Index------------------------------------------------------
1)【記事】毎日新聞社版「パラサイト」を報じた「デイリー新潮」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2021.1.19 Shuppanjin
1)【記事】毎日新聞社版「パラサイト」を報じた「デイリー新潮」
「デイリー新潮」は1月15日付で「『毎日新聞本社』地下で年末年始を過ごしていた、コロナ感染した“パラサイト男”」を掲載している。
《…日本の大手新聞社の一つ毎日新聞では新年早々、1人の男が、東京都千代田区の本社地下室で見つかった。
しかもこの男が、新型コロナウイルスに感染していたというから、騒動は地下室にとどまらなかったのである。
「編集局の手伝いをするアルバイト補助員さんの1人が新型コロナウイルスに感染していたと、社員への一斉メールで知らされたのは1月7日のことです。それだけなら特段、話題にもならないのですが、なんとその補助員さんは、勤務日でもないのに、12月31日から7日までの1週間あまり、本社の地下1階にある男性用の宿直室に住み着いていたというのです。メールを読み進めるうちに、『うちの会社の管理体制はいったいどうなっているんだ』と青ざめましたよ」
と、毎日新聞東京本社勤務の若手社員。》
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/01150559/?all=1
朝日新聞記者・中村健太が呟いている。
《何ですかこれ。引き込まれてしまいました。》
https://twitter.com/n_kenta1995/status/1350098430303997957
記事には次のようなベテラン社員のコメントも掲載されていた。若手社員のコメントよりも、好感が持てるのはコッチだ。
《大きな声では言えませんが、今の本社の幹部連中でも、酔っ払って帰れなくなり、本社に戻って宿直室に泊まったことのある人はたくさんいる。昔はそういう振る舞いが許された風潮がありましたから。今回の話を聞いて、バイトの人選も、施設の管理の甘さも、良くも悪くも緩いというか、何ともうちの会社らしいという気がしましたよ。》
「BuzzFeed Japan」記者・籏智広太がベテラン社員のコメントに反応して呟く。籏智は元朝日新聞記者。
《いい話だ…》
https://twitter.com/togemaru_k/status/1349891230579056642
岩永直子も「BuzzFeed Japan」。昔は讀賣新聞記者。やはり「昔」を懐かしんでいる。
《一歩間違えば集団感染が発生した恐れもあるのだけれども、なんともとぼけた話。感染対策はしっかりやるとして、新聞社にはこの大らかさをあまり失ってほしくないな。》
https://twitter.com/nonbeepanda/status/1349886645382725633
大らかさを失いつつあるのは新聞だけではない。他のメディアも同じだろう。この記事は「YAHOO!ニュース」などにも転載されているのだが、「YAHOO!ニュース」には次のようなコメントが投稿されていた。
《昔はよくありましたよ。そういうの。新聞社の編集部でバイトしていた時の仲間は結構宿直室で寝てたり、仕事じゃないのに飲み会帰りに会社手配のタクシーで帰宅したり。それはそれで大らかで良い時代でした。今の時代、それでいいとは思いませんけれども。学生バイトなのにボーナス支給まであったりして大切にされてましたね。》
《シャワー室ばかりか、浴場まで完備してる所もあるよ。
昔は地下に印刷工場もあったから、仕事終わりの職人さんも使っていたし、
洗濯室も完備してる会社もあるよ。
飲み歩いて終電逃した時とか、プライベートで飛行機で旅行に行く時なんかも宿泊で使うしね。
業界の外の人からすると異常だと思うけど、
365日24時間営業みたいな職種だからね。
ホントにおおらかだよね。》
https://news.yahoo.co.jp/profile/comments/16106607169717.79f1.28942
https://news.yahoo.co.jp/profile/comments/16106673374232.f951.22169
-----------------------------------------------------
2)【本日の一行情報】
◎毎日新聞は1月14日付で「『鬼滅』広告掲載の全国5紙を小学校などに贈呈 『新聞触れるきっかけを』 大阪」(山本夏美代)を掲載している。
《新聞各紙の販売店で構成する日本新聞販売協会の近畿地区本部大阪府中部支部は14日、「子どもたちが新聞に触れるきっかけを作りたい」と、漫画「鬼滅の刃(やいば)」の全面広告が掲載されて話題を呼んだ2020年12月4日付の毎日新聞など全国紙朝刊5紙をセットにして、東大阪市立小など51校に贈呈した。》
https://mainichi.jp/articles/20210114/k00/00m/040/246000c
◎京都精華大学教授の三河かおりは「Nippon.com」に「『鬼滅の刃』はなぜ社会現象となったのか―寄り添う死者たちの『思い』とコロナ禍が生んだ強い『共感』」を寄稿し、次のように書いている。三河は角川書店「ヤングロゼ」編集部でマンガ編集に携わり、フリーとして独立してからは「のだめカンタービレ」「コスメの魔法」などの編集を担当していただけに観念論には流れていない。私も同感だ。
《…ではなぜ「鬼滅」が異例の驚異的ヒットを飛ばすことができたのだろうか? それは、連載終了後の売り伸ばしを狙った「戦略」と、コロナ禍で価値観が変わっていった人々からの「共感」があったからではないかと思う。》
《もし、連載がまだ続いていたなら? アニメで人気が出たから物語を薄めてまで連載を引き伸ばしていたなら、この熱狂は訪れていただろうか? カウントダウンへ新規読者を参加させて「終わりを楽しむ」戦略を立てることで、売り伸ばしに成功し、むしろ短命に終わったこと自体が「ブランディング」ではないだろうか。》
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00667/#
◎朝日新聞デジタルは1月15日付で「博報堂系から計1.3億円詐取か 元社員ら4人再逮捕」を掲載している。逮捕は3回目になる。
《広告大手の博報堂DYメディアパートナーズ(博報堂DYM、東京都港区)にうそのCM制作費を請求して約7500万円を詐取したとして、警視庁は14日、元社員の中島真毅容疑者(43)=東京都大田区=ら男4人を逮捕した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1G7VTRP1GUTIL034.html
◎集英社は「りぼん」「マーガレット」「別冊マーガレット」「ココハナ」「Cookie」の計5誌15冊を1月14日から2月14日まで無料配信している。
https://natalie.mu/comic/news/412397
◎「KADOKAWA ライトノベルEXPO 2020」が3月6日よりら3月31日(水)までメイン会場をWEBにして、サブ会場はダ・ヴィンチストア(ところざわサクラタウン)とWEBとリアルの双方に会場を設けて開催する。
https://lnexpo.kimirano.jp/
アニメイトは、この開催に先駆けて「KADOKAWAライトノベルEXPO2020実施直前キャンペーン」と「KADOKAWAライトノベルEXPO2020」開催記念フェア in animateの開催を決めた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002355.000016756.html
◎主婦の友社が発行するマタニティ誌「プレモ春号」で、2月に出産を控えているお笑いタレントの平野ノラが、小中高と打ち込んできたバレーボールのユニフォーム姿で、おなかをボールに見立てたマタニティフォトを披露している!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001494.000002372.html
◎荒木飛呂彦 原作の漫画の アニメシリーズ「岸辺露伴は動かない」が、Netflixにて2月18日(木)から全世界同時独占配信されることになった。断るまでもないが原作の版元は集英社である。
https://screenonline.jp/_ct/17424413
◎「東洋経済ONLINE」は1月15日付で東京都市大学メディア情報学部教授・奥村倫弘の「元ヤフトピ編集長が語る『勝つメディアの条件』」を公開している。次のような指摘は鋭いが、果たして思惑通りに進むだろうか。
《新聞業界で注目したのは読売新聞です。2020年7月にスマートフォン用アプリ「読売新聞オンライン」を公開しました。面白いのは、先行してアプリ展開をしている日本経済新聞や朝日新聞とは異なり、自宅などで紙を定期購読していないと、読売アプリでデジタルコンテンツの全文が読めない点です。》
《読売新聞の狙いは、ネット単体で収益を上げるより、最終的には残存者利益を取ることにあると感じています。ライバルの新聞社が破綻した際、読売新聞はその読者を獲得しようと準備しているのではないでしょうか。新聞業界で確固たる地位を維持し続けたいという考え方です。紙ありきの会社ですので、アプリはあくまで紙の販売戦略の一助だと思います。》
https://toyokeizai.net/articles/-/403342
◎朝日新聞デジタルは1月15日付で「朝日放送テレビの50代社員に課徴金 インサイダー疑い」(川嶋かえ)を掲載している。
《朝日放送テレビ(大阪市福島区)の50代の男性社員がグループ会社の業務提携の未公表情報をもとにインサイダー取引し、知人にも知らせて株取引させたとして、証券取引等監視委員会は15日、金融商品取引法違反の疑いで、社員に451万円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した。知人の番組制作会社経営の50代男性にも、305万円の課徴金を納付させるよう勧告した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1H6HT7P1HPTIL03B.html
◎「東洋経済ONLINE」は木村隆志の「テレビ『総コロナチャンネル化』の強烈な違和感」を1月15日付で発表している。
《これらが本当に恐ろしいのは、「不安や怒りをあおられるほど、またそれを見ずにはいられなくなる」という人間心理を突いた構成・演出であること。「備えあれば患いなし」という実用的な構成・演出であれば問題ありませんが、「見たくないのについ見てしまう」という心境にさせる番組であるところが罪深いのです。》
https://toyokeizai.net/articles/-/404651
「見たくないのについ見てしまう」という心境にさせる番組づくりも視聴率優先であるのであれば、過去10年間で最高の視聴率を記録した三が日のテレビから「コロナ報道」が一斉に消えてしまったという異様な光景も同じような理由からであろう。総てはテレビの側の都合なのである。
◎2020年12月で活動を休止した「嵐」の活動休止までの1カ月間で、ビデオリサーチによれば全国9,339.2万人にも及ぶ人々が何らかの番組で「嵐」の出演を見届けたことになるという。
https://www.videor.co.jp/press/2021/210115.html
チャンネルをひねると目に入って来てしまったというのが正解だろう。私もその一人である。
◎私は「DIME」(小学館)のお茶目な付録が好きである。何と昨年7月号の付録「デジタルポケットスケール」をバージョンアップして「デジタルポケットスケールPRO」として全国のセブン-イレブン、セブンネットショッピング限定で発売された。雑誌「DIME」の電子版増刊号が丸々一冊読めるQRコードも同梱されていて1500円。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000994.000013640.html
◎へぇ~「岩波文庫」の初期の表紙デザインを使ったポーチが売られている!
https://bg-mania.jp/2021/01/17377231.html
◎朝日新聞デジタルは1月18日付で社説「図書館サービス ネット時代の姿探って」を掲載している。
《図書館にある本や雑誌のコピーを、自宅にいながらメールやファクスで受け取れるようになりそうだ。文化審議会の小委員会の提言に沿って、政府はきょうから始まる通常国会で著作権法の改正をめざす方針だ。》
《市民の知的活動を下支えしている図書館の利便性が高まるのは間違いなく、多くの人に歓迎されそうだ。
とはいえ、良いことずくめではない。コピーが大量に送受信されるようになれば、書き手の権利や出版社の経営などに影響が及ぶ。電子書籍市場とも競合し、出版・活字文化がやせ細る恐れがある。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14766738.html
中小零細出版社にとって、これは死活問題になりかねない。
-----------------------------------------------------
3)【深夜の誌人語録】
習慣は属性ではないし、変えられるものだ。