://jp.techcrunch.com/2019/05/04/2019-05-01-netflix-launches-high-quality-audio-for-tv-viewers/

三栄書房から「一度は読んでほしい 小さな出版社のおもしろい本 2019」が刊行された。
https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=10550
「おもしろい本」を出す「小さな出版社」は、ここに取り上げられていなくても、まだまだ沢山ある。

◎昨年3月25日に元ネトウヨであることをカミングアウトしたことで話題になった琉球新報の塚崎昇平記者が朝日新聞に登場した。朝日新聞デジタルが「元『ネトウヨ』の新聞記者『レッテル貼りが対話奪う』」を公開している。
https://www.asahi.com/articles/ASM4X7J6TM4XUTIL037.html
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-691863.html

ダイヤモンド社論説委員の坪井賢一は山本おさむが「ビッグコミックオリジナル」で連載している「赤狩り」を絶賛している。
https://diamond.jp/articles/-/200903
「路」でカンヌ映画祭に現れ、亡命したトルコの映画監督ユルマズ・ギュネイはアナーキストの学生をかくまっていたとしてトルコ政府に逮捕され、投獄されたことがあるが、エリア・カザンが獄中のギュヌイを訪ね手記として発表する。このこともあってギュヌイは釈放される…と、まあ、そんなことがあったはずである。私も山本の「赤狩り」の愛読者である。エイブラハム・ポロンスキーはロバート・レッドフォードが復活させる。そう「夕日に向かって走れ」である。そうか!能條純一の「昭和天皇物語」も「ビッグコミックオリジナル」の連載か。編集者の頑張りが目に浮かぶよね。

◎産経児童出版化賞の大賞は豊田直巳の「それでも『ふるさと』」(農協)全3巻に決まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000604.000022608.html
産経だよ、産経!

◎「2ちゃんねる」から生まれ、ミリオンセラーとなった「電車男」(新潮社)の担当編集者であった郡司裕子は現在、新潮社マーケティング営業本部ゼネラルマネジャーである。
https://mainichi.jp/articles/20190430/k00/00m/040/209000c

講談社のデジタル漫画誌「comic tint」は、ボルテージが運営する読み物アプリ「100シーンの恋+」で配信中の恋愛ストーリー「あの夜からキミに恋してた」のコミカライズ連載を5月3日から開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002148.000001719.html

大日本印刷DNP)は、TOKYO FMが、「TOKYO FM | Ginza Sony Park Studio」で公開生放送を行うラジオ番組「TOKYO SOUNDS GOOD」の新コーナー「Mono Good With DNP」を開始している。
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1191283_1587.html

◎アマゾンは、本、コミック、雑誌が読み放題となる「Kindle Unlimited」サービスを、当初3ヶ月299円で利用できるキャンペーンを04月25日(木)18時00分から5月6日(月)23時59分(日本時間)まで行った。
https://www.phileweb.com/news/hobby/201905/03/2316.html

◎展示会「俺 矢沢永吉」の横浜会場・YCC ヨコハマ創造都市センターで5月3日よりスタートしたが、みなとみらい線・馬車道駅にて販売された「オリジナルデザインみなとみらい線一日乗車券」には、前日の21時ごろから行列ができ、早朝には長蛇の列となり、11時頃には完売したそうである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001209.000011710.html

小学館庫「平成史」と小学館新書「現代に生きるファシズムは、佐藤優と思想史研究者・片山杜秀の対談本である。両書の刊行イベントとして佐藤優×片山杜秀トークショー「令和時代を生き抜くために」が6月24日(月)に紀伊國屋ホールで開催される。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20190424103000.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000277.000013640.html

乃木坂46が、庫カバーに起用される光社の庫本キャンペーン「乃木坂庫 2019夏 青春&ミステリー」フェアの第1弾、第2弾のメンバーと作品が決まった。
白石麻衣×辻村深月『サクラ咲く』
齋藤飛鳥×誉田哲也『疾風ガール』        
堀未央奈×似鳥鶏『レジまでの推理』
山下美月×知念実希人『優しい死神の飼い方』
高山一実×湊かなえ『ポイズンドーター・ホーリーマザー』
与田祐希×藤岡陽子『いつまでも白い羽根』 
大園桃子×宮下奈都『スコーレNo.4』
https://honsuki.jp/nogizaka-bunko

◎5月15日に発売するAERA増刊「ドキュメント新天皇誕生」に、特別付録として朝日新聞号外「新元号は令和」を綴じ込むそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000687.000004702.html

集英社講談社は、「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年マガジン」などの連載作品約150タイトルを無料で読むことができるWEBサイト「少年ジャンマガ学園 」を2019年4月8日(月)から6月10日(月)までの期間限定で公開しているが、二誌のマンガをWebを通して閲覧するリーダーとして、ボイジャーの開発した「 BinB 」が使われている。
https://www.voyager.co.jp/info/press-release/2019/2019-0507/pressrelease.html

◎松原惇子の「クロワッサン症候群」(藝春秋)が刊行されたのは1988年のこと。ということは昭和63年である。今と違って「クロワッサン」の内容はラジカルだったんだよ。犬養智子桐島洋子澤地久枝加藤登紀子吉行和子向田邦子といった顔ぶれを松原は「クロワッサン御用達化人」と呼んだものである。朝日新聞デジタルの5月6日付「『クロワッサン症候群』30年 著者は女性に言いたい」で松原惇子は次のように語っている。
「当時は雑誌の影響力がすごかった。女の自立が騒がれていたけど、本当に自立してやれる人は一部だったのに、まるで全員ができるようにあおっていたから、それは違うと思ったの。世間やマスコミに流されて自分の生き方を決めないでって、若い女性に言いたかったのよ」
https://www.asahi.com/articles/ASM540RGGM53UTNB00X.html
雑誌が新しいライフスタイルの「前衛」を担っていた時代があったのである。

◎「ミス東スポ2019特別賞」「ミス週刊実話WJガール2019 グランプリ」二冠の月神まりながグラビアDVDデビューする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000044541.html

◎菅原太の評伝が現代書館から刊行されるぞ。坂本俊夫の「おてんとうさんに申し訳ない 菅原太伝」がそうだ。「仁義なき戦い」を撮る前に太と深作欣二が初めて組んだ「現代やくざ 人斬り与太」は連合赤軍事件の痕跡をとどめた映画であると言えよう。太の次のような台詞が忘れられない。
「一度敗け癖のついた犬はナ、それっきり噛みつくことさえ忘れちまうんだ。おれたちだってそうさ。一度逃げ足を覚えたやつは、絶対に浮かび上がることはできないよ」
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5856-3.htm

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5)【深夜の誌人語録】

平凡であること、普通であること、目立たないことにおいて一流であることが広報マンの条件である。二流、三流の広報マンに限って、しゃしゃり出るのが好きである。