【文徒】2021年(令和3)4月7日(第9巻64号・通巻1961号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】外資規制違反のフジHD、東北新社同様に認定取り消し!?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.7 Shuppanjin

1)【記事】外資規制違反のフジHD、東北新社同様に認定取り消し!?

朝日新聞デジタルは4月5日付で「フジHD、外資規制違反の疑い 社長認める『甘かった』」をスクープした。
《フジテレビなどを傘下にする持ち株会社「フジ・メディア・ホールディングス(FMH)」が2014年9月までの約2年間、放送法の外資規制に違反していた疑いがあることがわかった。FMHは当時、違反の可能性を把握したが、公表していなかった。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP45675MP45UTIL03X.html
同紙同日付で掲載している「『隠す意図はなかった』 フジHD社長、実務ミスと釈明」は次のように書いている。
《金光氏は、今回の疑いが発覚した14年9月当時は、FMHの常務を務めていた。5日夕にFMH内で取材に応じた際、朝日新聞取材がきっかけで公表することにしたと明かし、「開示した方がよかろうということになった」と説明。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP456T1KP45UTIL042.html
隠す意図があろうがなかろうが、承知の上で隠していたことは厳然たる事実である。悪質である。国会で糾弾決議を受けた丸山穂高ツイートしている。
《はぁ?フジテレビの外資規制違反が事実なら社長が「甘かったわ~」とかだけで済むレベルではない。同じく一時期外為法違反疑い東北新社についてはその放送事業認定まで取消の政府方針。フジHDにおいても違反した時期があったのが事実なら同じく認定取消が公平かと。議員として政府へ調査を求めます。》
https://twitter.com/maruyamahodaka/status/1379045500997918721
そう法は平等であるべきだ。こちらは総務省出身の参院議員・小西ひろゆきのツイート。
《本件において、外資規制違反の可能性を把握していたフジ・メディア・ホールディングス(FMH)に対して東北新社と同じ認定取り消しをしないでよいという理屈が成り立つのだろうか。
事実関係を総務省に確認しないとはっきり言えないが、公正な立場での精査が必要だと思う。》
https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1379036503825772545
小西は、こうも指摘している。
《私の東北新社外資規制違反の追及を誹謗中傷で攻撃してきた産経新聞がどう報じるか。》
https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1379030988194414594
朝日新聞記者・田中恭太がこう解説している。
《調査報道班を中心に取材していましたので、フジHDの件少し解説します。①今回の問題は、持ち株会社が受ける「認定放送持ち株会社」制度(放送法)の外資規制です。傘下のフジテレビが放送のために受ける放送免許(電波法)やBSの放送認定(放送法)にも外資規制はありますが別です。》
《②フジHDの「外国人直接保有比率」は31.26%(5日現在)で、ネットで「違反じゃないか」と言われていますが、外資規制で問題になるのは、株そのもののではなく「議決権」の比率です。20%以上だと、超過分の議決権を拒否できる規定もあり、超過している社はこの拒否権を使い、「19.99…%」にしています》
《③今回の問題が起こったのは、この拒否作業の過程とみられます。本来、存在しない議決権50~100個を「総議決権数」に加えた数字を分母として、外国人株主の議決権比率が19.99%になるよう、維持する議決権数を算出していました。》
《④ところが、「分母」の数が誤っていたことが判明。正しい分母(50~100個を除いた数)をもとに、当時「有効」とした外国人株主の議決権数の比率を計算しなおすと、分母が減るので割合は増え、20%を0.0004~0.0008%超えていたことになる――という訳です。》
《⑤実際に認定取り消しになるのか。前代未聞だと思いますのでよくわかりません。ただ、①で説明したように、親会社が外資違反になったからといって、子会社の免許・認定に直接影響があるかは別です。》
《⑥=止 一方で、本来、1社で多数のメディアを持つことは厳しく規制されており、認定放送持ち株会社だけに許された特例です。万一、「普通の会社」になってしまえば、例えば複数の地上波局は持てない――という状態になることになります。一般論ですが。》
https://twitter.com/kyota_tanaka/status/1379076299411529728

https://twitter.com/kyota_tanaka/status/1379076306554380289
「凡人エリック」のツイートに私は同意する。
《「当時公表しておけば良かった。甘かった」
もうこの姿勢からしてダメだよ。確信犯だったのでは?
フジテレビは嘘をついた。あまりに悪質すぎる。これはもう規定通りに認定取り消しすべきだ。
もちろん他の民放各局に対しても調査してほしい。》
https://twitter.com/No_Zey_2020/status/1379032518909825024
それにしても監督官庁総務省は何を監督しているのだろうか。烏賀陽弘道の言う通り、この朝日新聞のスクープ記事には肝心な部分が書かれていないのだ。
監督官庁である総務省が気づかなかったというのもすごくマヌケな話に思える。なぜ気づかないのか?外資比率はあくまで自己申告に過ぎないと言うことなのか?この記事に抜けているのはその「なぜ?」の問いかけである。》
https://twitter.com/hirougaya/status/1379155991992758278
後手後手の菅政権、後手後手の総務省毎日新聞は4月6日付で「フジ・メディアHDの外資規制違反疑い 武田総務相『徹底調査を指示』」(村尾哲)を掲載している。
武田良太総務相は6日午前の閣議後記者会見で、フジテレビを傘下に持つ「フジ・メディア・ホールディングス(HD)」が2014年3月までの約1年半、放送法外資規制に違反していた疑いがあることについて、総務省の担当部局に「徹底的に調査するよう指示した」と明らかにした。》
《武田氏は会見で、フジ・メディアHDについて「調査結果を踏まえ適切に対処したい」と述べた。ただ、放送事業の認定取り消しの可能性については「事実関係を把握していないのでコメントは控える」と述べるにとどめた。》
https://mainichi.jp/articles/20210406/k00/00m/010/070000c
山本一郎ウルトラCを提案している。
《フジHDが外資規制違反になるって問題になるなら、傘下の低成長事業のひとつでニッポン放送ってのがあるから、そこを再上場させてその下にフジテレビをぶら下げればいいんじゃないでしょうか
前科一犯の人がそう言ってました。》
https://twitter.com/Ichiro_leadoff/status/1379061437503471616
こんなツイートが投稿されていた。
《フジ産経は保守の面をした売国奴
黒い街宣車に包囲されてほしい。》
https://twitter.com/kiyo_2643/status/1379071161078714373

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2)【本日の一行情報】

◎世界化リテイリングが運営する通販事業「家庭画報ショッピングサロン」は、春の特別号カタログを刊行し、4月3日より受注を開始した。今回からアクティブな富裕層70代女性を対象に「家庭画報プラチナム」を創刊した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001095.000009728.html

集英社の「最強ジャンプ」5月号が売れている。付録の力だ。付録は「呪術廻戦ミニポスター」「呪術廻戦シール」「遊戯王ラッシュデュエルくまモン」「ダイの大冒険クロスブレイド武装フレイザード」「スーパードラゴンボールヒーローズカード3枚」。
https://yukawanet.com/archives/saikyo20210402.html
「呪術廻戦」ブームのピークはまだまだ先だ。

◎ニューステクノロジーが運営する都内最大級のモビリティメディア「THE TOKYO TAXI VISION GROWTH」は4月5日(月)より、小学館の「CanCamOggi」「Domani」「美的」「Precious」という女性ファッション誌・美容誌5誌がオススメのコーディネートやアイテム、スタイルを紹介する「2021 春のトレンドチェック」の配信を4月5日(月)~4月11日(日)の期間限定で開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000041209.html

朝日新聞デジタルは4月5日付で「橋田寿賀子さん死去 『おしん』『渡る世間は鬼ばかり』」を掲載している。
《テレビドラマ「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」など多くのヒット作を書いた脚本家の橋田寿賀子(はしだ・すがこ、本名岩崎寿賀子〈いわさき・すがこ〉)さんが、4日、急性リンパ腫のため死去した。95歳だった。通夜、葬儀は行わず、お別れの会なども予定していないという。
1925年、ソウル生まれ。幼少期に大阪・堺に移り、日本女子大早大を経て松竹に入った後、フリーの脚本家になり、テレビドラマの脚本を書き始めた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP455RGBK7LUCLV02T.html
朝日新聞大阪本社社会部記者・武田肇ツイッターで次のように書いている。
《新聞のデジタル版やテレビニュースを見た方から「なぜ橋田さんはソウル生まれ?」と聞かれました。記事やニュース原稿で「日本統治時代の京城(現在のソウル)生まれ」と書いてはいけないのでしょうか?》
https://twitter.com/hajimaru2/status/1379075008727633926
私にとって橋田寿賀子といえば「となりの芝生」とか、「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」になるのかな。

◎ぴあは「機動戦士ガンダム ニュータイプ伝説ぴあ』」を4月30日に発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001876.000011710.html
ぴあとガンダムは相性が良い。

東急エージェンシーは、昨年より、教育とエンターテイメントを掛けた“Edu-tainment(エデュテインメント)”コンテンツとして絵本の刊行を始めたが、テレビ東京の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」においてアニメ化された作品の原作絵本「いってきますね」「いえのなかには」を4月5日(月)に発売した。
https://www.atpress.ne.jp/news/253684

博報堂博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)の3社は、クライアント企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を、マーケティングDXとメディアDXの両輪で統合的に推進する3社横断の戦略組織「HAKUHODO DX_UNITED」を発足させた。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/04/210405HDXU.pdf

◎「デイリー新潮」は4月5日付で「最年少『徳島女性市長』と『男性記者』の奇妙な関係 地元の書店から消えた週刊新潮」を発表している。
《・・・徳島県で、「週刊新潮」(4月8日号)の完売書店が続出しているというのだ。異例の「局所的売り切れ状態」が発生したのである。》
《公用車を使えば、どこに寄ったか足がつく。きっと内藤市長は、自家用車を自ら運転して「やましいところ」に行っているに違いない。そんな憶測が入り乱れるなか、彼女が自家用車で足を運んでいた先は……。
徳島新聞の男性記者の自宅マンションだったんです」(同)
地元紙の男性記者と人知れず“密会”をしていた内藤市長。「週刊新潮」の記事では、内藤市長と男性記者の「深い仲」を示すエピソード、そして「証拠」も紹介されている。》
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/04051952/?all=1
週刊新潮」には「週刊春」をたまにはギャフンと言わせて欲しいんだけど、ローカル砲として活路を見出そうとしているようでは期待薄か。

毎日新聞は4月6 日付で「東京五輪・パラ1.6兆円で何ができる? 貧困・復興・コロナ…」(上東麻子)を掲載している。
《・・・全国の公立小中学校の給食無償化には年間約5120億円が必要だ。これを五輪大会経費の税金投入分で賄えば、1年9カ月分の給食を無料にすることができる計算になる。》
《国は2021年度予算で、高等教育の授業料減免や給付型奨学金の支給拡充を盛り込んだ「高等教育の修学支援新制度」に4804億円を充てた。これも、五輪大会経費に投じる税金を使えば、2倍近く手厚くできそうだ。》
《(大会経費の税金分の)9230億円もあれば生活保護費を引き下げる必要などなかったはず。》
《「復興五輪」を掲げるが、東日本大震災の被災地の自治体はどうみているのだろうか。復興予算は10年間で36兆円が使われたが、実は今年度から激減する。25年度までの5年間復興予算はちょうど大会経費と同じ1.6兆円だ。》
《私たちはコロナ禍のただ中にいる。東京五輪を開催すべきなのか? お金の使い方が間違っていないだろうか? 今が真剣に問い直す、最後のチャンスかもしれない。》
https://mainichi.jp/articles/20210406/k00/00m/040/012000c

◎「週刊実話Web」は4月6日付で「負けるな、週刊春!五輪組織委の『販売差し止め』にブーイングの嵐」を発表している。
組織委員会は、春の記事をなかったことにする前に、これまで隠してきたことを明らかにしてウミを出し切る方が先決であろう。
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/15581
日本ペンクラブのツイート。
《一般社団法人日本ペンクラブ(会長:吉岡忍)は日本ペンクラブ声明
「#東京2020組織委員会 は報道統制をしてはならない~マスメディアの多様な報道を求める」を4月6日発出しました。》
https://twitter.com/JapanPen/status/1379344241617330181

小学館が運営するニュースサイト「NEWSポストセブン」の3月度の純PVが月間2億2962万PVとなり、2010年のサイト開設以来、最高のPVを記録した。また、ユーザー数(自サイトでの閲覧者数)は月間2796万ユーザー、外部配信先での閲覧を加えた総PVは6億PVを超え、いずれも過去最高を更新した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001095.000013640.html

◎「小学館YouthBooks」(ユースブックス)が4月1日、4冊同時発売で創刊された。
https://youthbooks.shogakukan.co.jp/

◎これは快挙だと思う。半世紀以上にわたって連載されているのたもの。朝日新聞デジタルは4月5日付で「ゴルゴ13が単行本200巻 ギネス記録のこち亀に並ぶ」を掲載している。
《長寿劇画「ゴルゴ13」の単行本200巻が5日、発売された。「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として2016年にギネス世界記録に認定された「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治さん作)に巻数で並んだ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP455DC0P45UCVL010.html

主婦の友社は、中日新聞社が4月6日(火)に開設した学校教育用ウェブサイト「中日新聞@School」(愛称:チュースク)へ、累計130万部を突破する人気シリーズから「日本の歴史366」(2020年11月発行)のコンテンツ提供を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001583.000002372.html

◎「週刊少年サンデー」(小学館)は、3月26日から4月23日(金)まで「サンデー化祭ONLINE」を開催している。
https://websunday.net/bunkasai/

◎「現代ビジネス」は4月6日付で「『鬼滅の刃』『呪術廻戦』…『ジャンプ』だけが“圧倒的一人勝ち”している『納得の理由』」と「ついに大公開…!“国民的ヒット作”を次々生み出す『少年ジャンプ』逆説の企画術」を発表している。「週刊少年ジャンプ副編集長・齊藤優の発言。
《「編集長が気に入らなかったら載らない」みたいな構造には「ジャンプ」はなっていないんです。会議でたとえ担当以外全員の反応がそれほどでなかったとしても「とりあえず載せてみよう。最終的には読者がジャッジしてくれるから」というのが基本的なスタンスです。「迷ったら載せる」。そうやって試すことが作家と編集の成功につながり、出てきたアンケートを見ることが成長につながるという考えです。》
《2010年代にいくつかのIT企業がマンガ制作に新規参入したときに「マンガを作るのってこんなに時間がかかるのか」と面食らったと伝え聞いていますが、うちは会社的に「時間もお金もかかる」のが当然だと思ってもらえています。競争はあるし、リミットも決まっているけれども、途中経過に関してせっつかれることはない。そうやって鷹揚に構えてもらっているほうがホームランを狙うためには逆に効率が良いというか、だからこそ新人に力を入れられるというか……。》
少年ジャンプ+」副編集長・籾山悠太の発言。
《・・・連載作家の評価軸は「コミックスの売上は関係なく、本誌のアンケートで訊いている『今週おもしろかった作品3つ』の順位で評価される」と決まっています。「毎話毎話人気である」ことが連載続行の可否に関する一番の指標になっているマンガ編集部は今では「ジャンプ」だけじゃないでしょうか。そしてこれも「ジャンプ」から新人が世に出やすい理由になっています。「ジャンプ+」も同様で、閲覧数が多ければ新人の作品でも一番目立つ場所にサムネイルを置きますし、それはキャリアに関係がありません。》
《・・・連載会議ではたとえ「今回会議にかけられた新しい企画はどれも微妙だな……」という空気になったとしても、必ず入れ替えて新連載を始めます。これはそうやって新しく始めることに意義があると思っているからであり、結局、人気が下位なままムリに続けるよりも改めて違う作品に向かってもらったほうが雑誌にとっても作家にとってもいいと考えているからでもあります。「ジャンプ+」でも閲覧数など数字が下降していったら、次の新作に向かってもらうのがよいという同じ考え方です。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81464?imp=0
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81465?imp=0

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3)【深夜の誌人語録】

「一度だけ」はあり得ない。

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4)【お知らせ】 

」2000号まで、あと39号。