【文徒】2021年(令和3)4月9日(第9巻66号・通巻1963号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】東京五輪にちらつく強権体質に反発 見渡せば春の味方ばかりなり 
2)【本日の一行情報】
3)【人事】学研プラス 2021年4月1日付
4)【人事】世界化ホールディングス(世界化社) 2021年4月1日付
5)【深夜の誌人語録】
6)【お知らせ】
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1)【記事】東京五輪にちらつく強権体質に反発 見渡せば春の味方ばかりなり 

信濃毎日新聞は4月7日付で社説「組織委の抗議 報道の自由への威圧だ」を掲載している。
《見過ごせない報道への圧力である。東京五輪組織委員会の見識を疑う。》
《内幕を暴く報道が組織委にとって目障りなのは察しがつく。だとしても、国家的な事業を担う組織の威光をかさに言論を封じることが許されるはずもない。春だけでなく、ほかの報道機関にも組織委をめぐる報道をためらわせる圧力になりかねない。
森喜朗前会長の女性蔑視発言であらわになった組織委の体質に厳しい目が向けられている。求められるのは、批判に向き合って説明する責任を果たし、組織と五輪運営の透明性を高めることだ。市民の知る権利に応える報道を妨げることではない。》
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021040700125
北海道新聞は4月8日付で「五輪組織委抗議 表現の自由侵しかねぬ」を掲載している。
《開会式は五輪という国家プロジェクトの一環だ。多大な経費に税金が充てられることを踏まえれば、国民に対する情報公開は当然である。報道が公益にかなうのは、自明の理と言えよう。
著作権を巡る組織委の主張にも首をかしげざるを得ない。報道を目的にするのであれば、著作物を正当な範囲内で利用することは広く認められているからだ。
恫喝まがいの手法を取る組織委の姿勢は言論封殺に通じる。週刊春のみならずメディア全体を萎縮させかねず、ただちに改めなければならない。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/530782?rct=c_editorial
京都新聞は4月8日付で社説「組織委の抗議 五輪報道の自由奪えぬ」を掲載している。
《組織委では、森喜朗前会長の女性蔑視発言や五輪エンブレム盗用疑惑など不祥事が後を絶たない。組織体質に厳しい目が向けられていることを認識する必要がある。
五輪の人件費の「肥大化」を報じた新聞社に、組織委は謝罪と訂正を求めている。
コロナ禍での聖火リレーや五輪開催の可否をめぐり、さまざまな意見や批判が飛び交っている。
組織委は独善的にならず、しっかりと受け止めるべきだ。できるだけ情報を公開し、批判に応える姿勢を示してもらいたい。》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/543931
組織委員会が4月2日付で発表した「毎日新聞報道について」は、こう書き出している。
《4月1日の毎日新聞朝刊に掲載された「五輪『人件費単価』30万円 委託1人日額 肥大化止まらず」を見出しとする記事、及び、3月31日に毎日新聞社ウェブサイトに掲載された「東京五輪人件費『一人1日30万円』組織委内部資料、実額は非公表」「五輪費用、あれもこれも総額 組織委、実際単価示さず『参考値』」を見出しとする記事については、東京2020組織委員会が常識外れの高額な人件費を支払っているかのような誤解を招く見出し及び内容であり、極めて遺憾です。毎日新聞社に対しては、書面で厳重に抗議を行い、紙面及びウェブサイト上で謝罪及び訂正を求めました。》
https://tokyo2020.org/ja/news/news-20210402-07-ja
「ジャーナリズムの道徳的ジレンマ」の畑仲哲雄が呟いている。
《毎日の記事がよほど「不都合な真実」だったのだろうか。》
https://twitter.com/hatanaka/status/1378324922468954125
毎日新聞の齊藤信宏が畑仲をリツイートしている。
《「不都合な真実」とは言い得て妙です。情報開示こそ大事だということを、オリンピック組織委員会はしっかり考えてほしいです。
https://twitter.com/nobusaitoh/status/1379803858558324741
日本ペンクラブが4月6日付で発表した会長・吉岡忍名義の声明「東京2020組織委員会は報道統制をしてはならない~マスメディアの多様な報道を求める」は全を紹介しておこう。
《[またか!]
東京2020組織委員会が、また問題を起こしている。今度は週刊春が開会式内容を報じたことに対して、販売中止・回収・オンライン記事の削除を求め、さらに毎日新聞が非常識な高額日当を基準に会場運営委託費を算定しているのではないか、と報じたことに抗議し、謝罪・訂正を求めている。
国立競技場デザイン変更やエンブレム盗用疑惑から始まり、最近の前会長や辞任した開閉会式演出責任者の差別発言まで、いったいどれだけ醜聞をまき散らすつもりなのか。マスメディアが、多額の税金を投入して開催される〝国家プロジェクト〟の内情を取材・報道し、問題点を指摘するのは当たり前ではないか
[マジか!]
週刊春が報じたのは、本人も知らないうちに契約を打ち切られた演出家が考案した開会式演出案だという。組織委員会がその記事の回収・削除を求めたということは、ほぼその通りに開会式が行なわれると認めたに等しい。また、毎日新聞指摘ももっともである。
組織委員会の一連の要求は言論統制そのものであり、知る権利の侵害であることは言うまでもない。だが、そのこと以上に、あらたな演出案もつくれず、みずから手の内を明かしていることにも気づかない要求をする組織委員会の体たらくにがっかりする。いまからでも遅くない、組織委員会は両メディアへの要求を撤回すべきである。
[落ち着け!]
オリンピック報道は、現在の聖火リレーの段階から浮ついている。東京新聞記者が福島県内を大音声を上げて走る企業宣伝カーを撮影したネット動画は、国際オリンピック委員会(IOC)の「ルール」により72時間しか掲載できなかった。NHKが長野県内のリレーをネット中継した映像はいきなり途中で無音になり、五輪開催反対を叫ぶ市民たちの声が消去された。
IOCや組織委員会に、公道上も含めすべての五輪関連行事に対し報道規制をする権限があるのか。それは憲法で保障された言論や表現の自由に抵触しないのか。そうでなくてもコロナ禍の下、賛否両論ある五輪開催である。報道機関は多様な現実を伝えることが仕事ではないか。
東京五輪2020がうまく開催できたとして、終わってみたら言論統制の居丈高と、商業主義の騒々しさと、マスメディアの空騒ぎの印象だけが残った、などということにならないよう、関係諸方面の冷静な奮起を期待する。》
https://japanpen.or.jp/statement20210406/
出版労連は4月7日付で声明「公的機関による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する」を発表した。これも全を掲載しておこう。
《公益財団法人東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会は、「週刊春」4月8日号(4月1日発売)掲載記事「白鵬海老蔵、後援者…森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」、および3月31日配信の春オンライン記事「AKIRA』主人公のバイクが…渡辺直美も絶賛した「MIKIKO チーム開会式案」の全貌」において東京オリンピックの演出プランを暴露したことは不正競争防止法違反の罪及び業務妨害罪が成立しうるとして、4月1日、同誌の回収とWebからの削除を求めました。
これに対し同誌は「侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性があり、報道機関の責務である」と説明し、組織委員会の要求である発売中止、回収などについて拒否する姿勢を表明しています。出版労連この表明を支持し、連帯を表明いたします。
オリンピック・パラリンピックが、莫大な税金が投下される公共性の極めて高い催しであることはいうまでもありません。組織委員会は、国内外から多くの批判を受けた森喜朗会長(当時)の女性蔑視の差別発言による辞任、タレントへの侮辱演出案の存在など、五輪憲章に抵触し、人権を軽視した度重なる不祥事を起こしてきました。同誌の表明するとおり、開会式の概要を取材・検証し公表することが公共の利益と合致することはだれの目にも明らかです。
組織委員会は、非公開で会議を行うなど、極端に不透明な運営手法をとり、過度な情報コントロールを行ってきたことも報道で明らかとなっています。これらを納税者の前に明らかにする記事は、高い公益性を有していると考えます。さらに組織委員会は、警察と相談しつつ内外の関係者の調査に着手するとしていますが、これは刑事告訴をほのめかし取材活動を萎縮させることを意図した恫喝であり、不都合な事実を隠蔽することでガバナンスの不在を繕おうとしていると思わざるをえません。
平和の祭典と称されるオリンピック・パラリンピックは、市民の共感と支持がその礎にあってこそのものと考えます。そのためには、運営組織の透明性は不可欠です。報道機関として当然の取材活動の範疇にあり、憲法21条で保障されている出版社として当然の出版活動の範疇にある同記事に対し、著作権法違反や業務妨害などの組織委員会の主張は、公的機関による言論活動の妨害、出版・表現の自由に対する重大な侵害にほかならず、看過できるものではありません。
私たち出版に働く者は、公的機関による言論活動の妨害、出版・表現の自由の侵害を認めません。1963年に日本雑誌協会が制定した雑誌編集倫理綱領の第一項「雑誌編集者は、完全な言論の自由表現の自由を有する。この自由は、われわれの基本的権利として強く擁護されなければならない」という立場をいま一度、強く支持し、公益財団法人東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会による同誌への発売中止、回収要求の即時撤回を求めます。》
https://syuppan.net/?p=3169
日本マスコミ化情報労組会議(MIC)は4月8日付で「五輪組織委による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する」を発表している。
《公益財団法人「東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会」は、「週刊春」4 月 8日号(4 月 1 日発売)掲載記事「白鵬海老蔵、後援者...森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」、および 3 月 31 日配信の春オンライン記事「『AKIRA』主人公のバイクが...渡辺直美も絶賛した『MIKIKO チーム開会式案』の全貌」において東京オリンピックの演出プランを取材・検証し、暴露した記事の掲載が「著作権の侵害」にあたるとして、同誌に対して、4月8日号の回収と販売中止、ネット記事の全面削除を求めました。
併せて保有の内部資料を直ちに廃棄し、今後のその内容を一切公表しないことを要求。「不正競争防止法違反の罪」「業務妨害罪」にも触れ、警察への相談、内部調査の徹底などにも言及しています。
これに対し同誌は「侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性がある」として、発売中止、回収などについて拒否する姿勢を表明しています。
平和の祭典と称されるオリンピック・パラリンピックは、莫大な公金が投入された公共性の極めて高い国際的なイベントです。同誌の表明するとおり、開会式の概要を取材し公表することが公共の利益と合致することは明白です。さらに、当該記事は、開会式の内容の決定過程や、その公金支出の在り方を検証し批判しているもので、公益性が高い報道です。内部資料の引用や紹介を含む報道記事について著作権が問われると、権力の監視や市民の「知る権利」に応えるメディアの正当な取材活動が成り立ちません。
さらに組織委は、営業秘密を不正に開示する者についても、「不正競争防止法違反の罪」及び「業務妨害罪」が成立しうるものであり、所管の警察と相談し、内部調査にも着手する、としています。刑事告訴をほのめかし、取材活動の萎縮を意図した恫喝とも受け取れます。公的機関による報道の自由への侵害や内部告発者や内部告発行為への威嚇とも受け取られ、今後の報道の自由、取材活動に多大な制限と影響を与えかねません。
オリンピック・パラリンピックは、市民の共感、支持があってこそのものです。その運営組織の透明性は不可欠で、メディアの取材活動の範疇です。言論・出版の自由は憲法 21 条で保障されています。組織委の主張は、公的機関からの言論妨害、出版・表現、報道の自由、取材活動に対する重大な侵害にほかならず、メディアで働く労働者として、看過できません。1963 年に日本雑誌協会が制定した雑誌編集倫理綱領の第一項「雑誌編集者は、完全な言論の自由表現の自由を有する。この自由は、われわれの基本的権利として強く擁護されなければならない」という立場をいま一度、強く支持し、組織委による同誌への発売中止、回収要求に抗議し、即時撤回を求めます。》
http://www.union-net.or.jp/mic/seimei/2021_04_08MIC%E5%A3%B0%E6%98%8E%EF%BD%A2%E4%BA%94%E8%BC%AA%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%A7%94%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%A8%80%E8%AB%96%E5%A6%A8%E5%AE%B3%E3%80%81%E5%87%BA%E7%89%88%E3%83%BB%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AE%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E3%81%AB%E6%8A%97%E8%AD%B0%E3%81%99%E3%82%8B%EF%BD%A3.pdf
NHK NEWS WEB」は4月6日付で「島根県丸山知事 聖火リレー実施決定も“スポンサー車両なし”」を公開している。
島根県の丸山知事が感染拡大を抑え込めないかぎり中止せざるをえないという考えを示していた東京オリンピックの県内での聖火リレーについて、実施を決めたことが関係者への取材でわかりました。一方で、多くのスタッフを伴う大会スポンサーの車両などは参加すべきではないとして6日、大会組織委員会に申し入れることにしています。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012958391000.html
春オンライン」は4月7日付で「開始3日で3件の車両事故 『聖火リレー』で電通に厳重注意」を掲載している。
《3月25日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」でスタートした聖火リレー。開始から3日間で3件の車両事故が続けて起き、運営を担う電通が厳重注意を受けていたことが、「週刊春」の取材でわかった。》
組織委員会を巡っては開会式の演出を巡る問題をはじめ、透明性の欠如が指摘されているが、車両事故が起きていた事実についても公表してこなかった。》
https://bunshun.jp/articles/-/44632
朝日新聞デジタルは4月8日付で「聖火リレー、大阪全域で中止 万博公園で代替開催 組織委」を掲載している。
東京五輪大会組織委員会は7日、大阪府内全域の公道での五輪聖火リレーを中止すると発表した。代わりに万博記念公園大阪府吹田市)でリレーを行う。新型コロナウイルスの感染者の急増を受けて、府が要請した。都道府県全域の公道でのリレー中止は初めて。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14863901.html
東京新聞は4月8日付で社説「聖火リレー 感染防止へ計画見直せ」を掲載している。
《まん延防止等重点措置が適用された大阪市を含む府全体で、公道でのリレーを中止するのはやむを得ない。他の大都市でも繁華街を通る計画は大胆に見直すべきだ。縮小を検討している鳥取県の事例も地方都市には参考になる。
一方、聖火リレーの意義を分かりにくくさせる演出には疑問を呈したい。ランナーを先導するスポンサー企業の派手な広告車の存在である。
巨額の協賛金を負担する企業が大会応援団の一員であることは理解しても、大音量で音楽を流し、観衆に景品を配るのはやりすぎではないか。ランナーより目立っては本末転倒だ。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96563?rct=editorial
ここまで五輪のイメージが汚れるとは誰も予想できなかった。

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2)【本日の一行情報】

朝日新聞デジタルは4月7日付で「米、北京五輪ボイコット協議へ 同盟国と、人権問題受け」(園田耕司)を掲載している。
《米国務省のプライス報道官は6日の記者会見で、来年2月の北京冬季五輪について、中国の人権問題への懸念を示した上で、ボイコットする可能性を米国の同盟国との間で協議したいとする意向を示した。米国からの呼びかけで、日米間でも協議することになりそうだ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP472V7XP47UHBI008.html
東京五輪については協議しないのだろうか。

◎小説家・平野啓一郎のツイート。
《自殺報道やテロ報道では、「アナウンス効果」の抑制が求められますよね? 聖火リレーで、人が集まってる映像だって、当然、アナウンス効果はあるんですよ。メディアは「気の緩み」と言うけど、自分たちが煽ってることも自覚すべし。》
https://twitter.com/hiranok/status/1379943288514301953
特にNHKの責任は大だ。

◎ワクチンもアスリートファーストってか!毎日新聞は4月7日付で「五輪選手に優先接種検討 政府、6月までに 高齢者終了前開始か」を掲載している。
《政府は東京オリンピックパラリンピックに出場する日本代表選手を対象に、新型コロナウイルスワクチンの優先接種を可能とする方向で検討に入った。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/k00/00m/010/405000c
江川紹子が引用ツイートしている。
《今月19日に全成人にワクチン接種できるアメリカ、それより遅いとはいえ、高齢者の接種は進んでいるヨーロッパ。これに対し、多くの人がいつになったら自分が接種を受けられるかさえ見通しが立たない日本で、五輪選手が優先接種とは…。》
https://twitter.com/amneris84/status/1379929749351329794
情報労連のつしまようへいも引用ツイートしている。
《こういうのは、脆弱性を抱える人たちから優先的に接種するのが基本ではないのかな。「能力のある者」「社会的に有用な者」から優先的に接種させようというようにも感じられ、抵抗感がある。》
https://twitter.com/yohei_tsushima/status/1379936013779275778
毎日新聞スポーツ記者・倉沢仁志の引用ツイート。
《選手だけでも理解得られないのでは?必要としている人の列に割り込んでまで、五輪をやるものなのかは疑問です。》
https://twitter.com/hitkurasawa/status/1379815332496375812
医師にして小説家の知念実希人のツイート。
《とりあえず、1年以上感染リスクにさらされながら頑張ってきた医療従事者へのワクチンを急いで下さいね……》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1379971347070087169
知念は、こうもツイートしている。
《オリンピックやれるかどうかは私には分からないけど、大量の医療従事者の動員はまず無理だと思います。
新型コロナ対応とワクチン接種で多忙極まる医療従事者にその余裕はありません。
あと、ワクチンなかなか来なくて阿鼻叫喚なのに、『ボランティアをしろ』はさすがに虫が良すぎでしょ。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1380089533304242184

◎「週刊ポスト」4月16・23日号は書評で太田英昭の「フジテレビプロデューサー血風録 楽しいだけでもテレビじゃない」(幻冬舎)を取り上げている。評者の山内昌之は次のように書いている。
《フジ持株会社の社長や新聞社の会長を経ていまは英字発信に勤しむ著者は「国益」を大事にする。その華を開花させずに放送界を去った著者を惜しむ声が登場人物たちから聞こえそうな本でもある。
https://www.news-postseven.com/archives/20210407_1649274.html?DETAIL
そうか、太田は国益を大事にしているのか。太田の略歴を見て見るならば、2008年にフジ・メディア・ホールディングスの専務取締役、2012年に取締役副社長、2013年に代表取締役社長、2015年産経新聞代表取締役会長を歴任している。そう、フジ・メディア・ホールディングスが放送法外資規制に違反していたとされる時期(2012~2014)と重なっているのだ。愛国が売国に転落しないことを祈りたい。
東京新聞は4月8日付で「フジHD、総務省に14年に報告 外資規制違反でミス4回、口答で注意」を掲載している。
《フジテレビを子会社に持つフジ・メディア・ホールディングスHD)は8日、過去の外資比率が放送法の規制に違反していたと発表した。2012年9月末~14年3月末の半年ごとの株主名簿確定時で、計4回にわたり議決権ベースで20%をわずかに上回った。同社の金光修社長は東京都内で記者会見し、外資規制違反について14年12月に総務省へ報告していたと明らかにした。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96686
国益を大事にする経営者が外資規制を違反することなど絶対にないはずなのだけれど。

朝日新聞デジタルは4月7日付で「優里さんのMVでSME陳謝 ユーチューブ公開を停止」(鈴木康朗)を掲載している。
《人気アーティスト優里(ゆうり)さんの楽曲「インフィニティ」のミュージックビデオについて、所属先の親会社であるソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は6日、ユーチューブでの公開を停止した。ビデオには優里さんとは別人がスケートボードを操るシーンがあるが、スケボー禁止の公園で無許可で撮影されていたという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4662D7P46ULFA01N.html
青臭い話をしたいわけではないが、「表現の自由」との整合性も踏まえて判断しなければならない案件であろう。

◎4月7日付毎日新聞が掲載している「LINEが読み違えた『ユーザーの気持ち』 宍戸常寿・東大大学院教授」(後藤豪)でLINEの親会社であるZホールディングスが設置した特別委員会の座長で、情報法が専門の東京大大学院教授・宍戸常寿は次のように語っている。
《――一方、ラインは利用者間でやりとりした画像や動画のデータを韓国のデータセンターで保管していました。この点はどう見ますか?
◆政治的には、こちらの問題に怒っている人も多いように感じます。ラインはヤフーと合併する前は韓国IT大手ネイバーの子会社だったわけで、個人情報が韓国にある程度移転されること自体は、多くの国民もそれなりに想定するわけです。それに対してラインは「データは全部日本にあります」と説明してきた。しかし実はそれはテキストや通話履歴の話であって、画像や動画等は韓国に行っていた、というわけです。利用者の期待を裏切るもので、非常にすっきりしない説明です。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/k00/00m/020/006000c
ツイッターフェイスブック、アマゾン、アップルの情報は、どこにあって、どのように管理されているかも本当は問わなければならないのではないだろうか。

◎ロイターは4月8日付で「フェイスブック、5億人超の情報流出で利用者に通知しない方針」を配信している。
《米交流サイト(SNS)大手フェイスブックは、過去に流出した利用者5億3000万人以上の個人情報がインターネット上で最近閲覧可能になっていた問題について、当該の利用者に通知しておらず、通知する予定もないと、広報担当者が7日、明らかにした。》
https://jp.reuters.com/article/facebook-data-leak-idJPKBN2BV054
「Business Insider日本版」は4月5日付で「ザッカーバーグCEOの電話番号も流出していた…フェイスブックの5億人以上のユーザー情報漏洩で」を公開していた。
《サイバー研究者のデイブ・ウォーカー(Dave Walker)によると、フォーラムに個人情報が投稿された5億3300万人のユーザーの中には、ザッカーバーグのほか、フェイスブックの共同創業者であるクリス・ヒューズ(Chris Hughes)とダスティン・モスコビッツ(Dustin Moskovitz)も含まれていたという。》
https://www.businessinsider.jp/post-232488

◎「NHK NEWS WEB」は4月7日付で「世界の富豪 アマゾンのベゾス氏1位 富裕層への富の集中進む」を公開している。
《4年連続でトップとなったベゾス氏の資産は1770億ドル、日本円で19兆4700億円で、去年に比べて1.5倍以上に増えました。
2位は、電気自動車メーカー・テスラの経営トップ、イーロン・マスク氏で1510億ドル、16兆6100億円でした。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012960221000.html
第一次IT革命が富の集中をもたらしたのであれば、第二次IT革命は富の平等を実現することを目指さなければならないはずだ。デジタル社会主義

小学館が培ってきた紙付録は今やとんでもない段階を迎えようとしている。「幼稚園」5月号の付録は東芝テックのセルフレジ「WILLPOS Self SS-900シリーズ」をベースにしたペーパークラフトなのだが、「センサーユニット」も使う本格派だ。楽しむのは、幼稚園児にしても、組み立てを楽しむのは親たちであろう。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1316555.html
テレ朝系の「羽鳥慎一モーニングショー」でも4月8日に取り上げられた。「J-CAST ニュース」は4月8日付で「雑誌『幼稚園』の人気付録に玉川徹がブツブツ 羽鳥慎一『面倒くさい幼稚園生だなあ』」を掲載している。
小学館の子ども向け雑誌『幼稚園』の付録が「すごい」と評判らしい。きょう8日(2021年4月)の「モーニングショー」は、番組冒頭からこの話題で盛り上がった。
スタジオに登場したのは、高さ30センチほどの紙でできたセルフレジ。これが「幼稚園」5月号の付録というのだから、驚きだ。紙でできた牛乳パックなどの商品を「スキャン」すると、「328円」「288円」などと表示され、中から値段を読み上げる声もする。最後にはちゃんとレシートも出てきて、マイバッグもついている。4月1日に発売されたところ、幼稚園児向けの雑誌の付録とは思えないクオリティーの高さで品切れとなる書店も出ているという。》
https://www.j-cast.com/tv/2021/04/08409038.html?p=all
「紙」の化の凄みを小学館が見せてくれた。宝島社には、この芸当は逆立ちしても真似できまい。フライパンやトートバッグでは大人の「遊び心」を刺激できないのである。
https://books.j-cast.com/topics/2021/04/07014821.html
もちろん、付録がない女性誌よりも宝島社の女性誌は魅力的ではある。

◎栗山米菓は、「ばかうけ」とTVアニメ「呪術廻戦」とコラボレした「呪術廻戦ばかうけ青のりしょうゆ味」が好評だったことを踏まえ、第2弾として、キャラクター数を増やし、新たなパッケージで「呪術廻戦ばかうけ青のりしょうゆ味2」を期間限定で発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000063435.html
「呪術廻戦」の名前が年代性別を超えて、どんどん浸透していく。

◎「マネー現代」は4月6日付で磯部孝の「『鬼滅』以上の可能性? 『呪術廻戦』が不況のファッション業界を救うかもしれないワケ」を発表している。
《そんな中、ファッション業界でも「呪術ブーム」が到来しつつある。
いち早く取り扱ったのは、D2Cブランドとして若者達から支持を集める『MONO-MART』と、しまむらグループのカジュアル専門店の『アベイル』。》
《・・・『呪術廻戦』については、いまだ充分な供給量に達していないとの見方が大半だ。実際のアパレル業界の声を聞くと、取り扱った企業では即日完売したところが多く、商品の供給不足で終わったという手応えがあるようだ。
当然、実績を作った企業ではコラボレーションの第二弾、第三弾を企画しているし、若者向けカジュアル専門店として人気の『ウィゴー』やアダストリアグループの『レイジブルー』など新たなプレイヤーも加わり、『呪術廻戦』商戦はいよいよこれからといった様相だ。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81904?imp=0

◎4月7日付毎日新聞が掲載している「東京彩人記 小さな書店、存続に尽力 出版社『トランスビュー』社長 工藤秀之さん(48) /東京」で工藤秀之は次のように語っている。
《――何を変えようと考えたのでしょうか?
売ろうという意思を持った書店にきちんと応え、1冊で利益が出る卸値の設定をすることに尽きます。トランスビューでは取次会社を介さずに作った本を直接、書店に卸しています。取次会社を介すと書店に出る利益は定価の22%くらいが平均といわれていますが、30~32%の利益が出るようにしています。を受けた本はすぐに発送し、全国の3000店ほどとやりとりしています。
実は出版社にとっては取次会社を介した方が利益は出るのですが、同じように「自分が大事に作ったものを大事に売ってくれるお店と付き合いたい」と考える出版社もいて、まとめて本を発送することで費用や事務作業を効率化しています。月に1度、それぞれの出版社の本を集めたダイレクトメールを書店に送っているのですが、書店にとっても約130社分の本を一括で注できるので手間が軽減でき、余力は本を売るために使えます。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/ddl/k13/040/012000c

集英社が運営する漫画アプリ「少年ジャンプ+」はネーム原作限定の新たな漫画賞「少年ジャンプ+ ネーム原作マンガ賞」を創設した。大賞は100万円だ。
https://www.oricon.co.jp/news/2189542/full/

◎「Casa BRUTUS」5月号が、建築家・安藤忠雄を大特集している。私などは「Casa BRUTUS」というと、即座に安藤忠雄を連想してしまうのだが、「Casa BRUTUS」が安藤を特集するのは何と12年ぶりだそうだ。「リアルサウンド」が4月5日付で「芦田愛菜佐藤健又吉直樹安藤忠雄と対談 『Casa BRUTUS』12年ぶりANDO建築特集」を公開している。
https://realsound.jp/book/2021/04/post-735903.html
又吉との対談は「住吉の長屋」で行われた。
http://www.hetgallery.com/row-house_sumiyoshi.html
住吉の長屋」に住んでいる東氏は、当時、電通神戸支社の社員であった。

博報堂は、ブランド・トランスフォーメーションによる企業支援の一環として、noteと共同で、パーパスを起点とした企業・ブランドの情報発信を行うため、業務提携契約を締結した。あわせて、両社による企業向けサービス「new branding with note」を提供開始した。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/04/210407.pdf

◎「日刊大衆」が4月7日付で掲載している「花田紀凱が『マルコポーロ事件』で藝春秋を追われたのは本人にとってはよかった!?」で柳澤健が喝破しているように花田紀凱は「過去の思い出にすがる老人ではなく、いまでも現役バリバリの編集長であるところが凄い」のである。
https://taishu.jp/articles/-/93478?page=1

◎元欅坂46の長濱ねるが、創設25年目を迎える幻冬舎庫のフェアキャラクターを務めることになった。
https://www.oricon.co.jp/news/2189552/full/

◎マガジンハウスは、「農林水産省職員直伝『食材』のトリセツ」を発売した。YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF](ばずまふ)から生まれた企画といってよいだろう。
https://www.atpress.ne.jp/news/253240

東京新聞労働組合のツイート。
中日新聞社の新入社員のみなさん。
社内には労組が2つあります。
新聞労連加盟の私たち「東京新聞労働組合」と
新聞労連非加盟の「中日新聞労働組合」です。
どちらに入るか
みなさんには選択の自由があります。
よく見て、考えて
良いと思ったほうに入ってください。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1379025872435355648

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3)【人事】学研プラス 2021年4月1日付

南條 達也
新:代表取締役社長
旧:学研ホールディングス経営戦略室・室長

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4)【人事】世界化ホールディングス(世界化社) 2021年4月1日付

鈴木 東子
新:出向(株)世界化社 家庭画報事業本部 家庭画報編集部 部長 編集長代行 兼 家庭画報 .com ビジネス部長 家庭画報 .com 編集長
旧:出向(株)世界化社 家庭画報グローバルビジネス部長 家庭画報国際版編集長 兼 家庭画報事業本部 家庭画報 .com ビジネス部長 家庭画報.com 編集長

辻 美紀
新:出向(株)世界化社 家庭画報事業本部 家庭画報編集部 兼 新ビジネス戦略部
旧:出向(株)世界化社 家庭画報グローバルビジネス部 兼 新ビジネス戦略部

佐藤 信之
新:出向(株)世界化社 イベント・カスタムビジネス部担当部 長
旧:出向(株)世界化社 家庭画報グローバルビジネス部担当 部長

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5)【深夜の誌人語録】

怒るよりも笑え!

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6)【お知らせ】 

」2000号まで、あと37号。