【文徒】2020年(令和2)4月15日(第8巻69号・通巻1726号)


今井照容責任編集【】2020年(令和2)4月15日(第8巻69号・通巻1726号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】新型コロナは収束してもテレワークは終息しない?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.4.15 Shuppanjin

1)【記事】新型コロナは収束してもテレワークは終息しない?

NHK NEWS WEB」は4月13日付で「出勤者7割減 対応苦慮する大手企業も 新型コロナウイルス」を公開している。
《すでに大手企業の多くはテレワークを取り入れるなどの対応を取っていますが、業務が間に合わず決算発表の日程を変更せざるえないなど、対応に苦慮しているところもあります。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200413/k10012384511000.html
乙武洋匡もテレワークに移行したようだ。しかし…
《テレワークに移行したものの、まだあまりペースがつかめず、「結局、今日もダラダラしてしまった…」と軽く凹んでるみなさん。たしかに生産性も大事だけど、メンタルを健康に保つこともやっぱり大事なので、そこは「今日も一日、健康に過ごせた」と切り替えましょう!》
https://twitter.com/h_ototake/status/1249612436585365505
こんな投稿もある。
《さて明日から金曜日のテレワークと土日の休みを入れて6日間も旦那が家にいるので息子たちと私は発狂寸前です。長男に至ってはテレワークしてる横でPS4のモンハンを音量上げてやってやるんだ!と思考がおかしくなってきています。新聞やニュースにならないように出来る限り努力します。》
https://twitter.com/angelmamiy/status/1249615656644820993
幻冬舎plus」は4月11日付で「編集部日記 在宅勤務に切り替わる」(竹村優子)を公開している。
《午前中に自宅からZoomを使ってplus会議。はじめてでドキドキ。いつも雑談を重ねる自由な感じでやっているのだけど、それがZoomだとしゃべりだすタイミングがうまくつかめない。ホストである私がもっとちゃんと進行すべきなのかな。。
昼すぎから、坂口孝則さんと4月14日に開催する「ペスト」Zoom読書会のテスト打ち合わせをZoomで。
そのあともうひとつ、新書の打ち合わせのZoom。3回連続でやったので、だいぶ慣れた気がする。ただ、夫の部屋にも声が筒抜けで迷惑かけているし、来週は、彼もZoomでの仕事が本格的に始まるというので、家庭内調整が今後の課題。鈴木綾さんが連載「月が綺麗ですね」のなかで、「シェアハウス内のオンラインミーティングをグーグルカレンダーで管理している」と書かれていたけれど、このことか!と納得。》
https://www.gentosha.jp/article/15284/
みんなZoomを使い始めた。朝日新聞デジタルは4月9日付で「『めっちゃ画面赤くね?』突然のZoom爆撃、会議無残」を掲載している。
新型コロナウイルス対策で利用者が急増しているテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」をめぐり、不審者が割り込んで会議などを妨害する通称「Zoombombing(ズーム爆撃)」が世界的に広がった。
一体、何が起きていたのか。日本で被害を受けた利用者が、その一部始終を朝日新聞記者に語った。さらに取材を進めると、会議や遠隔授業などの動画がネット上に大量にアップされ、非公開のものまで「丸見え」状態にあることがわかった。》
https://www.asahi.com/articles/ASN4874KTN48ULZU011.html?iref=pc_ss_date
ハンコ化もテレワークの前に立ちはだかっている。東京新聞は4月14日付で「コロナで『脱はんこ』は進むか テレワークを阻む商慣習 見直しの時」を掲載している。
《規制改革推進会議の高橋進議長代理は記者会見で、対面・書面原則を規制緩和し、デジタル技術での代替を進める方針を説明。会合では「デジタル化が遅れている日本の問題点の棚卸しをしていく」と積極的な意見が出たと紹介した。
会合に先立ち、自民党行政改革推進本部は「はんこ化」見直しを首相に提言。書面や押印原則がテレワークの妨げになりかねないとして、政省令の押印を求める言削除や、経済界と連携して商習慣の見直しに取り組むよう求めた。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020041402100066.html
では、こうした記事を書いている新聞はテレワーク先進企業なのかといえば、新聞にしても出版にしても、そう胸を張れたものではあるまい。
職業は新聞記者だという島崎周は次のようにツイートしている。 
《テレワークに切り替えたいものの、記者会見や投げ込みがあるため、毎日記者クラブに行く生活。こんなにテレワークを新聞で記事にしていながら、記者自身ができていなくて、本末転倒。記者会見もどうにかできないか。》
https://twitter.com/amaneshimazaki/status/1249316215434039297
そんなことはないと、新聞はテレワークが進んでいるという反論は全国紙からあるかもしれない。しかし、待って欲しい。「日刊ゲンダイニュース記者」を名乗るアカウントは次のようにツイートしている。
《新聞社だって、毎朝、毎夕、滞りなく配達してくださる販売員の方々に支えられての商売です。テレワーク推進も結構ですが、彼ら彼女らの使命感をリスペクトしながら、記者だけが安全地帯に逃げ込むことなく日々、活動すべきですよね。自戒を込めて》
https://twitter.com/gendai_news/status/1247903549503074308
こんな投稿も発見した。
《新聞社とは社会の縮図である。報道記者や広告販売など、大卒の人間はテレワークで仕事が出来るが、輪転機を回す人間や、新聞配達員などは肉体労働が故にテレワークの人権に預かることができない。しかし輪転機が回らなかったら、新聞が届かなかったら、取材は全て無駄になるのである。》
https://twitter.com/MISMIS_T/status/1247839335321223173
福島第一原発収束作業日記  3.11からの700日間」のハッピーは、こうツイートしていた
原発作業もだけど、現場作業はテレワークなんて出来ないし班単位で作業するから3密だらけだし。大手ゼネコンが補償もなく作業止めたら日給の人達は辞めて再び集まる事なく他の県で仕事探して大移動するだろうし。簡単に作業中止は出来ないんだろうな。》
https://twitter.com/Happy11311/status/1249632594410364929
ジャーナリストの古田大輔が指摘している。
《中小企業のテレワーク導入が遅れている。東京商工会議所によると、導入率は従業員300人以上で57%だが、50人未満だと14%。業種にもよるけど、本来は人数少ない方が導入は簡単。デジタルデバイドがおきてる。
非デジタル世代がよく見る新聞やテレビが導入ガイドラインを作って報道したらいいのに。》
https://twitter.com/masurakusuo/status/1248004701485854720
中国では3億人がテレワークを実施したようだ。共同通信は4月10日付で「中国、3億人がテレワーク 人口14億人、効率に課題」を発表している。
《新型コロナ感染症の拡大を受け日本でテレワークが広がっているが、人口約14億人の中国では既に3億人がテレワークを実施したといわれる。》
https://www.47news.jp/4704006.html

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2)【本日の一行情報】

◎新型コロナの感染拡大を止めようと緊急事態宣言による外出自粛要請で巣ごもり生活を強いられ、運動不足や体重増加を心配する人や、気分をリフレッシュしたいという人にむけて、主婦の友社は、「部分やせが目指せる 女子の自重筋トレ決定版」の購入者限定特典であるトレーニング動画の一部を5月6日(水)まで無料公開している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001193.000002372.html

KADOKAWAの「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」は発売から5年たたずについに累計500万部を突破した。YouTubeでは「5分でわかる日本の歴史」を公開中だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007008.000007006.html

◎音声テクノロジーで音声体験をデザインするVoicyは、「藝春秋」編集部との共同企画で、3月26日にボイスメディア「Voicy」で新チャンネル「藝春秋channel | 聴く雑誌」を開設した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000021111.html

小学館から4月13日(月)に発売された「週刊ビッグコミックスピリッツ」は、40周年イヤー突入記念号と銘打たれている。これから4号連続で、ドラマ&映画「映像研には手を出すな!」トリプル主演でも話題の、乃木坂46の3人が登場する。 今週号では、山下美月が表紙を飾る。付録はコミックス版「映像研には手を出すな!」の掛け替えカバーだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000636.000013640.html

ホビージャパンは、WEB小説投稿サイト「ノベルアップ+」において、集英社の「ウルトラジャンプ」編集部との共同企画として、マンガ原作プロットコンテストの作品応募受付を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000043799.html

◎「デイリー新潮」は4月12日付で「コロナで『緊急事態』だからこそ見たいドキュメンタリー『さよならテレビ』」(西谷格)を公開している。こんな一節を引用しておこう。
《伝わってくるのはテレビ業界の葛藤ぶり。が、これは決してテレビだけの話ではなく、新聞や雑誌、あるいはラジオなども他人事ではない。私は週刊誌の仕事を時々手伝っているが、決して嘘ややらせではないものの、多少”話を盛る”というか、より興味関心を引くようドラマチックな方向に記事を作成していくことは、当然のこととして行われている。》
《「さよなら新聞」、「さよなら週刊誌」というタイトルで、自分たちで自分たちを取材する自画像ノンフィクションが続いてくれたら、面白そうではある(誰も作りたがらないかもしれない)。》
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200412-00619710-shincho-soci&p=1

◎愛知県警広報課は、ツイッターの公式アカウントに広報課長名で「深く息を吸って10秒我慢し、せきや息切れなどの症状がなければ、新型コロナウイルス感染の可能性は低いようだ」との誤った情報(要するにフェイクという奴だ!)を投稿していたそうだ。讀賣新聞オンラインは4月12日付で「『深く息を吸い10秒我慢できれば…感染可能性低い』愛知県警が誤情報を投稿」を掲載している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200412-OYT1T50078/

◎「スポーツ報知」は4月13日付で「巣ごもりなのにレンタルショップはNG 本屋が〇で古本屋は× 東京都が休業要請新リストを発表」を掲載している。
《また「社会生活をする上で必要な施設」として花屋やたばこ屋などとともに本屋も対象外に区分されたが、古本屋は休業要請対象に。選定基準をめぐって議論を呼びそうだ。》
https://hochi.news/articles/20200413-OHT1T50154.html

◎昨年10月に刊行した田坂広志の光社新書「運気を磨く 心を浄化する三つの技法」が好調で、累計12万部を突破した。これにより田坂広志の“磨く”シリーズに注目も集まっていることから、2016年に発売された光社新書「人間を磨く 人間関係が好転する『こころの技法』」の重版が決定した。 5刷4,000部を増刷し、累計30,000部に到達した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000342.000021468.html
大袈裟にではなく、落穂拾いのできないプレイヤーは市場から撤退せざるを得なくなるだろう。むろん、落穂拾いで利益を出せる経営体質の筋肉化は欠かせないはずである。

◎光社はnozomiの「すぐめし献立」を4月21日に発売するが、これを記念して、光社は同社の既刊料理本を期間限定無料公開することになった。
第一弾 4月10日(金)~4月20日(月)
『力尽きレシピ』犬飼つな
『もっとつくおき』nozomi
『冷凍つくおき』nozomi
 第二弾 (予定)4月21日(火)~5月1日(金)
『ほっとくだけ! デリ風 作り置き』市瀬悦子
『つくおき3』nozomi
『つくおきのじみべん』nozomi
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000348.000021468.html

新潟日報が4月14日付で社説「大林監督と花火 長岡から伝えた反戦平和」を掲載している。
新型コロナウイルスの終息が見通せない中、長岡市は10日、今年8月の長岡まつり大花火大会を戦後初めて中止すると苦渋の決断をした。大林さんは同じ日に亡くなった。
大林さんは、以前に長岡で慰霊の花火「白菊」を観賞した時に「いつまでも像が残るのがいい。思いがこもっているから、見え方が違う」と語った。
映画化を提案した市民には「長岡は花火で、僕は映画で、一緒に平和をつくろう」と語り、握手を交わしたという。》
https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20200414537484.html
大林宣彦は長岡空襲と慰霊の花火をテーマにした映画「この空の花-長岡花火物語」(2012年)を撮っている。
中国新聞は4月14日付で社説「大林宣彦監督死去 反戦の思い受け継ごう」を掲載している。
《7歳のころ、軍医だった父と広島を訪れ、路面電車の窓から後の原爆ドームの丸い屋根を見た。明社会の象徴だと思ったが、2週間後に原爆が落とされ破壊の象徴になった。そんな体験から、核のボタンが押されれば人類が滅亡しかねない現状に強い危機感があったのだろう。
戦争と原爆をテーマにした遺作「海辺の映画館」もその表れではないか。「自分の知る戦争を未来に伝えたいからつくる」と次世代に希望を託していた。
「映画で過去は変えられないが、未来は変えられる」。映画の力を信じ続けた大林さんの思いを受け継いでいきたい。》
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=633288&comment_sub_id=0&category_id=142

大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」のタイトルとポスターを描いた横尾忠則がツイートしている。
《首相がのんきにくつろいでいる動画、誰かいたずらかパロディで作ったものかと思った。この動画に「イイネ」が物凄い数だ。どこがいいのか、何がいいのか、ぼくにはわかりません。》
https://twitter.com/tadanoriyokoo/status/1249933171354812418
毎日新聞は4月14日付で「この国はどこへ コロナ禍に思う 元鳥取県知事・片山善博さん 安倍首相の差配、ピント外れ」を掲載している。片山の次のような発言は痛烈だ。
《安倍政権がこのような体質になったのも、野党を頼りなくしたのも、選挙で1票を入れた国民の責任です。民主主義とは、自業自得の仕組み。国民が選んだ結果、報いがくるわけです。》
https://mainichi.jp/articles/20200414/dde/012/040/036000c
信濃毎日新聞は4月14日付で社説「首相の自粛要請 国民目線に立っているか」を掲載し、次のように結んでいる。
《一方的に自粛を呼び掛ける政府の対応は、困難が増している国民や企業の現状が見えていない。自宅でくつろぐ映像をSNSで配信し、外出自粛を呼び掛けた安倍首相に対し、批判が殺到したことでも明らかだ。政府は国民の目線で対策を打ち出すべきだ。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200414/KT200413ETI090008000.php
「いだてん~東京オリムピック噺~」で音楽を担当した大友良英安倍首相には厳しい。
《いったいこの人はどういう人なんだろう。周りの音楽舞台関係で休業補償や給付を受けたものは現時点で一人もいない。廃業覚悟で休業して感染対策をしてるときに・・。》
https://twitter.com/otomojamjam/status/1250009020431093760
CNNにも報道されてしまった。
https://edition.cnn.com/2020/04/13/asia/japan-coronavirus-pm-video-backlash-dp-intl-hnk-scli/index.html
「note」に4月13日付で「安倍総理星野源さんコラボは何が問題だったのか / 音楽家からの視点と分析」が公開されている。
安倍総理星野源さんの動画を、セッション等の目的ではなく、自分が伝えたいメッセージの一部として使用してしまったわけで、これは無断使用と同等の行為であると同時に、勝手に曲をYoutubeに転載してしまう高校生と同レベルの行為です。こんなことを国の代表がやってしまうというどうしようもなさとコンテンツ化への無理解に、私達は絶望し、そして言いようのない不快な気持ちになっているというわけです。》
https://note.com/kaixaoki/n/n094582efcd8d

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3)【深夜の誌人語録】

人に触れられなくとも本には触れられることは幸福である。