Index------------------------------------------------------
1)【記事】おしゃべりSNS「Clubhouse」が広がり始めている
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2021.2.3 Shuppanjin
1)【記事】おしゃべりSNS「Clubhouse」が広がり始めている
元朝日新聞記者・船崎桜のツイート。
《clubhouse寄席の評判がすこぶるよくて、結局clubhouseを入れてしまう私》
https://twitter.com/sakura_funazaki/status/1356253314367643656
Business Insider記者・吉川慧のツイート。
《clubhouseはログは残らないけど、オープンルームならその瞬間の会話を聞いている他人は必ずいる。忘れないで。》
https://twitter.com/dong_po_rou/status/1356259520171765769
日本救急医学会・外傷学会専門医・木下喬弘のツイート。
《Clubhouseでの公開討論は討論であって討論でないので、話半分で聞いておいた方がよいです。
Twitterと違い不正確なことをいっても「そうなんだ」という雰囲気でどんどん話が進みます。
特に医療情報は注意していただいた方がよいです。これはまずいでしょうという発信をいくつも聞きました。》
https://twitter.com/mph_for_doctors/status/1356258216510959620
古市憲寿のツイート。
《クラブハウスばかりやっててやばいと思って、書き下ろしショートショートを書いてみました。日本初(なのかな?)のクラブハウスを舞台にした小説です。》
https://twitter.com/poe1985/status/1356251526335844355
三浦崇宏のツイート。
《#Clubhouse で突発的に深夜の会社説明会をやっています。
GOの仕事に興味ある人、採用されてみたい人いたら、参加してみてください。
質問とか、あればなんでも気軽に呼びかけてください。》
https://twitter.com/TAKAHIRO3IURA/status/1356254058441400321
「元記者の紀谷理馬」のツイート。
《朝日新聞の中村新社長に期待ですね。朝日新聞にはまだまだ匿名垢で、他の匿名記者や顔出し実名キラキラclubhouse記者に説教を垂れてる暇な1,000万プレイヤーがゴロゴロいるようですし。まだまだコストカットのやり甲斐がありそうです。》
https://twitter.com/motokisha/status/1356401707249410048
「ハフポスト日本版」編集長・竹下隆一郎のツイート。
《イーロン・マスク氏が手掛ける会社がサルの脳に電極を埋め込んだ。ビデオゲームをプレーするという。
これを発表したのが、音声SNSの #Clubhouse (クラブハウス)。
今後はクラブハウスが「記者発表の場」にもなっていくのかもしれない。》
https://twitter.com/ryuichirot/status/1356257681347026954
どいつもこいつもClubhouse、Clubhouseって?それっていったい何なんだよ。
「ブルームバーグ」が2月1日付で掲載した「マスク氏、新興企業でサルの脳を実験中-ビデオゲームができるように」には、こうある。
《マスク氏は、招待制の音声ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「クラブハウス」で語った。クラブハウスは、ユーザーが即興でトークを主催できる。
クラブハウスでのトークでマスク氏は、2017年に存在が明らかにされたニューラリンクの最新動向について質問された。同氏は「1頭のサルの頭蓋骨の中に細い電極につながった無線インプラントを埋め込んでいる。このサルは頭で考えることでビデオゲームをプレーできる」と説明し、「インプラントがどこにあるのかは見えない。彼は幸せなサルだ。われわれは世界でも最良のサルの施設を持っている」と続けた。》
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-01/QNUAC1DWRGG001
新たなSNSが現れたようである。こんなツイートを発見。
《Clubhouseは、実名・肖像(アイコン)・携帯電話番号という個人情報を、「声紋」という生体情報と紐づけて録音した巨大データベース構築に成功した、世界初のサービスです。》
https://twitter.com/takujihashizume/status/1355691084429447172
こんなツイートも投稿されていた。
《Clubhouseの招待枠、メルカリで売られてて闇の深さを感じた》
https://twitter.com/IGAKUSEIhello/status/1356252082433482753
「TECH CAMPブログ」は1月26日付で「Clubhouse(クラブハウス)とは? 音声版Twitterとも呼ばれる”招待制”音声SNSアプリを紹介」をエントリしている。
《Clubhouseは、音声版Twitterとも言われている今話題の音声チャットアプリです。英語ではDrop-in audio chatと呼ばれています。
制作したのは、2020年にサンフランシスコで創業したアメリカのAlpha Exploration。
Clubhouseはアプリをダウンロードするだけでは使用できず、既に利用しているユーザーから招待コードを得る必要がある点が大きな特徴です。
Clubhouseは、プラットフォーム上に作成したチャットルームで、世界中の人達とリアルタイムで音声のやり取りが可能。映像が無いことで、より気軽に発信・参加ができそうですね。
ユーザーは好きなテーマの部屋を探して自由に出入りしながら、話に参加したり聞いたりすることができます。
現時点では、以下のように様々な使い方が考えられます。
知り合いや不特定多数と会話を楽しむ
対談や鼎談などのトークイベントを開催
音楽ライブ、講義、セミナーなどを開催
1人や複数人から多数の聞き手への情報》
https://tech-camp.in/note/technology/97904/
「GIZMODO」は1月29日付で「日本で流行りはじめた音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」ってなんだろう」を公開している。
《「Clubhouse(クラブハウス)」。音声チャットでコミュニケーションするiOS専用音声SNSです。2020年4月から英語圏で広がりはじめたサービスですが、1月16日から(1月22日説もあり)日本のApp Storeに登録されたことから、日本の利用者数がガンガンに伸びています。》
《現在、Clubhouseは招待制で、1アカウントにつき2人までしか招待できません(使用しはじめて数日後に3人ぶんの招待枠が増える)。しかも登録時に電話番号が必要です。音声SIM1枚につき1アカウントしか取得できない仕様なんですね。
また前述しましたが、ClubhouseはiOSデバイス専用の音声SNSです。M1 Macにもインストールできない様子。まだまだユーザー数が爆発的に増える、という段階には至っていないでしょう。》
https://www.gizmodo.jp/2021/01/what-is-clubhous.html
「ITmediaNEWS」は2月1日付で「Clubhouseの規約をチェック 実名を使用、音声は記録されている」を公開している。
《個人やグループへの嫌がらせ、差別、憎しみに満ちた行為、脅迫などは禁じられている。
事前の許可なく他人の個人情報の共有や、Clubhouseで得られた情報を書き起こしたり、記録したり、他の方法で複製や共有する行為は禁止されている。
知的財産権や所有権を侵害するような会話やコンテンツを流したりすることはできない。
Clubhouseは、ルーム内の会話は残らない仕組みだが、Clubhouse側では好ましくない出来事を調査する目的として、一時的に音声を録音している。
ルームが稼働している間に違反行為があったとユーザーがみなして報告を行った場合、調査のために音声は保存され、調査が完了した時点で削除される。
報告がなかった場合は、ルームが終了した時点で一時的に録音されていた音声は削除される。》
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/01/news088.html
「TechCrunch」は2月1日付で「いまさら聞けない話題の音声SNS「Clubhouse」のどぎまぎしない使い方」を公開している。
《サービス内容としては、いわゆる音声チャットだが、会話している内容を関係のないユーザーもオーディエンスとして聞くことができる。さらに会話の主催者であるモデレーターが許可をすれば、その会話にスピーカーとして参加することもできる。イメージとしては、自分も参加できる可能性がある公開討論番組といった感じだ。》
https://jp.techcrunch.com/2021/02/01/clubhouse-2/
「ハフポスト日本版」は2月1日付で「『Clubhouse(クラブハウス)』が広まっている理由とは。新しいSNSは『不安の時代』に生まれる」(竹下隆一郎)を発表している。
《登録すれば、誰でも「ルーム(部屋)」を作ることができ、みんなのおしゃべりが始まる。数十人から数百人が集まる。
雑談をする人もいれば、政治やビジネスについて議論をする人も。有名なタレントの方も交じっている。
毎日勝手に面白いラジオ番組がどんどん生まれるイメージだ。
過去のSNSもみんなが大変なときに新しい使い方が生まれた。Clubhouseは新型コロナで辛いを思いをして、人とのつながりを求めている今だからこそ広まっているのだ。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/why-clubhouse_jp_6016061ec5b6bde2f5c00357
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2)【本日の一行情報】
◎乃南アサはミャンマーに友人がいるらしい。こうツイートしている。
《ミャンマーの友人と連絡がとれた。
国際チャンネルはBBC、CNN、NHKなど、すべて切られているとのこと。国際社会がミャンマーについてどう報道しているかまったく分からない。国民はみんな嘆き悲しんでいる。「悔しい」と伝えてきた。》
https://twitter.com/asanonami/status/1356420657068691456
◎フレーベル館は、セント・フォース所属の元バドミントン日本代表選手である潮田玲子が物語を手掛けた初の絵本「いっぽいっぽの くつ」を2月15日より、全国の書店・ネット書店にて発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000031335.html
◎「2020年1月~12月期 紀伊國屋書店ベストセラー大賞」が発表された。著者部門には「鬼滅の刃」の吾峠呼世晴、出版社部門には集英社が選ばれた。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202101230111
◎文藝春秋は、1月21日に亡くなった文藝春秋OBの「歴史探偵」こと半藤一利の追悼ムック「半藤一利の昭和史」を2月17日に刊行する。また、半藤による最期の著作となる随筆集「歴史探偵 忘れ残りの記」(文春新書)を2月19日に発売する。それらに先立ち、2月10日発売の月刊誌「文藝春秋」では、著書刊行にあたり半藤が著した絶筆原稿の写真を掲載する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000043732.html
半藤が物語を創造した絵本が日共系の大月書店から刊行されるような時代が来るとは、私には想像がつかなかった。「焼けあとのちかい」が刊行されたのは一昨年の夏であった。
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b457291.html
http://www.otsukishoten.co.jp/company/
◎毎日新聞は2月1日付で「大学倶楽部・東京女子大 女性のキャリア形成目指し 集英社常務の田中さん招いてオンラインセミナー」を掲載している。
《東京女子大学キャリア・センターは1月13日、集英社常務取締役の田中恵さんを講師に招いて、「人生100年時代における女性のキャリア」セミナーをオンラインで開催した。女性のキャリア形成をテーマにしたセミナーには、5大学から約200人の学生が参加した。》
https://mainichi.jp/univ/articles/20210130/org/00m/100/002000c
東京女子大学公式サイトでも紹介されている。
《田中様は集英社にご入社後、30年間女性編集者としてご活躍。
雑誌「MORE」にあこがれて集英社を受けられましたが、当時はあまり見られなかった男女同賃金の会社しか受けない、と決めておられたそうです。
そして実際に集英社に就職し、「MORE」の編集者としてキャリアをスタート。
10年後に雑誌「LEE」編集部へ異動し、副編集長、編集長も務め、LEE100人隊という読者を代表したサポーター集団をSNSが広まる前から口コミなどによる時代を先取るマーケティングとして展開して来られました。また、当時珍しかった雑誌のオンライン通販「LEEマルシェ」も立ち上げました。
そんな田中様が語る、出版社における仕事の本質は「編集力」。
「見つける力」「ほれ込む力」「育てる力」、つまりモノ、人、コトの目利きとなり、熱を持った記事を作り、一緒にコンテンツを育てていくことを大事にされていたそうです。
雑誌の目指す方向性はいつも読者が教えてくれる、それを信条に情熱的に仕事に取り組まれてこられた様子が伺えました。
そして管理職になって10年、始めはとまどいを感じる場面もありましたが、集英社のもつファッション誌全体をブランディングしたいという視点や、リカレント教育を意識し、特にデジタルマーケティングの勉強のためビジネススクールにも通われたそうです。まさに、ライフシフトの先駆けでした。
役員となった現在では、出版業界を俯瞰して考えることも増えた、と述べられました。
常に新しい課題が目の前にあり、それに全力で立ち向かっているうちに楽しくなって次の展開につながったとおっしゃっており、「仕事が面白く、飽きる暇がなかった」そうです。》
https://www.twcu.ac.jp/univ/topics/2021/02/100-4.html
◎「週刊ポスト」は玉川奈々福の「浪花節で生きてみる!」(さくら舎)を書評で取り上げているが、奈々福は評者の与那原恵の本を編集者として二冊担当していたのか。
https://www.news-postseven.com/archives/20210131_1630598.html?DETAIL
◎テレビ局もマンガに関心を抱き始めているということだろう。テレビ東京は、アムタスの提供する電子コミック配信サービス「めちゃコミック」(めちゃコミ)と共同で、漫画化とドラマ化を同時に実現する作品を選ぶ画期的なコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」を開催する。
《このコンテストの最大の特徴は、主演俳優がコンテストの審査に加わる点です。その大役を務めるのはドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)をはじめ数多くの作品で活躍中の町田啓太。》
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001208.000002734.html
◎「第43回ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)が、9月11日(土)から25日(土)までの13日間(月曜休館)、「国立映画アーカイブ」で開催されることが決まった。
https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_2_31bc5d46-fc54-4cd1-9cfa-c693bd34a0a6.html
https://pff.jp/jp/
◎「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」は2 月 1 日付で社説「反対意見を抑圧する進歩派マスコミ」を掲載している。
《大半の米国民は学校で、同国の歴史の中で起きた政治的過剰反応の代表的事例について学ぶ。その中には、ジョー・マッカーシー氏が主導した1950年代の共産主義者とみなされた人々への尋問、第1次世界大戦後の共産主義排斥運動、1798年の「外国人・治安諸法」などがある。しかし、最近のワシントン・ポストのオビニオン記事は「1798年の治安諸法が正しかった点」について、説明しようとしている。》
《ワシントン・ポストのメディアコラムニストのマーガレット・サリバン氏は先週、「FOXニュースに広告を出している企業は、広告を引き揚げるべきだ」と書いた。》
《ニューヨーク・タイムズのニコラス・クリストフ氏は「FOXニュースが過激派の宗教学校の役割を続ける限り、FOXに広告を出さないよう企業に圧力をかけるべきだ」と呼び掛けた。彼はまた「うそを拡散させるチャンネルをなぜ提供するのか、ケーブルテレビ会社に問いただすべきだ」と語った。CNNテレビのあるライターは、衛星通信会社コムキャストのような企業は「精査を免れ、こうした議論を完全に回避している」と主張した。》
《ニューヨーク・タイムズのトーマス・フリードマン氏も、FOXニュースの一部の番組に広告を出さないよう企業に求めるとともに、フェイスブックについて、「社会を分断し、権威ある公平な報道機関に対する怒りをかき立てるニュースを、利益のために持ち上げることを金輪際やめると言って、われわれを驚かせる」必要があると述べた(FOXとウォール・ストリート・ジャーナルの親会社は同じ)。》
https://jp.wsj.com/articles/SB11035720615581634282004587256723141048732
◎「Forbes JAPAN」は2月1日付で「デジタルで加速する米国分断。注目は音声型新SNSアプリ『Clubhouse』」を発表しているが、「サイベリア―デジタル・アンダーグラウンドの現在形」のダグラス・ラシュコフは次のように語っている。
《ソーシャルメディアは、構造的に空想世界のロールプレイさながらだ。好きなゲームを選び、物語を創作し、語り合い、演じる。右派も左派も小グループを作り、仲間内で、陰謀説など、独自の物語を共有し合い、独自の世界をつくり上げる。ソーシャルメディアが民主主義を破壊しているとは言わないが、そうした場を提供しているのは確かだ。》
https://forbesjapan.com/articles/detail/39546/1/1/1
ソーシャルメディアは直接民主主義の可能性を切り拓くツールにはならず、民主主義の破壊(及び民主主義からの逃走)に加担してしまったのは何故なのか。
◎河出書房新社は「文藝」編集部、及び書籍編集部での正社員募集を開始した。
https://twitter.com/Kawade_bungei/status/1356131077694267393
https://www.kawade.co.jp/saiyo/
◎日本経済新聞は2月1日付で「経理の甘さ突く 博報堂DY系架空発注、営業優位も背景か」を掲載している。
《中島容疑者らは実際にCM制作を請け負った業務の外注費を経理部門に請求する際、同じ広告主から別の業務を請け負ったかのように装い、会計システムを通じて正規の費用とともに請求していた。経理担当者は警視庁捜査2課の事情聴取に「請求書も記載内容も形式が整っており、架空とは気づかなかった」と話したという。
CM1本分の外注費は、博報堂DYMPがテレビ局から仕入れる放映枠の代金や、広告主が同社に支払う制作費の数倍に上ることもあった。請求・支払いに関する同社の管理は、広告主ごとの一定期間の総額を社員からの報告に基づいて整理する方法だった。
捜査関係者は「放映枠の価格や広告主からの受注額を外注費と比較するなど、取引内容を精査する体制が整っていなかった」と指摘する。同社は「取引の管理体制を改善させるため、事件に関係する会計システムを改修した」(広報室)という。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG182870Y1A110C2000000?unlock=1
こんな架空発注を発想する社員は絶対にいないという「性善説」があったのではないだろうか。恐らく博報堂だけではなく、大手の広告会社は基本的に「性善説」に立脚している。
◎皇室にかかわる結婚報道を見ているといつも感じてしまうことを元「サンデー毎日」編集長の山田道子は言ってくれた。毎日新聞が2月1日付で掲載している「メディア万華鏡 このままでよい?『小室さんと母』へのバッシング報道」で山田は、こう結論づけている。
《タイトルに同情的なものもあるが、読むとここまで貶めなくてもという内容が目立つ。今回のバッシング報道で気になるのは、皇室に対するものとは明らかに違う容赦ない記述だ。家の格を問うような姿勢には、差別を感じる。
女性・女系天皇に反対する保守的な天皇制支持者をみると、いつも「そんなこと言っていると皇室なくなるかもしれないのに」と不思議だった。眞子さまと小室さんの結婚問題をめぐる週刊誌報道でも、皇室と縁を結ぼうという人がいなくなって、天皇制の存続にかかわるのでは?と思う。》
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20210129/biz/00m/020/006000c
◎毎日新聞の大治朋子がツイートしている。
《書きました。今国会で審議予定のSNS中傷対策について山田健太専修大教授は著書「愚かな風 忖度時代の政権とメディア」で懸念。政治家や大企業が匿名の投稿者を「迅速に」割り出せるようにする、とか。02年の人権擁護法案審議でもそんな「便乗商法」が。審議を注視したい。》
https://twitter.com/TomokoOHJI/status/1356420757098618882
どれどれと2月2日付毎日新聞。あった、あった。大治朋子は「火論 SNS中傷対策と懸念」でプロバイダー責任制限法の改正について次のような懸念を表明している。
《…「表現の自由」まで不当に制限されないかとやや心配だ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は良くも悪くも両刃の剣。匿名の攻撃者による中傷に使われやすい半面、正当な批判をするために有効な手段にもなる。SNSを使った抗議活動は「ツイッター民主主義」とも呼ばれ、デジタル時代の民主主義にはもはや欠かせぬ存在になっている。》
実際、こんなこともあったと大治は書く。
《例えば政治家や大企業が、匿名の投稿者を「迅速に」割り出して批判を封じ込めようとするような事態にならないかと。実際、2002年に自民党を中心とする政権が国会提出した人権擁護法案の審議では、人権侵害の事例に政治家への取材や批判報道が加えられ、危うく「政治家擁護」に使われそうになった(翌03年に廃案)。》
https://mainichi.jp/articles/20210202/ddm/002/070/053000c
国会から真っ当な議論や論戦が消えて久しいだけに気がかりではある。
◎朝日新聞デジタルは2月1日付で「『米国境に人民解放軍』? 日本に直輸入されるQアノン」(伊藤大地)を掲載している。
《信奉者とそのフォロワーが陰謀論を投稿すると、それを孫引きする形で解説動画がYouTubeに配信される。さらに動画の一部が切り取られ、ツイートで拡散、そのツイートをもとにまとめブログができる。同じ情報が異なる発信元から何度も流れることで、表向きの信用度が増す仕組みだ。日本語圏だけでも数千を超えるリツイートや、再生回数が数十万回超のYouTube動画が複数存在する。もはや「信奉者だけの世界」とはいえない規模だ。》
「陰謀論」が怖いのは、「陰謀論」そのものではなく、「陰謀論」と地つづきの不健康なナショナリズムが民衆の無力感と化学反応を起こして猛威をふるう、その露払いの役割を象徴的に果たすからである。
https://digital.asahi.com/articles/ASP10575MP1PDIFI00B.html
毎日新聞の國枝すみれが学術会議の任命を拒否された宇野重規にインタビューしている。2月1日付で掲載された「民主主義の守り方『不平等への怒り』バネに、もっと納得感が持てる社会を作ろう」がそうだ。プラグマティストの宇野は次のように語っている。
《人間はどういうときに一番自尊心を損なわれるでしょうか? それは、自分にとって一番大切なこと、自分の人生を決定するようなことを他人が決めて、自分の力ではどうにも変えられない、なのに責任だけは押しつけられるという状況です。職場や生活環境、国政、環境問題まで、問題があると分かっていても、自分たちの力ではどうしようもない。そう思ってしまうと、無力感に陥り自己肯定感が減少する。そこに「お前の努力が足りないからだ」と言われると、「本当は悪いやつが勝手に裏で全部決めているに違いない」と思うのは当然でしょう。これが陰謀論が広がる土壌です。前提としては、代議制民主主義の機能に対する不全感があります。》
https://mainichi.jp/articles/20210131/k00/00m/010/126000c
プラグマティズムの本質はルソー的な理想主義を否定することである。日本でいえば鶴見俊輔とか…。
朝日新聞デジタルは2月2日付で「『陰謀論』拡散、日本でもあった コレラ流行の明治期―『政府が生き肝を米国に』一揆も」(滝沢文那、山本悠理)を掲載している。
《三上さんによると、1980年代後半から90年代にかけての陰謀論は、サブカルチャーなどの形で受容されてきた。インターネットの普及で陰謀論が本格的に広まったが、拍車をかけたのはトランプ氏の登場だったとみる。「自分は『ディープステート』(影の政府)と戦っている」と演説するトランプ氏に、「陰謀論者の味方だととれることを、大統領が言ってしまう光景は衝撃的だった」と明かす。
「ムー」ではまだ、トランプ支持者と重なり合う陰謀論集団「Qアノン」を本格的に特集はしていない。「検証するとすぐにおかしいと分かる事柄が組み合わさっていて、ムー読者からするとまだまだ甘いと思うのでは。日本で盛り上がっている人は、陰謀論への免疫が足りないような気がする」と話す。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14785315.html
「陰謀論」は出版ビジネスからすれば「売れ筋」のひとつなのである。どうでも良いことかもしれないが「地球の支配者は爬虫類人的異星人である」の著者は太田竜である。そう、「辺境最深部に向って退却せよ!」の太田竜だ。
◎朝日新聞デジタルは2月1日付で「深夜クラブ問題、政権へ『大逆風』 地方選で相次ぐ苦戦」を掲載しているが、永田町に「大逆風」をもたらしたのは、朝毎読の大新聞ではなく、「週刊新潮」と「週刊文春」であったとは、残念ながら、この記事には書かれていない。おまけにこの記事は署名はなく匿名。私からすれば引用するに値しない記事である。
https://digital.asahi.com/articles/ASP216FT6P21UTFK015.html
◎講談社は、「春のマンガまつり2021」として、紙版と電子版コミックスの合同キャンペーンを開催する。このキャンペーンは、「抽選で3,500組8,000名様を東京ディズニーランドを貸し切ったプライベート・イブニング・パーティーにご招待する」という特典を盛り込んでいる。昨年、好評だったペア招待券に加え、今年はファミリー招待券も用意しているそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003053.000001719.html
◎「じんぶん堂」は2月1日付で「『本屋、はじめました』から5年 全国の本好きとつながる街の新刊書店ができるまで:Title」を発表している。
《2020年は、新型コロナの影響を受けてWebでの売上が大きく伸びたのだという。
「前回の緊急事態宣言の4月からWebショップが伸びたんです。去年の4月はそれまでの7倍。12月でも前年と比べれば3倍ぐらいは違います。全国から注文が来て、いろんな場所に送っているんですよね。昨日も北海道の帯広とか旭川から。西からもあります」》
《辻山さんは、「毎日のほん」と題して、Titleが届けたい本を毎日WebサイトとSNSで紹介している。今ではTwitterのフォロワーは3万5000を超える。従来、街の本屋さんは地域とともにある場所だったが、全国から注文が寄せられる可能性があるのだとわかる。》
https://book.asahi.com/jinbun/article/14142461
これは重要なことだと思う。ときわ書房志津ステーションビル店なども、あのツイートからすればWebショップの売上を伸ばすことができるはずだ。今のところアマゾンは目的買いしかできず、その点を不満に思っている読者は多いはずだ。
◎吉川英治文学新人賞の候補作が決まった。朝日新聞デジタルが2月2日付で掲載した記事のタイトルは「加藤シゲアキさん、吉川新人賞の候補に 本屋大賞に続き」か。加藤が可哀そうだと思う。
https://digital.asahi.com/articles/ASP216G4VP21UCVL02H.html
その点、芦沢央のツイートがステキなんだなあ。
《『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)が第42回吉川英治文学新人賞の候補作になりました。本賞には4年前『許されようとは思いません』という独立短編集でも候補になりましたが、今回も独立短編集であるこの作品を俎上にあげようと考えてくれた人が何人もいることをとても嬉しく、光栄に思います。》
《候補作は
汚れた手をそこで拭かない 芦沢央(文藝春秋)
オルタネート 加藤シゲアキさん(新潮社)
愛されなくても別に 武田綾乃さん(講談社)
十の輪をくぐる 辻堂ゆめさん(小学館)
水を縫う 寺地はるなさん(集英社)
タイタン 野崎まどさん(講談社)
です。》
《ぶっちゃけた話、自分が候補に入っていなければ、『よくぞこの作品を候補に!』と興奮するような作品ばかりなんですよ。それはつまり候補者としては、どひゃー怖すぎる! という並びなわけで。
でも、とりあえず今はこの中に並べてもらえたことを喜びたいと思います!》
https://twitter.com/AshizawaYou/status/1356378549251268611
https://twitter.com/AshizawaYou/status/1356380338490990593
https://twitter.com/AshizawaYou/status/1356386309456101376
そう目配せの利いた選定なのである。東京五輪を盛り上げるのであれば「十の輪をくぐる」なのだけれど。
◎第72回読売文学賞が発表された。
戯曲・シナリオ賞 岡田利規「未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀」(白水社)
随筆・紀行賞 中村哲郎「評話集 勘三郎の死」(中央公論新社)
評論・伝記賞 井上隆史「暴流の人 三島由紀夫」(平凡社)
評論・伝記賞 坪井秀人「二十世紀日本語詩を思い出す」(思潮社)
詩歌俳句賞 池田澄子「句集 此処」(朔出版)
研究・翻訳賞 角田光代「源氏物語」全3巻(河出書房新社)
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210131-OYT8T50014/
小説賞は該当なしとなった。
◎「note」でand recipe(小池花恵)が連載したレシピをまとめた「冷蔵庫にあるもんで-REIZOKO NI ALMONDE」が、幻冬舎から2月10日(水)に発売される。
https://note.com/info/n/ndab3f0390f23
◎町山智浩は菊地成孔との議論を断る理由を詳細に述べている。
《菊地成孔さんと議論できないと思った理由のひとつは、菊地さんが私を傷つけるために民族的背景を持ち出したからです。菊地さんの文章を差別と呼ぶことが私のミスリードかどうか、その文章を載せますので、人々に判断してもらいます。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356254877853179909
このツイートは昨日の文徒でも紹介したが、町山は更にツイートをつづけている。
《菊地成孔さんは自分がトランプ支持者であることを、少数民族や身体障害に生まれること、女性やLGBTであることと同じものとしていますが、それこそ差別される人への侮辱でしかないです。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356260570840752130
《ただ、菊地成孔さんの周囲には「あなたの立場ではこういうことを書いてはいけない」と諌めてくれる人がいないのか、今までいなかったのか、心配にはなります。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356264044135518211
《菊地成孔さんとの議論を断る理由② 菊地さんは私の1月7日のツイートのせいで「ツイッター使用者から猛烈な攻撃を受けた」と主張しました。
https://twitter.com/TomoMachi/status/1347419028894097408
ところが菊地さんは1月26日までツイッターのアカウントが無かったのです。だから単にエゴサして批判をいくつか見つけただけなんです。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356267895433482246
《菊地成孔さんと議論しない理由③ 菊地さんはアメリカが嫌いで、トランプがアメリカを滅ぼすから支持すると主張しています。僕はアメリカが好きで住んでいて、トランプがアメリカを滅ぼすから支持できません。これは最初から永遠に平行線ですよ。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356268836312346627
《菊地成孔さんと議論しない理由④ 菊地さんは日本から巧みなレトリックでトランプ支持論を展開しています。僕はアメリカの現場で、各地に足を運び、生の声を聞き、データを集めて、アメリカの現実を毎週、テレビと週刊誌で報告しています。その内容が菊地さんへの回答として充分だと思います。》
《たとえば菊地さんは「トランプが、メキシコからの移民を一人でも餓死させたり、中絶に関して悲劇的な事件を起こしてからでも、彼を弾劾するのは遅くない」と書いてますが、僕は自分の番組で、移民弾圧や中絶禁止で実際に起こる被害を伝えているわけです。それが回答です。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356269586174201857
https://twitter.com/TomoMachi/status/1356279550007656449
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3)【深夜の誌人語録】
「意識高い」は必要ない。必要なのは「意識深い」である。