【文徒】2021年(令和3)4月12日(第9巻67号・通巻1964号)つづき

◎「弁護士ドットコムニュース」は4月10日付で「『さよなら朝日』広告掲載を断念した柏書房は、なぜツイッター朝日新聞に怒ったのか?」(若柳拓志)を公開している。
柏書房朝日新聞記者である石川智也が朝日新聞の運営する「論座」に発表した原稿を正規の手続きを踏んで「さよなら朝日」として一冊の書物にまとめたにもかかわらず、朝日新聞に広告を出稿しようとしたところ通常の3.3倍にも及ぶ掲載料を提示され断念せざるを得なかったわけだが、その経緯を柏書房取締役の菊池明郎と担当編集者の天野潤平に取材している。
《菊池さんによると、朝日側は掲載リスクについて、「(『さよなら朝日』のような)タイトルだと、読者からの電話での問い合わせが多くなって、その対応に追われるということが過去にあった」と説明したという。
「『掲載拒否していません』と言いたいがために、掲載料金を引き上げて掲載を諦めさせようとしたのではないかと感じました。金銭的ないじめで、悪質で陰湿な手口です」(菊池さん)
担当編集者の天野さんも「掲載リスクがあるというなら、ただただ広告掲載を拒否すればよかったはず」と朝日側の対応を厳しく批判する。
「リスクがあるから掲載しないということなら、まだその意味自体はわかります。ところが、3.3倍の料金を提示してきたため、『お金の問題』になってしまった。
朝日側のいう掲載リスクというのは、3.3倍の料金と通常料金との『差額』で解消できるものなのでしょうか。リスクがあろうが、お金次第で何でも掲載するのかとも思ってしまいます。
私たちが3.3倍の料金を支払ってでも掲載したいと伝えていたらどうなっていたのでしょうか。リスクはどうなるのでしょうか。まったく筋が通っていない。非常に不可解です」(天野さん)》
https://www.bengo4.com/c_18/n_12927/
今回は朝日新聞の「いやらしさ」が白日の下に晒されたわけだが、朝日新聞が報道においても時折、垣間見せる「虚妄のリベラリズム」の中心にあるのは、こうした「いやらしさ」にほかなるまい。それは朝日新聞の至るところに蔓延っていると考えたほうが良いはずだ。

◎オーバーラップ庫8周年を記念して、4月17日午後5時よりオンラインイベント「ありふれた放送で世界最強」が開催される。異世界最強ファンタジー!シリーズ「ありふれた職業で世界最強」は紙+電子で500万部を突破している人気作だ。
https://over-lap.co.jp/lp/8th/

◎齋藤薫は4月9日付で「YAHOO!ニュース」に「女性誌休刊ドミノ、化粧品広告はインフルエンサーへ 巧妙化するSNSステマと#PRが生む安心」を寄稿している。
《コロナ禍に入り、女性誌の休刊が目立っている。しかしコロナは一つの引き金に過ぎず、長年続く雑誌不況に加え、女性誌にとって大きな痛手となったのが、意外にも“インフルエンサーの台頭”だった。》
《・・・ある意味予想を超えてきたのが、いわゆるインフルエンサーによるSNSの投稿だった。実は驚くなかれ、4、5年ほど前から雑誌の広告やタイアップよりも、個人による投稿を中心とした「インフルエンサー施策」に予算を費やすクライアントが急増。今や揺るがぬ主軸となり、雑誌に多大な影響を与えたのである。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitokaoru/20210409-00230436/
齋藤は東京アドエージ出身者である。ただし、私とは重なっていない。私が入る以前に辞めている。

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6)【深夜の誌人語録】

誤解を正解と誤解することが失敗の始まりだ。