【文徒】2021年(令和3)4月26日(第9巻77号・通巻1974号)つづき

4)【本日の一行情報】

毎日新聞は4月24日付で「楽公演の25日は中止 人間国宝吉田簑助さん引退は24日に」を掲載している。
《国立楽劇場(大阪市中央区)は24日、開催中の4月楽公演について、最終日の25日の公演を中止し、24日を千秋楽にすると発表した。》
https://mainichi.jp/articles/20210424/k00/00m/200/053000c
ライター、編集者の高橋彩子が引用ツイートを投稿している。
《明日は芸歴80年の人形遣い吉田簑助師の最後の舞台となるはずだったが、緊急事態宣言を受けて今日までに。お別れのため千穐楽のチケットを取った人も多いのに、なんて無情な話だろう。関係者も皆、辛いに違いない。図らずも最後となった今日、その舞台を見届けてきます。》
https://twitter.com/pluiedete/status/1385770558680272898
演劇評論家・犬丸治のツイート。
《「日本のデントー」と声高にいう人間に限って、能も狂言も歌舞伎も観たことはないし、観ようともしない。》
https://twitter.com/fwgd2173/status/1385749801136889860
桂吉坊リツイート
《おまけにデントーは消してください言うてます》
https://twitter.com/kichibo_rakugo/status/1385752152421789697
国立劇場、国立楽劇場楽公演の公式アカウントのツイート。
《【大阪・国立楽劇場】
4月楽公演は本日が千穐楽となりました。4月に入り日を追うごとに新型コロナウイルスの感染者数が増加し、大阪府に緊急事態宣言が実施される事態になり、明日の公演を中止といたしました。楽しみにして下さっていたお客様には改めて深くお詫び申し上げます。》
《このような中、人形浄瑠璃楽座人形遣い吉田簑助が引退を発表し、本日お客様の温かい拍手に見送られ最後の舞台を終えました。
本日行われました吉田簑助の御挨拶について、動画を公開いたします。ぜひご覧ください。》
https://twitter.com/bunraku09/status/1385923150609719302
https://twitter.com/bunraku09/status/1385923549446041604

◎4月23日に封切りを予定していた「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」の公開は、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて延期が決まった。
https://natalie.mu/eiga/news/425552

◎「物流」は「日本国語大辞典」にも、「デジタル大辞泉」にも掲載されているが、「人流」は掲載されていない。日本の政治から生まれた「新語」である。平野啓一郎がツイートしている。
《「人流(じんりゅう)」っていう新語の響きはまた、何とも言えない違和感だな。僕は「正しい日本語」というのを掲げて言葉の変化を認めない態度には否定的な方ですが。政治的に、コントロールすべきもの、という意味で専ら使用されている新語だから、というのもあろう。》
https://twitter.com/hiranok/status/1386094072314564608

アップリンク渋谷が5月20日をもって閉館することが決まった
《昨年は助成金補助金もあり、ぎりぎり生き延びることができましたが、今年はさすがに限界を超える状態で、再投資をしても先が見えない状況となり、閉館という決断を余儀なくされました。》
https://www.uplink.co.jp/news/2021/53583
フリーライターの石塚就一がツイートしている。
アップリンク渋谷の閉館について。それなりにフォロワーが多いクリエイターやメディア関係者、映画関係者などは良い思い出だけを語っている。一般的な映画ファンは「ところでパワハラ問題どうなった?」とつぶやいている。前者の感覚がどれだけ異様かは明らか。》
https://twitter.com/ZukazukaSyuichi/status/1385187951831748612

◎「日刊SPA!」は4月21日付で「なぜ春砲だけが特別なのか。元編集長が明かす秘密組織の実態」を発表している。「春の流儀」(中央公論新社)の木俣正剛がインタビューに応じて次のように語っている。
《「私がデスクのときには、伝説の記者がいました。自ら編集部にタレコミの電話をかけ、取材と称して彼女と沖縄旅行に出かけたようです。
沖縄から『取材は難航しています』と電話がかかってきたので、意地悪に『次の取材もあるから帰ってくるか?』と聞くと、『いえいえ、もう少し沖縄で粘ってみます』と。案の定、日焼けしただけで、なんの収穫もなく戻ってくるんですが、この記者は、次の週は汚名返上とばかりに特大のスクープをとってくるんですよ」》
さすがに現在は、ここまで大らかではないと思うが、それでも他社に比べればスクープを獲得するために経費を惜しむことはないだろう。加えて記者をバカにすることがない社風も強みである。木俣も次のように語っている。
《「多くのメディア・出版業界はオーナー一族の影響力が今も強いですが、藝春秋は社員持株会社です。忖度とは無縁で、社長も編集長も“さん”づけ。上下関係のない社風だから、年間契約の記者と社員の関係もいい。記者はみなノンフィクション作家の卵という位置づけで、社員は尊敬しています。そういう社風もあって、なにが正しいかを決めつける上から目線の記事は誰も書きません。まず第一に当事者の声を聞こうとします」
https://nikkan-spa.jp/1748340

◎4月22日付毎日新聞が掲載している「ひどいシステムに男女の別はない 逆転の漫画『大奥』作者が描いた希望」は16年にわたる連載を終えてこのほど完結したマンガ「大奥」のよしながふみにインタビューした記事である。
《読んだ方がどう思うかは全く自由なのでどうこう言えることではないですが、私としてはずっとエンタメとして描いてきました。何かテーマを考えていたわけでもなく、物語を思いついた時も「面白いでしょう!?」と編集さんに話して、こんな話を読みたいと思ったけれど、誰も描いてくれないので自分で描くしかありませんでした。ただ、女の人が将軍をやっていることを痛快に思う感覚は、普段私たちが社会で思うところがあるから生まれるのだと思います。女性の政治家が当たり前の世の中なら、特にどうとも思わないでしょうから。》
https://mainichi.jp/articles/20210422/k00/00m/040/025000c
「大奥」は時代を反映した作品なのである。

産経新聞は4月22日付で「講談社に慰謝料支払い命令 週刊誌記事巡り地裁立川支部」を掲載している。
プロ野球巨人の2軍でトレーナーをしていた男性が、女性にわいせつ行為をしたとの虚偽の記事を写真週刊誌「フライデー」に掲載され精神的苦痛を受けたなどとして、発行元の講談社に慰謝料300万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁立川支部今岡健裁判長)は22日、150万円の支払いを命じた。》
https://www.sankei.com/affairs/news/210422/afr2104220008-n1.html

KADOKAWAは4月21日に「WEBザテレビジョン」のリニューアルを実施した。「WEBザテレビジョン」は月2,000本以上配信する最新の芸能ニュースを中心に、クール毎の新ドラマ・アニメをはじめとした番組情報、タレントプロフィール、「ドラマアカデミー賞」など誌面連動企画、WEBオリジナルの特集など幅広く展開している。ブランドシンボルとしてレモンを使っている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000008453.000007006.html

徳島新聞電子版は4月22日付で「週刊少年ジャンプの県内発売日が土曜から月曜に SNSで徳島県民の嘆き節相次ぐ」を掲載している。
《県内ではジャンプの発売日といえば、長らく「土曜」というのが常識だった。東京、大阪などの都市圏を含む多くの都道府県が「月曜」であるのに対し、徳島県民だけが2日早い「先読み」の特権を長年享受してきた。飯泉嘉門知事も定例会見で「(ジャンプが)日本で一番早く出る県」などと言及したこともある。そうした特権も発売日の変更によって消滅してしまった。
月曜発売に変わった理由について、県内で書店7店舗を展開する「平惣」(阿南市)の八百原勝徳島店店長は「土曜に届いていたのが、月曜にならないと届かなくなった。運送業界の事情が少なからず影響しているのでは」と語る。
出版物の流通を取り仕切る出版物専門商社「トーハン」(東京)四国支社の担当者によると、ジャンプは東京や大阪を中心に月曜に配送されている。一方、遠隔地の徳島や新潟など一部の地域は発売日を合わせるため、土曜に前倒しで配送するのが通例だったという。しかし、運送業界は現在、慢性的な人手不足で、八百原店長は昨今働き方改革も踏まえて「土曜配送をなくし、休日を土日に統一したからではないか」とみる。》
https://www.topics.or.jp/articles/-/518123
知らなかった。ちなみにここに出て来る「平惣」の創業は1739年だ。現在の代表・平野惣吉は8代目。
http://hirasoh.syoten-web.com/company/

◎雑誌ブランドを活用した通販ビジネスを支援するイデアは、新潮社と協働で新潮社の出版コンテンツと連動したECサイトをリニューアル、取扱商品の幅を広げた「新潮ショップ」をオープンし、4月22日より販売開始した。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000003823.html
イデア富士山マガジンサービスイードによる合弁会社だ。「月刊Hanadaおすすめ これはウマい!」や「春マルシェ」などを手がけている。
https://team-idea.co.jp/whatsnew

◎宇佐見りんの「推し、燃ゆ」(河出書房新社)に海外より出版オファーが殺到し、早くも世界7カ国・地域で翻訳出版が決定した。現在、累計発行部数48万部を突破。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000344.000012754.html

◎「呪術廻戦」の公式アカウントが4月21日に報告している。
《【祝!】いつも #呪術廻戦 を応援いただきありがとうございます! 
この度シリーズ累計発行部数が4500万部を突破しました!(デジタル版含む)
新展開突入の原作をはじめ、今冬劇場公開が決定した『劇場版 呪術廻戦 0』も含めて、引き続きの応援どうぞよろしくお願いいたします!
https://twitter.com/jujutsu_PR/status/1384688336305065986
4000万部を突破したのが三月末だから三週間で500万部増となったわけだ。この緊急事態宣言で更に売上を伸ばすのではないだろうか。「zakzak」が4月22日付で「『呪術廻戦』累計発行部数4500万部突破 快進撃にファンもびっくり『売れてるスピードが速すぎるww』」を掲載している。
《昨年10月から今年3月まで、MBS・TBS系でテレビアニメが放送され、人気が過熱。今冬には「劇場版 呪術廻戦 0」が公開される予定だ。
順調に累計発行部数を伸ばしている同作だが、テレビアニメ化が発表された2019年11月時点の累計発行部数は250万部。アニメ化や各メディアで話題作として取り上げられたことをきっかけに人気が高まった。》
https://www.zakzak.co.jp/ent/news/210422/enn2104220011-n1.html
「呪術廻戦」は現在、15巻。ということは一巻あたり300万部という計算になる。

毎日新聞は4月22日付で「安倍氏朝日新聞批判『捏造体質変わらないようだ』具体例示さず」を掲載している。
安倍晋三前首相は22日、東京都内で行われた講演で、朝日新聞の報道について「なかなか、捏造体質は変わらないようだ」と批判した。「捏造」の具体例については言及しなかった。》
https://mainichi.jp/articles/20210422/k00/00m/010/369000c
衆院調査局によれば、2019年11月~20年3月に事実と異なる国会答弁を118回していた元首相もいた。
https://mainichi.jp/articles/20201221/k00/00m/010/234000c
小沢一郎のツイート。
《虚偽、隠蔽、改ざん、偽装工作。行政をここまで駄目なものにして、日本を後進国にしてしまった人物がよく言えたもの。もう何も言わないほうが良い。国民の税金で、後援会と花見をやるような人間が、もはや何を言っても信用されない。恥を知るべき。》
https://twitter.com/ozawa_jimusho/status/1385426487180881920

産経新聞は4月22日付で「共産党の理論誌『前衛』が創刊1000号 最近は他党幹部も登場」を掲載している。
《ただ、近年は他の野党の幹部が誌面に登場して「エールを交換する場面も増えてきた」(志位氏)。昨年9月号は、共産の穀田恵二国対委員長立憲民主党安住淳、国民民主党原口一博国対委員長(いずれも当時)の三者会談を掲載している。》
https://www.sankei.com/politics/news/210422/plt2104220029-n1.html
いつの間にか、こういうのを新日和見主義とは言わなくなったんだ

◎「神様のカルテ」著者にして、コロナ禍の最前線に立つ現役医師夏川草介が2020年末から21年2月にかけて経験したことを克明に綴った、現代版「ペスト」ともいえるドキュメント小説「臨床の砦」が小学館から4月21日に刊行された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001129.000013640.html

◎アイドルグループ「NMB48」の元メンバー・三田麻央がライトノベル「夢にみるのは、きみの夢」(小学館・ガガガ庫)で小説家としてデビューした。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakanishimasao/20210423-00234114/

◎キリンビバレッジのロングセラーブランド「キリンレモン」が、村田真優の少女コミックの「ハニーレモンソーダ」を原作として松竹が企画・配給する実写映画の劇中に登場するレモンソーダに決定した。なお、「ハニーレモンソーダ」は7月9日(金)より全国公開される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000073077.html

◎お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜が、集英社の女性ファッション誌「SPUR」6月号の企画「近藤春菜と幸せのかたち 恋をしてもしなくても」に登場した。
https://www.oricon.co.jp/news/2191403/full/
「SPUR」のセンスの良さに脱帽したい。ウェブサイト「SPUR.JP」では、本誌企画と連動したスペシャル動画も公開している。
https://spur.hpplus.jp/magazine/topics/202104/21/GJEDEWc/

白泉社が運営する全誌合同マンガ投稿サイト「マンガラボ!」において4月23日(金)より「女の子が主人公! 胸キュン恋愛マンガコンテスト」の募集が始まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000497.000046848.html

徳間書店は「殺数 天とのつながりを解き明かした運命を変える数字」の出版に伴い、Amazon予約キャンペーンを4月23日にスタートさせた。
https://www.atpress.ne.jp/news/256783
徳間書店としては「殺数」ブームを巻き起こしたいところだろう。

◎スポーツ報知は4月22日付で「中瀬ゆかりさん、コロナ感染を生告白『本当にご心配をおかけしました』」を掲載している。
《新潮社出版部長の中瀬ゆかりさん(56)が22日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜・午後5時)に出演した。》
《・・・中瀬さんはスタジオ生出演で冒頭、「この2週間、理由を言わずに休んでいたのは、実は私、新型コロナに罹患してしまいまして。幸いにも濃厚接触者はいなかったんですが、自宅で療養していました」と話した。》
https://hochi.news/articles/20210422-OHT1T51054.html
中瀬は無症状だったそうだ。

朝日新聞デジタルは4月22日付で「LINE社員、チャットに『サクラ投稿』 女子高生装う」(益田暢子)を掲載している。
《対話アプリ「LINE」で不特定多数のユーザーとやりとりできる機能「オープンチャット」で、運営会社LINEの社員が、一般ユーザーを装ってメッセージを投稿していたことが分かった。LINEは「健全なやりとりを実現するためだったが、ユーザーへの説明が足りなかった」としており、なりすまし投稿を停止して運用方法を見直すとしている。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4Q5VD9P4QULFA01V.html
LINEはプラットフォームとして失格なのではないだろうか。こうした運営が放置されている限り、行政のインフラとして使うのは危険極まりないのではないだろうか。ちなみに私はLINEを一切使わないようにしている。

◎4月26日付「オリコン週間コミックランキング」で「名探偵コナン」最新99巻(小学館)が、週間売上28.8万部となり、第1位となった。また4月26日付「オリコン週間BOOKランキング」でも、4月16日に公開された「劇場版 名探偵コナン 緋色の弾丸」のノベライズ本が週間売上1.8万部で5位となった
https://www.oricon.co.jp/news/2191324/full/

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5)【深夜の誌人語録】

仕事で遊び、仕事を遊ぶ。

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6)【お知らせ】 

」2000号まで、あと26号。