【文徒】2020年(令和2)12月21日(第8巻236号・通巻1893号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】杉山野の「元女子高生、パパになる」(藝春秋)に注目したい!
2)【記事】それぞれのDHC報道 韓国や海外メディアはどう報じ共同通信は何故炎上したか?
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】杉山野の「元女子高生、パパになる」(藝春秋)に注目したい!

春オンライン」は12月17日付で「元女子高生、パパになる」(藝春秋)を上梓した杉山野と乙武洋匡の対談「『お前はたまたま恵まれていただけ』22年前、乙武洋匡に浴びせられた“予想外の批判”」を発表している。
乙武 野と初めて会ったのは15年ぐらい前。今では、すっかりLGBTQのリーダーだね。でも、俺の中では当時と変わらない。あっ、少し髪が薄くなったかな。
杉山 さっそく、そのネタからですか(笑)。このたび出版された乙さんの小説『ヒゲとナプキン』(小学館)というタイトルは、当初、『ハゲとナプキン』だったという話ですね。
 僕は男性ホルモンを打っているから、ちょっと頭髪が薄くなっている。そして子宮と卵巣の摘出をしていないので、生理になってしまう。「もうハゲたり、ナプキンだったり忙しいよ」と僕がいった言葉に乙さんが反応したという話です。》
https://bunshun.jp/articles/-/42221
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163912936
杉山野の公式ホームページを見てみよう。
《1981年東京都生まれ。フェンシング元女子日本代表。トランジェンダー早稲田大学大学院教育学研究科修士課程終了。2年間のバックパッカー生活で世界約50カ国+南極を巡り、 現地で様々な社会問題と向き合う。 日本最大のLGBTプライドパレードである特定非営利活動法人京レインボープライド共同代表理事や、 日本初となる渋谷区・同性パートナーシップ条例制定に関わり、渋谷区男女平等・多様性社会推進会議委員も務める。 現在は父として子育てにも奮闘中。》
https://fuminos.com/profile/
東京新聞は12月15日付で「トランスジェンダーの杉山さん、半生をつづった新刊『元女子高生、パパになる』」(奥野斐)を掲載している。
《元女子高校生が2年前、父親になった。出生時とは異なる性を生きるトランスジェンダーの杉山野さん(39)=東京都新宿区=は、パートナーの女性が杉山さんの友人から精子提供を受けて出産した娘を、わが子として育てている。「法的にも、血のつながりもないけれど、父親であることに引け目はない」。半生をつづった本を出版し、多様な家族の選択肢を示している。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/74412
歌舞伎町でホストクラブ、バー、美容サロン、デイサービスなどを経営する手塚マキが「ハフポスト日本版」に12月16日付で「『パパ』という言葉に違和感…しかし、ロールモデルになる覚悟を感じた『元女子高生、パパになる』」を寄稿している。
《初のエッセイ『ダブルハッピネス』(講談社)から14年、杉山野のその後の軌跡がつづられた『元女子高生、パパになる』(藝春秋)が出版された。
野との出会いは、初エッセイ出版のさらに2年前、いまから16年ほど前。私が立ち上げた「夜鳥ノ界」という歌舞伎町のゴミ拾いをするボランティア団体のHPに、野がメールをくれたのだ。
それをきっかけに、グリーンバードなど、ほかのゴミ拾いのボランティア団体の視察に一緒に足を運び、さらにそこで長谷部健さん現渋谷区長)や左京泰明さん(シブヤ大学創設者)と出会い、ともに社会について考えたり、飲んだりしてきた。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fd2c316c5b68ce17186a0a9
ゲイのための総合情報サイト「 g-lad xx」(グラァド)が「東京レインボープライドの杉山野さんが苦労だらけの半生を語りつくした本『元女子高生、パパになる』」を公開している。
《杉山さんのご両親が有名な新宿の「すずや」を経営している方だということをご存じの方は、もしかしたら、杉山さんは「ボンボン」で、苦労せずに今のポジションに行って、素敵な彼女ができて、お子さんもできてハッピー♪というイメージをお持ちかもしれませんが、この本を読むと、そのイメージは大きく覆されると思います。
飲食業の会社に就職して、朝から晩まで休みなしで働き、彼女ができても会う暇もなく、あまりにもハードな、地獄の日々を過ごしていたという、ブラック企業に勤めた(あるいは大変なプロジェクトを任されて連日深夜まで残業した)経験のあるリーマンの方ならきっとシンパシーを抱くであろうエピソードが語られます。今のパワーとか忍耐力が、こういう壮絶なリーマン時代に養われたんだなぁとわかります。》
https://gladxx.jp/review/book/6810.html
新潮新書新宿二丁目」の伏見憲明が「現代性教育ジャーナル」に書評を発表している。
《そう、こういう著者の誠実で前向きなキャラに、2010 年代に展開された LGBT の運動は牽引されたといっても過言ではない。肯定的であることこそがダイバーシティが喧伝させる時代の空気感であり、求心力であった。自己否定と自己肯定とのせめぎ合いのなかで自身の立ち位置を確保していかざるを得なかった先行世代とは、そこが違う。そして、その圧倒的な肯定性こそがまさしく、彼が体現したものであった。
しかし本書を読むと、そうした屈託のなさは、彼が自ら選んだ「ハッピー担当」という作られたキャラの側面でもあったのだ。現実の彼は仕事に悩み、恋人との関係の危うさに右往左往する「ふつう」の 30 代の青年だった。》
https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_202012.pdf

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2)【記事】それぞれのDHC報道 韓国や海外メディアはどう報じ共同通信は何故炎上したか?

中央日報は12月16 日付で「日本企業のDHCまた妄言…会長が競合企業けなしながら『韓国人侮辱』」を掲載している。
https://japanese.joins.com/JArticle/273457
中央日報がDHCについて報道するのは、今回が初めてではない。
2019年8月13日付で「韓国ドラッグストア『LOHB’s』、『韓国誹謗問題』のDHC製品の販売を中断」を掲載している。
《日本の化粧品企業DHCの製品が韓国ドラッグストア「LOHB’s」での販売が中断される。
12日、業界によると、LOHB’sはこの日からすべてのオフライン店舗と公式オンラインモールからDHCの化粧品を撤去する。
DHCが子会社の「DHCテレビジョン」を通じて韓国を誹謗して歴史をわい曲するような動画を配信していた事実が知らされ、消費者の反感が大きくなったためだ。》
https://japanese.joins.com/JArticle/256499?servcode=300&sectcode=300
2019年8月14日付で「『妄言』DHCの韓国支社『韓国人軽視の放送中断を要請』」を掲載している。
《最近、YouTube(ユーチューブ)放送子会社を通じて韓国を軽視する妄言を繰り返していた日本化粧品企業DHCの韓国支社DHCコリアが13日、公式立場を明らかにした。
キム・ムジョンDHCコリア代表はこの日、ホームページとソーシャルメディアを通じて「役職員全員が韓国人で、皆さんと同じ感情で放送を確認した」とし「物議を醸して深く謝罪する」と明らかにした。》
https://japanese.joins.com/JArticle/256546?servcode=300&sectcode=300
2019年10月1日付で「女優チョン・ユミ、DHCとの契約金を返して契約を強制終了」を掲載している。
《女優チョン・ユミが契約金を返してDHCとの契約を強制終了する。
ある広告界関係者は30日、韓国ニッカンスポーツに「チョン・ユミが嫌韓放送で議論を呼んだDHCの広告契約を約6カ月残して終了する」と明らかにした。
引き続き「最初2年契約を結び、これによる広告モデル料を全部受けた状態だ。残りの6カ月に対する広告契約金を返還する予定」と付け加えた。》
https://japanese.joins.com/JArticle/258149?servcode=700&sectcode=700
「ハフポスト日本版」は12月18日付で「『日本はかなり同質的な国』DHC差別騒動、海外メディアが次々に報道」を掲載している。
《香港紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポストは、韓国でもDHCへの不買運動が巻き起こっていることを報道。「島国の気質や態度は決して変わることはない」とする韓国ネットユーザーのコメントを伝えると同時に、「吉田氏の最近の言動に怒りを覚えた日本人はたくさんいるようだ」とした。
イギリス・BBCは「日本の化粧品会社トップの“レイシスト”コメントに批判」とする記事を掲載。一連の経緯を詳細に説明したうえで、「吉田会長は2016年にもウェブサイトで在日コリアン“似非日本人”と呼称し、韓国へ帰るよう呼びかけていた」などと過去にも差別的な言動を繰り返していたことを紹介した。
(中略)
フランス・AFP通信も同様に、DHCの差別発言がナイキへの批判の直後に話題になったことを紹介し「日本はいまだにかなり同質的な国で、若い世代の態度は変わりつつあるが、様々な人種のルーツを持つ人はしばしば偏見に直面する」と評論した。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fdbfa21c5b650b99adb1d3f
こんなツイートが投稿されていた。
《今回のDHCの件ヤフーで結構な数の記事見たけど、コメントではDHC支持が圧倒的に多いね》
https://twitter.com/mina_jreiwap/status/1339548817843052545
ぬまがさワタリがこんなツイートを投稿している。
《DHC会長は(ド直球の人種差別主義者すぎて)言語道断としか言えないのだが、大企業がこんなを出しても「アリ」と判断した社会の空気こそがより根深い問題だし、先日のナイキCMで日本における差別を指摘されて「差別なんかない」とか怒ってる人いたけど、超あるじゃんね…。》
https://twitter.com/numagasa/status/1339469691807432704
能町みね子が呟く。
《うちはもうDHC扱いません、みたいにマツキヨとかどっかのドラッグストアが言えばもうマツキヨで買い物しまくるのにな…そういう企業出ないんかね》
https://twitter.com/nmcmnc/status/1339853284555702272
こんなこともあった。共同通信が12月16日付で配信した「DHC会長、ヘイト発言か」なる記事が炎上したのである。
https://www.47news.jp/news/5612452.html
例えば、独立メディアOurPlanetTV代表の白石草がツイッターで次のように指摘している。
《「ヘイト発言か」って、ヘイト発言です。
批判すべきことをきっちり批判できない日本のメディアの軟弱な態度こそが、差別を助長し、政治を暴走を許していると思う。》
https://twitter.com/hamemen/status/1339353805188595712
池田香代子が呟いている。
《これが紛れもないヘイト発言だと判断できない報道機関って何?
https://twitter.com/ikeda_kayoko/status/1339372320675098624
鴻上久尚史も。
《「か」? これは忖度か、弱気か、両論併記という名の判断停止か、なんだろう?》
https://twitter.com/KOKAMIShoji/status/1339212883922587649
共同通信ヘイト問題取材班が次のように釈明している。
《「DHC会長、ヘイト発言か」の「か」にご批判をいただきました。DHCに取材していますが、会長が書いたのかどうか確認が取れないため、こう書いています。記事本でこの章を差別だと認定している通り、ヘイトかどうか分からない「か」ではありません。ご意見を受け今後精進します。》
https://twitter.com/kyodonohate/status/1339381224456900609
こんなリプライがついている。
DHCテレビって共同通信会館に
あるんですよね
あ~、そうですか》
https://twitter.com/sakamotokkun/status/1339821144497516544
田中康夫によると「香ばしい共同通信 思想カルト宗教『#ご飯論法』派に入信の件」と相なる。
https://twitter.com/loveyassy/status/1339959328724291584

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3)【本日の一行情報】

ブルームバーグは12月16日付で「菅首相が5人以上会食、与野党苦言-加藤氏『距離十分あった』」を配信している。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、菅義偉首相が14日夜に政府が感染リスクが高まると注意を呼び掛けている「5人以上の会食」を行ったことに与野党から苦言が出ている。》
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-16/QLERRSDWRGG001
朝日新聞デジタルは12月17日付で「菅首相は『ステーキで苦境に』 欧米メディア相次ぎ報道」(杉崎慎弥)を掲載している。
《米紙ワシントン・ポスト電子版は16日、「会食は避けるようにという公式の指針を無視し、首相が有名人や政治家との高級ステーキの夕食を楽しんでいるのを見て、多くの人がいらだった」と批評した。
ロイター通信は「日本の首相が忘年会の会食でやり玉に」との見出しで、「一般市民に大規模な集まりを避けるようにと警告しているにもかかわらず、先週、複数の会食に参加し、与https://www.j-cast.com/kaisha/2020/12/18401351.html?p=all
党内を含む政治家やソーシャルメディアからの批判を巻き起こした」と報道。米ブルームバーグ通信も「コロナ対策をめぐって支持率が下落する中で、新たな批判を引き起こした」とした。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNDK5S71NDKUHBI02H.html
J-CASTニュース 」は12月18日付で「『誤解招いた』? 菅首相の『豪華ステーキ会食』に海外メディアが速攻で反応したワケ(井津川倫子)」を公開している。
《悲しいことに、私たちは「『誤解を招いたなら』反省する」といった政治家の「謝罪パターン」に慣れてしまっていますが、海外には通用しません。
「大人数でステーキ会食をした」菅首相が「誤解を招いたなら反省する」と発言しても、「何が誤解なのか?」「ルールを破ったなら反省すべき」と思われるだけです。
「誤解を招いた」の箇所を強調したロイター通信の「英訳」に、日本の政治家の「不誠実さ」や「逃げの姿勢」を意図的に浮き彫りにしている、と感じたのは私だけでしょうか?》
https://www.j-cast.com/kaisha/2020/12/18401351.html?p=all

◎12月17日付首相動静より。
《午前7時24分、官邸発。同26分、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急着。同ホテル内のレストラン「ORIGAMI」ビジネス誌「プレジデント」の小倉健一編集長と朝食。》
《午後2時31分から同57分まで、夕刊フジのインタビュー。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121700269&g=pol
ガースーはプレジデント社から「第99代内閣総理大臣 菅義偉の人生相談」を刊行している。
https://presidentstore.jp/category/EXTRA_ISSUE/007965.html
12月18日付首相動静より。
《同32分から同40分まで、日本音楽事業者協会会長の堀義貴ホリプロ社長、緊急事態舞台芸術ネットワーク代表世話人の吉田智誉劇団四季社長ら。》
《同3時から同48分まで、産経新聞ニッポン放送、言論テレビの企画のためジャーナリストの桜井よしこさんと対談。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121800282&g=pol

毎日新聞は12月19日付で鈴木哲夫をインタビューしている「『菅語』を考える『ガースーです』にギョッ! 15年以上取材を続ける鈴木哲夫さんが首相に求める言葉」(待鳥航志)を掲載している。フジテレビ出身の鈴木が、ニコニコのあの番組で司会をつとめた。
《 ――なぜ「ガースーです」とあいさつしたのでしょう。
◆番組の放送画面は菅さんの前のモニターに大きく映し出されていました。ユーザーのコメントがリアルタイムに書き込まれて画面上を流れるので、反応がすぐ分かるんです。(番組を放送した)「ニコニコ動画」で菅首相は「ガースー」って呼ばれていて、だから菅さんが登場した瞬間からユーザーからは「おかえり」「ガースー」「かわいい」などの字が流れ大絶賛でした。
その画面を見ながら「親しみを込めたあいさつをした方がいいだろう」と考えたのだと思います。誰か振り付けたのではないかなどと言う人がいますが、それはないですね。後で番組を見返すと菅さんは本番直後からその画面を見ながらニコニコしていましたからね。でも実際には(画面上の反応だけでなく)多くの視聴者がいるのに、そこまで思いが至っていなかった。この(コロナ禍の)タイミングで、「ガースーです」というあいさつはないと思います。
菅さんは自分自身でどんどん決めていく人で、だから突破力や実行力はあるけれども、裏を返せば、客観的な視点や空気を見過ごしてしまうこともあるということです。それがこの発言にも表れたのかもしれません。》
https://mainichi.jp/articles/20201218/k00/00m/010/112000c

◎元新聞販売店経営者の呟き。
《記事の良し悪しだけで新聞が売れたら、僕ら全く苦労しなくて良かったですよね。
って言ったら言い過ぎですね。ごめんなさい。
多少の誤報や他社に抜かれたことがあっても販売店にはほぼ影響ないってのも、ある意味悲しい現実です。》
https://twitter.com/5ZXYr7qMVBmqeMk/status/1339958005073231873
新聞の商品性はコンテンツにはないということだ。そう理解したうえで鮫島浩のツイートを読んでみよう。
《新聞凋落の主因は、誰もが発信できるネット時代が到来し個性的コンテンツが溢れ返っている事に気づかず、情報発信を独占した昔のまま「誰からも批判されない没個性の記事」を量産してきた事だ。ふと気づくと新聞記事は溢れ返るコンテンツの中に埋没し「バッシング」でなく「パッシング」されている。
https://twitter.com/SamejimaH/status/1340405254370721792

共同通信は12月19日付で「共同通信副部長が陽性 新型コロナ」を配信している。
共同通信社は19日、本社経済部副部長の男性(50)が、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性と判定されたと明らかにした。
https://this.kiji.is/712987675800780800?c=39550187727945729
「元記者の紀谷理馬」が引用ツイート。
共同通信はえらいですよ。ちゃんと公表して。知ってる新聞社は幹部や現場記者が感染しても全く公表してないですよ。いくつもあります。》
https://twitter.com/motokisha/status/1340442338376572928

毎日新聞が12月19日午前2時1分にツイート。
《【独自】安倍前首相を不起訴処分へ 本人聴取踏まえ、年内にも最終判断 東京地検特捜部》
https://twitter.com/mainichi/status/1339979218986311683
山崎雅弘がリツイート
《【独自】って自慢げに書かれていますが、検察のリークですよね? 本当の独自取材じゃないですよね?
他社よりも先にリーク情報を報じることが、誇れる仕事なんでしょうか?》
《こういう記事を見て、ニュースの内容に目と心を奪われがちだが、一歩引いた視点で「新聞の仕事ぶり」にも目を向ける必要がある。誰がこの情報を毎日新聞に流したのか。これを流して報じさせる意図は何なのか。情報を流した者と、流された情報を記事にした毎日新聞は、この記事でそれぞれ何を得るのか。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1340549059308744704
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1340549705680338948
山崎ではなくても、新聞ムラの論理と心情が未だ跋扈をしている風景がこうしたところから垣間見えてしまうのだ。

◎国会パブリックビューイングの上西充子のツイート。
《ああ…初版を手にして誤植を発見したときの編集者さんの気持ちがわかってしまう…。
「誤解を与えた」ではなく「誤解を招いた」です。
直していただきます。
編集ミスではなく、私の原稿ミスです。
なんでこんなに堂々とした間違いに気づかなかったんだろう…。》
https://twitter.com/mu0283/status/1340441888948535296

◎温又柔のツイート。
《それにしても、小説って、小説だけ読んでいても書けない。でも、小説を読むことの喜びや感動が薄れてくれば、やっぱり書けない。少なくとも私にとっては、だけど。》
https://twitter.com/WenYuju/status/1340451578256314368

◎「少年ジャンプ+」の細野修平がツイッターでも報告してくれた
ジャンプフェスタで先程発表されましたが12/28刊『SPY×FAMILY』6巻を紙で初版100万部出すことになりました!》
《デジタル時代に紙で?というのがあるかもしれませんが、「100万部」というのは一つのトピックというか、わかりやすい数字で、ジャンプ+を始めたときの目標でもありました。》
《ジャンプ+を始めたとき「100万部の漫画ってもう出てこないんじゃない?」という雰囲気もあって、「ジャンプラから100万部の漫画を出しますよ!」と言うと、冷笑までいかないけど「目標高過ぎじゃない?」という雰囲気に迎えられることが多かった。なので、メチャクチャうれしいです!》
https://twitter.com/HosonoShuhei/status/1340513623441956865
https://twitter.com/HosonoShuhei/status/1340514023977017344
https://twitter.com/HosonoShuhei/status/1340514926977110024

◎宝島社は、第19回「このミステリーがすごい 」 大賞受賞作の『元彼の遺言状』を2021年1月8日(金)に発売する。「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という元彼の奇妙な遺言を受け、女性弁護士が依頼人と共謀して分け前を狙う遺産相続ミステリーだが、著者の新川帆立も女性弁護士だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001095.000005069.html

◎宿泊特化型・駅近ホテルJR東日本ホテルメッツは、12月17日(木)より「JR東日本ホテルメッツ 目白」にて、生活情報誌「オレンジページ」を発行するオレンジページと品質や安全にこだわったスーパーマーケットを展開する紀ノ國屋が共同開発した「ちぎりパン BY ORANGE PAGE」付きの宿泊プランをインターネット予約サイトにて販売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000299.000030117.html

小学館の運営する「コロコロコミック」を母胎とする「次世代ワールドホビーフェア」は、新型コロナの感染症対策として、今年度は2021年1月16日よりオンライン大会として開催することになった。オンラインで開催するため、会場が遠い、お金がかかる、などこれまで参加できなかった子供たちにとっては、むしろ参加しやすい大会となる。
このイベントの目玉は、2021年1月16日の「ゲーム&ホビー最新スクープday」と、2021年1月24日の「3大ゲームオンライン超大戦day」の2daysにわたって行うYoutube生配信。各生配信のMCには人気Youtuberのカジサックと、お笑い芸人の平成ノブシコブシが参加する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000956.000013640.html

伊坂幸太郎道尾秀介米澤穂信など、名だたるミステリ作家を担当してきた、新潮社の芸第二編集部編集長である新井久幸が新潮新書「書きたい人のためのミステリ入門」を刊行した。新井は京大ミステリ研、正式名称を「京都大学推理小説研究会」の出身だ。
《「高校教師」で森田童子リバイバルヒットするずっと前に童子を聞かせてもらったのも、「Deep Red(サスペリア2)」のビデオを見せてもらったのも綾辻邸だ。そして、沢山のマジックを見せてもらい、教えてもらった。綾辻さんは、僕のマジックの師匠でもある。》
《出版社を中心にマスコミを受けていたら、運良く新潮社に内定をもらい、就職することができた。ミステリ研にいなかったら、出版社を就職先に考えることなんてなかったろうし、当然、編集者になることもなかった。》
https://hon-hikidashi.jp/enjoy/120398/
https://www.shinchosha.co.jp/book/610889/

講談社は、「スーパーマン」「ワンダーウーマン」そして「バットマン」などを生み出してきたアメリカの漫画出版社DCコミックスとの共同プロジェクト第一弾として、週刊青年コミック誌モーニング」2021年4・5合併号(2020年12月24日木曜発売)より「BATMAN JUSTICE BUSTER」、同2021年6号(2021年1月7日木曜発売)より「ワンオペJOKER」の新連載をそれぞれ開始する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002982.000001719.html

朝日新聞デジタルは12月17日付で「木村花さんへの中傷、逃げる投稿者 髪形変えた母も標的」(岩田恵実)を掲載している。フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花が、命を絶って約7カ月経ったが、ウェブ上で誹謗中傷をしたとして、大阪府箕面市の男が侮辱容疑で書類送検された。
《今回の書類送検を受け、フジテレビ企業広報室は、朝日新聞の取材に対し「お答えする立場にございません」と回答した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNDK357SNDJUTIL04W.html
フジテレビは無責任なのではないだろうか。

◎大修館書店は、来年4月より大学向け電子教科書配信サービス「eTextbooks.jp」を提供し、どんな環境でも学びを止めない“ニューノーマル”時代の学びをサポートするという。まずは同社で刊行する体育・スポーツ系教科書の電子化を推進し、このサービス上での利用を可能にするそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000046209.html

◎「マネーポストWEB」は12月18日付で「高収益体質のNHK 内部留保3700億円でも受信料徴収を強化」を発表している。「週刊ポスト」が12月25日号に掲載した記事だ。
NHKの受信料収入は年間約7115億円(2019年度)、5年前より620億円も増えた。ただ、全員が納得して払っているわけではない。NHKが未契約世帯に受信料支払いを求める訴訟を積極的に起こし、受信契約の締結と「受信料の支払い」を命じる最高裁判決(*注)が出たことで徴収率が大幅にアップした。
【*注/2017年に最高裁判所が、受信設備を設置している国民NHKを視聴しない場合でも、契約を締結し、受信料を支払う義務があることを認める判決を下した】
その結果、いまやNHK本体と子会社の内部留保(連結余剰金)は3700億円を超える。受信料が余っているのである。》
https://www.moneypost.jp/736560
受信料が余っているということは、受信料がボッタクリのように徴収されているということではないのか。

共同通信は12月17日付で「ジェフ・ベゾス氏元妻が巨額寄付 アマゾン株、4300億円」を配信している。
《米アマゾン・コムのジェフ・ベゾスCEOの元妻マッケンジースコットさんが、米国内の384団体に42億ドル(約4300億円)近くを寄付した。離婚の際に財産分与として受け取ったアマゾン株の大半を慈善活動に充てる意向を示しており、巨額寄付は今年2度目。》
https://this.kiji.is/712179817489137664?c=39546741839462401

◎芥川・直木賞の候補作が発表された。
芥川賞の候補作は次の通り。
宇佐見りん「推し、燃ゆ」(芸秋季号)
尾崎世界観「母影(おもかげ)」(新潮12月号)
木崎みつ子「コンジュジ」(すばる11月号)
砂川次「小隊」(学界9月号)
乗代雄介「旅する練習」(群像12月号)
話題性からいえばバンド「クリープハイプ」ヴォーカル・ギターの尾崎世界観自衛隊出身の砂川次なのだろうし、新しさからすれば宇佐見りんなのだろうけれど、私は乗代雄介の「旅する練習」を推す。
直木賞の候補作は次の通り。候補作に選ばれるのは全員が初めてだ
芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」(藝春秋)
伊与原新「八月の銀の雪」(新潮社)
加藤シゲアキ「オルタネート」(新潮社)
西條奈加「心淋し川」(集英社
坂上泉「インビジブル」(藝春秋)
長浦京「アンダードッグス」(KADOKAWA
話題性からすればジャニーズ事務所「NEWS」加藤シゲアキのだろうけれど、私の好みからすると坂上泉の「インビジブルだ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121800217&g=soc

幻冬舎が運営するブロックチェーン/仮想通貨専門メディア「あたらしい経済」とCoinPost が運営するブロックチェーン/仮想通貨専門メディア「CoinPost」が業務提携し、YouTube番組「#CONNECT(コネクト)」を共同制作する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000561.000007254.html

東京新聞は12月17日付で「下請け圧力、電通を注意『博報堂に協力したら出入り禁止』 公正取引委員会」を掲載している。
新型コロナウイルス対策の「家賃支援給付金」の事業委託を巡り電通社員が下請け会社などに圧力をかけた問題で、公正取引委員会は17日、独禁法違反(競争者に対する取引妨害)につながる恐れがあるとして、電通に注意した。電通社員の行為は不適切だったものの、結果的に競合他社の取引に特段の支障は生じておらず、競争への影響はなかったと判断した。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/74879

◎「ダイヤモンドオンライン」は12月18日付で「ユーザー爆増の『note』『cakes』炎上、他人事ではないメディアへの教訓」(鎌田和歌)を発表している。
《最初に炎上したのは、写真家・幡野広志氏が連載していた人生相談「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう」。夫との関係を相談した女性に対し、「大袈裟もウソも信用を失うから結果として損するよ」というタイトルをつけて、「あなたの話はどこまで真実でどこまでウソなのか、どれくらい大袈裟にいってるのか、ぼくにはわからないの。細かいことはわからないけど、でもあなたが大袈裟に言ってることだけははっきりわかるの」などと言い立てる内容だった。
読者からは、DVやモラハラにあたるような内容を伝えている相談者に対して酷な回答であると批判が殺到。ウソだと思うなら取り上げなければいい、などの意見が上がった。また、批判が上がり始めた段階で、編集部が無料公開部分を大幅に減らし、「隠蔽しようとしている」という印象を与えたこと(*)や、編集部がツイッターの告知で女性の章を「違和感のある相談」と紹介していたことも火に油を注いだ(*後日のインタビューで、無料箇所の変更は他記事でも行っており、「特別な意図はございません」と釈明)。
この後、幡野氏と編集部はそれぞれ謝罪。幡野氏は相談者の女性と直接連絡を取って謝罪したことを明らかにしている。》
この「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう」の記事は、節操がない記事である。
《炎上ブロガーやユーチューバーに共通するのは、「読まれれば(見られれば)なんでもいい」という節操のなさだ。
ユーザー数獲得の目標ありきの中で、編集部は指針や倫理観を失っていったのではないか。人気のある書き手には何も言えない、そうではない書き手には不適切なマネジメントをする。続いた炎上は、すべてこれが原因だ。
指針を失った編集部。これはnoteに限らず、貧すれば鈍するを体現するような出版社や新聞社、テレビ局にも言えることだが、次世代のコンテンツプラットフォームとして注目を集めていたnoteにさえその影を見るのは悲しさしかない。》
https://diamond.jp/articles/-/257605
noteは社名変更とともに「cakes」を休刊し、事業を「note」に絞るべきであったのではなかろうか。

新潮新書スマホ脳」(著:アンデシュ・ハンセン、訳:久山葉子)が、発売から1ヶ月で5刷、11万部を突破した。
https://www.oricon.co.jp/news/2179546/full/

スポーツニッポンは12月17日付で「『鬼滅の刃』 商標めぐる“偽滅の戦い”も過熱」を掲載している。
《人気漫画「鬼滅の刃」のタイトルや劇中の登場人物らに使われる「鬼滅」や「滅」などの漢字を巡り、出版元の集英社が“商標バトル”に巻き込まれていることが分かった。》
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/12/17/kiji/20201217s00041000304000c.html

集英社から12月18日に発売された「キングダム」のコミックス最新60巻が、シリーズにとって初めての初版発行部数100万部に到達した。これによりコミックス累計発行部数は7000万部を突破。
https://www.crank-in.net/news/84295/1
前出「SPY×FAMILY」もそうだが、初版発行部数100万部とは、とんでもない数字である。

◎エンタメ業界のプロを育成するアミューズメントメディア総合学院(AMG)と小学館は産学共同プロジェクトとして、アニメ化もされた「焼きたて!!ジャぱん」の続編である、「焼きたて!!ジャぱん~超現実~」のキャラクターをAMGの在校生が創作する、コラボ企画を始動した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000276.000025577.html

凸版印刷株式会社のグループの総合電子書籍ストア「BookLive!」はこの道10年以上の”書店員すず木”が、最もおもしろかった新作マンガを選ぶ「年刊 書店員すず木2021」を発表した。オトコ編1位は「推しの子」(集英社)。オンナ編1位は「ゆびさきと恋々」(講談社)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000022823.html

◎日本芸社から副島隆彦佐藤優の対談本「ウイルスが変えた世界の構造」が発売された。ジュジュの神性を否定する「ユニテリアン」について語り合っている第二部が気になる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000082.000041489.html
日本においてユニテリアンは社会主義運動の源流のひとつだといえるかもしれない。さしあたって岸本能武太、安部磯雄、村井知至、佐治実然、木下尚江といった名前を想起しておこう。安部磯雄は「日本野球の父」としても知られている。

◎メディアドゥの子会社で、少女まんがレーベル「ネクストF」を手掛けるジャイブは12月7日(月)、自社配信している少女まんが雑誌アプリ「ネクストF」をリニューアルした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000009027.html

◎2020年藝春秋・電子書籍ダウンロード数ベスト10が発表された。
  1位 『女帝 小池百合子』(石井妙子
   2位 『裸一貫! つづ井さん2』(つづ井)
   3位 『コンビニ人間』(村田沙耶香
   4位 『一人称単数』(村上春樹
   5位 『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』(冨山和彦)
   6位 『少年と犬』(馳 星周)
   7位 『猫を棄てる 父親について語るとき』(村上春樹
   8位 『熱源』(川越宗一)
   9位 『反日種族主義 日韓危機の根源』(李 栄薫・編著)
  10位 『女と男 なぜわかりあえないのか』(橘 玲)
https://www.atpress.ne.jp/news/239641
2位にコミックエッセイが入っていることに着目したい。

集英社から刊行された漫画「約束のネバーランド」が実写映画化され、公開された。
https://jocr.jp/raditopi/2020/12/17/205471/

◎「ダイヤモンドオンライン」が12月18日付で早稲田大学大学経営管理研究科教授の長内厚による「ソニーがアニメ『鬼滅の刃』で見せた、ビジネス・エコシステムの『柱』」を発表している。
集英社週刊少年ジャンプが『鬼滅の刃』を世に出した産みの親であるとすると、アニメと映画を大ヒットに導いた育ての親は、