【文徒】2021年(令和3)4月12日(第9巻67号・通巻1964号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】NHKは立岩陽一郎を甘く見ていた?立岩砲が三日連続で鳴り響く
2)【記事】馬脚を現した巨大メディアグループの「愛国」路線
3)【記事】DHC吉田嘉明会長の「差別」章に女性誌は「沈黙」で良いのか?
4)【記事】新聞、テレビは東京五輪報道で股裂き状態に陥る!
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
7)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.12 Shuppanjin

1)【記事】NHKは立岩陽一郎を甘く見ていた?立岩砲が三日連続で鳴り響く

「インファクト」編集長の立岩陽一郎は4月9日付で「YAHOO!ニュース」に「NHKが『クローズアップ現代』の終了を決定」を発表している。立岩はNHK出身だ。
《取材に対して放送総局員は、「発表は無いが、NHKの報道を支えた番組が終わるのは確実だ」と語った。
また、報道局員は、「クローズアップ現代は数年前に週1回に減らすように指示があり、それを現場が押し返した経緯が有る。今回の廃止に政治の圧力が有ったかどうかはわからないが、安倍政権、菅政権がこの番組を潰したがっておりNHKの中でそれに呼応するグループが有るのは事実。これまで抗ってきた現場が力尽きたという感じだ」と語った。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210409-00231537/
この記事の反響は大きかった。
映画「沖縄スパイ戦史」共同監督の大矢英代が呟く。
《またひとつ、またひとつと、日本のジャーナリズムが崩れていく。》
https://twitter.com/oya_hanayo/status/1380313927293136896
立岩は、こうツイートしている。
《1つのテレビ番組が終わったでは終われない話だと思います。NHKはどこへ向かうのか?公共メディアとはどうあるべきか?引き続き考えていきます。》
https://twitter.com/YoiTateiwa/status/1380265223769088002
もっともNHKは立岩にこの記事の削除を求めたという。立岩は、こう加筆している。
《この記事に対してNHK広報部から筆者に直接連絡が有り、「事実無根」だとして記事の削除を求めました。その事実はここに明記するとともに、削除しない理由等をあらためて別稿で出したいと考えています。
(この記事では情報源を全員匿名にしています。情報源は極力明示すべきと考えており、安易に「関係者」などを使って報じることは控えるべきと考えますが、今回は情報源を明らかにすることによって情報提供者に著しい不利益が生じる懸念が有り匿名としました)。》
NHK広報局名義で「『クローズアップ現代+』に関する報道に対するNHKの見解」が発表された。
《2021年4月9日、一部ネットメディアで、NHKが『クローズアップ現代+』の終了を決定したとする記事が掲載されましたが、まったくの事実無根で、大変遺憾です。執筆者に対し抗議するとともに、記事の削除を求めてまいります。》
https://www.nhk.or.jp/info/otherpress/pdf/2021/20210409.pdf
立岩陽一郎は記事の削除に応じなかった。応じないどころか4月9日付で「YAHOO!ニュース」に「『クロ現』終了の記事を『まったくの事実無根』としたNHKの見解は事実ではない」を寄稿し、応戦している。
《私の手元にあるこれらの資料は、既に主だった制作担当者の間で共有されている。それに基づいて、「クロ現の次」、つまり「クローズアップ現代」の次の番組について普通に議論が行われているのだ。資料には部署名のみならず担当者の名前も記されている。NHK広報部は調べようと思えばいつでも調べられるが、担当部署に問い合わせた形跡も無い。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210410-00231897/
立岩のツイート。
《クロ現終了の記事の続報です。私はNHKの見解の削除は求めません。そのかわり、この記事に対する見解をお願いします。対応が無ければ更に続報を書きます。》
https://twitter.com/YoiTateiwa/status/1380642236992421888
西岡研介は立岩の記事を引用ツイートしている。
《やはり立岩さん、関係者の証言だけでなく、〝ブツ〟を握っている。一報段階からそれを出さなかったのはネタ元への配慮だろう。
https://twitter.com/biriksk/status/1381013328500125696
NHK記者の島契嗣は、こう指摘している。
《圧力が疑われているなら、有馬キャスターや武田アナを続けさせればよかった。というかそうすべきだった。圧力と関係ない通常の人事異動だったとしても…だ。
クロ現の終了だってそうだ。もし権力と一切関係のない番組編成上の戦略だったとしても、終わらせてはならない。それがテレビマンのセンスだろ》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1380291917963915270
新田哲史も引用ツイート。
《なるほどブツを持っていれば、NHKが今度は旗色悪いな。しかしそもそもクロ現をやめること自体に何か社会的、法的に問題があるのだろうか。》
https://twitter.com/TetsuNitta/status/1380842406048763905
池田信夫は「クローズアップ現代」の初代スタッフだった。
《始まったのは1993年。もうドキュメンタリーの時代は終わった。私は初代スタッフだが、当初から「ドキュメンタリーを毎日やるのは無理だ」という声が多かった。5分の企画ニュースでやれるネタを30分にのばすのに苦労した。》
https://twitter.com/ikedanob/status/1380352076878807041
私などはドキュメンタリーの時代は、これからだと思っているけれど。「記者のアライさん(キライさん)」が呟く。
《広報戦略として、お粗末極まりないのだ。》
https://twitter.com/kishaiguma/status/1380653318410629120
一方、立岩は手を緩めない。4月11日付で「YAHOO!ニュース」に「NHKの『まったくの事実無根』見解が事実でない理由を更に詳細に明かす」を寄稿している。
《4月9日、「クローズアップ現代+」を制作する部署では会議が開かれていた。その場で責任者から、そのニュースについて、「NHKはまったくの事実無根だとして記事の削除を求めた」との説明があった。
その時、会議の出席者からどよめきが起きたという。その報告を受けた放送総局の幹部によると次の様な内容だったという。
「でも、クロ現は無くなるんですよね?」
「だから我々はパイロット版を作るっていう話をしているんですよね?」
責任者は、それを否定していない。
「じゃあ、まったくの事実無根って、おかしくないですか?」
これについて責任者は次の様に話したという。
「上からの指示で潰すわけではありませんから。それは、事実無根です」
以上が会議での大まかなやり取りだ。勿論、正確な言では無い。こうした趣旨のやり取りが有ったということだ。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210411-00231987/
島契嗣がツイートしている。
《「立岩砲」金土日で3連発。NHKが具体的な部分を示さず「まったくの事実無根」と非難し、記事削除を求めたのは公共メディアの姿勢として明らかにいきすぎた対応だ。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1380992960066560002
朝日新聞記者・南彰が呟いている。
NHKの行く末を憂う切なる願いに、NHK執行部はどう答えるのでしょうか。》
https://twitter.com/MINAMIAKIRA55/status/1381033354724708352
五野井郁夫が南をリツイートしている。
《「クローズアップ現代」終了をNHK側が「事実無根」と主張した件、わたしも方々からNHK側とは違う事実を聞いており、すでに「新番組検討委員会」も立ち上がっているとの情報も得ている。もし「事実無根」ならばNHKは「クローズアップ現代」は続けるべき。》
https://twitter.com/gonoi/status/1381107057546293250
少なくとも「クローズアップ現代」を今年度(21年度)で終了させるという決定をしてしまっては、立岩に記事の削除を要請できなくなることは間違いあるまい。

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2)【記事】馬脚を現した巨大メディアグループの「愛国」路線

朝日新聞デジタルは4月8日付で「フジHD、外資規制違反は2年間 総務省に相談していた」を掲載している。
《金光社長は5日の朝日新聞の取材に対し、同省への相談の有無について「公式にはない」と否定していたが、8日は一転して認めた総務省も同日、相談があったと認めたうえで、同社の「認定放送持ち株会社」の認定を取り消す考えはないとしている。
外資規制は放送が世論に与える影響を考慮し、外国資本を一定程度に抑えるのが目的。議決権の外資比率が20%以上の事業者は認定を受けられず、違反すれば総務相は認定を取り消さなければならない。金光社長は「極めて重要な比率についてオーバーしたことは深く反省しなければならない」と述べた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4862D6P48UTIL04Z.html?ref=flashmail
「SAKISIRU」を創刊準備中の新田哲史が次のように指摘している。そう、総務省の裁量行政は恣意的だ。
《武田大臣は「徹底調査する」と仰っていたが、なんのことはない。どうせ、東北新社と異なり、このままフジは不問にするんだろうが、総務省の裁量行政がいかに恣意的で腐敗してるか国民に知れ渡っただけだった。》
https://twitter.com/TetsuNitta/status/1380235764387094528
朝日新聞デジタルは4月8日付で「『認定取り消しない』根拠は フジHD会見、なお不透明」を掲載している。外資規制違反が分かっても、総務省(=国)に黙って是正し、事後報告すれば問題はないということになってしまう。
《「認定取り消しになるという判断なら、適時開示しないといけない。そうでない限り、開示する必要はないと考えた」
8日夕、急きょ開かれたフジ・メディアHDの記者会見。外資規制違反を発覚当時に公表しなかった理由を問われた金光修社長はそう説明した。放送法で禁じられる外資比率に達していたのに、認定の取り消しにはならない。そんな判断の根拠となったのが、当時、自らが行った総務省への2度の相談だったという。》
《金光氏は2度目の面会で総務省の課長から「今後ないように」と厳重注意されたことを受け、「認定取り消しに至らないという判断だった」としている。一方で、「記憶では(認定を取り消さないという)具体的な言い方ではなかった」として、やりとりの詳細までは明らかにせず、認定が取り消されないと判断した根拠は判然としない。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP48721DP48ULFA021.html
https://digital.asahi.com/articles/ASP486JM6P48UTIL059.html
朝日新聞デジタルは4月10日付で「フジHD『隠し得』では 外資規制不備、放置した総務省」を掲載している。
《違反が解消するまで隠しておけば処分されないなら、一時的な違反はどれも処分を免れる道ができ、規制の形骸化につながりかねない。総務省が審査体制の強化を含む制度改正の検討に乗り出したのも、「隠せば得」の現状を改善するためだとしている。
ただ、外資規制の運用に問題があることは、遅くとも14年のフジ・メディアHDの一件で省内では認識されていたはずだ。にもかかわらず、対応した当時の担当課長や局長は、制度を改善する方向で動かなかったのか。当時、運用を見直す議論があったかどうかについて、総務省の担当幹部は「どこまで議論があったかは確認中だ」と話す。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4977NWP49ULFA012.html
冨永格がツイートしている。
《記者「放送局側が外資規制違反に気づいても、違反状態が解消するまで総務省に報告しなければ得をする…そういうことか」
総務省の担当幹部「制度的にはまさにそういうことだ」
違反解消まで隠しておけば処分されない、つまり一時的な違反はどれも処分を免れ、規制は骨抜きに。》
https://twitter.com/tanutinn/status/1380672914765176835
適菜収が呟く。
《フジ産経が消滅すれば少しは社会がよくなる。》
https://twitter.com/tekina_osamu/status/1380095943798755332
この巨大メディアグループがわが国の安全保障を軽んじていたことは間違いあるまい。

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3)【記事】DHC吉田嘉明会長の「差別」章に女性誌は「沈黙」で良いのか?

共同通信は4月9日付で「DHC会長『NHKは日本の敵』」を配信している。
《化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の公式オンラインショップのサイトに、吉田嘉明会長名で「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」などと誹謗中傷する章が掲載されていることが9日、分かった。》
https://this.kiji.is/753229493862907904?c=39546741839462401
朝日新聞デジタルは4月9日付で「『NHKは日本の敵』 DHCサイトに会長名で新章」を掲載している。
《新たな章は、11月の章に続く形で掲載された。
NHKの番組について、具体的な根拠を示さずに「出演者についても、学者・芸能人・スポーツ選手の多くがコリアン系であり、ひどいことに偶然を装った街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる」「NHK朝鮮半島の悪口は絶対に言わない」などと記した
また、「今や日本におけるコリアン系はマイノリティどころか日本の中枢をほとんど牛耳っている大マジョリティ」「毎日ものすごい数で帰化人が誕生している」と差別的な言葉も交えて主張している
章には日付がなく、末尾に「株式会社ディーエイチシー代表取締役会長・CEO 吉田嘉明」とある。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4962Q3P49UTIL04V.html
J-CAST ニュース」は4月9日付で「DHC会長『差別的章』またも公開 NHK取材受け...立憲・経団連も『標的』に」を公開している
《声明は2021年4月9日、自社通販サイトに吉田嘉明会長名で掲載された。
 NHKから取材を受けての発表とみられ、「小生は常々、日本の朝鮮化ということを何よりも危惧しているが、その元凶であるNHKからの問い合わせに小躍りした。NHKの状況を全国民に周知させる絶好の機会だからである」と記す。
 その意図を「NHKは幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系である。出演者についても、学者・芸能人・スポーツ選手の多くがコリアン系であり、ひどいことに偶然を装った街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる。予めリストアップしているのである」と根拠を示さず説明している。》
https://www.j-cast.com/2021/04/09409213.html?p=all
この記事の後半がそうだ。削除することなく今も堂々と公開されている。
https://top.dhc.co.jp/contents/other/kuji_about/
NHKの番組」とは4月9日に放送された「おはよう日本」である。どんな内容であったのか。「BuzzFeedNews」が4月9日付で公開している「『NHKは日本の敵です』DHC会長が声明、在日コリアンへの『差別的表現』報道に反論」(籏智 広太)は次のように書いている。
サントリーに対するメッセージについて、NHKは4月9日、「おはよう日本」でDHCの名前を公にしながら、「在日コリアン蔑む表現をしている」と指摘。
批判があがっていることや、抗議する署名活動が実施されていることなどを報じた。
番組では、「大企業がここまで露骨にしていることにびっくりした」などとする在日コリアン女性の声や、ジャーナリスト・安田浩一さんの「絶対に看過できない」との発言に言及。
さらに、4月2日の衆議院法務委員会で自民党武井俊輔議員が「ヘイト企業のあり方も非常に残念」と本件などを取り上げたことも伝えた。
この際は、上川陽子法相が「企業にはむしろ率先してヘイトスピーチを含めたあらゆる差別・偏見をなくして、人権に配慮した行動をとるということについて考えて、深く行動していくことが大事」と答弁している。》
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/dhc-nhk
番組は「DHC会長のヘイト回答をそのまま垂れ流さず、『…などと根拠を示さずに主張』と妄想であることを明示した」(阿部岳)ものであった。
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1380362629978320899
この放送について津田大介は次のようにツイートしている。
《これがNHKで流れたのは大きいな。DHCと取引してる企業も当然これまで以上に厳しく企業姿勢が問われるようになることを期待したいですね。》
https://twitter.com/tsuda/status/1380306834343436288
茂木健一郎は次のように指摘しているが、日本の会社組織の多くは旧日本軍を引き摺っていることを忘れてはなるまい。
《DHCの会長の吉田嘉明さん、80歳ということだけれども、発言されたりお書きになられることをそのまま載せる会社の上層部もどうかと思う。明らかに公益、会社の利益に反することは、敢えてストップして吉田さん自身とDHCという会社を守ることができないのか。経営幹部としてやるべきことをして欲しい。》
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1380453909399969792
「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」が今なお読み継がれているのは、結局あの「失敗の本質」を克服できなかったからだ。
https://www.chuko.co.jp/bunko/1991/08/201833.html
DHCの広告掲載を一切拒否すると宣言する女性誌が一つや二つあっても良いと思うのだが、一誌としてないのが現状である。

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4)【記事】新聞、テレビは東京五輪報道で股裂き状態に陥る!

朝日新聞デジタルは4月9日付で「米オリンピック委『東京大会は安全』 選手派遣に意欲」(藤原学思)を掲載している。
《米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は7日、オンラインで記者会見を開き、今夏の東京オリンピック(五輪)パラリンピックへの参加について、「引き続き科学的に見ていかなければならないが、この大会は安全に責任を持って実施できると信じている」と、強い意欲を示した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP483VXWP47UHBI041.html
一方、朝日新聞デジタルは4月9日付で「五輪反対プラカード、運営側が撤去要請 聖火コース付近」(土井良典)を掲載している。
《6日にあった愛知県半田市での東京五輪聖火リレーで、五輪中止を訴えるプラカードを掲げた男性に対し、リレーの運営関係者が取り下げを求め、プラカードの前に立ちふさがるトラブルがあった。専門家からは、運営側の行為は表現の自由の侵害にあたる可能性も指摘される。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP495WFWP48OIPE02B.html
畠山理仁はツイッターで「反対する人がいるのは当然なのに撤去を求める狭量さがものすごく日本的」であると指摘している。そういう「狭量さ」に新聞やテレビが加担している部分もあるのだ。報道が股裂き状態に陥っているのもそのためだ。
https://twitter.com/hatakezo/status/1380677125527642112
太田竜の高校の後輩にあたる政治家は次のようにツイートしている
《大手メディアの多くが、今夏の東京五輪パラについては、開催の是非を正面から論じようとしません。国民の6~7割は開催に反対・延期を求めているというのに。それでメディアの役割が果たせますか?
もうこの問題はタイムリミットが近づいています。タブーにせず報道していただくことを願っています。》
https://twitter.com/shiikazuo/status/1380149695213936645
上智大学国際教養学部教授の中野晃一が次のような連ツイを発表している。
《日本のワクチン接種が世界的に見て話にならないほど遅れてるという大スキャンダルが、日本のメディアによってそれとして報じられていないことがまた大スキャンダルなんだが。
よりによってオリンピックやるって言ってる国だよ。ちょっとこの世のものとは思えないレベル、政府もメディアも。》
《竹槍で本土決戦やるって言ってた時代から何の進歩も感じられない政府とメディア。そしてそれを許容する国民。
「人類がコロナに打ち勝った証の東京オリンピック」という世迷言を、世界でも突出してワクチン接種ができてない日本で繰り返すことがまかり通るのまじキモい。》
《こんなメディアしかない国では政権交代は永遠に無理かも、とさえ思う。
だってコロナ対策重視派だけでなく、むしろ経済優先派やオリンピック推進派こそが、ワクチン接種の歴史的大敗北に激怒すべきところでしょ?
何がワクチン担当大臣だよ。前現首相ともども政治生命が終わって当然の大失態だよ。》
《安全保障だけでなく経済政策でも日米同盟がすべてみたいに言ってきた安保ムラの皆さんも何でおとなしいんですかね?
アメリカの子分やっててもワクチン分けてくれてないよな。》
https://twitter.com/knakano1970/status/1380629442389676032

https://twitter.com/knakano1970/status/1380673125482778628
NHK NEWS WEB」は4月9日付で「兵庫県 コロナ感染対策『うちわ会食』呼びかけ 32万本配布へ」を公開している。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210409/k10012966161000.html
演劇評論家の犬丸治が呟く。
《「米英撃滅」「撃ちてし止まむ」「竹槍戦術」との凄まじい既視感。》
https://twitter.com/fwgd2173/status/1380645447228870663
山崎雅弘がツイートしている。
《菅政権は、このまま東京五輪が「無事に」終了するまでは、どれほど感染拡大が起きても「緊急事態宣言」は発令しないつもりなのか。東京五輪が「無事に」終了するまでは、国民の命と健康を後回しにするつもりなのか。頼むから、メディアは仕事してください。批判してください。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1380841376569458690
毎日新聞は4月9日付で「マラソン発着点の札幌・大通公園 芝生除去工事に批判相次ぐ」を掲載している。
《「何のための五輪なのか」――。札幌市中心部の憩いの場として市民から親しまれている大通公園で、芝生をはがす工事が行われたことに対しツイッター上で批判の声が相次いでいる。今夏行われる東京オリンピックのマラソン競歩の発着点とするための措置だが、新緑の季節を迎えた今、インターネット上ではちょっとした騒動になっている。》
https://mainichi.jp/articles/20210409/k00/00m/040/162000c
東京新聞は4月10日付で「東京五輪中のコロナ感染者隔離のため300室確保へ 選手村から数キロのホテル1棟、数億円規模で」を掲載している。共同通信の配信記事である。
東京五輪パラリンピックで選手らに新型コロナウイルスの感染者が出た場合に備え、大会組織委員会が軽症者や無症状者向けの療養施設として、選手村外に約300室のホテル1棟を独自に借り上げる方針を固めたことが10日、分かった。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97237
五輪ファーストでわれら草莽は後回しである。
さあ、雑誌の出番である。というか「春」の独擅場である。「春オンライン」は4月10日付で小説家真山仁の「《混迷の聖火リレーに想う》『復興五輪』はまやかし…私が今すぐ東京五輪を中止すべきと考えるこれだけの理由」を発表している。
聖火リレーの様子を見ていると、そこだけが「虚構」の世界で動いている気がします。これまで国は「なぜ聖火リレーをするのか」という本質的な議論を全くしてきませんでした。そして、今回ついに、なし崩し的に聖火リレーは始まってしまいました。》
《私はコロナ禍が始まった1年ほど前から、東京五輪は中止すべきだと主張してきました。今でもその気持ちに変わりはありません。
五輪組織委員会の方と先日議論する機会がありましたが、「東京五輪開催には安全安心が第一」と強調されていました。私もこの点には同意します。しかし、どうも「安心」と「安全」が全然別なものである点に無頓着なことが気になりました。安心は人の心の問題ですが、安全は具体的に「数値化」できる。ところが、組織委は「安心」について語るばかりで、きちんと数値を出して「安全」を証明できていません。》
《しかし、今回の五輪が、東北の復興に果たした役割は何かあったでしょうか。オリンピック・パラリンピック競技の一部を被災地で開催するそうですが、効果は限定的です。いっそ、開会式を行う国立競技場を被災地に作った方が復興のためになったのではないでしょうか。招致に「復興」という言葉を使ったからには、その責任として何らかの成果を出していただきたいところですが、残念ながら見る影もないというのが現実です。》
https://bunshun.jp/articles/-/44723
「凡人エリック」がツイートしている。
《本当に日本が好きなら、東京五輪には反対すべきだろう。
いくらアスリートへのリスペクトがあっても、あるいはコロナ禍で暗く沈む国内を盛り上げたいからといっても、五輪開催でコロナ感染拡大したらもっと悲惨なことになるし、国際的信用を失う。そうならないようにするのも愛国心ではないのか。》
https://twitter.com/No_Zey_2020/status/1380663515996848134

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5)【本日の一行情報】

共同通信は4月9日付で「ぴあ、6月末で全店舗閉鎖」を配信している。
《チケット販売大手の「ぴあ」は9日、全国に77カ所ある「ぴあステーション」などの店舗を6月末で全て閉鎖すると発表した。》
https://this.kiji.is/753199541675311104?c=39550187727945729

◎「新潮社YouTubeチャンネル」は尾崎世界観南相馬市柳美里に会いに行く90分間の対談動画を公開している。尾崎は柳美里の「ゴールドラッシュ」(新潮庫)を読んで救われたことがあるそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=VGEqLcrgGIk

山尾悠子のツイート。
《ずっと品切れとなっていた『新装版 角砂糖の日』、3刷増刷の件も話が進んでいます。皆さまのお力添えのお陰と感謝しております。
(でもほんとに、すごい若書きの下手っくそな歌集なのですよ…マア恥ずかしいことです)》
https://twitter.com/marco9mx2/status/1381056256790515713
こんなステキな一首が収められている。
金魚の屍 彩色のまま支那服の母狂ひたまふ日のまぼろし
山尾の唯一の長編である「仮面物語」(徳間書店)はが、庫化されずに現在も絶版のままで、古書店で高値で売られている。

講談社が中心となって運営する池袋に誕生したLIVEエンターテインメントビル「Mixalive TOKYO」(ミクサライブ東京)は、ワン・パブリッシングが発行する月刊「ムー」ドワンゴの3社コラボによるLIVE配信番組を実施する。番組名は「帰ってきた ムー×ミクサ ミステリー調査班 MMMR」と題して、インターネットの祭典「ニコニコネット超会議2021 Supported by NTT」併設の「超声優祭2021 Powered by dwango , Supported by ディズニープラス」にて4月24日(土)24時00分から配信する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003179.000001719.html

◎「広告朝日」が4月7日付で発表している「『新聞×SNS』時代の到来。 いま話題化しやすい新聞広告とは」で電通のクリエーティブプランナー花田礼は次のように語っている。
《以前から新聞広告起点の話題化については一定の法則があると考えていましたが、2020年度話題になった広告を振り返って見てみると、その法則はある程度、正しかったように感じています。新聞広告がSNS上で話題化するとき、突破口となるのはやはりTwitter。私はTwitterを「広告が拡散する構造を持っている唯一のSNS」と捉えています。
Twitterでは、(場合によりますが)1,000リツイートを超えたあたりで、広告が広告ではなく「話題のコンテンツ」という見え方に変わる瞬間があり、ここまでくると拡散の流れは加速します。Twitterでの盛り上がりを見ていたWEBメディアのライターやテレビ番組のディレクターが、ネット記事やテレビなどで「話題の広告」として取り上げ、Twitterユーザー以外の人たちの目にもその広告が届くようになります。》
https://adv.asahi.com/creator/14260374.html

藝春秋コミック編集部は、安彦良和の漫画「安東 ANTON 一~三」の電子版を刊行した。紙版は学研より刊行され、長らく絶版状態にあった作品だ。
https://www.asahi.com/and_M/pressrelease/pre_26171116/

柳澤健は「日刊大衆」が4月8日付で発表した「新谷学『週刊春編集局長』は雑誌編集者よりも藝春秋という会社を背負うことを選んだ」で次のように語っている。
《花田さんは、部数の落ちた本誌(月刊『藝春秋』)を立て直せるのは新谷しかいない。新谷を本誌の編集長にするべきだとずっと言っていた。でも、『週刊春』編集長を退いた新谷は、新設された週刊春局長になった。雑誌編集者は雑誌を作りたいもの。本来なら『藝春秋』の編集長をやる方が面白いに決まってる。
でも彼は「自分がやりたいことよりも、自分にはやらなければならないことがある」と私に言った。自分が『週刊春』を稼げるメディアにしなければ会社が潰れると思っている。今の彼はそれくらい藝春秋という会社全体を背負っているんです。》
https://taishu.jp/articles/-/93483?page=1
「日刊大衆」が4月9日付で掲載した「スクープを連発しても『週春』がバカ売れしているわけではないのが難しいところ」で柳澤健は次のように書いている。
《・・・ここまでスクープを連発しても『週刊春』がバカ売れしているわけでは決してない。そこが難しいところ。みんなが『週刊春』のニュースにびっくりするけど、それが雑誌の購買にはなかなか結びつかない。「新聞を買うのをやめて、その分『週刊春』を買おう」という意見を見つけた時は笑ったけど。》
https://taishu.jp/articles/-/93484?page=1

◎「東洋経済ONLINE」は4月8日付で「漫画『進撃の巨人完結で知る担当編集者の秘話」を発表している。
《『進撃の巨人』が誕生に至るきっかけは、今から15年前の2006年の夏。諫山からの漫画持ち込みの電話を、講談社に入社したばかりの川窪が取ったことだった。当時、専門学生だった諫山はすでにいくつかの出版社に原稿を見せていたが、どこからも相手にされなかった。》
そうしたなかで川窪慎太郎は、その才能を見逃さず、「進撃の巨人」に結実する。海外での人気も高い。
《川窪は、Twitterで『「進撃の巨人」担当編集者バック』のアカウントを運用し、15万人のフォロワーを抱える。川窪によればフォロワーの7割は外国人だという。『進撃の巨人』は海外22カ国で合計1200万部を売り上げた。世界中でコスプレが楽しまれ、ハリウッドでの実写映画も決定した。YouTubeでアニメを放送すると外国人からのコメントがほとんどだ。》
https://toyokeizai.net/articles/-/421653

◎日販は3 月期の店頭売上前年比調査の結果を発表した。全体で 96.6%。全体の前年超えの連続記録はストップするも、 コミックは「呪術廻戦」関連商品が好調で、18 か月連続の前年超えを達成した。
雑誌 94.8% 。書籍 93.1%。コミック 104.1%。開発品 99.0%。
https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2021/04/pos_202103.pdf

海野つなみの新連載「スプートニク」が、「フィール・ヤング5月号(祥伝社)で開始されたが、コロナ禍を反映した設定となっている。
https://natalie.mu/comic/news/423643
フィール・ヤング」のマンガは、いつも時代に敏感だ。

博報堂、大広、読売広告社の3月度単体売上高が発表された。博報堂の新聞は前年同期比は+15.0%と大健闘。雑誌は-33.7%で、構成比は0.7%に過ぎない。ラジオは-33.5%で、構成比は0.5%。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1952354/00.pdf
この3 月分をもって月次売上高の開示を終了することになった。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1952359/00.pdf

青木るえかは「論座」に4月9日付で「イケイケの『週刊春』が自滅しないよう、『週刊○×』にがんばってほしい」を寄稿している。青木は「30年とか40年ぐらい前?」には「週刊朝日と「週刊春」を毎週買っていたそうだ。当時の感覚からすると「左派週刊誌と右派週刊誌の両雄」であった。青木は、こう書いている。
《「週刊朝日vs週刊春」の時はだんぜん週刊朝日派だったんだけどなあ。とにかく、電車の中吊り広告も楽しみで吊り革握りしめながら食い入るように読んだりしていたのに……。
これを書くにあたって、今週の『週刊朝日』をパラパラめくったら、「放送40周年記念『オレたちひょうきん族』を振り返る」なんて記事が前のほうに載っていて、つらいものがあった。そりゃ負けるわ……(ちなみに「デキゴトロジー」はなかった)。》
週刊誌は「週刊春」の一強時代に突入してしまったようだ。だからこそ青木は不安なのだろう。
《今、『週刊春』が一強みたいなことになっているのは、私としてはちょっと不安はある。
ひとつのメディアが力を持ちすぎて暴走するとか、そういう心配はしていない。そんなことより、こういう感じで「一強」の立場になると、いつかどういうわけか、その立場が崩れるんですよ。自滅していくのである。》
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021040800002.html?page=1
デイリースポーツは4月9日付で「五輪組織委 抗議応じぬ週刊春に『極めて遺憾』内部調査結果次第で法的措置も」を掲載している。
《週刊春が東京五輪開閉会式の責任者だったMIKIKO氏による演出案を報じた問題で、組織委は先週、著作権侵害を主張し、厳重抗議と販売差し止め、回収を求めていたが、組織委広報がこの日回答があったことを明かし、「我々が善処を求めていた点について、まったく応じられておらず、極めて遺憾」と、コメントした。現在は情報漏洩について内部調査を行っており、「対応は内部調査の結果を踏まえ検討する」とした。》
https://www.daily.co.jp/general/2021/04/09/0014225720.shtml
日本経済新聞は4月10日付で「五輪開会式巡り『表現の自由』論点に、組織委と春 対立」を掲載している。
東京五輪パラリンピックの開会式を巡って「表現の自由」が論点に浮上している。「極秘」の演出案を明らかにした週刊誌報道に大会組織委員会が抗議、掲載誌の回収も求めた。著作権侵害や業務妨害などを理由にした異例の対応だが、報道の正当性を支持する声は少なくない。
組織委の定例記者会見が開かれた9日、高谷正哲スポークスパーソンは「抗議して善処を求めた点について全く応じられておらず、極めて遺憾」と述べた。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE061I10W1A400C2000000/?unlock=1
「週刊春」が最近、右派に見えなくなってしまっているほど不健全な時代になってしまったのかもしれない。

◎「弁護士ドットコムニュース」は4月10日付で「『さよなら朝日』広告掲載を断念した柏書房は、なぜツイッター朝日新聞に怒ったのか?」(若柳拓志)を公開している。
柏書房朝日新聞記者である石川智也が朝日新聞の運営する「論座」に発表した原稿を正規の手続きを踏んで「さよなら朝日」として