【文徒】2021年(令和3)4月8日(第9巻65号・通巻1962号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】官僚を批判できないテレビ朝日「サンデーLIVE」のコロナ感染
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.8 Shuppanjin

1)【記事】官僚を批判できないテレビ朝日「サンデーLIVE」のコロナ感染

毎日新聞は4月5日付で「テレビ朝日、スタッフ4人感染 ニュース情報番組放送後に送別会」を掲載している。
《テレ朝広報部によると、3月28日に約20人が働くスタッフルームで軽い飲食を伴う送別会を行い、9人が参加した。その後、近隣の飲食店に移動した6人のうち4人が4月2~3日に新型コロナ陽性と確認された。》
https://mainichi.jp/articles/20210405/k00/00m/040/231000c
讀賣新聞オンラインは4月5日付で「テレ朝『サンデーLIVE』放送終了後に送別会、4人感染…局『自覚欠く行動で大変遺憾』」を掲載している。
《同局は「番組を通じて感染拡大防止を呼びかける立場にありながら、自覚を欠く行動があったことは大変遺憾であり、深く反省している」とのコメントを発表した。》
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210405-OYT1T50197/
私などは玉川徹タイムスと呼んでいるスポーツ報知は4月6日付で「玉川徹氏が謝罪 テレビ朝日番組スタッフが送別会で感染『本当に情けなく、恥ずかしく思います』」を掲載している。
《コメンテーターで同局の玉川徹氏は「まず同じテレビ朝日の社員として、視聴者の皆さまに本当に申し訳なく思います。本当に申し訳ありません」と頭を下げ謝罪。
「同じ新型コロナの問題を伝える立場としても恥ずかしい、本当に恥ずかしいと思います」と断罪し、「『サンデーLIVE!!』は政治家の会食の問題や官僚の送別会の問題も伝えてきたと思うのですが、伝えてきた時に批判の話もあったと思いますよ。それなのに番組のスタッフが、まさかこういうことをして。一体何を考えているんだろうか。本当に情けなく、恥ずかしく思います」と厳しい言葉を述べた。》
https://hochi.news/articles/20210406-OHT1T50017.html
東スポWebは「羽鳥アナは驚き、玉川徹氏は陳謝! 富川アナの時とは似て非なるテレ朝『送別会コロナ』」を掲載している。
《テレ朝ではちょうど1年前の昨年4月に「報道ステーション」でメインキャスターを務める富川悠太アナウンサーが、新型コロナに感染。この時は感染経路よりも、症状を自覚しながら番組に出続けたことに批判が集まった。
「同じコロナ感染でも、今回の送別会感染の方が大問題だ。緊急事態宣言が明けたとはいえ、政治家の集団会食などを批判的に扱う立場。危機意識が薄いと言わざるを得ない。今後、政治家が同様の集団感染を起こしても、番組では扱いづらくなる。MCの東山さんの顔に泥を塗る行為だ」とはテレビ関係者。》
https://this.kiji.is/752041440927301632?c=427849843378390113
ネット民の厳しい投稿がツイッターには当然のことながら並んだ。
《スタッフルームで9人でってのはまだ分かる。その後6人は飲食店へって報道番組に携わる人間としてアウトだろ。
番組では感染対策とかやっときながら、送別会って。》
https://twitter.com/tatsu1000/status/1379612915813076993
《テレビ局は街頭でこの件についてインタビューして大々的に報道しろよ。
勿論、テレビ朝日の社長は給料2ヶ月返納するんですよねぇ?》
https://twitter.com/musashi_investm/status/1379572951217889280
《警笛を鳴らす側がこれじゃあね…
飲みに行きたいのも我慢し、送る側・送られる側も我慢し見送ってるというのに自覚が足りなさすぎるね!当然叩かれるわね…》
https://twitter.com/hiroaki_kakusei/status/1379575288384774147
《自分たちの時は「反省している」で済ませるのか?
しっかり4人の感染、
対策すらできてなかったってこと。
あれだけ人のことは叩いてたのに
恥を知りなさい》
https://twitter.com/SHIJIMIS/status/1379406480307195908
こんな投稿もある。
《玉川徹さんも社員として謝罪していたテレ朝「サンデーLIVE!」スタッフの送別会での4人感染。ABCから東京に派遣されていたスタッフが関係(当事者かどうかは敢えて書かない)している事が語られないね。3局共同制作だけに、その辺の難しさが露呈したような。送別会くらい、と一瞬思うものの》
https://twitter.com/taikisasaki/status/1379305998897147906

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2)【本日の一行情報】

渡辺淳一学賞は、千早茜の「透明な夜の香り」(集英社)に決まった。
https://this.kiji.is/750177894358958080?c=39546741839462401
千早茜のツイート。
《「透明な夜の香り」が第6回渡辺淳一学賞をいただきました。
学・大衆学の枠を超えた、人間心理に深く迫る豊潤な物語性をもった小説に与えられる賞とのことです。
香りの世界の豊かさを描きたいと思って書いた小説なので嬉しいです。
ありがとうございます。賞の名に恥じぬよう精進致します。》
https://twitter.com/chihacenti/status/1377522995552415749
「るん(笑)」(集英社)の酉島伝法がこう評価している。
《第6回渡辺淳一学賞を受賞した千早茜さんの『透明な夜の香り』すごくいいですよ。オーダーメードの香りを作る調香師の日々が、家事手伝いに雇われた女性の視点から描かれるのですが、嘘も嗅ぎわける嗅覚は常にこちらの読みを超え、目に見える世界を解体しつつ香りと紐づく感情や記憶を蘇らせる。》
https://twitter.com/dempow/status/1378178260509499395
実業之日本社 芸出版部がツイートしている。
《『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一学賞を受賞された千早茜さん。おめでとうございます!
実業之日本社庫からは『桜の首飾り』が刊行されています。桜と人々をめぐる、まさに豊潤な7つの物語。この季節にぜひお楽しみください。》
https://twitter.com/JITSU_NICHI/status/1378325660783968256

◎「FRaU」が編集を担当した「麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語」が講談社から発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003155.000001719.html
広告絡みの出版物なのだろう。

◎学研プラスは、2021年4月8日(木)に、回転ずしチェーンくら寿司」とコラボした「おすしドリル 4歳 まちがいさがし」「おすしドリル 5歳 まちがいさがし」「おすしドリル 6歳 まちがいさがし」を発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003284.000002535.html
これも広告絡みの出版物なのだろう。教育にかかわる出版でも堂々と企業とコラボする時代に突入したということだ。

産経新聞は4月6日付で「漫画『進撃の巨人』9日完結 村上春樹作品に通じる『普遍性』」(本間英士)を掲載している。
《快進撃の始まりは15年前にさかのぼる。ある夏の日、当時23歳の新入社員だった川窪さんが、当時19歳の諫山さんからの電話をたまたま取ったことがきっかけだった。デビュー前の諫山さんの才能を見抜いた川窪さんは、上司や周囲に猛プッシュ。平成21年の連載開始後、先読みできない展開などが話題を集め、25年のアニメ化で人気が加速した。》
https://www.sankei.com/premium/news/210405/prm2104050001-n1.html
川窪とは「進撃の巨人」の担当編集者・川窪慎太郎のこと。

◎両@リベ大学長の「本当の自由を手に入れる お金の大学」は昨年6月に朝日新聞出版から刊行され、52万部突破のベストセラーとなっている。アマゾンで「売れているビジネス書」ランキングでは「スマホ脳」を抑えて3週連続で第1位となっている。
https://toyokeizai.net/articles/-/421203
著者の両@リベ大学長は10代で年間1億以上を稼いだ経験を持つ現在、30代の男性。
https://liberaluni.com/about

朝日新聞社は4月2日、長い章を要約するAI(人工知能)を開発し、「長要約生成」の機能を体験できるAPIを公開した。
このAPIは、字数や割合を指定する事ができるので、用途に応じた章を生成できる。過去30年分の朝日新聞記事のデータおよび、記事を生み出すフローで生み出される内部データを活用し、学習データとしての処理効率を上げるためのフィルタリングなどをした上で、ディープラーニング(深層学習)により可能となった技術だそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001111.000009214.html
章は機械が書く時代か。

朝日新聞社が運営する、学童保育(放課後児童クラブ)向けにあそびのプリントを無料提供するサイト「すき!がみつかる 放課後たのしーと」は、「放課後キッズサポーター」として協賛しているトヨタ自動車と連携し、4月6日から子ども向けの環境プログラムを提供している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001112.000009214.html

白泉社の電子BL雑誌「小説花丸」から、電子オリジナル花丸庫が誕生した。第1弾「きみがくれたぬくもり 完全版」(伊勢原ささら 画:小椋ムク)が、4月1日から白泉社e-net!ほか主要電子書籍サイトで配信をスタートさせた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000483.000046848.html
BLやTLは電子書籍が主戦場になっている。電子でのコミカライズも増えている。

◎中京テレビは「名古屋テレビ映像社員、17歳少女にみだらな行為の疑いで再逮捕」を公開している。
《18歳未満の少女に現金を渡し、みだらな行為をしたとして名古屋テレビのグループ会社社員の男が5日、再逮捕されました。
児童買春などの疑いで再逮捕されたのは「名古屋テレビ映像」の社員・岸川拓真容疑者(23)です。》
https://www.ctv.co.jp/news/articles/vc826dyv1f9ytzwk.html

博報堂DYホールディングスは、次世代のWell-being市場創造を主目的とし「株式会社Hakuhodo DY Matrix」を設立し、4月1日より営業を開始した。
https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/assets/uploads/HC20210401.pdf

日本経済新聞は4月5日付で「米大手、スマホ用『縦型』広告で日本参入 博報堂と連携」を掲載している。
スマートフォン向け縦型動画広告の米大手ループ・ナウ・テクノジーズが日本に参入する。博報堂DYホールディングスと組み、スマホでの閲覧や操作に適した30秒前後の「短尺動画」を表示するサービスを日本でも展開する。一部アプリで限定的にしか活用されていない縦型広告が今後、広がる可能性がある。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ01F9L0R00C21A4000000/
縦型動画広告の時代がやって来るのかもしれない。

◎「MarkeZine」は4月6日付で「雑誌『Hanako』が、30年以上女性に愛され続ける理由【博報堂中川氏×マガジンハウス田島氏対談】」を公開している。『Hanako』編集長の島朗は「読む人のペルソナを規定することよりも、『Hanako』という雑誌がどのような人に見えるか=人格を規定することが重要」だと規定したうえで次のように語っている。
《中川:現在は『Hanako』をどういう人格で定義しているのでしょうか。
田島:ひとことで言えば、女子会で幹事を任される人、でしょうか(笑)。先ほどお伝えしたコアターゲットの人たちが「こういう人が友達でいてくれたら頼もしいなあ」と思う存在でいられることを常に意識しています。
チャーミングでパワフル、そして最近のフードやスイーツ、旅行のトレンドにも詳しいから、とにかくみんなに頼られる。でもときどき真面目にSDGsのことだったり働き方のことについて相談にも乗ってくれる。このような人格の“ハナコさん”を編集部員に共有して、そのイメージのもとで『Hanako』を作り上げています。》
https://markezine.jp/article/detail/35898

毎日新聞は4月6日付で「学術会議、任命拒否の5人は連携会員に 加藤陽子氏は希望せず」を掲載している。
日本学術会議の会員候補として推薦されながら、菅義偉首相に任命されなかった6人の研究者のうち、5人が学術会議の「連携会員」「特任連携会員」として活動に参加することになった。梶田隆章会長ら執行部は残る1人の加藤陽子・東京大教授(歴史学)にも特任連携会員への就任を打診したが、任命拒否問題が解決していないとして希望せず、見送られた。学術会議は引き続き菅首相に対し、6人を推薦通り会員に任命するよう求めている。》
https://mainichi.jp/articles/20210406/k00/00m/040/190000c

毎日新聞は4月7日付で「楽天・三木谷氏『今年の五輪は反対。リスク高すぎる』とツイート」を掲載している。
楽天三木谷浩史会長兼社長は7日、東京オリンピック・パラリンピックについて自身のツイッターで「僕ははっきり今年の五輪開催はあまりに、リスクが高すぎると思っており、反対です」と、開催反対の考えを明確に示した。その理由として「アスリートの方々には本当に申しわけないけど、一生懸命生きているのはアスリートだけでないので」と書き込んだ。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/k00/00m/050/092000c
「TBS NEWS」は4月6日付で「【速報】『日本で予定の五輪予選を中止』 国際水泳連盟が発表」を公開している。
国際水泳連盟は6日、東京オリンピックに向けた予選を兼ねて東京で今月18日から開催予定だった「飛び込み」のワールドカップのほか、5月1日から同じく東京で予定されていた「アーティスティックスイミング」、5月29日から福岡で予定されていた「マラソンスイミング」の予選の中止を発表しました。中止の理由や今後どのようにして予選が行われるかどうかなどは明らかにされていません。》
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4239866.html
次のようなツイートが投稿されていた。
《ここで出場選手が決まる競技もあるなど五輪開催と密接な関係にあるこの大会を日本で開催することに対して、世界が「No」を突きつけてきた。その理由も「日本政府のコロナ対策が信頼できない」という強烈なもの。ニュースの重みをメディアは意図的に隠している。事態は深刻だ。》
https://twitter.com/SaYoNaRaKiNo/status/1379397223377641472
毎日新聞は4月6日付で「『傷』だらけの東京五輪 北朝鮮不参加『ドミノ倒し』懸念も」を掲載している。
新型コロナウイルスによる東京オリンピックへの逆風が止まらない。北朝鮮が感染から選手を守るためとして五輪に参加しない方針を明らかにした。国際オリンピック委員会IOC)に加盟する206カ国・地域のうち、不参加を表明したのは今回の北朝鮮が初めて。関係者からは「ドミノ倒し」を懸念する声も上がる。》
https://mainichi.jp/articles/20210406/k00/00m/050/243000c
朝日新聞デジタルは4月7日付で「五輪組織委 市民に顔向けて仕事を」を掲載している。
《なかでも驚きあきれたのは、週刊春が掲載した記事を問題視して、発行元に雑誌の回収やネット記事の削除などを求めたことだ。開会式の演出案を入手してその一部を報じたのは、著作権法違反や業務妨害などにあたると主張している。
自分たちの内部統制の甘さを棚にあげて、国民の知る権利の制約につながる回収や削除を、公の存在である組織委が迫る。異常と言うほかない。》
国際水泳連盟が1日、組織委などに対し、4~5月に日本で予定していた国際大会の中止を検討している旨を伝えてきたという。日本のコロナ対策や入国管理への疑義があるといわれるが、具体的に何を問題としていて、日本側はどんな解決策を考えているのか、組織委から適宜適切な説明が求められる。》
《コロナ禍という前例のない状況のもと、競技団体や参加国の事情も絡んで、ある程度の混乱があるのはやむを得ない。しかしそうだからこそ、状況をすみやかに把握・調整し、市民との間にコミュニケーション不全を起こさないようにするのが、組織委の役割のはずだ。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14862472.html

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3)【深夜の誌人語録】

傷は一日も早く治すべきだが、その痛みを記憶にとどめておきたい。痛みを知らずして優しさは生まれないのだから。

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4)【お知らせ】 

」2000号まで、あと38号。