【文徒】2021年(令和3)4月26日(第9巻77号・通巻1974号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】今日の東京オリンピック 首相記者会見 五輪開催で責任放棄発言
2)【記事】夕刊スポーツ紙の雄 東京スポーツの経営危機とリストラ
3)【記事】緊急事態宣言と出版業界 書店は休業要請対象から外れたけれど
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
6)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.26 Shuppanjin

1)【記事】今日の東京オリンピック 首相記者会見 五輪開催で責任放棄発言

毎日新聞は4月22日付で「バッハ会長に回ってきたツケ 発言で火に油 世論とずれるIOC」を掲載している。
《米国記者の疑問を裏付けるように、バッハ氏の発言がインターネット上を駆け巡ると、ワクチン接種の遅れにいらだつ国民からは批判的な意見が相次いだ。SNS(ネット交流サービス)では「五輪の開催直前の宣言が無関係のわけがない。IOCは信用できない」「開催国がどうなろうとお構いなく五輪をするということか」などと厳しく批判するコメントが並んだ。別の組織委関係者は「IOCは日本人の感情を分かっていない。発言は火に油を注いでいる」と憤りをあらわにした。》
東京五輪は23日で開幕まで3カ月。国民感情と乖離(かいり)した五輪開催を、専門家は冷ややかに見る。東京五輪についての編著もあるドイツ日本研究所のバーバラ・ホルトス副所長(社会学は「コロナ下で開催しても日本が五輪に期待する経済効果もボランティア化などのレガシー(遺産)も生まれない。今夏の開催は絶対に避けるべきだ」と指摘する。》
https://mainichi.jp/articles/20210422/k00/00m/050/377000c
朝日新聞デジタルは4月22日付で「宣言と五輪『影響ないわけない』 バッハ会長発言に批判」を掲載している。
《大会期間中、競技会場周辺の救護体制を担う東京都医師会の尾崎治夫会長は、「緊急事態宣言を『大変なことだ』と言えば大会の中止に追い込まれるから、現実を直視しないような発言をしたのだろう。驚きはない」と話す。「人と人との接触を減らして感染を抑えられるかどうかが、五輪だけでなく、日本にとっての正念場。もし本当に五輪を開きたいのなら、『このままでは開催が厳しい。感染の拡大を徹底的に抑えて』と訴えるべきだった」と指摘した。
変異ウイルスが猛威を振るうなか、患者対応やワクチン接種に追われ、大会に協力する人手の確保がより難しくなっているといい、「『観客数を制限しますから協力を』と言われても、2万人収容の会場で観客を5千人に制限しても、必要な医療スタッフが4分の1で済むわけではない。現在のような感染状況が続く限り、無観客でないと、協力は考えられない」。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4Q6HXKP4QUTIL016.html
朝日新聞デジタルは4月23日付で社説「五輪とコロナ これで開催できるのか」を掲載している。
《開催の可否や開く場合の態様を、誰が、いつまでに、どんな権限と責任をもって決定するのかも、判然としない。速やかに明らかにすべきだ。中ぶらりんでは不信が深まるだけだ。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14880848.html
4月23日、政府は三度目の緊急事態宣言発令を決定し、首相は記者会見を開催した。首相によれば開催の権限はIOCが持っているそうだ。質問をしたのは、えっ!東京新聞の記者だった。朝日新聞デジタルは4月23日付で「菅首相会見で東京新聞に初の質問指名 五輪と命を問う」を掲載している。
東京新聞(電子版)は5日付で「菅首相の記者会見、本紙は指名ゼロ 質問『選別』、最多6回の社も」と題した記事を掲載。昨秋の菅政権発足から今年3月まで計9回の首相会見で計6回指名された社がある一方、同紙は毎回の会見で挙手しても指名されていないと訴えていた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4R755KP4RUTFK03F.html
東京新聞の質問が朝日新聞の記事になるなんて!東京新聞は4月23日付で「菅首相記者会見、10回目で初めて東京新聞が指名されるも…」を掲載している。東京新聞は五輪について質問した。
菅義偉首相は23日の記者会見で、新型コロナウイルス禍の中で東京五輪パラリンピックを開催する判断基準に関し「国民の命を守るのは当然、私どもの役割だ。そこはしっかりやりながら、五輪も対応したい」と述べた。首相が官邸で行った10回目の会見で初めて指名された本紙が「国民の命を守ることより、五輪開催が優先されていないか。開催を判断する具体的な基準を示すべきだ」と質問したのに答えた。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/100115
東京新聞の小川慎一は「さすがにこの見出しは恥ずかしい」と呟いている。
https://twitter.com/ogawashinichi/status/1385570686643544079
江川紹子東京新聞につづいた。BuzzFeed記者の籏智広太がツイートしている。
《ジャーナリストの江川紹子さんは菅首相に「総理は五輪はIOCが権限を持っていると言う。しかし、IOCは国民の命や健康に責任を持っているわけではない」「こうなったら中止も止むを得ないといった判断基準はあるのか?」と認識を尋ねたが、この「基準」については答えなかった。》
https://twitter.com/togemaru_k/status/1385591304264978432
編集者だという大久保かおりのツイート。
江川紹子さんがわかりやすい質問をしたのに、首相の答えがまったく噛み合っていない…。五輪開催について首相としての判断を聞きたいんだ。IOCに責任転嫁したり水際対策の話にすり替えないでほしい。みんな不安になるよ…。》
https://twitter.com/kaoriokubo/status/1385561991067037704
朝日新聞の尾形聡彦はサンフランシスコにいても、いつものように首相記者会見に夢中だ。
菅首相会見。五輪開催を巡り、菅首相が「IOCが決めている」と説明したのに対し、フリーの江川記者が「IOCが日本人の命に責任を持つわけではない」と再質問したのは鋭い指摘でした。菅氏は正面から答えず、江川氏が再度質すと、司会が妨害。会見では再質問こそ重要で、官邸記者たちも再質問するべきです》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1385571681842851842
これも尾形のツイート。
菅首相会見。東京新聞記者、フリーの江川記者が「コロナ拡大が続く際に五輪を中止する判断基準はないのか」と3度も聞いたのに菅首相は答えませんでした。江川記者は唯一、再質問もしましたが、司会が妨害。記者が再質問しないのは日本の首相会見の大きな問題で、官邸記者側の改善が急務だと思います》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1385568083486527492
劇作家・演出家の萩谷至史が指摘しているように江川は更問いをしているわけではないのだ。
《記者会見見てヤバイなと思ったのは、江川さんが質問したとき。首相が答えてなかった点があったから彼女がそれを聞き直そうとした瞬間、司会の人がそれを遮った。更問いでもない。これでは都合の悪いことは幾らでも隠蔽できてしまう。》
https://twitter.com/yoshifumi04423/status/1385582956916264963
江川紹子も司会者について、こうツイートしている。
《これは司会者のよろしくない対応。なぜなら、「基準はありますか」という質問に、総理は答えていないからです。私の更問は、当初の質問への回答を促したもので、前前任者の司会者は、同様の状況で黙認し、当時の安倍総理はこれに答えました。》
https://twitter.com/amneris84/status/1385577966801874950
前首相よりも酷い現首相!首相は東京新聞の質問に答えるカタチで「開催は国際オリンピック委員会IOC)が権限を持っており、開催を既に決めている」と言い、江川紹子の質問にはオリンピックの開催は「IOCがそれぞれの国の五輪委員会と協議した上で決定している。日本もその中に入り、開催する方向で動いている」と応じている。安田菜津紀には首相として無責任な発言に思えたとツイートしている。
《首相会見、「五輪開催はIOCが決定している」「IOCに権限がある」と繰り返していたけれど、人の命や生活を左右しかねない決定をIOCに委ねるかのような無責任な発言だと思う。その決定が果たして妥当なのか、人命最優先で提言していくのが政府の役割ではないのだろうか。》
https://twitter.com/NatsukiYasuda/status/1385564154321203211
都知事舛添要一は責任逃れだと指摘している。
《首相は「東京五輪は開催する、IOCが決めている」と述べたが、責任逃れだ。IOCは、都知事の私に「主催都市だろう、カネは出せ」と言いながら、「決めるのは俺たちだ」と豪語した。海千山千のこの怪物組織と私は戦ったが、政府も都もIOCに対して正論を吐いたほうがよい。開催利権より国民の命が優先だ。》
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1385561163144912910
ドキュメンタリー映画監督・五百旗頭幸男は戦慄を覚えるとまで書いている。
《首相が「五輪には影響しない」と言った緊急事態宣言が発令される。宣言解除後の5月17日には「緊急事態宣言は五輪と無関係」と言ったIOC会長が来日するという。変異株急拡大に医療崩壊そして二重変異株流入。そこに数万人を来日させ、医療従事者1万人を動員する「平和の祭典」。戦慄を覚える。》
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1385260732564918272
花瑛塾広報局のツイート。
《昨日の首相会見で東京五輪を開催するかしないかの権限はIOCが持っていると菅さんがいっていたけど、え、自分の国のことは自分の国で決められないの? 不平等条約なの? バッハってマッカーサーかなんかなの? おかしな話だよ。》
https://twitter.com/kaeizyuku_PR/status/1385939162960842755
朝日新聞デジタルが4月24日付で掲載した社説「3度目の緊急事態 危機直視し今度こそ抑止を」は、五輪について触れて筆を置いている。
東京五輪について、首相はきのう「IOC(国際オリンピック委員会)は開催を決定している」と述べたが、本当に安全安心な大会を実現できるのか、説得力のある説明はなかった。人びとのいのちと暮らしがかかる感染症対策に関する判断が、政治的な思惑で左右されるようなことがあってはならない。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14882145.html?iref=pc_rensai_long_16_article
毎日新聞が4月24日付で掲載している社説「3回目の緊急事態宣言 国民の命を守る正念場だ」は、こう書くのを忘れない。
《来月中旬には、東京オリンピックの開催準備のため、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日を予定している。五輪日程への配慮から、解除を急ぐようなことがあってはならない。》
https://mainichi.jp/articles/20210424/ddm/005/070/137000c
北海道新聞が4月24日付で掲載した社説「緊急事態3度目 一人一人が危機意識を」も、こう書いている。
《首相は東京五輪開催ありきの姿勢だが、現状はその環境が整っているとは到底言えない。科学的な分析を重ね、国民の健康を第一に最終判断をしなくてはならない。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/536831?rct=c_editorial
河北新報は4月23日付で社説「3度目の『緊急事態』/失政のつけ 国民に回すな」を掲載し、次のように書いている。
《東京が宣言を短期集中型にしたがったのは、長引けば、7月23日に開幕する東京五輪パラリンピックに影響が及ぶと懸念したからだ。開催都市だけに「五輪ありき」の姿勢が顕著だ。
政府と与党には5月中に宣言を解除すれば、五輪に支障はないと見込む向きがある。
最も優先すべきは、命と健康であるはずだ。宣言は政府の手中に残る「最後のカード」だ。再三切れば、効力は薄らぎかねない。医療供給体制に余裕が生まれないかぎり、宣言は解除すべきではない。
宣言の五輪への影響について、菅義偉首相は20日、「オリンピックは(影響は)ないと思っている」と言明した。切迫した状況を前に、認識が甘すぎないか。》
https://kahoku.news/articles/20210423khn000002.html
東北大学教授の五十嵐太郎がツイートしている。
《せっかく1年の猶予があったのに、オリンピックのおかげで素早くワクチンを確保できたという状態にできなかったのは、どう考えても国民ではなく、政治の責任。その結果、フェス、コンサート、展覧会、各種のイベントが中止になるたびに、それでも特別扱いのオリンピックへの憎悪が増す負の構造が加速。》
https://twitter.com/taroigarashi/status/1385839841913442307
「AFP BB NEWS」は4月24日付で「東京五輪、開催可否は医療専門家が決めるべき IOC委員」を配信している。
国際オリンピック委員会IOC)のヘイリー・ウィッケンハイザー(Hayley Wickenheiser)委員(カナダ)は、東京五輪の開催可否を決めるのは、選手でもIOCでもなく、医療専門家であるべきだと主張した。》
https://www.afpbb.com/articles/-/3343756
では医療専門家の見解は?朝日新聞デジタルは4月23日付で「五輪開催のための4条件 『だめなら中止しかない』」(枝松佑樹)を掲載している。東京医大病院渡航者医療センター特任教授・浜田篤郎がインタビューで四つの条件を明らかにしている。
①海外選手らが入国する際、新たな変異株が入ってくるのを防ぐこと ②選手らを対象とした新型コロナウイルスの検査を毎日実施すること ③海外選手らの出国時に検査し、陰性を確認する ④五輪最優先で医療資源を使わないこと。この四条件を守ったうえで日本人を含め、無観客でなければ東京五輪の開催は難しいと浜田は指摘している。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4R3PHVP4QULBJ019.html
毎日新聞は4月23日付で「山口香さん『開会式イメージできない』 五輪3カ月前に思うこと」(松本晃)を掲載している。
《あいにくの雨模様とあって天気に例えて五輪開催の見通しを聞くと、こう返ってきた。「嵐ではないですが、どんよりしています。この後大雨になるのか、少なくとも雨は降ってきそうです」。目の前の空がまさにそんな感じだった。さらに続けた。「五輪がトンネルの先の光となるような空気はなさそうです。7月23日の開会式のイメージですか? 浮かびませんね」》
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/050/015000c

-----------------------------------------------------

2)【記事】夕刊スポーツ紙の雄 東京スポーツの経営危機とリストラ

春オンライン」は4月20日付で「週刊春」4月22日号をソースに「東スポが社員100人リストラ “入社2年目で年収1200万円”高給で知られた会社が危機の理由」を発表している。
《希望退職者の対象は45~59歳の160人。社員約350人のうち100人、全体の3分の1近くをリストラするという。
4月7日に東京・江東区東スポ本社近くで行われた説明会には約100人が出席。経営陣4人、弁護士2人が従業員に向き合った。
《「90年代中頃は、入社2年目の年収が1200万円。それがピークで、今はその半分ぐらい。19年5月の決算では純利益が約20億円の赤字、総資産は約65億円しかなく、会社側から『あと2~3年で潰れる』と告げられました」と明かすのは40代後半の記者だ。》
https://bunshun.jp/articles/-/44813
朝日新聞出版が東スポにエールを送っている。「アエラドット」は4月22日付で「がんばれ『東スポ』! 倒産危機報道にも社員からは『でも辞めない』の声も」を発表している。
《実は同社、ここ15年ほど社員の月給はほとんど上がっておらず、その結果、社内ではこんな現象も起こっているという。
「ウチは今、入社20年目くらいの40代前半の社員で年収は400万円台の半ばほどです。ずっと社員の月収がほとんど上がっておらず、下がっているボーナスについては社歴の影響を受けない全社員共通の“一律金”の割合が大きいため、40代前半のベテランと20代、30代の若手の社員の給料がほとんど変わらないんです。
要は、会社に20年近く勤めていても給料がほとんどアップしていない、それどころかボーナスの減額分があるので、世代によっては40代よりも20代の頃の方が給料が良かったなんて現象も起きています。もっとも、50代の社員になると、若い頃にそれなりに月収が上がっていたので、今でも600~800万円くらいはもらっていますけどね」》
《しかも、全盛期を味わったOBの中には当時会社を通して給料から積み立てられていた企業年金として、定年退職した今も年間500万円近い額を受け取っている者もいるという。
働き盛りの40代前半の社員の年収よりも、定年退職したOBの企業年金の方が高いというのだから、現役世代はやりきれない思いだろう。》
https://dot.asahi.com/dot/2021042200074.html?page=1
「M&A Online」は4月22日付で「東スポだけじゃない!人員削減が相次ぐ新聞を『救う』のは誰か」を公開している。
《とりわけ今回早期希望退職を募る東京スポーツのようなスポーツ紙の部数減は、一般紙よりも激しい。2000年との比較では、一般紙は31.5%減なのに対してスポーツ紙は58.2%減と半分以下に落ち込んだ。昨年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う日本中央競馬会JRA)の場外馬券売り場の営業休止などで固定客だった競馬ファンが離れ、スポーツ紙の部数減が加速したという。》 
《新聞業界が生き残るには一致団結して新たなニュースポータルを作るか、広告や購読料の新たな「取り方」を考えるしかないだろう。もっとも、新興ニュースポータルも新聞社が消滅しては商品であるニュースが調達できなくなる。ニュースポータル運営会社が新聞社を経営支援する可能性もありそうだ。》
《最終的に新聞を救うのはM&Aかもしれない。》
https://maonline.jp/articles/who_can_save_newspapers210420
スポーツ新聞はギャンブル予想紙の側面が強いだけにコロナ禍が経営を直撃したのだ。「令和電子瓦版」に4月21日付で元日刊スポーツの松田隆が「東スポ100人リストラ 去りゆく社員に贈る言葉」を寄稿している。
《聞いた範囲で、スポーツ紙で給料が良かったのが1に東スポ、2スポニチ
東京は朝刊スポーツ紙が6紙でシェアの奪い合いの状況であったが、夕刊スポーツ紙は東スポだけという状況も味方をしたと思う。また、90年代はインターネットも今ほど発達しておらず、新聞発行日の未明から朝にかけて行われる大リーグの日本人選手の試合、中田英寿選手ら欧州のサッカーリーグの試合の結果が朝刊スポーツ紙より早く、あるいは詳細に報じられるということで、仕事帰りのサラリーマンに人気になっていたという側面もある。》
《新聞業界はどこも苦しい。特にスポーツ新聞が提供する情報は我々の生活になくても、特に困らないものばかり。真っ先に淘汰されるのは間違いない。
僕自身、自分の人生をより価値あるものにしたいと考えて日刊スポーツを辞めたが、もし、日刊スポーツの経営状況が良く、将来性もあると感じさせるものであったら早期退職したかどうか。お金と割り切って仕事を続けていたかもしれない。》
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210421/
ニッポン放送NEWS ONLINE」は4月22日付で「森永卓郎、“危機”東スポにエール『表現の自由を唯一守っている新聞!』」を公開している。
《森永:(コロナ禍のリモートワークで)通勤電車に乗っている人が3割ぐらい減っているので。宅配はいいけど、駅で買う新聞は会社に行かない日は買わないものね。
垣花:東スポの売りといえば、駅のキヨスクに差さっている東スポの束を見て、面白い見出しについ惹かれて買ったりするわけじゃないですか。「UFOが電柱で充電した」みたいな。
森永:「河童発見」とかね(笑)。でも、これで勢いが弱っちゃうのを私はとても心配していて。私は今20個ぐらい連載を書いているんですが、今まで30年ぐらい書いてきて、私の原稿を1字も変えずに載せ続けているのは東スポだけなんです。東スポは何を書いてもそのまんま載せてくれる。つまり、憲法の表現の自由を唯一守っているのが東スポなわけですよ。》
https://news.1242.com/article/286305
周知のように東京スポ―ツ新聞社会長・太刀川恒夫は児玉誉士夫秘書だった。いずれにしても「即売」の花であった東スポの「危機」は週刊誌などの雑誌にとって他人事ではあるまい。通勤電車ではスポーツ紙と同じく雑誌も読まれていない。「即売」という言葉は死語になるのかもしれない。

-----------------------------------------------------

3)【記事】緊急事態宣言と出版業界 書店は休業要請対象から外れたけれど

緊急事態宣言の発令にともないツイッターでは「#書店・図書館への休業要請に強く反対します」が立ち上がった。朝日新聞デジタルが4月24日 6時00分付で掲載した「東京都の休業要請、対象は 娯楽やスポーツ施設など一覧」によれば、1000平方メートルを超える書店も休業要請の対象として分類されている。一方、図書館に対しては休業要請ではなく、「入場整理の働きかけ」の対象となる。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4S0CC8P4RUTIL05P.html
かくしてツイッターに大量の抗議ツイートが投稿された。その主なものを集めてみた。
硫黄島ー国策に翻弄された130年」の石原俊《スーパーマーケット等は深夜まで開店し、書店や図書館が休業要請の対象になる、今回の緊急事態宣言にかかる政府・都などの措置には、腹の底から怒っている。
大学・メディア等に所属のない人にとって、過去の献資料を手にとることが不要不急だというのか》
《公立で日本最多蔵書数を誇る図書館が明日から来館サービス全面停止。国や都はどうしてこんな「感染症対策」をやるのか。
先日、急いで確認すべき希少資料があって、宣言前に駆け込みで行ったのだが、司書の方は当方の事情も汲んで懇切に対応くださった。現場は何も悪くない。》
https://twitter.com/ishihara_shun/status/1385793341388824582
https://twitter.com/ishihara_shun/status/1385804859115327491
星海社代表取締役社長CEO・太田克史《書店が今回の緊急事態宣言の休業要請対象となっている件、明確に反対です。
第一に、国民には書店を通じて正確な情報を知る権利があります。それに、書店でクラスターは発生していません。また、本は家に帰って読むのを楽しみに買うものであって、帰宅途中の飲み会の危険もありません。》
https://twitter.com/FAUST_editor_J/status/1385517107828256771
エトセトラブックス《書店休業のお知らせが相次ぎいたたまれません。政府がこの国に住む人を見殺しにしてきたこの一年間、書店は多くの人を支えてきたのに。》
https://twitter.com/__etcbooks/status/1385903582981935108
「戦う広告」の若林宣都知事も都庁幹部も本を読めよ。読まないでその場の思い付きにすがるから、愚策と駄策の連発で住民を不幸にするんだよ。》
https://twitter.com/t_wak/status/1385800319221723137
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ《私は仕事も減り人にも会えないこの時期、落ち込む事もあるけど「なんでこうなったのか」「私はそもそもどうありたいのか」を一から考える時間をゲットしたとも思っています。自分の心身と向き合う為にも、
#書店・図書館への休業要請に強く反対します
#美術館・ギャラリーへの休業要請に強く反対します》
https://twitter.com/bubu_de_la_ma/status/1385824868864708608
有志舎・永滝稔《#書店・図書館への休業要請に強く反対します
高校生の時、『マクロス』を見て「化が失われたり、抑圧されたりなんてあるわけないし」と思ってた私は浅はかでした。
化を蔑み殲滅しようとする者には徹底して抵抗しないといけないことを40年前に教えてくれていたんですね。》
https://twitter.com/yushisha/status/1385804543137521670
白澤社《書店・図書館で感染が拡がるとは思えません(そうした事例はあったのですか?)。
読書は憲法が国民に保障する最低限の化的生活に含まれるべきです(そう思いませんか?)。
 #書店・図書館への休業要請に強く反対します》
https://twitter.com/Hakutakusha/status/1385848802796441604
「小学一年生」元編集長・渡辺朗典《為政者たちは、よっぽど書店や図書館でギャーギャー喋ってんでしょうね。その歳になるまで社会常識を身につけられなかったことは甚だ残念ですが、その非常識に一般市民を巻き込むな!
たとえ、非常識な者たちに権力を与えた責任が我々有権者にあるとしても #書店・図書館への休業要請に強く反対します》
《為政者たちはきっと日頃、書店や図書館を利用してないんだろうなあ。書店や図書館で感染するって、どんな利用法なんだ?
ちょっとは本を読んで、「科学的論理的な感染症対策」「国民に届く言葉」を学ぶ方が良いと思う。》
https://twitter.com/nabe_routen/status/1385813064944025604
https://twitter.com/nabe_routen/status/1385811705633009665
「日本の包茎 男の体の200年史」の澁谷知美《ひとの知性や感性をやしなう施設(書店・図書館・博物館・美術館・映画館)を非合理に閉鎖させる策、人間が人間であろうとすることへの攻撃であると思う
#書店・図書館への休業要請に強く反対します
#美術館・ギャラリーへの休業要請に強く反対します
#化芸術は生きるために必要だ》
https://twitter.com/shibuya1972/status/1385927702377496578
川上未映子《病床とワクチン確保が後手に回り、今回は、クラスターが発生していない書店、図書館、映画館、美術館にまで、まるで合理的でない休業要請。この一年、なんとか必死に生活を繋いできた人々にとって計り知れない打撃。》
https://twitter.com/mieko_kawakami/status/1385863574661206017
一水会《今回の都の休業要請は飲食店や遊興施設にとどまらず、百貨店などの商業施設、家電量販店、書店にも及ぶようだが、休業の根拠は一体どこにあるのか。「夜の街」バッシングもそうだが、根拠も充分な補償もなく特定業種の営業に大打撃を与えては、コロナに乗じた職業差別と批判されてもしかたないだろう。》
https://twitter.com/issuikai_jp/status/1385901958062510080
松井計《言っておくが、酒の提供禁止、公園は封鎖、8時以降は灯火管制、書店にも休業要請ーーなんて状況下、オリンピックは特別、アスリートが頑張ってる所を見せると、大衆は勇気を与えられるからコロナ対策にも寄与する、なんて間抜けなことを口にしてたら、ほんっと社会を敵に回しちゃうよ。》
https://twitter.com/matsuikei/status/1385472965358227456
「幻視者の曇り空」(二見書房)の織守きょうや《せっかくかっこいいのに書店への休業要請のため、店頭で見ていただける期間がごく短いかもしれないので「幻視者の曇り空」のこの装幀をご覧ください。カバーも帯も背表紙の字も横。めくったところも目次も横、なんとバーコードまで…これ…怒られなかったのかな……》
https://twitter.com/origamikyoya/status/1385599519237107715
「ふしぎな昆虫大研究」(KADOKAWA)のぬまがさワタリ《都の休業要請に美術館・博物館も入るみたいだけど、例えば今日行った上野の「大地のハンター展」は(予約制など)かなり徹底的に感染対策をしてて、むしろ大抵の場所よりも安全だと感じたのだが…。映画館や書店もだけど、すでに合理的な対策を取りながら非合理的な要請に従わざるをえない施設が不憫。》
《なんらかの対策が必要なのは仕方ないけど、休業要請の出し方を見てもあまりに場当たり的すぎるし、妙に化施設に偏ってるのも何なん?っていう(美術館とかはまだ百歩譲って、なんで書店??
試行錯誤してなんとか回してる現場の人たちは、そんな雑なロジック押し付けられたらやってられんよなと。》
https://twitter.com/numagasa/status/1385558821783838723
https://twitter.com/numagasa/status/1385561752025268228
飯山陽《なるほどなるほど、書店にも休業要請……ってなんで? 本屋でマスク外して口角泡飛ばしてしゃべるまくる奴なんぞ、見たことないわ。》
https://twitter.com/IiyamaAkari/status/1385589852075225089
BuzzFeed Japan News 副編集長・神庭亮介《映画館も書店も美術館も休業する必要ないでしょ。
「人っ子一人いない街」という寒々とした光景をつくり出して危機感を煽りたいのかもしれないが、無闇に広範な規制には賛同できない。》
https://twitter.com/kamba_ryosuke/status/1385437425464332294
箕輪厚介《おい小池!本屋でコロナ発生した事例見せろや。》
https://twitter.com/minowanowa/status/1385496318097838087
小説家・太田忠司《映画館はノウハウを蓄積して感染対策しているし、そもそも観客は喋らない。書店の客も無言だ。なのにどうして休業要請するのか。手間や金のかかることはせずに「やってる感」を出すためのパフォーマンスか。》
https://twitter.com/tadashi_ohta/status/1385481667058405381
知念実希人《書店を含む小売まで休業要請を出すのは危機感を演出しないと、感染を短期間で収束できないという判断なんでしょうね
個人的には新刊発売直撃で滅茶苦茶痛いけど仕方ないとは思っています。
ただそこまでの犠牲を強いておきながら『五輪は絶対にやる』みたいなお気楽なこと言われると腹たちますね。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1385550397566185475
きっかけ書房・宇井彩野《一年前にも、まず削られるのは「化と教育」なんだな、と思った。一年たってもまるで変わらない。と教育が一番に後回しにされる。人間らしくあるために、健康と並ぶくらい大切なことなのに。
#書店・図書館への休業要請に強く反対します
#美術館・ギャラリーへの休業要請に強く反対します》
https://twitter.com/niyari_niyari/status/1385916129705566210
山口二郎《明日から緊急事態。どこまでが法律に基づく措置で、どこからが政府による協力要請、一種の行政指導なのか。分かりやすく線引きする報道がない。書店への休業要請など、明らかに的外れの要請に従う義務はない。同調圧力を当てにした行政手法には嫌悪しかない。》
https://twitter.com/260yamaguchi/status/1385955074166325249
道尾秀介《都内の大型書店も休業要請の対象に入る。僕らにできるのは、とにかくたくさんの人に買ってもらえるような、むちゃくちゃ面白い作品を書くこと。いろんな支援があるんだろうけど、作家の場合はこれが一番効率がいい。》
https://twitter.com/michioshusuke/status/1385720629500858369
志学社・平林緑萌《書店が休業しなければならない理由が全くわからない。補償の金額も焼け石に水だし、そもそも正規雇用率が低い業界だから、生活に困る人が多発する。関連する出版物流、取次、出版社、印刷所、製本所、製紙、そして数多の個人事業主……本当に適当に休業要請するのはやめて欲しいです。》
https://twitter.com/moegi_hira/status/1385545769424355329
編集者・島田一志《こんな時間になんですが、今回の緊急事態宣言、書店が休業要請の対象になるという件、本気で反対します! 何考えてんだよ、もう…。》
https://twitter.com/kazzshi69/status/1385624618807926787
書評家・藤田香織《書店に休業要請って、もう全然意味がわからない。酒も売ってない、知らない人と待ち合わせて行くようなところじゃない、お喋りする場でもないのになんで?
素で疑問なんだけど、理由を教えて欲しい。もしや、私が知らなあ、客が密になるような大人気書店が都内には沢山あるとか?》
https://twitter.com/daranekos/status/1385443212530094080
しかし、こうした抗議は杞憂に終わる。東京新聞が4月24日 21時38分付で掲載した「<緊急事態宣言>ゴルフ練習場、遊園地の「無観客」営業OKって? 大学、ネットカフェは対象外 東京都の主な休業要請一覧」は次のように書いている。
《今回新たに百貨店やショッピングセンターなどの大規模施設(生活必需品売り場を除く)も要請対象に加わる一方、ネットカフェ、大学、図書館、学習塾は外れた。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、本屋、家電量販店などは生活必需品を扱うとして、今回も要請の対象外。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/100328
ただし、都立図書館(中央図書館及び多摩図書館)や板橋・練馬・世田谷・目黒区立図書館などは、来館サービスを休止ないし休館する。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/04/23/50.html
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/library/oshirase/2000474.html
https://www.lib.nerima.tokyo.jp/information/detail/535
https://libweb.city.setagaya.tokyo.jp/main/0000004400/article.html
https://www.meguro-library.jp/opw/OPW/OPWNEWS.CSP?PID=OPWMESS&DB=LIB&MODE=1&IDNO=100243
理解しがたいのは古書店が休業要請の対象とされたことだ。讀賣聞オンラインは4月24日 22時14分付で「『古書店』は対象で『書店』は対象外?…休業要請『線引きわかりにくい』」を掲載している。
《「古書店」を休業の要請・協力依頼の対象とする一方、「書店」は対象から除くなど、一見して線引きがわかりにくい事例がある。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210424-OYT1T50259/
朝日新聞デジタルが4月25日 7時30分付で掲載した「化施設休業すべきか 協力金2万円『香典のつもりか』」は次のように書いている。
《一部の書店では入居する商業施設の休館などに伴い、25日以降の休業を決める動きがある。一方で、紀伊国屋書店新宿本店や三省堂書店神保町本店は、当面は営業継続の判断をした。
いずれも、昨年4月の緊急事態宣言の際に臨時休業していた。紀伊国屋の担当者は取材に「今のところ通常営業を予定しているが、本部が休業を決めた場合はホームページに掲載するので確認してほしい」。三省堂の担当者は「休業するかどうかはまだ検討中。休業する場合は25日の開店までにホームページに掲載する」とした。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4S7RLRP4SUCVL00V.html
この朝日新聞デジタルの記事によれば、映画館は休業要請の対象となったが、ユーロスペースやシアター・イメージフォーラムは営業を続けるようだし、寄席も営業を継続する。記事は、こう書いている。
《東京・渋谷の「ユーロスペース」支配人の北條誠人さんは「大型連休前に突然で、心の準備もできていなかった」と言う。同館は、各作品のプロデューサーや配給会社などの意向を確認しながら協議を進め、休業せずに25日から座席数を半分にして継続する予定だ。「判断するにも、協力というあいまいな形のしんどさがある。なおかつ協力金として1日2万円。香典のつもりか」》
《同じく「継続」を決断したのは、都内の四つの寄席だ。25日以降も客数の定員を半数以下に減らして通常通り興行をする。昨年6月以降に定席を再開後、場内の換気をするため、休憩を増やすなどの対策をとってきた。
興行を続ける理由について、浅草演芸ホールは、都からの無観客開催の要請に「社会生活の維持に必要なものを除く」との記載があると指摘。「(落語や漫才などの)大衆娯楽である寄席は『必要なもの』に該当すると判断した」と説明する。浪曲定席の浅草・木馬亭も、昨年延期した50周年記念公演を5月1日から実施する予定という。》
イメージフォーラム」の公式アカウントのツイート。
《【座席販売数変更のお知らせ】シアター・イメージフォーラムは2021年4月28日(水)~5月11日(火)の期間に販売する座席を半分にし、1席づつ間隔をあけた状態で営業を行います。ご不便をおかけしますがご理解くださいますようお願い申し上げます。》
https://twitter.com/Image_forum/status/1385824404509061126
岩波ホールのツイート。
《【お知らせ】緊急事態宣言が発令されましたが、当館では引き続き感染予防対策を行い、座席数を制限し、終映時間を20時までとして営業いたします。今後も上映時間を変更する可能性がございます。最新情報はHPやお電話でご確認下さい。「ブータン 山の教室」(~5/11までは) 連日 10:30/13:00/15:30/18:00》
https://twitter.com/iwanami_hall/status/1385848190016974848
末広亭のツイート。
《★お知らせ
明日からの興行ですが、関係各所とも協議した結果、感染対策を維持しつつ興行を行う事と致しました。昔からの伝統芸能で今も尚 途絶えずに伝わっていると言う事は、社会生活の維持に必要なものであると解釈しております。(但し今後の状況次第で何か変更ある場合は改めてお知らせ致します)》
https://twitter.com/suehirotei/status/1385843722537951233
上野鈴本演芸場も、浅草演芸ホールもツイートしている。
https://twitter.com/asakusa_engei/status/1385826925965238272
https://twitter.com/suzumoto1857/status/1385851792617971717
ゴールデンウィークはカツドウを見るか寄席で笑って過ごそう。

-----------------------------------------------------

4)【本日の一行情報】

毎日新聞は4月24日付で「楽公演の25日は中止 人間国宝吉田簑助さん引退は24日に」を掲載している。
《国立楽劇場(大阪市中央区)は24日、開催中の4月楽公演について、最終日の25日の公演を中止し、24日を千秋楽にすると発表した。》
https://mainichi.jp/articles/20210424/k00/00m/200/053000c
ライター、編集者の高橋彩子が引用ツイートを投稿している。
《明日は芸歴80年の人形遣い吉田簑助師の最後の舞台となるはずだったが、緊急事態宣言を受けて今日までに。お別れのため千穐楽のチケットを取った人も多いのに、なんて無情な話だろう。関係者も皆、辛いに違いない。図らずも最後となった今日、その舞台を見届けてきます。》
https://twitter.com/pluiedete/status/1385770558680272898
演劇評論家・犬丸治のツイート。
《「日本のデントー」と声高にいう人間に限って、能も狂言

【文徒】2021年(令和3)4月23日(第9巻76号・通巻1973号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】今日の東京オリンピック バッハ来日に合わせて緊急事態宣言は解除?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.23 Shuppanjin

1)【記事】今日の東京オリンピック バッハ来日に合わせて緊急事態宣言は解除?

毎日新聞は4月21日付で「『ぎりぎりまで悩んだ』愛媛知事が涙の陳謝 松山市聖火リレー中止」を掲載している。
新型コロナウイルスの感染拡大のため、松山市での東京オリンピックの聖火リレーは、公道での実施が見送られた。大阪府(13、14日)に続く判断だったが、代替策として公園内を走った大阪とは異なり、ランナーが走らない初のケースとなった。松山市内で21日に開かれたセレモニーでは、聖火リレーの中止を決めた中村時広・愛媛県知事が、ランナーに走る機会を与えられなかったことを涙ながらにわびる一幕があった。》
https://mainichi.jp/articles/20210421/k00/00m/040/332000c
いやはや、中村の頭の中では「海ゆかば」でも流れているのだろうか。「毎日新聞デジタル」編集長の齊藤信宏が引用ツイート。
《何度も書き込んでいますが、聖火リレーになにか特別な意味があるわけではありません。あくまでオリンピックというお祭りを盛り上げるための行事です。そんなに深刻に考えないでください。》
https://twitter.com/nobusaitoh/status/1384859857887584263
日刊スポーツは4月21日付で「五輪選手は『原則的に毎日』コロナ検査 橋本聖子会長が医療体制詰めの作業」を掲載している。
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202104210001277.html
コロナ対策として検査を充実させるのは良いことである。麻木久仁子の引用ツイートをご覧あれ。
《大変良いと思います。そうすべきです。ではなぜ同じことを日本国民にしないのか。「やみくもな検査はんたーい」と言ってた方々は、どうぞこの「やみくもな検査」になんか言ってやって》
https://twitter.com/kunikoasagi/status/1384920701870780418
デイリースポーツは4月21日付で「東京五輪まであと3カ月…『もし大会中に緊急事態宣言が出たら?』 組織委答えず」を掲載している。
《海外メディアからは「もし大会中に緊急事態宣言が出されていたらどうなるのか?」との質問が飛んだが、武藤事務総長は「仮定のご質問への回答は控える」とし、「我々は徹底したコロナ対策を講ずることで開催に向け準備している」と話すにとどめた。》
https://www.daily.co.jp/general/2021/04/21/0014262057.shtml
小説家の深町秋生の引用ツイート。
《バカスカ人の税金使っておいて、こんな当たり前の質問すら「仮定のご質問への回答は控える」で済ませられるというなめ切った空気が日本中に醸成されてしまったとしか。》
https://twitter.com/ash0966/status/1385074787991445513
IOC会長のバッハは明解だ。毎日新聞は4月21日付で「バッハ氏の訪日前に宣言解除? 東京都の狙いは 臆測広がる」(宮原健太、古川宗)を掲載している。
《東京都の小池百合子知事は新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言について、期間を大型連休前後の4月29日~5月9日とするよう政府・与党に求めた。延ばしても5月16日まで、という小池氏の姿勢に対し、与野党から「国際オリンピック委員会IOC)のバッハ会長が訪日する前の宣言解除が念頭にあるのではないか」との臆測が広がっている。》
https://mainichi.jp/articles/20210421/k00/00m/010/189000c
スポーツニッポンは4月22日付で「東京、短期の緊急事態宣言のワケは『バッハ来日シフト』 会長来る5.17までに抑え込みたい」を掲載している。
《過去2回の宣言はいずれも期間を1カ月として発令。感染を減少傾向に転じさせ、医療提供体制の改善を図るためのもので2回とも延長された。政府の感染症対策分科会の尾身茂会長はこの日の国会で「個人的には最低3週間は必要」との認識を示した。こうしたことを考えると「今月29日~5月16日」の場合の18日間は政府の言う「効果見極めに2週間」をクリアしただけで、あまりに短い。期間設定の背景として指摘されるのが、5月17日の来日で調整される国際オリンピック委員会IOC)のバッハ会長の日程に合わせた“バッハシフト”だ。
17日に来日し、被爆地の広島市聖火リレー関連の式典に出席。18日に東京で菅義偉首相、東京五輪パラリンピック組織委員会橋本聖子会長、小池氏との会談に臨む予定。》
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/04/22/kiji/20210422s00042000171000c.html
バッハもまた何が何でも開催派なのである。朝日新聞デジタルは4月22日付で「緊急事態宣言『五輪とは関係ない』 IOCバッハ会長」(遠田寛生)を掲載している。
《 国際オリンピック委員会IOC)のトーマス・バッハ会長は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け日本政府が東京都内などに再び緊急事態宣言を発出する方向であることについて、「ゴールデンウィークを控え、感染の拡大を防ぐために日本政府が講じる予防的措置と理解している」と述べた。その上で「五輪とは関係ない」とし、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催への影響はないとの認識を示した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4Q2GSVP4QUHBI003.html
毎日新聞は4月22日付で「IOC会長発言『火に油だ』 “緊急事態、五輪と無関係”に批判」(小林悠太)を掲載している
国際オリンピック委員会IOC)のバッハ会長が21日の記者会見で「緊急事態宣言と東京オリンピックは関係がない」と発言したことに対し、関係者からは「バッハ会長の発言は火に油を注いでいる」と批判的な意見が聞かれた。》
https://mainichi.jp/articles/20210422/k00/00m/050/057000c
朝日新聞の三浦英之はロイターの記事を引用しながらツイートしている。
《これ、逆効果じゃないかな? 開催都市における直前の緊急事態宣言が、五輪開催に無関係なわけがない。もうめちゃくちゃ。IOCを誰も信用できなくなる》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1384996238324473860
こちらは清水潔
《つまり、開催国にどんな事態が起きようが、その国がどうなろうがお構いなし五輪ってことか。愛国者のみなさん、これでもやる?
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1385000113349689347
乃南アサの指摘ももっともだ。政治は「緊急」という意味をわかっているのだろうか。
《すごくゆっくりした「緊急」なんだなあ、というのが感想。これなら一歩手前の非常事態でもいいんじゃないのかね、とか。それもこれも、バッハ会長をお迎えするためのパフォーマンスなんだと思えば納得がいく。でもウイルスには、こういう忖度は通用しない。
https://twitter.com/asanonami/status/1385024229519761410
デーブ・スペクターが冴えている。
《いま、第何波?→バッ波じゃない?》
https://twitter.com/dave_spector/status/1385067927938818049
「ゲキサカ」は4月21日付で「日本は“死の組”南アフリカ、メキシコ、フランスと同組!! 東京五輪の男子サッカー組み合わせ決定」を発表している。
東京五輪の男子サッカー競技の組み合わせ抽選会が21日に行われた。開催国の日本はグループAに入り、グループリーグで南アフリカ、メキシコ、フランスという強豪との対戦が決まった。》
https://web.gekisaka.jp/news/detail/?329556-329556-fl
京都新聞は4月21日付で「公道での聖火リレー中止を検討と京都市長」を掲載している。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/551881
時事通信は4月22日付で「聖火リレーで初感染例 香川県の警察官―東京五輪」を配信している。
東京五輪パラリンピック組織委員会は22日、香川県内の五輪聖火リレーで交通規制に従事していた香川県警の30代男性警察官新型コロナウイルスに感染したことが判明したと発表した。聖火リレーに関する感染例が分かったのは初めて。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021042200581&g=soc
共同通信は4月22日付で「イモトアヤコさん聖火リレー辞退 鳥取、マラソン森下広一さんも」を配信している。
《全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大していることや、著名人が公道を走ると観客が密集する事例があったことから、県は2人の事務所に対し、辞退してもらうよう大会組織委員会を通じて要請していた。2人とも、県外から観客が訪れることで感染を拡大させる可能性を心配していたといい、森下さんはスケジュールの都合も合わなかった。》
https://this.kiji.is/757809207396958208?c=39550187727945729

-----------------------------------------------------

2)【本日の一行情報】

朝日新聞デジタルは4月21日付で「仏学者、演出家の渡辺守章さん死去 多彩な舞台演出」を掲載している。
《フランス演劇・学の深く幅広い研究と翻訳、多彩な舞台演出で知られるフランス学者、演出家で東京大名誉教授の渡辺守章わたなべ・もりあき)さんが11日、胸部大動脈瘤(りゅう)破裂で死去した。88歳だった。》
《70年に観世寿夫(かんぜひさお)らと結成した「冥の会」で「アガメムノーン」などを演出し、79年から演劇集団円の演出家として、西洋演劇と能などの古典芸能の様式を融合させた知的で斬新な舞台をつくった。86年のラシーヌ「悲劇フェードル」はパリでも上演。劇団外でも野村萬斎さんを起用した90年の「ハムレット」など多くの作品を手がけた。96年から空中庭園を主宰。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4P5HZDP4PUCLV00G.html
岩波庫編集部のツイート。
《フランス学者・演出家の渡辺守章先生が逝去されました。その多岐にわたるお仕事の中でも岩波庫では、ラシーヌ『フェードル アンドロマック』『ブリタニキュス ベレニス』、『マラルメ詩集』などを訳していただきました。ありがとうございました。》
《なかでもポール・クローデル『繻子の靴』(上下)は、毎日出版化賞など3つの賞を受賞した名訳として知られ、8時間がかりの全曲版の上演も自らの演出で実現されました。謹んで哀悼の意を表します。》
https://twitter.com/iwabun1927/status/1384760347207168002
https://twitter.com/iwabun1927/status/1384760983869001732
劇団「花組芝居」を主宰する加納幸和が追悼している。
《1980年、建て替え前の早稲田銅鑼魔館で見た「女中たち」(訳・演出)が強烈で、後に花組芝居で「奥女中たち」を企画するキッカケだった。鈴木忠志氏が「この人は、フランス人にフランス語のダメ出しをするんだよ」と紹介していた。合掌。》
https://twitter.com/nikotamaya/status/1384817679228301316
青山真治は蓮實節を真似しているのだろう。
《同日にヘルマンとチャーリー浜と渡辺守章の逝去を知ってしまうというこの世界のアナーキーっぷりを、愛し直すことで受け入れ、心を穏やかにしよう。》
https://twitter.com/cooff/status/1384767241074266113
島田裕巳駒場でフランス語を習ったのか。
駒場でフランス語を習った先生のおひとり。テキストはロベール・ギランだったかな。「アガメムノン」だか、チケットをいただいた思い出がある。ご冥福をお祈り申し上げます。》
https://twitter.com/hiromishimada/status/1385014855640309762
「ライシテから読む現代フランス」(岩波新書)の伊達聖伸がこうツイートしている。
渡邊守章先生の訃報。私からすると、レジェンドの先生のレジェンド格。水林章先生が、日本人のフランス語教員で自分が覚えているのは渡邊守章蓮實重彦だけみたいなことを言っていたっけと思い出す。ここですね。》
https://twitter.com/KiyonobuDate/status/1384854314439565313
断るまでもないだろうが渡辺はフーコーの「性の歴史1 知への意志」(新潮社)の翻訳者である。repressive hypothesis!

◎2012年よりポプラ社から刊行されている「おしりたんてい」シリーズは、トロルの絵本7作を中心に、読み物11作、アニメコミック7作が刊行され、累計発行部数は900万部を突破している。アニメはNHK Eテレで放送されているほか、劇場版も製作され、第3弾「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」が8月13日より公開されることが決まった
https://realsound.jp/movie/2021/04/post-745470.html
https://www.poplar.co.jp/oshiri-tantei/

◎町田そのこの「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)が本屋大賞受賞で大きく売上を伸ばしている。日販によれば、受賞以降の売上は、それまでの約30倍にまで跳ねているという。
https://hon-hikidashi.jp/more/128124/
私にしても本屋大賞を受賞したので買ったクチである。既に何度か書いてきているが、私は今も本屋大賞に批判的ではあるが、売上にもっとも貢献する賞であることは誰も否定できないところである。

◎「アエラドット」は4月21日付で「『総理がおっしゃる』テレビの過剰な尊敬語に違和感 メディアと『対等』なのになぜ?」(小長光哲郎)を発表している。山崎とは山崎雅弘のことである。
《「『総理がおっしゃっている』って、平気でテレビで言うようになったのはなぜだろう」
今年1月、ツイッターにこう投稿したのはテレビユー福島の記者、木田修作さん(35)だ。このところ、テレビの報道番組や情報番組でキャスターや司会者、コメンテーターなどの出演者が政府や総理大臣に言及する際、「尊敬語」を使うことが常態化していることに大きな違和感があるという。》
《権力の監視どころか、メディアが戦う前から負けている──。そんな状況は2012年12月に始まった第2次安倍政権からだと、山崎さんは考えている。14年6月、NHKのニュースでキャスターが「政府がおっしゃいましたけど」と話すのを聞き、「40数年この国で生きてきて、政府に敬語を使うニュースキャスターを初めて見た」とツイッターに投稿している。》
https://dot.asahi.com/aera/2021042000014.html?page=1
コメンテーターの顔ぶれも間違いなく変化した。保守もリベラルも消え、政府御用達知識人がコメンテーターの主流となりつつある。安倍政権を経て半藤一利がリベラルというか、左翼に位置づけられる時代になってしまったのは、このためだろう。

小学館のビューティ誌「美的」は、3月22日発売の5月号で創刊20周年を迎えたが、これを記念して、4月24日(土)よりバーチャル空間でのイベント「バーチャル美的フェス 2021 Spring」を1か月間限定で開催する。
https://fes.biteki.com/lp/
雑誌化はインターネットという武器を手にすることができたからこそ、コロナ禍でも、こうしたバーチャルイベントを開催できるのだ。そう前向きに情況を捉えたい。悲観論に沈むのではなく、楽観論に踊るのでもなく、総ての可能性に真摯に向き合い、可能性のひとつひとつを実現していくことが重要なのである。

林真理子が「週刊新潮」に連載していた「小説8050」が4月28日の発売を待たずに事前重版が決まった。林がコメントを発表している。
《発売前からこんなに反響のある作品は、作家生活40年で初めて。真面目に生きてきて積み上げてきたものが、子どものせいで全て失われてしまう「8050問題」の恐怖は、誰にとっても他人事ではありません》
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000047877.html
https://www.shinchosha.co.jp/book/363111/

三島由紀夫賞の候補が次のように発表された。
藤原無雨「水と礫」(河出書房新社
乗代雄介「旅する練習」(講談社
岸政彦「リリアン」(新潮社)
李琴峰「彼岸花が咲く島」(「学界」2021年3月号)
佐藤厚志「象の皮膚」(「新潮」21年4月号)
本命が「リリアン」かな。対抗に「小説家になろう」出身で、ラノベ作家としては一迅社からデビューしている藤原無雨の「水と礫」を推そう。「水と礫」は完璧なラノベでありながら、純学であるという、ある意味、とんでもない作品だ。
山本周五郎賞の候補は次のように発表された。
伊吹有喜「犬がいた季節」(双葉社
伊与原新「八月の銀の雪」(新潮社)
小川糸『とわの庭』(新潮社)
砂原浩太朗「高瀬庄左衛門御留書」(講談社
佐藤究「テスカトリポカ」(KADOKAWA
私の本命は「テスカトリポカ」だ。対抗は「高瀬庄左衛門御留書」。砂原は時代小説ファンのアイドルになる可能性がある。
https://twitter.com/Shincho_Bungei/status/1384748142906601475
https://twitter.com/Shincho_Bungei/status/1384748096513470467

日刊ゲンダイDIGITALは4月21日付で「報道の自由度・日本67位『菅首相は改善に何もしていない』」を掲載している。
《RSF(註 国境なき記者団)は「新首相就任によっても、ナショナリストの右派が記者に対する不信をかき立てている状況に変化はなく、依然、自己検閲が続いている」と指摘し、菅首相については「報道の自由の雰囲気を改善するために何もしていない」と切り捨てた。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/288232
韓国は42位、台湾は43位。

◎学研プラスは、4月8日(木)に発売した「学研の図鑑 スーパー戦隊」の、緊急増刷を決めた。現在、スーパー戦隊ものとしては45作品めに当たる記念作「機界戦隊ゼンカイジャー」が放送されている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003306.000002535.html

◎「Media Innovation」は4月21日付で「復活するKADOKAWA・・・高収益の源泉と、新社長・夏野氏の実力とは?」を公開している。
KADOKAWAの業績回復が際立ってきました。2021年3月期の営業利益は前期比73.1%増の140億円で着地する見込みです。営業利益は予想比33.3%増の上方修正となりました。営業利益率は4.0%から6.8%まで回復。本業で利益が出る体質へと変化しました。》
https://media-innovation.jp/2021/04/21/kadokawa-financial-results-2020/
出版の営業利益が94億2,800万円で、全体の70%を占めている。

阿波銀行は、博報堂と、ビジネスマッチングにおける業務提携契約を締結した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000054623.html

◎4月21日付毎日新聞が掲載している「フジの外資規制違反は『おとがめなし』 東北新社との差はなぜなのか」(村尾哲)で、成城大教授(憲法)西土彰一郎は次のように語っている。
《地上波で影響力の強いフジ・メディアHDに比べ、衛星波の東北新社は菅首相の長男が関わった接待問題も絡んでおり、世論の反発を収めるためにスケープゴートにされたのではないでしょうか。
 言論表現の自由が関わる放送法では、行政権の行使は抑制的であるべきです。にもかかわらず、総務相は前例のない職権での取り消しに踏み切りました。そうした(首相の長男が関わった案件であるという)背景があるからではないかと疑われても仕方ないでしょう。》
《放送局は免許付与で政府に首根っこを押さえられています。だから、行政指導に従っていた方が得策となります。さらに言えば、従っていれば、政府が既得権益を守ってくれる。免許も再交付してくれるし、新規参入規制で産業保護もしてくれる。
持ちつ持たれつのなれ合い構造になっていると感じます。
フジ・メディアHDから外資規制違反を報告され、内々に処理した今回の総務省の対応からも、なれ合い構造のなれの果てが垣間見えるのではないでしょうか。癒着と言うべき構造を断たなければなりません。》
https://mainichi.jp/articles/20210421/k00/00m/010/053000c
今回の件を通じてフジも産経も政府に頭が上がらなくなるのではないだろうか。いや、もともと、政府の広報機関のような存在だから問題はない・・・か。

◎今年も実施する!KADOKAWA崎陽軒は、2021年4月23日(金)より、「横浜LOVEWalker」×崎陽軒コラボ 「おうちで駅弁シリーズ 横浜LOVE弁当」(税込1,200円)を店舗・数量限定で発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000008440.000007006.html

◎日刊スポーツは4月21日付で「NHKが『クローズアップ現代+』終了報道を否定『ニュース見て驚いた』」を掲載している。
NHK正籬聡放送総局長が21日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、一部ウェブメディアで終了が報じられた「クローズアップ現代+」(火~木曜午後10時)について、「あのニュース見て驚きました。見解の通りで、終了を決定したという事実はありません」と述べた。》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202104210000545.html
立岩 陽一郎の作戦勝ちという気がするなあ。

東スポWebは4月21日付で「華原朋美『暴行犯=ストーカー』ではなかった! 勘違い暴走で騒動拡大…慌ててツイ消し」を掲載している。
ツイッターで告白した「3週間前から」のストーカー被害は、〝勘違い〟の可能性を指摘する。華原は3週間前にラーメン店に行き、そこで熱烈なファンとみられる男性に遭遇して恐怖を感じたそうだが、今回の男性記者とは別人という。
華原に激情家の一面があるのは広く知られている。3週間前の〝ラーメン男〟にタクシーで追尾されたと思い込み、〝スパーク〟して正面からぶつかったが、正体は男性記者だった――というのが真相のようだ。》
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/3054821/
華原の投稿したツイートは現在、削除されている。

はてな集英社の「少年ジャンプ+」編集部は協業し、4月21日よりマンガ投稿サービス「マンガノ」の提供を開始した。「マンガノ」は、ユーザー投稿型サービスやマンガビューワを提供すはてなと、数々の人気マンガを世に送り出してきた集英社が共同開発した、マンガ作品に特化した投稿サービスだ。マンガ家にとっての使いやすさを追求した作品投稿機能に加え、作品の販売機能も備えているのが最大の特徴である。
https://hatenacorp.jp/press/release/entry/2021/04/21/153000
あらゆる「入口」に集英社は触手を伸ばし、逸早く布石を打っている。

-----------------------------------------------------

3)【深夜の誌人語録】

素早く、柔軟に、断固として。

-----------------------------------------------------

4)【お知らせ】 

」2000号まで、あと27号。

【文徒】2021年(令和3)4月22日(第9巻75号・通巻1972号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】NHKの専務理事「再任」人事について
2)【記事】今日の東京オリンピック 開催強硬路線で笑うのは?
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
5)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.22 Shuppanjin

1)【記事】NHKの専務理事「再任」人事について

朝日新聞デジタルは4月20日16時59分付で「NHK新役員人事決まる 波紋呼んだ板野専務理事も再任」を掲載している。
《政権との距離が近いとされ、2年前に子会社から執行部へ戻った際に波紋を呼んだ板野裕爾専務理事も再任された。》
《板野氏の再任には委員12人のうち、井伊雅子・一橋大大学院教授と渡辺博美・福島ヤクルト販売会長が反対し、全会一致とはならなかった。
終了後に取材に応じた森下俊三経営委員長は2人の反対を「年齢が高いことが理由だった」と説明。板野氏の政権との距離について問われると「特に政権に近いか近くないかは意識していない。経営委員会でも、そういう意見は出なかった」と述べた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4N5JQMP4MUCVL02M.html
毎日新聞は4月20日付で「NHK、板野専務理事を再任 経営委『政権に近いかは意識ない』」を掲載している。
《板野氏は籾井勝人(もみいかつと)会長時代の2014~16年に専務理事を務めた後、子会社のNHKエンタープライズ社長を経て、19年に専務理事に異例の復帰を果たした。その際の経営委で、一部の委員(既に退任)が「抵抗感がぬぐえない」と表明し、採決の際に棄権した。》
https://mainichi.jp/articles/20210419/k00/00m/010/228000c
朝日新聞デジタルは4月20日付で掲載している編集委員の後藤洋平による記事「『政権に近すぎる』NHK役員を再任 元幹部『異常だ』」で更に一歩踏み込んで次のように書いている。
《一部のNHK幹部やある政府関係者は、板野氏を「政権側との橋渡し役」と評する。番組制作のトップである放送総局長を務めた2016年には、権力に厳しい姿勢で臨むことで知られた「クローズアップ現代」が終了し(その後キャスターや放送時間を替えてクローズアップ現代+がスタート)、当時の複数の幹部が「最終的に板野氏の意向で事実上の打ち切りが決まった」と証言している。
板野氏はこれまでに理事と専務理事を計6年務めており、「2期4年までが慣例」(元NHK経営委員)という中、3度目の再任だ。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4N5WN4P4NULZU00K.html
古田大輔が朝日新聞の速度に舌を巻いている。
《一報にリンクが貼られるスピード感で、これだけ詳しく内部の反応が読めるの凄い。》
https://twitter.com/masurakusuo/status/1384624742527688708
論座」が2019年7月8日付で発表している「板野氏の異例の復帰で揺れるNHK 石原経営委員長が主導、経営委では2人が棄権し他に2人が返り咲きに異論」(朝日新聞社会部記者 川本裕司)には目を通しておこう。
《板野氏は14年4月、籾井勝人前会長の側近として専務理事・放送総局長に抜擢された。しかし、NHK関連会社などを入れる新ビルを籾井前会長が計画、その建設用地(東京都渋谷区)を約350億円で購入する案について、15年12月の理事会で反対した末、16年4月に退任した。籾井前会長の路線とは距離を取ってきた上田会長だけに、板野氏の復帰はサプライズだった。
板野氏の専務理事就任に同意した4月9日の経営委員会では、佐藤友美子・追手門学院大教授と小林いずみ・ANAホールディングス社外取締役の経営委員2人が、人事案に対し棄権した。問題視したのは板野氏の復帰だった。》
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019063000003.html?page=1
こんなツイートを発見した。
《板野裕爾さん、新人記者のころ一緒に春の甲子園の応援取材に呼ばれた同士ですっかり仲良しになった先輩記者で、ずっと年賀状の交換をしていたなぁ……。
 KDD事件のあの板野學社長の御曹司ながら、気さくでいい人だった記憶しかない。
 副会長になった同期の正籬も。「肥溜め」に落ちた記者は哀れ!》
https://twitter.com/yuji_george/status/1384627023126007816
KDD事件は1979年に起きた汚職事件であり、密輸事件であり、1994年に最高裁にて元社長板野學に関する上告が棄却され、懲役10ケ月という判決が確定している。
https://business-career.jp/articles/waF3bMgyZMeuEul69Sy8?page=1

-----------------------------------------------------

2)【記事】今日の東京オリンピック 開催強硬路線で笑うのは?

毎日新聞は4月19日付で「見えない予算『守秘義務で…』五輪担当相、人件費詳細把握できず」(高橋祐貴)を掲載している。
東京オリンピックパラリンピック組織委員会が企業に業務委託する際の人件費単価について、丸川珠代五輪担当相は19日の衆院決算行政監視委員会で、「守秘義務で見せてもらえない資料がある」と述べ、担当閣僚でさえ詳細を把握できていない実態が明らかになった。立憲民主党斉木武志氏が「見えない予算ではないか」と追及した。組織委の人件費単価を巡っては、毎日新聞が日当以外に諸手当や賞与相当額などを含め1日最高30万円のケースがあると、組織委の内部資料を基に報じている。
斉木氏は独自に入手した資料に基づき、「ディレクター」について、人材派遣会社のホームページで日当1万2000円程度で募集している一方、委託先への支払いの算出根拠となる人件費単価が最大20万円に上ると指摘。「95%も中抜きして業者に渡すのは放漫だ」などと質問した。これに対し、丸川氏は「国民に歓迎される五輪でないといけないので、組織委には透明性を高めるための説明を尽くしてもらいたい」と答え、組織委に説明責任を果たすよう求めた。》
https://mainichi.jp/articles/20210419/k00/00m/010/228000c
まさか!しかし、その「まさか!」が現実であることの何と多いことか。これがパソナだとすれば、まさに「政商」である。
毎日新聞は4月20日付で「東京オリンピック 国内観客の入場制限判断 6月に先送りへ」を掲載している。
新型コロナウイルスの感染拡大で今夏に延期された東京オリンピックの国内観客の入場制限について、大会組織委員会は6月に結論を先送りする検討に入った。20日、関係者への取材で明らかになった。今月末に開く予定の組織委、東京都、政府、国際オリンピック委員会IOC)、国際パラリンピック委員会IPC)との5者協議で提案する。
3月に受け入れ断念を決めた海外観客に続いて、国内観客の上限数も4月中に判断するとしていたが、感染力が強いとされる変異株による感染再拡大で月内に結論を出すのは難しいと判断した。》
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/050/184000c
日刊ゲンダイDIGITALは4月20日付で「山梨県知事『五輪中止』発言 裏で糸引く二階幹事長の思惑」を掲載している。
《「長崎氏は二階氏の“一の子分”と言っても過言ではない。2017年の衆院選で落選後も、二階氏に『幹事長政策補佐』のポストを用意され、2年前の知事選での全面支援に恩義を感じている。二階氏肝いりの『Go To イート』事業を今なお県内限定で継続していることからも、関係性の深さが伺えます」(自民党関係者)》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/288174
東京新聞は4月20日付で「五輪開催『無責任』の質問スルー…菅首相『回答漏れ』と釈明」を掲載している。
菅義偉首相は20日、日米首脳会談後の共同記者会見で、新型コロナウイルス感染症が拡大する中の東京五輪パラリンピック開催を「無責任では」と聞かれた質問に答えなかったことについて「バイデン大統領への質問のみと認識してしまい、結果として回答漏れになった」と釈明した。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/99385
五百旗頭幸男が東京新聞のこの記事を引用ツイートしている。
《無理筋の反論をするから、論理が破綻する。もしも首相の言語理解力が「(東京五輪の)開催に進むのは無責任ではないか」との質問を「バイデン大統領への質問」と認識してしまうレベルならば、それこそ有事だ。》
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1384513058354057216
元首相の鳩山友紀夫(由紀夫)がツイートしている。
《どうも菅首相の訪米中、アメリカに五輪への選手団の派遣を強く要請した模様だ。当然に色良い返事は得られず、バイデン大統領の「菅首相の努力を支持する」との言でお茶を濁したというのが真相らしい。コロナを抑えられない国に、選手団を送りたい国はないだろう。》
https://twitter.com/hatoyamayukio/status/1384440659096997891
テレビ東京の青木俊がリツイートしている。
《↓(鳩山のツイート)が事実とすれば、菅政権はこの期に及んでなお本気で五輪開催を強行するつもりでいることになる。今の状況、表向き開催を言っても実は中止のシナリオを用意して、そっちを主軸に準備を進めるのが当然と思うが違うようだ。もはや明らかにまともな政治とは言えない。狂ってる。東京五輪は狂気の五輪だ。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1384648258178351104
毎日新聞は4月20日付で「菅首相、東京に緊急事態宣言を発令した場合も『五輪に影響ない』」を掲載している。
菅義偉首相は20日夜、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を東京都に発令した場合、東京オリンピックの開催判断に影響するかどうかを問われ、「オリンピック(への影響)はないと思っている。安全・安心な大会になるように政府として全力を挙げていきたい」と述べた。》
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/010/332000c
小説家の山川健一が引用ツイートしている。
《はぁ? 菅総理、もはやゲシュタルト崩壊なのでは?》
https://twitter.com/Yamakawakenichi/status/1384630051057004547

-----------------------------------------------------

3)【本日の一行情報】

電通グループは、ヘルスケア領域のビジネスとマーケティング関わる統合ソリューションの提供に特化したグローバル横断組織「dentsu health」を発足した。
dentsu healthは、電通グループグローバルネットワークにおいて2,000名を超えるヘルスケア領域ビジネスとマーケティングのスペシャリストのノウハウを結集し、電通グループが事業を展開する国内・海外全ての地域にまたがるサービスを提供することで、トップレベルのグローバル・ヘルスケアエージェンシーとなることを目指すそうだ。
https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/pdf-cms/2021024-0421.pdf

日本経済新聞は4月20日付で「三井住友FGと電通、新会社設立へ 銀行アプリに広告掲載」を掲載している。
三井住友銀行スマートフォンアプリに、電通や銀行の取引先企業の広告を表示する。低金利下で銀行の経営環境が厳しくなるなか、非金融分野の収益力強化につなげる。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB200UB0Q1A420C2000000/

松井玲奈 がツイートしている。
《『ひみつのたべもの』本日発売になります!
50編の美味しいエッセイを皆さんにぜひご賞味いただきたいです
#ひみつのたべもの でみなんさんの好きなお話を教えてもらえたらとっても嬉しく思います。》
《サイン本についてですが、今回は3000冊書かせていただきました。(ありがとうございます)
どこの書店にあるか把握していませんが、サイン本探して出歩いてもらうのも申し訳ない。
サイン本がある書店情報はofficialインフォとこちらで随リツイートさせていただきます。そちらをご覧ください。》
《しかし、全ての情報を網羅することは難しいので、もしサイン本を見かけた方は
#ひみつのたべものサイン本
でここにあるよー!とこっそり発信してもらえたら嬉しいです。
転売品は買わないでくださいね?
初回ほおまけのレシピカードは、めちゃくちゃ可愛いの絶対見てもらいたいです!》
《初回の、だ笑
ちなみに、サイン本たくさん書きましたが、全国津々浦々の書店さんへ届けるには私の力がまだ足りませんでした。
サインがなくても本が読めれば!!という方は、ぜひお近くの書店にて手に取って頂ければ嬉しいです!!(置いてあればですが訴えかける顔)
よろしくお願いします。》
https://twitter.com/renampme/status/1384284010105372686

https://twitter.com/renampme/status/1384286593637228546
有隣堂アトレ川崎店の4月20日のツイート。発売と同時にサイン本は売り切れた。
《ご好評につき『ひみつのたべもの』サイン本は完売いたしました!!
ありがとうございました》
https://twitter.com/yurindo_atkawa/status/1384388093852094472
マガジンハウスは書店員のコメントを公開している。
社西条店 三島政幸《食べ物の話だけでこれだけのエピソードを引き出せるのは、本当にすごいことだな、と思います。》
紀伊國屋書店浦和パルコ店 竹田勇生《彼女の小説における描写と観察眼は僕を虜にし続けていますが、創作という鎧を脱いだ彼女はとても普通でした。》
代官山 蔦屋書店 間室道子《・・・「美しく美味しいものは正義だと思う」という名言が飛び出す。
小説でも発揮されていたけど、「未知」を前にした時の彼女の五感の研ぎ澄まされ方はハンパないのだ!!》
https://magazinehousebooks.jp/n/n954e7dd85286?gs=783a63a40a94
試し読みもできる。カップうどんが食べたくなる章である。お湯を入れて10分である。日清とマルちゃんは松井に感謝すべきである。私が広告プランナーであれば日清とマルちゃんが同時に松井をCMに起用するという、カップうどんをジャンルとして盛り上げる企画を考えるけれど。
https://magazinehousebooks.jp/n/n7e771115f0a6
マガジンハウス営業部のツイート。
《4月20日、地方新聞(12紙)に『ひみつのたべもの』の新聞広告を掲載しました。》
https://twitter.com/magazine_sales/status/1384313453968465922
書籍を売るには地方紙をいかに使うかも重要な戦略となるはずだ。地方紙への出稿は書店対策でもあるからだ。

集英社は春のデジタルマンガ祭「春マン!! 2021」を4月19日から5月21日の期間、協力ストアおよび自社ストアで実施する。「春マン!! 2021」は、少年/青年/少女・女性向けの各レーベルに週替わりのテーマを設定し、190作品・300巻以上のデジタルコミックを期間限定で無料試し読みできるようにする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000222.000011454.html

◎「ITmedia ビジネスオンライン」によれば電子書籍サービス「ebookjapan」は、「呪術廻戦」「鬼滅の刃」など4000作品以上の集英社作品を対象に5割引キャンペーンを4月19日より開始した。4月25日まで実施予定だが、ユーザーの利用状況によっては早期終了するもあるそうだ。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/19/news142.html

◎「YAHOO!ニュース」は、4月19日付で集英社の「ハビプラ」が発表した「話題のテレビプロデューサーとジャンプ編集長が初対談! 大好きなおやつについて熱く語る」を公開している。テレビ東京ロデューサー・佐久間宣行と「週刊少年ジャンプ」編集長・中野博之のおやつをめぐる対談だ。
《佐久間 「リベルターブル」の焦がしキャラメルが入ったシュークリーム、辛党も好きそうな黒トリュフ入りのマドレーヌは特においしかったです。お酒にも合うし。仕事終わりの僕のルーティンは、毎晩好きな映画を観ること。鑑賞しながら、ブログがめちゃくちゃ面白い「ワインブティックヴァンヴァン」から取り寄せたワインとおやつを味わうのが、至福のときです。》
《中野 スイーツとお酒、合いますよね。僕はサブレが大好きで、終業後は自宅でそれをつまみつつ、お酒を飲みます。最近のヒットは、デパ地下で見つけた「アトリエ サブレヤ」ですね。》
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd0edc253a32fdf54afb82db958e612f60b47f93?page=1
https://spur.hpplus.jp/magazine/topics/202103/22/ISeEUpk/
甘いおやつは酒精のつまみに転用可であることは私も知っている。ただ、気をつけないと成人病が待っているということだ。

プチ鹿島が冴えている。「春オンライン」に4月20日付で「朝日新聞が広告掲載を『拒否』した『さよなら朝日』を読んでみた いまこそ記者個人に求められる“新しいきれいごと”とは?」を発表している。
《だから、こんな時代に一人気を吐くのは猟犬のような週刊誌だ。きれいごとなんて最初から捨てているから追われるほうも恐怖を感じる。猟犬には「良い獲物」も「悪い獲物」もない。すべてが対象だ。スキャンダリズムでありニヒリズムである。でもそんな立ち位置が報道のトップとしてもてはやされてよいのだろうか?》
https://bunshun.jp/articles/-/44890
同感である。

◎スマートニュース系列のノンフィクション・調査報道に特化したサブスクリプションWebサービス「SlowNews」は「小説新潮」に連載されているジャーナリスト・宮下洋一によるノンフィクション作品「デス・ペナルティー」の配信を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000073405.html

朝日新聞デジタルは4月20日付で「春『嫌われた監督』筆者の落合論 印象一変させた一言」(木村健一)を掲載している。「週刊春」で連載を終えた鈴木忠平の「嫌われた監督 落合監督は中日をどう変えたのか」を取り上げている。
《鈴木さんは笑って振り返る。「8年間、ほとんど一緒にいたけれど、『またよろしくな』というのも全くなかった」
そして、こう受け止めた。「取材対象によらない記者になれ、頼らない記者になれ、と。ずっと、一人でいなさい、しがらみやなれ合いの中で仕事をするな、ということ。孤独という意味ではなくて、しがらみやなれ合いの対極の意味。一人でいることの大切さ、素晴らしさを教えてくれた」》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4M5RZDP4LOIPE00Y.html

藝春秋コミック編集部は、マンガ「僕が夫に出会うまで」(原作・七崎良輔、漫画・つきづきよし)を 4月22日(木)に全国書店、主要電子書店で発売した。「春オンライン」で 2020年4月~2021年2月に連載し、累計4,300万PVを超えた作品だ。
https://www.atpress.ne.jp/news/256220

KADOKAWAは新マンガ誌「青騎士」を4月20日に創刊した。マンガ誌特有の少しベージュがかった紙ではなく、単行本でも使っている白い紙(フロンティタフW)を選び、漫画の特徴である線の再現にこだわり、紙もサイズも漫画誌(B5)より一回り小さい特別なサイズ(天地240mm×左右170mm)を採用している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000008444.000007006.html

-----------------------------------------------------

4)【深夜の誌人語録】

理は利にあらず。

-----------------------------------------------------

5)【お知らせ】 

」2000号まで、あと28号。

【文徒】2021年(令和3)4月21日(第9巻74号・通巻1971号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】講談社はフィルムパックがお好き?!
2)【記事】「一杯のモヒンガー」の監督でもあるジャーナリストミャンマーで拘束された
3)【記事】今日の東京オリンピック たらい回し体質の組織委に「中止」の声集中
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
6)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.21 Shuppanjin

1)【記事】講談社はフィルムパックがお好き?!

朝日新聞デジタルは4月19日付で「講談社庫本をフィルム包装 もう立ち読みできない?」(貞国聖子、赤田康和)を掲載している
《同社広報室や公式ツイッターによると、今月15日発売分の「講談社庫」とエンターテインメント小説の「講談社タイガ」の2レーベルで包装を始めた。
当面、新刊を対象とする。3月末で消費税額を含んだ支払総額の表示義務の免除期間が終わったことに対応するもので、フィルムの上にシールで税込みの値段を貼っている。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4M678TP4MUTIL049.html
講談社 第五事業販売部」は4月15日に次のようにツイートしている。
《本日は講談社庫4月刊の発売日です。
今月からフィルムパックに入れてお届けしてまいります!
開封のコツは本の裏側に貼られているシールを押さえながら、
指を横にスライドさせることです。
それでは早速、動画で確認していきましょう!!》
https://twitter.com/kodansha_sale_5/status/1382584130429276161
これは「講談社庫」のツイート。
《【お知らせ①】講談社庫&講談社タイガは、4月刊からフィルムパックをしてお届けします!
総額表示義務化の対応するため、フィルムパックに総額を表示したシールを貼ります。当面は新刊のみが対象です。ご不便おかけしますがよろしくお願いします。》
https://twitter.com/kodanshabunko/status/1382471299956502528
Pebbles Booksの久禮亮太が「講談社 第五事業販売部」をリツイートしている。
《これ、「新刊配本で入荷が一冊だけど、積めば売れるんじゃないか?ちょっと読んでみて決めよう」という書店員の売り伸ばしの機会を大きく損なう愚策じゃないでしょうか。返品改装のコスト削減にはなるかもしれないけど、根本的な問題解決から逸れる愚策ではないかと思います。》
《バーコードはシールじゃなく表4に刷り込まれているわけで、返品はできるわけですし、配本1冊でもどんどん開封していきましょうよ。ちゃんと中身に目を通して、売り伸ばしていきましょ》
https://twitter.com/ryotakure/status/1383759473462833153
https://twitter.com/ryotakure/status/1383761618786349064
更に久禮亮太のツイートはつづく。
《既存のコミック製本ラインをそのまま流用できるからというのもあるかもしれませんが、それは出版社と製本会社の「ご都合」というやつであって、書店の庫棚を前にしたお客様の体験は大きくスポイルされるに決まってますよね。本質的に書店の価値や読者拡大に資する取り組みを期待してます。》
《とはいえ、これは僕の個人的な意見です。書店は規模も環境も客層も様々です。お客様に対して庫のフィルムパックが多くのメリットをもたらす現場はそれを活かせば良いし、デメリットを問題視する書店は引っ剥がしてしまえばいい。書店は主体的にお客様のために判断すればいいと思います。》
https://twitter.com/ryotakure/status/1383781971810164739
https://twitter.com/ryotakure/status/1383785460846055428
久禮は書店の「主体性」に言及している。
講談社庫フィルムパックの件、あらためて……。
書店は規模も客層も様々。パックが多くのメリットをお客様にもたらす現場はそれを活かせば良いし、デメリットを問題視する書店は引っ剥がしてしまえばいい。版元の施策がどうあれ書店が主体的にお客様のために判断することが何より大切だと思います。》
《開けやすいかどうかなんて、道具と手技でどのようにもなります。問題は、いち版元の施策に流されて、ますます「考えない売場作り」を繰り返してしまうこと。
パックされた庫の新刊配本がたとえ一冊でも、フィルムを剥ぎ取って中に目を通して売り伸ばすヒントを掴むのが僕たちの仕事だと思います。》
https://twitter.com/ryotakure/status/1384098835971002372
https://twitter.com/ryotakure/status/1384100097701466118
三輪舎の中岡祐介はひとこと呟く。
《なんと時代に逆行した施策だろうか。》
https://twitter.com/yusukenakaoka/status/1384025517058256897
これは「破く派」のツイート。
講談社庫のシュリンクパック問題は今後も続きそう。私も破くの苦労してます。
だけど、シュリンクでよかったことがある。
湿気の時期の表紙ペロンペロン問題がなくなることだ!!》
https://twitter.com/mmmichy/status/1383656290061225984
編集者・磯部祥行は連ツイを発表している。
《これ、傷み防止のためかな、黙って実行すればいいのに、わざわSNSに書くから、いろんな人が口を挟みたくなる。実際に書店でこうなっていたら気にもとめない人もコメントしてしまう。コミックスは90年代からシュリンク多いのに。》
《そもそもシュリンクは「わざと破りづらく」作るものだからねえ。CDの包装みたいに。あれ、家で独りで開けるから怨嗟の声は上がらないけれど、メーカーが「CDシュリンクしまーす、破り方は…」ってツイートしたら「やめろ!」「開けやすいものにしろ」の声で埋まるでしょう。》
講談社庫のやつ、シュリンクに気を取られて気づかなかったけれど「総額表示」のステッカーを貼るためでもあったか。でもそれならカバーに直接ステッカーを貼ればいいのに。というか既にあるものは再出荷時でも直す必要はないのでは。》
シュリンクを破る動画に「総額表示のステッカーを貼るためです」、ついでに「いやですねえ」とか書いておけば、矛先は政府に行ったのでは…。》
https://twitter.com/tenereisobe/status/1384005094039908354

https://twitter.com/tenereisobe/status/1384036041653297158
賛成派と反対派のツイートをそれぞれ紹介しておこう。
講談社庫のシュリンク、コミックに続いてなので衝撃は薄く、また、こうやって粛々と読書は「万人には開かれない趣味嗜好品」になっていくのかもなあというふうに思った。本はもはや日本人にとって普遍的なモノではなくなった。歪ではあるけど次に定価を上げる方向に進むなら消極的に賛成です。》
https://twitter.com/tegit/status/1383608529026650114
講談社庫のビニールパッケージは困るなあ。小説は体確認とともに、ざざっと全体をめくって好きそうな話かを確認しないと買わないので、これは厳しい。今のところKindleを使う気はないし。》
https://twitter.com/unase_k/status/1383776626257760265
講談社庫の新刊、フィルムパックされていたの買ってみた。これは…カッサカサの手の持ち主にははがしにくい。普通のシュリンク?だととっかかりがあるからべりべり行けるんだけど、これは難しい。確かに書店員さんレジで大変かも。》
https://twitter.com/2031sushi/status/1382926357156405249
《普通なら反対されそうだし根本的解決ではないのに、機能としては充分だし、最終的には何の問題もなさそうなのがすごい。
講談社庫のシュリンクの話だけど、私はきれいな本が好きなので、大歓迎です。
でも積ん読するとかなり追い詰められるやつだ。包ん読の亜種だ。
https://twitter.com/0120/status/1383301280945238018
予想通り賛成派は少ないようだ。
ときわ書房志津ステーションビル店の日野剛広が連ツイを発表している。
講談社庫パッケージ化に批判が殺到しているが、私はもう少し様子を見てみたい。
確かに試し読みが出来なくなる、カバー要請がコミックに比べて多いなどの問題点は分かるが、こういう問題こそ現場の意見を幅広く掬い上げてまとめ、法人としてきちんと対峙すべきではないか。》
《オレは別に講談社の肩を持ちたい訳でも優等生でいたい訳でもない。
だが今回のパッケージ化に肯定的な意見も拾うべきだし、法人同士の意見の擦り合わせで建設的に問題を解消すべきではないか。》
《ただ、考えているのは、コミックがパッケージ化された時に何故他社は追随しなかったのか?
その疑問か頭をもたげている。
スリップレス化があっという間に業界に広がったことを考えると、単にコストの問題なのか?》
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1383782821207048197
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1383782932519682055
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1383783075054690316

-----------------------------------------------------

2)【記事】「一杯のモヒンガー」の監督でもあるジャーナリストミャンマーで拘束された

日本経済新聞は4月19日付で「ミャンマーで邦人記者拘束 軍政批判、自宅から連行」を掲載している。共同通信の配信記事である。
《国軍がクーデターで全権を握ったミャンマーで18日夜、同国在住のフリージャーナリスト北角裕樹さん(45)が最大都市ヤンゴンの自宅で治安当局に拘束された。在ミャンマー日本大使館が19日確認した。北角さんは連行後、刑務所に移送された。2月26日にもデモ取材中に拘束されたが、その日のうちに解放されていた。》
《北角さんは元日本経済新聞記者。ミャンマーに移り住み、日本語情報誌の編集長を経て、フリーで活動していた。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB183P80Y1A410C2000000/
北角裕樹は日経時代に天安門事件当時の学生リーダーで、投獄後、米国に亡命した民主活動家の王丹をインタビューしている。2012年7月14日付で掲載された「『ネット情報が中国を変える』民主活動家・王丹氏 天安門事件の学生リーダー」がそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1207A_T10C12A7000000/
NHK NEWS WEB」は4月19日付で「ミャンマー ジャーナリストの北角裕樹さんが治安部隊に連行か」を公開している。
《北角さんのフェイスブックには、連行されたとみられる時刻の数時間前に投稿された動画とコメントが残っています。
動画は、日本で撮影されたクーデター以降の犠牲者の法要の様子を収めたもので、北角さんは動画を引用したうえで、日本とミャンマーの僧侶らによるものであることなどを紹介しています。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210419/k10012982731000.html
北角がフェイスブックに投稿した記事は、これだ。
《クーデター以降の犠牲者の鎮魂の法要が、増上寺で行われています。日本とミャンマーの僧侶らが執り行います。
Myanmar and Japanese monks praying for martyr after Feb. in Zojoji temple in Tokyo.》
https://www.facebook.com/yuki.kitazumi.92/posts/4233897213358803
毎日新聞グループホールディングス顧問の小川一がツイートしている。
《心配です。ミャンマーで報道を続けるジャーナリストの北角裕樹さんが治安部隊に自宅から連行された模様です。邦人保護、報道の自由のためにも日本政府は毅然とした姿勢を示すべきです。》
https://twitter.com/pinpinkiri/status/1383875515606470659
日本経済新聞は4月20日付で「ミャンマー邦人記者再び拘束、偽ニュース拡散疑い」(新田裕一)を掲載している。
《在ミャンマー日本大使館は19日、18日に治安当局に拘束されたフリージャーナリスト、北角裕樹さん(45)が虚偽ニュースの拡散などの疑いで取り調べを受けていると明らかにした。大使館は北角さんの解放を求めている。》
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71164980Z10C21A4CC1000/?unlock=1
「Choose Life Project」で北角がミャンマーの現状について語っている。耳を傾けたい。
ミャンマーでは市民の犠牲が700人超に。国軍の弾圧は残虐さを増す一方ですが、ミャンマーの人々は抵抗を続けることでお互いを励ましあっているといいます。ヤンゴン在住のジャーナリスト北角裕樹さんに市民から託された声を聞きました。》
https://twitter.com/ChooselifePj/status/1383049940415356932
朝日新聞記者・南彰がツイートしている。
ミャンマーで拘束されたジャーナリストの北角裕樹さん。軍事政権側は日本大使館に対し「虚偽ニュースを拡散させた疑いで取り調べている」と主張していますが、北角さんが伝えてきたのはミャンマーで起きている弾圧の真実と、ミャンマー市民の切なる願いです
一刻も早い解放を求めます。》
https://twitter.com/MINAMIAKIRA55/status/1384131275854729228
日本経済新聞のアジア総局長の高橋徹がツイートしている。
ヤンゴンでフリージャーナリストの北角裕樹さんが拘束されました。自宅から連行され、現在は政治犯を収容するインセイン刑務所に留置されているようです。安否が心配です。》
https://twitter.com/ToruTakaNIKKEI/status/1384090098396921860
ニューズウィーク」日本版のツイート。
《本誌にも寄稿いただいたジャーナリストの北角裕樹さんがミャンマーで拘束されました。即時解放を望みます。》
https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1383986875900170248
安田純平のツイート。
《前回は恐らく捕まえてみたら日本人だったという話で、拘束中も携帯から外に連絡をしていたから連絡先を抜き取られはしなかったのではないかと思うが、今回は狙われての拘束なので、ミャンマーでの交友関係や取材先などが全て把握されて一網打尽にされてしまう恐れが。》
https://twitter.com/YASUDAjumpei/status/1383924595116232707
映画のスタッフも心配である。北角裕樹は映画「一杯のモヒンガー」(2017)をミャンマーで監督している。28分の短編だが、ドキュメンタリーでも社会派でもなくエンタメだ。
《この作品は、ヤンゴン在住の日本人とミャンマー人の若手クリエイターによって生み出されました。ミャンマーでは例のない「料理コメディ」という新しい分野に挑戦。ミャンマーの伝統料理のなまずそば「モヒンガー」を軸に展開する復讐劇です。機械化による大量生産でミャンマーヒンガー界を牛耳る悪の組織を相手に、若い職人が父の仇を取るため、手作りモヒンガーを武器に闘いを挑むストーリーです。
2017年9月にはミャンマーで最も伝統のあるワッタン映画祭に出品。ミャンマーの映画関係者から、そのユニークな着眼点や、漫画のようなストーリー展開で高い評価を受けています》
https://filmarks.com/movies/78517
料理バトルムービー!
https://www.youtube.com/watch?v=B1CIZHtaNrY
キンドルでこの映画の脚本を読むことができる。ペーパーバック版も購入できる。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E8%AA%9E%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E-%E5%AF%BE%E8%A8%B3%EF%BC%81-%E4%B8%80%E6%9D%AF%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%92%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC-%E3%81%8A%E5%BE%97%E3%81%AA%E8%A6%96%E8%81%B4%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A4%E3%81%8D-%E5%B9%B3%E7%94%B0%E6%82%A0%E5%AD%90-ebook/dp/B07YW5GZFT
「グローバルニュースアジア」は2017年10月1日付で「【ミャンマー】日緬合作映画『一杯のモヒンガー』、ミャンマー各地で上映会 韓流人気の中で存在感示す」を公開している。
《2017年9月30日、ミャンマーで最も伝統のある映画コンペ「ワッタン映画祭」にノミネートされた料理コメディ「一杯のモヒンガー」(ネイウーライン主演、北角裕樹監督)の上映会がヤンゴンで開かれ、多数のミャンマー人や在緬日本人らが詰めかけた。今後はヤンゴンのほか、首都ネピドーなどで上映会を開く予定という。
同日の上映会には、およそ100人の観客が参加した。同時にDVDやポスターなどの販売され「日本への土産に」と、10枚ものDVDを爆買いする日本人ビジネスマンも出現。映画のテーマとなったモヒンガーの屋台が用意され、参加者らがヤンゴンの庶民の味に舌鼓を打った。》
https://globalnewsasia.com/article.php?id=4659&&country=4&&p=1
産経新聞は2018年3月21日付で「【マーライオンの目】日本人記者の再挑戦」(吉村英輝)を掲載している。
《北角氏は、「ミャンマーで唯一」という日本人フリージャーナリスト。同じくヤンゴン在住の脚本家、平田悠子さん(35)と酒を飲み思いついた構想が実現し、初監督を務めた。
日本経済新聞記者時代、大阪府橋下徹知事(当時)らを取材し、2013年4月に37歳の若さで大阪市の公募校長に。だが、教師や保護者と対立して、翌14年7月に退任。海外取材活動の夢を実現しようと、ミャンマーに渡り、現地の日本語メディアで1年間働き、独立した。
ヤンゴンの下町にある彼の住居兼事務所を訪ねると、若いミャンマー人スタッフと、隔月刊で発行しているフリーマガジン「Mango!」の編集作業中だった。貧しい女性らに少額を貸し付けるマイクロファイナンス機関を通じ、農村部などの住民に4万5千部を配布しており、4月に創刊1年を迎える。》
https://www.sankei.com/column/news/180321/clm1803210006-n1.html
日本ペンクラブは4月19日付で会長・吉岡忍名義の声明 「ミャンマー国軍による北角裕樹氏拘束に抗議し、即時釈放を求める」を発表している。
《昨夕、ミャンマーで取材活動中の北角裕樹氏が治安当局に拘束されたと伝えられた。同氏は、今年2月の国軍クーデター以後のミャンマー情勢を現地で取材・報道しつづけ、国際的にも高く評価されてきたジャーナリストである。
 国軍クーデターは、近年、ようやく軌道に乗り始めたミャンマー民主化プロセスを暴力的に逆行させている。報道機関は次々閉鎖され、市民の自由な言論表現活動も禁圧された。国軍の発砲によってすでに800名もの市民が犠牲となり、数千人の市民が拘束された。多様性と合意形成を重視する民主主義原則からすれば、いずれも信じがたいことばかりである。
 私たちはミャンマー国軍に対し、北角氏拘束に強く抗議するとともに、同氏の即時釈放を求める。
 私たちは日本政府に対し、北角氏の安全確保のためにただちに最大限の行動をするよう求める。》
http://japanpen.or.jp/statement20210419/

-----------------------------------------------------

3)【記事】今日の東京オリンピック たらい回し体質の組織委に「中止」の声集中

毎日新聞は4月19日付で「事件現場で聖火リレー採火に批判相次ぐ 『これでも共生社会?』」(上東麻子)を掲載している。
《これが「共生社会」なのか。遺族や家族が驚くのも無理はない。東京パラリンピックの聖火の採火を、2016年に入所者ら45人が殺傷される事件が起きた相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で行うとした相模原市の決定だ。相模原市は「共生社会の実現」を願って発案し、神奈川県や東京オリンピックパラリンピック組織委員会も「了承」していたという。しかし、遺族や家族に知らされたのは市の決定から約5カ月後だった。》
組織委員会聖火リレー担当者は「県の聖火リレー実行委員会からご提案いただいたものを了承した」としつつ、反対意見が寄せられていることについては「コメントできません。神奈川県の実行委員会の判断をお待ちしている」と話した。
園を運営するかながわ共同会の草光純二理事長は、「法人としては、神奈川県から指定を受けて津久井やまゆり園を管理運営する立場として、相模原市の決定に協力してまいりたいと考えております」とコメントした。
神奈川県も組織委員会も「了承」しておきながら、責任の所在を尋ねると県は「市の判断」と言い、組織委員会は「県の実行委員会の判断」だという。園の運営法人もどこか人ごとである。
県も市も組織委も「共生社会」を掲げているのに、縦割り行政そのもので責任はたらい回しである。》
https://mainichi.jp/articles/20210419/k00/00m/040/100000c
たらい回しは日本の化なのかもしれないが、次のような事態も起こり得よう。
《もし五輪で来日した外国人選手や関係者がコロナで重症化したが日本人も重症者がたくさんいて人工呼吸器に余裕がない、なんて事態になったら誰を優先するのかな。トリアージの原則に従うのだろうが、色々とややこしいことが発生しそうな悪寒。》
https://twitter.com/sanchatogo/status/1384114157264334849
朝日新聞デジタルは4月19日付で「二階氏発言『きわめて常識的』 山梨知事、五輪巡り言及」(吉沢龍彦)を掲載している。
自民党二階俊博幹事長が東京五輪パラリンピックについて、新型コロナウイルスの感染状況次第では「スパッとやめなきゃいけない」と発言したことをめぐり、山梨県長崎幸太郎知事は19日、「きわめて常識的な発言ではないかと思う」と述べた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4M5RHFP4MUZOB008.html
朝日は「穏やか」だ。毎日新聞は4月19日付で「山梨知事、コロナ深刻なら『五輪なんかやっているところではない』」(梅田啓祐)を掲載している。
山梨県長崎幸太郎知事は19日、記者会見で「オリンピックの方が県民の命より大切だなんていうことはあり得ない。健康状態に極めて大きな深刻な影響を及ぼすような感染状況であれば、オリンピックなんかやっているところではない」と述べた。》
https://mainichi.jp/articles/20210419/k00/00m/040/115000c
朝日は4月20日付で「聖火リレー配信、音消えた30秒 沿道で『五輪反対』の活動、NHK流さず」を掲載している。これは4月1日のハナシ、正直、今頃になって、だ。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14876996.html
朝日新聞の4月20日付「天声人語」は「中止」の二字を書いた
《もしも五輪がさらなる感染拡大の契機になれば、命や暮らしの損失は計り知れない。開催の中止を検討すべきときではないか▼「東京五輪の誤り」。将来、そんな言葉が生まれないことを切に願う。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14877133.html
4月17日、18日に実施された産経の世論調査でも「中止もやむを得ない」との回答は56.8%で、前々回2月調査の49.1%から2カ月連続で増加した。
https://www.sankei.com/politics/news/210419/plt2104190013-n1.html
東京新聞は4月20日付で「東京五輪中止なら前払い金は返金? 不安募るホテル、組織委『仮定の話の答え控える』」(梅野光春)を掲載している。
新型コロナウイルスの感染者増は、変異株の広がりもあって歯止めがかからない。自民党幹部からは、感染状況次第で東京五輪・パラリンピックの中止も選択肢になるとの発言もあった。コロナ禍で長引く宿泊客減に苦しみながら、今夏の五輪で大会関係者の宿泊を見込む東京都内のホテル経営者は「大会が感染拡大につながっては元も子もない。果たして開催できるのか」と不安を隠さない。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/99168

-----------------------------------------------------

4)【本日の一行情報】

◎宝島社の場合、雑誌が付録なのである。付録を買うと雑誌がオマケでついて来るということだ。「MonoMax」5月号は「Marmot(マーモット)特大保冷・保温トートバッグ」が980円(税込)で買えるわけである。
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9666.html

◎ぺルソナシート合同会社は、 YouTube配信番組「康芳夫 × 虚霧回路」を企画制作し、第一回を5月中に無料で配信するそうだ
https://www.value-press.com/pressrelease/269273
康芳夫は5月で84歳!

◎「春オンライン」は4月17日付で「《電通マンが“掛け持ち不倫”で同時多発訴訟》女性4人に囁いた『子供ができたら結婚しよう』の悲惨な末路 婚活アプリで次々と…」を発表している。
《取材班の前には、A子さんを含む4名の女性が一堂に会している。彼女たちが口を揃えて怒りを露わにしている人物「X氏」とは、大手広告代理店・電通に勤める48歳のある男性のことだ。4人は全員、かつてX氏と恋人関係にあったが、驚くことに、4人の中の2人は現在、X氏に対する損害賠償を求める民事訴訟の真っ最中であり、もう1人も名古屋で訴訟の準備を始めているという。》
春オンライン」は電通パーソン「X氏」を直撃している。
《――こうして訴訟になっていることについてはいかがですか?
X氏「謝罪の意思も伝えているのですが、それでは納得いかないということだったので、それならば公の場で話をする必要があるんじゃないかなと思っています。これはよくある話で、僕は情報商材売ったわけでも金品を要求したりしたわけでもなく、家庭が不仲だった既婚者がマッチングサイトで複数の方とお付き合いしてそれがばれたので訴えられている、ということ。自分とはうまくいかなかったけれど、女性たちにはその情熱や金銭を別の出会いに使ってほしいと思っています」》
https://bunshun.jp/articles/-/44825
https://bunshun.jp/articles/-/44829
「X氏」が使っていた婚活アプリは「ゼクシィ縁結び」である。それにしても、こいつ最低にもほどがあるな。

小学館も遂に参入。小学館は4月19日、WEBで漫画の持ち込みができるサイト「ミタイ!」をローンチした。1人につき週1本の講評が返ってくるほか、1度の応募で小学館全漫画編集者に届けられるそうだ。クローズドサイトで、投稿作品は第三者には公開されない。賞ではないため、自身が描いた作品であれば、他社受賞作・商業発表作・同人誌・二次創作・成年向け、なんでもOKだという。
https://www.oricon.co.jp/news/2190911/full/
クローズドであることが吉と出るか、凶と出るか。

◎千葉暁の「聖刻1092神樹 壱」が朝日新聞出版から刊行されたのが、2010年4月、それから10年経って「聖刻1092神樹 弐」が昨年6月に同じく朝日新聞出版から刊行されたが、「聖刻1092 神樹 参」は朝日新聞出版ではなく、伸童舎からの刊行を目指すことになったそうだ。これにともない伸童舎は、「聖刻1092 神樹 参」続刊制作プロジェクトを、CCCグループのワンモアが運営すクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で開始した。目標金額は50万円。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000077670.html

◎第52回「大宅壮一ノンフィクション賞」の最終候補作品が次のように発表された。
石井妙子「女帝 小池百合子藝春秋
片山夏子「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」朝日新聞出版
佐々涼子「エンド・オブ・ライフ」集英社インターナショナル
春名幹男「ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス」KADOKAWA
山本草介「一八〇秒の熱量」双葉社
https://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/ohya/index.html
「一八〇秒の熱量」のみ未読だったのだが、これ、読みだしたら止まらなくなる。面白い。双葉社芸出版部に属する森広太が担当編集者だが、産経新聞の2020年8月29日付「編集者のおすすめ」で、こう語っている。
《著者から原稿を受け取ったとき、「今時、ボクシングのノンフィクションなんて」と期待はしていませんでした。ところが原稿を読むと、ページをめくる手が止まらない。全然興味のない分野なのに、私は熱狂していました。》
《凡庸なB級ボクサーの米澤重隆が年齢制限による引退を避けるために日本チャンピオンを目指す。しかも、たった9カ月以内に。あらすじはそれだけです。36歳の無謀な挑戦。どう考えても不可能なのに、なぜかみんな米澤のクレージーな闘いに引きこまれてしまう。ジムの会長も、コーチも、恋人も、その奮闘を取材する著者も、気がつけばみんな熱狂しています。》
https://www.sankei.com/life/news/200829/lif2008290009-n1.html
こんな箇所がある。
《「人生は一回きり。好きなことをしなければダメだよ」
これがみな子さんの口癖だ。みな子さんは訥々ともう戻ってこない故郷の話をしながら、その日も変わらぬ笑顔だった。僕は話の重さに衝撃を受けながらも、決して負けない不屈の魂はみな子さんの中にこそあるのかもしれないと思った。》
みな子は凡庸なB級ボクサーの米澤重隆の恋人なのだが、みな子は福島県双葉郡楢葉町で生まれ育ったものの原発事故で故郷に住めなくなってしまったのだ。
https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-31549-3.html
本の雑誌」の杉江由次は絶賛している。
《『一八〇秒の熱量』山本草介双葉社)はもう読み出したらやめられません!すっかり自分もリングに上がっているかのような興奮に包まれ最後は真っ白な灰に。ボクシングのノンフィクションといえば沢木耕太郎の『一瞬の夏』という金字塔的作品があるけれど、勝るとも劣らぬ作品ですね。いやーすげえや。》
https://twitter.com/pride_of_urawa9/status/1305838299286650882
山本草介は映画「もんしぇん」の監督である。
http://www.cine.co.jp/monshen/official/04kantoku/index.html#alpha
山本は映画の世界では佐藤真、東陽一ペドロ・コスタの演出助手をつとめている。
http://www.cine.co.jp/list/yamamoto.html
私は「一八〇秒の熱量」が大宅壮一ノンフィクション賞にノミネートされるまで知らなかった自分の不勉強をただ恥じるのみである。今回のノミネート作品を総て読んだ私の本命は「一八〇秒の熱量」である。まさか「一瞬の夏」を超える作品に出会えるとは私は夢にも思っていなかった。とんでもない作家が現れたものである。

-----------------------------------------------------

5)【深夜の誌人語録】

先輩に学び、同僚に学び、後輩に学ぶ。そう誰からも学ぶのだ。

-----------------------------------------------------

6)【お知らせ】 

」2000号まで、あと30号。

【文徒】2021年(令和3)4月20日(第9巻73号・通巻1970号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】「あらかじめ失われた恋人たちよ」の清水邦夫が死去した
2)【記事】今日の東京オリンピック お墨付きにはならなかった日米会談
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
5)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.20 Shuppanjin

1)【記事】「あらかじめ失われた恋人たちよ」の清水邦夫が死去した

朝日新聞デジタルは4月17日付で「清水邦夫さん死去 劇作家 『タンゴ・冬の終わりに』」を掲載している。
新潟県出身。早稲田大卒業後、岩波映画を経て専業作家に。蜷川さんらが68年に旗揚げした現代人劇場、後に櫻社に戯曲を提供し、蜷川さんの初演出作「真情あふるる軽薄さ」(69年)、岸田国士戯曲賞を受けた「ぼくらが非情の大河をくだる時」(72年)などで反抗的な若者を描いて人気を呼んだ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4J7F3NP48ULZU00D.html
岩波映画社出身であることが書かれていない。毎日新聞が4月17日付で「訃報 清水邦夫さん 84歳=劇作家」を掲載している。
新潟県出身。早稲田大学部演劇科在学中の1958年、戯曲「署名人」でデビュー。岩波映画社を経てフリーに。劇団「青俳」で劇作家として活動していた68年、演出家の蜷川幸雄さんや俳優の蟹江敬三さん、石橋蓮司さんらと劇団「現代人劇場」を設立した。69年、アートシアター新宿化で、蜷川さんの演出家デビュー作となった「真情あふるる軽薄さ」が安保闘争真っ盛りの新宿の町と共鳴するなど、60~70年代のアングラ演劇界をリードした。》
https://mainichi.jp/articles/20210417/ddn/041/060/014000c
岩波映画社出身であることは書かれているが、同じく岩波映画社出身の田原総一朗と組んで映画「あらかじめ失われた恋人たちよ」を共同監督したことも、やはり岩波映画社出身の黒木和雄の「竜馬暗殺」の脚本を書いたことも、新聞の訃報記事は触れていない。特に「あらかじめ失われた恋人たちよ」は時代の気分を切り取った傑作である。この映画で桃井かおりがデビューする。桃井が主演したTVドラマ「ちょっとマイウェイ」の脚本も書いている。また、小説でいえば、「BARBER・ニューはま」「月潟鎌を買いにいく旅」「風鳥」の三作が芥川賞候補になっている。
青山真治は「竜馬暗殺」の名前を出してツイートしている。
《『龍馬暗殺』の脚本家でもあった劇作家清水邦夫さんが昨日亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。》
https://twitter.com/cooff/status/1383039511148384261
小説家の丸山正樹は「あらかじめ失われた恋人たちよ」に触れている。
清水邦夫さん、「詩情あふるる」とはまさにその通りで、ランボーなど実際の詩からの援用も多かった。タイトルだけ見ていてもため息が出る美しさ。『真情あふるる軽薄さ』『ぼくらが非情の大河をくだる時』『泣かないのか?泣かないのか一九七三年のために?』『夜よおれを叫びと逆毛で充す青春の夜よ』》
《『火のようにさみしい姉がいて』『わが魂は輝く水なり』『あの、愛の一群たち』『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』 映画ではもちろん『あらかじめ失われた恋人たちよ』 演劇科の大先輩だったと亡くなってから知りました。合掌。》
https://twitter.com/mamaruyama/status/1383217872155987970
https://twitter.com/mamaruyama/status/1383218379297746944
演劇ジャーナリストの伊達なつめが連ツイを発表している。
《①清水邦夫という劇作家が「若者の苦悩やいら立ちを描いて人気を集めた」で済まされるのはあんまりなので、それら初期の戯曲を「清水のいちばんいい部分を封印させた」結果と自分の罪のように語ってた蜷川幸雄さんの言葉を引っ張り出しておきたい(2008年『わが魂は輝く水なり』公演パンフ取材より)。》
《②「清水と現代人劇場(1967―71)や櫻社(72―73)でやっていた仕事というのは、その時にしか通用しないような、いわば「時代に消費される演劇」を目ざしたもので、演劇史に残る作品を創る気などなかったんですね。当時はそれが戯曲として形を留め、再演されることなどないだろうと、》
《③みんなで言いながら創っていた。だから清水の体も『わが魂―』をはじめとするその後の作品とは違って、もうちょっと荒々しく、言葉自体も磨かれていないんです。ただ、その時代の空気は十分に吸っている言葉だった。その後同じ集団の中で作品創りを続けていくうちに、俳優が戯曲の言葉を予測したり》
《④戯曲の言葉も俳優の肉体を予測し出して、新鮮な刺激がなくなってきた。で、壊滅的な衰弱を痛感した『泣かないのか? 泣かないのか1973年のために?』という作品を上演した時に、「清水はもっとレトリックに満ち溢れている戯曲を書かなければだめかもな」という話をして、別れてしまった。》
《⑤(それから8年後に清水が書いた『わが魂―』について)
この戯曲は本来の清水の資質に戻っていた。同時に、俺たちが一緒にやった作品が、いかに戯曲としてはいびつなものであったか、改めて思い知らされもしたんですね。当時はそれでいいと言いながらやっていたわけだけど、》
《⑥こんなに緻密な構成と、溢れんばかりの詩的言語で戯曲を書ける清水にとっては、作家としてけっこうきつかっただろうなと。俺たちは、清水本来の劇作家の資質に対して、無理なことを言っていたかもしれない。これは悪いことをしたなと思えてきた。》
《⑦(その本来の資質とは)まず言葉が美しい。そして、せりふの息が長いですね。レトリックがすごく豊かで、俺たちとやっていた頃には二行ぐらいで終わっていたせりふを、本来の彼は七、八行で語らせていく。だから空間が、言葉の魅力に溢れているんだよね。》
《⑧それから作品の内容が、もうちょっとメタフィジカル。この作品も、義仲の軍というのは、政治的に解釈すれば、あの時代のラジカリズムに走った青年の集団。その中で義仲が狂うと、今度は他の者たちが義仲になっていく。その様子を遠巻きに見ていた年老いた世代の実盛は、敵対する党派にはいるけれども》
《⑨彼らの熱い想いは理解していて、自分も最後は白髪を染めて若返り、彼らとの戦いに向かおうとする。そうやって二つの世代を鮮やかに描いていくんですが、この中で義仲はほんとうに狂ってしまったのか、それとも誰かが抹殺したのか。五郎は誤って死んだのか、あるいはリンチで殺されたのか。》
《⑩そうした実体の核となる部分は謎のまま、解釈次第でどっち側にでも行けるようになっている。そういうところが、実に高度な構成力で出来ているわけです。それから、変革に対してひた走る若者を、違う世代の老人が熱い関心を抱いて見ているという構造は、俺たちが一緒にやっていた時代には、》
《⑪同じ世代の人間しかいなくてできなかったから、ちょっと嫉妬もする。ただ、清水がこの作品を劇団民芸に書いたということに対しては、ものすごい違和感があったんです。もちろん、清水は俳優座に書いたりもしてるけど、よりによって(アンチ新劇が旗印の)櫻社をやった後に、新劇のど真ん中の》
《⑫民芸に書いてしまうのか。連合赤軍みたいなラジカルな革命集団の話を、権威側の宇野重吉にやらせるのか。「それはないだろう、清水!」というのが、正直あったんだよ。だから初演は観に行っていない。でも戯曲は読んでいた。そして、これはまるで俺たちのことを書いてるみたいだと思ってしまった。」》
《⑬蜷川さんのインタビュー抜粋以上。いまごろ盟友と再会を果たせてるだろうか。『楽屋』『火のようにさみしい姉がいて』などの代表作をともに世に出した「木冬社」の仲間で妻の俳優・松本典子さんもお待ちかねのはず。詩的かつ知的で、冷たい炎のような陰影に富む世界が大好きでした。やすらかに。》
https://twitter.com/NatsumeDate/status/1383078719208583170

https://twitter.com/NatsumeDate/status/1383078735704846338
俳優の加藤亮佑が伊達を引用ツイートしている。
《舞台を鑑賞して気がついたら涙が出ていた経験をしたのも、戯曲を読んで心から興味を抱いたのも清水邦夫戯曲が初めてでした。そして蜷川に師事して出演した最初の舞台が清水作『わが魂は輝く水なり』でした。劇場で蜷川と握手をしていたその御姿忘れません。語り継ぎます。御冥福をお祈りします。合掌》
https://twitter.com/kato1979jp/status/1383306190982041607
泉鏡花学賞を受賞した「わが魂は輝く水なり」は源平合戦の時代、源氏と平家の間で勇猛果敢に生きた武将斎藤実盛の姿を叙情豊かに描いている。

-----------------------------------------------------

2)【記事】今日の東京オリンピック お墨付きにはならなかった日米会談

毎日新聞は4月18日付で「菅首相の初訪米で弱点露呈 思惑通りにいかなかった記者会見」を掲載している。日本で出来レースの記者会見に慣れているため、そりゃあ臨機応変には対応できまい。ワシントンにいた「菅番」の秋山信一は、こう書いている。
《五輪関連の質問が含まれていたため、「首相が五輪の質問を無視した」ということにはならなかった。しかし、自民党二階俊博幹事長が大会「中止」の選択肢に言及し、国際社会でも改めて開催の行方が注目されていたタイミングで、逆に「新型コロナウイルス対策をどう進めて、どう五輪を開催するのか」をアピールする機会を生かせたかといえば、そうではなかった。
せめてロイターの質問に臨機応変に答えていれば、五輪開催に関する印象も違っていただろうし、首相の存在感を国際的にも示せたように思う。》
https://mainichi.jp/articles/20210418/k00/00m/010/059000c
元首相の鳩山友紀夫がツイートしている。今は由紀夫ではなく友紀夫なんだね。
菅首相としては、東京五輪の開催を支持してもらいたかったでしょうが、バイデン氏は「安全・安心な開催への首相の努力を支持する」と述べただけで、開催の支援はありませんでした。それどころか、記者から「開催は無責任では」と質問され、答えられなかったそうですね。それが世界の声ですよ、菅首相。》
https://twitter.com/hatoyamayukio/status/1383656997438980101
時事通信が4月16日付で世論調査の結果を配信していた。
時事通信の4月の世論調査で、東京五輪パラリンピックについて尋ねたところ、「中止する」との回答が39.7%で最も多く、「開催する」28.9%、「再延期する」25.7%が続いた。単純比較はできないが、過去の同種の設問で最多だった「再延期」と答えた割合を今回、「中止」が上回った。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041600807&g=pol
それでも開催へまたしても一歩踏み出した。「NHK NEWS WEB」は「都が商店街で東京五輪・パラ向け装飾開始 『重点措置』のなか」を公開している。
東京オリンピックパラリンピックに向けた機運を盛り上げるためとして、都は、商店街に新たな装飾を施す作業を17日から始めました。
感染の拡大傾向が続き、不要不急の外出自粛が強く呼びかけられるなかでの機運醸成の取り組みですが、都は「もともとこの時期に計画していた。間近に迫った大会を身近に感じてほしい」としています。》
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210417/1000063147.html
しんぶん赤旗」は4月17日付で主張「今夏の東京五輪『スパッとやめる』決断は今だ」を掲載している。
五輪組織委員会は、検査の強化をいいますが、期間中に必要と見込む1万人の医療従事者の確保のめどはたっていません。このまま開催に突き進めば、東京五輪が感染爆発の契機になりかねません。
菅政権が感染封じ込めに向けて抜本対策をとらない一方、聖火リレーの続行など既定方針通りの開催に固執していることに、国内外で批判は高まっています。
イギリス医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルは14日付論で「科学的道徳的要請を無視して、国内の政治的経済的目的東京五輪を開催することは世界の健康と人間の安全保障に対する日本の公約と矛盾する」と指摘しました。
米紙ニューヨーク・タイムズをはじめ英、仏、独の有力紙も相次いで開催の「再考」を求める記事を掲載しています。日本の世論も72%が中止・再延期を求めています(共同通信調査、「東京」13日付)。国内外から湧き上がる声に背を向けてはなりません。》
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-04-17/2021041702_01_1.html
五輪中止を叫んでいるのは階級政党だけのようである。そうか赤旗産経新聞も【主張】なのか! 産経新聞は4月19日付で主張「五輪選手の接種 安全開催に国民は理解を」を掲載している。
《政府が日本代表選手を対象に、ワクチンの優先接種を認める方向で調整しているのは、妥当な判断といえる。
選手には早めに接種を受けてもらい、感染リスクを下げた上で大会を迎えるのが望ましい。》
《死亡リスクの高い高齢者より、選手を優先させることには、批判もあるだろう。だが、コロナ禍収束後の社会を見据えれば、東京五輪開催の意味は大きい。大会の運営ノウハウは、スポーツイベントにかぎらず今後の社会、経済活動の新たな指標になるはずだ。》
https://www.sankei.com/column/news/210419/clm2104190002-n1.html
【主張】の内容は正反対である。
藝春秋の運営する「NumberWeb」は4月18日付で「IOC重鎮に本音を聞いた『五輪は開催する』けど『感染拡大なら日本に責任』… 埋まらない世論との溝、海外メディアも悲観的なまま」(長谷部良太)を発表している。
《取材に応じたのは、東京大会の準備状況を監督する調整委員会のジョン・コーツ委員長と、クリストフ・デュビ五輪統括部長だった。
質疑応答の中で、筆者はコーツ氏に尋ねた。
「五輪期間中や大会後に日本で感染が拡大したら、誰が責任を取るのか」》
《コーツ氏の答えは明確だった。以下に全を記す。
「大会前後や大会中のCovid(新型コロナ)への対処は日本政府の責任であり、程度は下がるが東京都の責任になる。IOCとしては、感染拡大や日本国民と(選手ら)接触を最小限に抑えるため、政府や東京都、大会組織委員会との合意の上で可能な限りのことをやっている。その部分には責任がある」》
https://number.bunshun.jp/articles/-/847802
「NEWSポストセブン」は4月17日付で「報じられない聖火リレーの真実 大音量のスポンサー車両がズラリ」を発表している。「週刊ポスト」4月30日号が掲載した記事である。
《3月25日にスタートした東京五輪聖火リレー。連日聖火ランナーの姿がテレビで報じられているが、それは全体の一面のみを切り取ったものに過ぎない。実際に沿道に行ってみると、目に入ってくるのはコカ・コーラトヨタ自動車日本生命NTTグループなど、スポンサー企業名が大書された改造車両の大行列だ。》
《写真は、和歌山県紀の川コースだ。鳥のさえずりが聞こえるのどかな山間部を、大音量のスポンサー車が大勢のスタッフを引き連れ行進する。次走を務める聖火ランナーは手持ち無沙汰に車列を見送っていた。
しかしこの構図は新聞・テレビでは報じられることはなく、取り上げるのは決まって著名人ランナーの笑顔ばかり。キー局と関係の強い大新聞もまた、東京五輪のスポンサーに名を連ねているからだろう。》
https://www.news-postseven.com/archives/20210417_1652183.html?DETAIL
AP通信は開催しても「名ばかりの五輪」になると書いている。
https://apnews.com/article/world-war-ii-tokyo-coronavirus-pandemic-2020-tokyo-olympics-japan-bec3d048e9b962e5a577eca120cc664b

-----------------------------------------------------

3)【本日の一行情報】本日の一行情報

◎ディスカヴァーが書籍編集者を募集している。ディスカヴァーは全国5000書店との直取引を行っており、営業部の人数は編集部の約1.6倍。注は平均3営業日で書店に届けているそうだ。
https://d21.co.jp/recruit/editor/?twclid=11383725489009741827
https://note.com/discover21/n/nd205ffc44007

◎「クイックスタジオ世田谷」がオープン。ワイヤー撮影もできるそうだ。
https://twitter.com/tets555/status/1383660969507753987
https://www.imai-sj.com/

山崎ナオコーラのツイート。
《私はエッセイと小説の間に線引きはいらないと思っている。
エッセイも小説だし。》
https://twitter.com/naocolayamazaki/status/1383627514090717189
「肉体のジェンダーを笑うな」(集英社)もそうなのだろう。
4月17日付日本経済新聞の書評面で山崎はシャネル・ミラー「私の名前を知って」(河出書房新社)を書評している。
《性暴力の事件は毎日のように報道される。それを読むとき、公正な視線を送れているだろうか? 私は自分を過大評価していた、と本書を読んで気がついた。自分は、まず加害者にならないだろうし、被害者を中傷するネット書き込みをしないし、被害者の気持ちを想像できる性質だ、と驕っていた。》
《ミラーは世間にのまれなかった。世間がおかしいと気がつけた。被害者は責められるべきではない、自分だけでなく他のサヴァイヴァーたちにも自分を責めて欲しくない、と名前を公表した。
訳も素晴らしい。フラットな言葉が並ぶ。サヴァイヴァーに寄り添える時代が来るのでは、と希望が湧く。》
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO71072720W1A410C2MY5000/?unlock=1

◎「デイリー新潮」は4月18日付で「TBS『サンデーモーニング』を悩ます高齢化問題、打ち切りやリニューアルが現実味」を発表している。
《高齢化より若い視聴者が遠ざかった理由はコメンテーターの固定化ではないか。意見の多様化が強く求められている時代であるにもかかわらず、コメンテーターが固定化されている上、誰かの発言に反論する人が皆無に近いから、意見が画一化していると言わざるを得ない。
コメンテーターは計十数人で、その人たちが毎週入れ替わるだけ。新しく加わる人はほぼいない。世の中には賢人とされる人が少なくないはずだが、なぜかTBS報道局は十数人にずっと拘り続けている。
また、この日のコメンテーターの涌井氏は、関口氏が会長を務める芸能プロダクション・三桂の所属である。やはり準レギュラーと呼べる姜尚中熊本県立劇場館長もそう。
三桂の所属者を優先的に出演させるような空気があるのか。そうであるなら、忖度と言わざるを得ず、これも番組内の意見の多様化を阻害しているのではないか。》
《では、なぜ「サンモニ」の視聴者は高齢化したのか。出演陣の高齢化は誰にでも思い付くが、固定化も理由に違いない。》
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/04180600/?all=1&page=1

◎重版・完売となったS Cawaii! 特別編集 「イケメンだけ。」(2月8日発売)に続き、第2弾『S Cawaii! 特別編集 「イケメンだらけ。」が4月22日に発売される。発行は主婦の友インフォス。発売が主婦の友社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000725.000007785.html

◎「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中の「よふかしのうた」のコミックス最新7巻の発売を記念し、漫画アプリ「サンデーうぇぶり」で、4月16日~4月23日の間、毎日22:00~4:00までの”夜間限定”で6巻分を全話無料で読めるキャンペーンを実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001117.000013640.html

◎デイリースポーツは4月17日付で「華原朋美、襲われた 手をつかんだ光社スタッフ暴行の現行犯逮捕」を掲載している。
《歌手の華原朋美(46)の腕をつかんだり、肩を押したりしたとして、警視庁大崎署は16日、暴行の疑いで東京都江東区の自称会社員の男(32)を現行犯逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。光社によると、同社スタッフで、華原への取材中にトラブルになったという。捜査関係者によると男は雑誌記者とみられ「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。》
https://www.daily.co.jp/gossip/2021/04/17/0014248012.shtml
華原朋美がツイートしている。
《関係者の皆様 応援してくれるファンの皆様 この度の報道でご心配をおかけしまして申し訳ありません。実は3週間前から今回逮捕された犯人が私と息子をストーカーしてる事に恐怖を感じてました。息子に何かあったら取り返しのつかない事になるので勇気を持って私から犯人を捕まえ110番しました。》
https://twitter.com/kahalatomomi_tk/status/1383646482104872960
《犯人から暴行を受け左腕のしびれが止まりません。全身を使って犯人を捕まえたので相当の体力を使ったと思います。熱も出てしまい病院に行きました。全ては息子を守る為に行動した次第です。今後警察に捕まった犯人に対してどの様な行動を起こすかは弁護士と話し合う予定です申し訳ございませんでした。》
https://twitter.com/kahalatomomi_tk/status/1383648216734846977
4月16日付で共同通信が「華原朋美さんへ暴行疑い、男逮捕 取材中トラブル」として配信している。
《華原さんがタクシーに乗車中、男が乗った別のタクシーが30分以上付いてくることに気付き、品川区内で停車した。近くに止まった男のタクシーに乗り込み問い詰めると暴行を受けたという。駆け付けた警察官が男を現行犯逮捕した。》
https://this.kiji.is/755738445842137088
テレビも取り上げている。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000213262.html

-----------------------------------------------------

4)【深夜の誌人語録】

我慢しなければストレスはたまらない。

-----------------------------------------------------

5)【お知らせ】 

」2000号まで、あと30号。

【文徒】2021年(令和3)4月19日(第9巻72号・通巻1969号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】老舗「日本カメラ」が休刊を決定!
2)【記事】今日の東京オリンピック 海外メディアは東京五輪開催に批判的だ
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
5)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.19 Shuppanjin

1)【記事】老舗「日本カメラ」が休刊を決定!

「日本カメラ」が5月号をもって休刊することになった。
https://www.nippon-camera.com/news.php?i=40
朝日新聞デジタルが4月16日付で掲載した「『日本カメラ』が21年5月号で休刊に 会社も解散へ」によれば「日本カメラ」は1948年10月に隔週刊「アマチュア写真叢書」として創刊され、50年3月に「日本カメラ」に改題し、51年7月から月刊となった。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4J5CVCP4JUCVL00M.html
毎日新聞は4月15日付で「『日本カメラ』が休刊 73年の歴史に幕 3大カメラ雑誌、姿消す」を掲載している。
《カメラ雑誌では、54年創刊の「カメラ毎日」(毎日新聞社)が85年に休刊。26年創刊の「アサヒカメラ」(朝日新聞社。後に朝日新聞出版)も2020年7月号で休刊となり、「3大カメラ雑誌」では日本カメラが最後のとりでだった。》
https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/040/197000c
通巻1000号まで、あと6冊。通巻964号での休刊である。「アサヒカメラ」の編集長であった佐々木広人が連ツイを発表している。
《「日本カメラ」休刊への反応ツイートで、「おまえもか」や「昨年から続いて」などと書かれているのを見るたびに胸が苦しくなる。この1年、見ていてわかったのは、生き残った雑誌が残存者利益をほとんど得ていないこと。この現実は実に重い。》
《アサカメ休刊後にカメラ誌各誌の編集長・前編集長による座談会。表紙をクリックしてP.44に飛ぶと、各氏の苦労がわかります。俺も出てます。
https://t.co/Kgl4fSDY0O?amp=1
《ただし、ニュースサイトの編集長を兼務した経験でいえば、WEBに過剰な期待をしてはいけないと思う。ユーザーやエンゲージメントなどの分析が必須。闇夜に機関銃を撃っても獲物があるかわからないのと同じ。その情報を誰に伝えたいのか。砂浜に放り込まれた指輪を誰がすぐに探せようか。》
《そんなわけで、アサカメ休刊後、何か写真の世界に貢献できないかとずっと懊悩しています。大学で授業をやっていますが、もっとパブリックなものを。答えは見つかっていませんが。》
《趣味の世界は、たとえば音楽などでも「プレイヤー<オーディエンス」が多数派のはずですが、写真はたぶん逆だと思う。極めて参加型の趣味。だからこそ、一つのパッケージメディアでまとめるのが難しいんです。》
《アサヒカメラや日本カメラのような百貨店的な雑誌は、プレイヤーとオーディエンスの双方を満足させないと安定的な運営ができない。これを一冊にまとめるのは非常に困難。この時代、有料なら相当高い質が求められる。となると、広告などの収入は欠かせない。だが、それはますます困難だ。》
《ならばプレイヤーとオーディエンスの一方を選択するのか。残念ながらそれは現実的ではない。高いレベルを求める人ほどプレイヤーとオーディエンスを兼ねる傾向があるから。加えて写真表現は多様化する一方だ。もはやワンパッケージに収用できるレベルを超えている。》
《長々と書き連ねたが、こうした悩みはアサカメの編集長に就いた2014年頃から抱えていたこと。肖像権や著作権の記事がヒットしたが、たまたまテーマが写真に関わるすべての人に関係しただけのこと。根本的な解決方法はいまだに出せないまま。だから根は深い。もっとも俺に知恵がないだけかもしれないが。》
https://twitter.com/_Hiroto_Sasaki/status/1382638998397460482

https://twitter.com/_Hiroto_Sasaki/status/1382655025697026049
大槻ケンヂがツイートしている。
《「日本カメラ」休刊が寂しい。カメラ雑誌のフォトコンに一度は載ってみたかった。やっぱりスマホじゃなくて「カメラ」がいいんだよな、と思いながらスマホで「日本カメラ」を撮っているというね。中学時代の愛機はミノルタSRTスーパーでした。》
https://twitter.com/OfficialOken/status/1383253558137548801
「特攻の真意」や「戦士の肖像」の神立尚紀のツイート。
《「日本カメラ」、連載の筆者が先の原稿を仕上げたり月例の応募作品を抱えたままの解散決定だそうで、突然でしたね。雑誌の休刊は常にそうですが。私は1985年「カメラ毎日」の新人写真家の登竜門だった「アルバム」ページに採用の通知が来たのに前月で休刊、プリントも返ってこなかったことがあります。》
https://twitter.com/koudachinaoki/status/1382728622352453636

-----------------------------------------------------

2)【記事】今日の東京オリンピック 海外メディアは東京五輪開催に批判的だ

作家・コラムニストの亀和田武は「週刊朝日」に「マガジンの虎」を連載しているが、4月23日号で次のように書いている。
《終わったな。これが正直な感想だ。国民が喜ぶスポーツの祝典。まだ1割は残っていた可能性も、この露骨な報道規制でほぼ消えた。》
https://dot.asahi.com/wa/2021041400034.html?page=1
高橋浩祐は「YAHOO!ニュース」に4月15日付で「『東京五輪開催は再考されるべき』英医学誌が論考掲載」を掲載している。英医学誌とは世界5大医学雑誌のひとつである「ブリティッシュメディカル・ジャーナル」(BMJ)のことである。
《論考はまず世界がいまだパンデミック禍の真っただ中にあり、変異株が国際的な懸念になっていると指摘。そして、地球規模で感染が再拡大していると警鐘を鳴らした。
東京オリパラの開催国である日本については、「他のアジア太平洋地域の国々と違って、日本はいまだ新型コロナウイルスを封じ込めていない」と指摘。「日本の限定的な検査能力とワクチン接種の遅れは、政治指導力の欠如が原因となってきた。医療従事者や高いリスクを有する集団でさえ、東京五輪開催前までにワクチンが接種されないだろう」と述べた。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20210415-00232759/
共同通信は4月15日付で「英医学誌、五輪・パラ再考を『まだ安心安全ではない』」も「BMJ」の論考を紹介している。
《掲載された内容によると、開催を確信する日本政府と国際オリンピック委員会(IOC)の姿勢に「利益とリスクについて透明性が欠けている。大勢が集まる国際的なイベントはまだ安心安全ではない」とした。日本のワクチン接種が遅れており、検査体制も足りないとし「政治的リーダーシップの欠如」と論じた。「世界の健康と人類の安全に日本が貢献することと矛盾している」とも指摘した。》
https://this.kiji.is/755334978038743040?c=39546741839462401
「日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか」(毎日新聞出版)の上昌広がツイートしている。
《英『BMJ』誌が、東京五輪開催の再考を求める論考を掲載しました。世界でもっとも権威ある医学誌の一つです。変異株が拡大し、米英以外が対応出来ていない現状で、世界の空気が変わってきています。世界の情報を収集する必要があります。》
https://twitter.com/KamiMasahiro/status/1382356903297130505
CNN.co.jp」は4月15日付で「東京五輪まで100日切る、1%に満たないワクチン接種率に懸念」を発表している。
《東京(CNN) 東京五輪のボランティアらがこの数週間、大会の運営側に対し、自分たちは新型コロナの感染からどのように守られるのかを尋ねた。大会に当たっては各国から選手が日本に押し寄せるが、国内でのワクチン接種率は低い。
運営側の回答はシンプルなものだった。ボランティア1人につき、手指消毒液入りの小さなボトル1本とマスク2枚を配布するという
「彼らはワクチンについて話さない。私たちに検査を受けさせることさえ口にしない」と、ボランティアの1人でドイツ日本研究所の副所長を務めるバーバラ・ホルトス氏は語る。》
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35169355.html
奥津圭介が呟く。
《東京729人……。去年、五輪中止を決めたときの何倍だよコレ。。》
https://twitter.com/knockout_77/status/1382587005243035650
東京729人とは4月15日の東京の新型コロナ感染者数だ(なお延期を決定した2020年3月24日の東京都感染者数は171名)。都知事の小池は「通勤を含め、エッセンシャルワーカー以外の方は可能な限り東京へ来ないでいただきたい」と訴えた。
清水潔が呟く。
《それは大変だ!すぐにオリンピック関係者に伝えないと!》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1382660929070923777
毎日新聞は4月15日付で「タブーだった中止の2字 二階氏発言に世界は…迫る決断の時」を掲載している。
《海外メディアの反応は早かった。ロイター通信は「五輪中止は選択肢だと日本の与党幹部が発言」などとして「日本は感染の第4波のさなかで、東京五輪が開催できるかという疑問がここ数週間で再び浮上している」と伝えた。英紙ガーディアン(電子版)も「東京五輪の中止は『選択肢の一つ』と日本のトップ政治家が発言」と題して報じた。フランスのAFP通信、米ブルームバーグ通信も二階氏の発言を紹介したほか、米ワシントン・ポスト紙(電子版)も東京発の記事を掲載した。》
《大会関係者は「中止となったら政権が持たない。投じた費用が無駄になるぐらいなら突き進むしかない」と話した。》
https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/010/412000c
日本のマスメディアも二階発言に対する反応は早かった。無観客であっても開催に不安を覚えているからなのかもしれない。上智大学国際教養学部教授の中野晃一は次のようにツイートしている。
《二階がキングでなくキングメーカーたる強みは、いつでもハシゴ外しができること。菅が五輪中止を言いやすくなったとも言えるし、中止とともに菅が辞める流れを準備したとも言える。二階に五輪と心中する理由はない。権力だけで信念はないから。いずれにしても五輪は無理と爺さんさえ気づいたのは事実。》
https://twitter.com/knakano1970/status/1382892243619434499
これは上丸洋一の呟き。
東京五輪。大会関係者は「中止となったら政権が持たない。投じた費用が無駄になるぐらいなら突き進むしかない」と話した。毎日新聞。
引き返せない日本。一億玉砕、撃ちてし止まん。》
https://twitter.com/jomaruyan/status/1382861878200737793
朝日新聞デジタルは4月15日付で「IOC以外が五輪中止判断なら…日本に賠償請求の可能性」(忠鉢信一)を掲載している。
《開催都市契約に詳しい弁護士の松本泰介・早大准教授は、「開催都市契約書には開催義務を免除する条項も、不可抗力条項もない。IOCが契約を破棄しない限り、日本側には開催義務がある」と指摘する。》
《そのうえで、「IOC以外が中止を決めた場合、IOCが日本側に損害賠償を請求する可能性がある。裁判になった場合、損害額の全額が日本側の責任と認められるとはらないが、まったく責任がないということにはならないのではないか」と話す。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4H65TFP4HUTQP011.html
朝日新聞からすれば東京五輪は開催するしかないのだろう。その点信濃毎日新聞は4月16日付で掲載している社説「東京五輪パラ 本当に開催できるのか」は違う。
《五輪は開けるのか―。国民の疑心は、7割超が再延期や中止を求める世論調査に表れている。海外でも不安視する声は強い。》
《開催か、中止か、再延期か。決定権はIOCにあっても、状況判断は事実上、日本政府に委ねられる。国民の暮らしを制約する政権がこの上、経済や求心力を優先すれば信頼は失墜する。判断をためらってはならない。》
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021041600119
「ヒヤマケンタロウの妊娠」(講談社)のマンガ家である坂井恵理がツイートしている。
《「五輪中止になったらアスリートがかわいそう」というの、なぜ彼らの努力だけそんなに特別視できるのかがわからない。ライブ等が中止になったミュージシャンや演劇人の努力は?努力したけど五輪代表になれなかったアスリートは?五輪強行して感染者が増えたら、その人たちの日々の努力は?》
《…「努力」を尊いものとする風潮も嫌いだけれども、あえてここではそこを。》
《あと、もし今回の五輪の開催国が日本でなかったら、日本は選手団を句ひとつなく送り出しただろうか。ワイドショーとかで「ワクチン接種も進んでない国が五輪を開催する資格はあるのか!!」とかやりそうな気がするんですけどね…。》
https://twitter.com/erisakai/status/1382607619655749633
https://twitter.com/erisakai/status/1382607809578037254
https://twitter.com/erisakai/status/1382608684417617920
蓮池透がツイートしていた。
《テレビ局報道関係者の皆さま、新型コロナ感染拡大に懸念とした直後に、五輪まであと100日と報じるのは、おかしいと思わないのですか?》
https://twitter.com/1955Toru/status/1382272618124902400
日刊スポーツは4月16日付で「岩手県知事、コロナ感染者急上昇東京五輪『中止の選択肢が現実的に』」を掲載している。共同通信の配信記事だ。
岩手県達増拓也知事は16日の定例記者会見で、東京五輪・パラリンピックについて「(新型コロナウイルス感染者数が)東京も今の大阪と同じような増え方となり、日本全体で急上昇すれば、中止という選択肢が非常に現実的になる」と述べた。》
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/general/news/202104160000354.html
朝日新聞アピタルは4月16日付で「五輪の前にPCR検査拡充を 札幌で医療従事者が訴え」を掲載している。
《五輪開催の前に、医療従事者にPCR検査を――。北海道医療労働組合連合会(道医労連)が16日、東京五輪のマラソンが開かれる札幌市中央区大通公園付近で「最優先すべきは、五輪よりも安心して医療活動ができる体制を確立することだ」と訴えた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4J5554P4JIIPE004.html
東京新聞は4月17日付で「東京五輪『新型コロナに打ち勝った証し』の表現消えた…バイデン氏からは開催の直接支持なし」(金杉貴雄)を掲載している。
菅義偉首相は日米首脳会談後の共同記者会見で、東京五輪・パラリンピックについて「世界の団結の象徴として開催を実現する決意を会談で伝えた」と明かした。一方のバイデン大統領からは「決意に対する支持」はあったものの開催自体を直接支持する発言は得られなかった。首相の説明からは「人類が新型コロナに打ち勝った証し」とした従来の表現が消え、米側記者から「開催は無責任」と厳しい質問が飛んだ。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/98743
毎日新聞は4月17日付で「五輪開催『決意』 バイデン氏『支持』に残る疑問 日米首脳会談」を掲載しているが、厳しい質問をしたのはロイター通信の記者だったことがわかる。
《会見ではロイター通信の記者から「公衆衛生の面で、日本は五輪の準備ができていない段階で進めるのは無責任ではないか」と問われる場面もあった。しかし、菅氏は直接答えずに日本メディアに次の質問を促し、バイデン氏もその質問に反応しなかった。ロイターは16日、東京発で「パンデミックを封じ込められず、東京五輪は再考しなければならない」と報じている。五輪開幕まで100日を切り、海外メディアの見方は厳しさを増している。》
https://mainichi.jp/articles/20210417/k00/00m/030/301000c
朝日新聞の尾形聡彦がツイートしている。
《日米首脳会見。バイデン大統領があと3ヶ月に迫る東京五輪に触れなかったのは異例だと思います。菅氏の説明によると、バイデン氏は開催実現に向けた菅氏の「決意」を支持しただけ。大統領は2月に「科学に基づいた決断を」と言及しており、バイデン政権には日本のコロナ対策への不満があるように感じます》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1383185069271965696
この記者会見の模様を朝日新聞の南彰は「withnews」の4月18日付「金曜日の永田町」で次のように書いている。
《「私から、今年の夏、世界の団結の象徴として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を実現する決意であることをお伝えしました。バイデン大統領からは、この決意に対する支持を改めて表明をしていただきました。我が国としては、WHOや専門家の意見を取り入れ、感染対策を万全にし、科学的、客観的な観点から、安全安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります」
この菅さんの発言に対し、米メディアの記者が、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいないことを念頭に「公衆衛生の観点から日本は五輪の準備ができていない段階で進めるのは無責任ではないか」と質問しましたが、菅さんはなんとスルーしてしまいます。
「大統領の方からはアメリカの選手団派遣について具体的な約束や前向きな意向が示されたのでしょうか」
日本メディアの記者から重ねて問われた菅さんは、「冒頭申し上げました通り、バイデン大統領からは、改めてご支持をいただきました」と述べましたが、会見後に発表された日米首脳共同声明には次のように書かれていました。
「大統領は、今夏、安全・安心なオリンピック・パラリンピック技大会を開催するための菅総理の努力を支持する」
「支持」の内容は、「今夏の開催」そのものではない表現にとどまっていました。》
https://withnews.jp/article/f0210418002qq000000000000000W0fk10701qq000022895A
結局、オリンピックは政治利用されているということだ。大塚英志がツイートでこう指摘している。
《日米の対中牽制の項目がずらり並ぶ声明の後の会見で「世界の団結の象徴として」開催するということで東京五輪は311でもコロナ克服でもなく、対中牽制の団結という露骨な政治的テーマにいつの間にかすり替わっている。》
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1383331200752787470
KADOKAWAは、東京2020オリンピックの100日前にあたる4月14日に「TOKYO 2020 COLLECTIONS 東京2020公式ライセンス商品オフィシャルブック」を発売した。付録はマスコットピンバッジ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000008414.000007006.html
https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000467/
KADOKAWAは、東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャル出版サービスサポーターである。
4月18日付東京新聞の一面を飾ったのは池江璃花子であった。これは共同通信の配信記事だ。
白血病から復活し、東京五輪代表に決まった競泳女子の池江璃花子(20)=ルネサンス=が17日、在籍する日本大の壮行会に出席し「池江璃花子が世界に戻ってきたと証明できるように頑張りたい」と力強い言葉で本番への決意を表明した。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/98789

-----------------------------------------------------

3)【本日の一行情報】

高田漣のツイート。
《4/16は高田渡の命日です。親族とすると命日や誕生日など記号化された日にちが記憶される事よりも父が生きた時間・時代を何かの折にふと思い出して頂ける事の方が嬉しかったり致します。図らずもその命日に父の残したネガが写真集として発売。多くのファンの皆様を思い、今日も粛々と仕事に励みます。》
https://twitter.com/rentakada/status/1382839218200711169
高田渡といえば「自衛隊へ入ろう」を即座に連想する「音楽の貧困」からは解放されるべきだろう。門間雄介の「細野晴臣と彼らの時代」(藝春秋)によれば、高田の「FISHIN' ON SUNDAY」は細野晴臣中川イサトとロサンゼルスで録音している。

WOWOWは伊兼源太郎の小説「密告はうたう 警視庁監察ファイル」(実業之日本社庫)を松岡昌宏主演で連続ドラマ化し、8月22日より放映を開始する。
https://www.crank-in.net/news/88546/1

白泉社のホームページが第三者からの不正アクセスにより改竄され、悪意あるサイトへ自動的に誘導されてしまったことがわかった。改竄されていたのは4月11日未明~4月12日午後17時半頃まで。利用ユーザーの個人情報流出は、現在のところ確認されていない
https://www.hakusensha.co.jp/information/60339/

◎「TechCrunch Japan」は4月14日付で「フェイスブックが動画を使った恋人探しアプリ『Sparked』をテスト中」を公開している。
Facebookフェイスブック)は、ビデオを使った恋人探しアプリ「Sparked」をテストしていることを、このアプリのウェブサイトがThe Vergeによって発見された後、認めた。Sparkedでは「Tinder(ティンダー)」のような大手のマッチングアプリは異なり、ユーザーは気に入った相手をスワイプして見つけたり、ダイレクトメッセージを送ったりするわけではない。その代わりに、短いビデオデートを繰り返して、相手とのつながりを作っていく。この製品はFacebookの社内研究開発グループであるNew Product Experimentation(新製品実験)チームによって開発されているが、これまで公式に発表されたことはなかった。》
http://saasinsider.jp/detail/20210414/21/0

朝日新聞デジタルは4月15日付で「フジHDの相談メモ、総務省が公表 対応に不透明さ残る」(小泉浩樹、藤田知也)を掲載している。
《15日の参院総務委には、フジ・メディアHDの金光修社長も出席。総務省側との会食状況を問われ、「問題のある会食はしていない」「個別の案件は答えを控える」などと答えた。総務省の原邦彰・官房長は、3月に始めた幹部144人が対象の接待調査について「かなりの数の会食が申告されている」と答弁。違法性の有無の確認を進めているとし、結果次第では同省と業界の「なれ合い」が改めて問われそうだ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4H63VBP4HULFA00F.html
朝日新聞デジタルは4月14日付で「フジ外資違反 放送行政への不信深く」を掲載している。
《納得できないのは、14年10月末ごろに違反に気づいた後のフジHD、総務省双方の対応だ。
放送法は、規制違反があれば総務相は認定放送持ち株会社の認定を取り消さなければいけないと定めている。存続に関わる重大な話なのに、フジHDが報告したのは約1カ月後。その時点で違法状態は解消されていたため、総務省は口頭で厳重注意するにとどめたとされる。
ところが、この時のやり取りを記録した書や決裁記録を、双方とも残していないという。同省は、40年前に内閣法制局に相談した際に示された法解釈を踏まえて、認定取り消しの処分はしなかったと説明するが、その「相談」を裏づける書の存否も明らかでない。さらに、一連の経緯を当時の高市早苗総務相に報告しなかったという。
こんな説明を誰がそのまま信じるだろうか。言い分を支える書は存在せず、政治家は関知せず、「担当者限り」の世界に逃げ込む。森友・加計問題とも重なる異様さだ。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14869850.html
省庁の根っこが腐り始めている。原因は政治にある。

◎扶桑社は、学生に向けたビジネス書推進プロジェクトの一環として、戸板女子短期大学の「企業・地域コラボプロジェクト」に参画し、「#TOITABOOKSALON ~チーズからはじめるビジネス書~」を4月15日(木)より開始している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000697.000026633.html

◎「2021年本屋大賞」で第2位に選ばれた「お探し物は図書室まで」(ポプラ社)の青山美智子が、学校・公共図書館向けオンライン選書イベント&セミナー「図書館マルシェ」(4月27日~5月1日開催)の中でミニトークショーを行うことが決まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000277.000031579.html

◎「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」(プレジデント社)でオードリー・タンは次のように語っている。
無政府主義アナーキズムは、同じではありません。私が考えるアナーキスト」とは、決して政府の存在そのものに反対しているのではないのです。政府が強迫や暴力といった方法を用いて人々を命令に従わせようとする仕組みに反対する。つまり、「権力に縛られない」という立場です。
アナーキストとしての私は、どんな場面であれ、「権力や強制といったものをどのように平和的に転換させればいいのか」「皆がお互いを理解し合った新しいイデオロギーに持っていくにはどうするのがいいのか」といったことに関心を持っています。もちろん、古くさい権威主義や上から目線の命令、高圧的な態度などにはまったく興味がありません。》
https://gentosha-go.com/articles/-/33369
台湾ではこういう政治家が生まれ、日本では安倍晋三のような政治家が長期政権を担った。安倍は原発の新増設や建て替え(リプレース)を推進する自民党議員連盟の顧問に就任した。毎日新聞は4月16日付で「『まるで喜劇』? 安倍晋三前首相、なぜ今『原発議連』顧問か」(古屋敷尚子)を掲載している。
《そこにいるのは、まさか――? 原発の新増設や建て替え(リプレース)を推進する自民党議員連盟の設立総会に取材で足を運ぶと、安倍晋三前首相の姿があった。議連の顧問に就くという。ちょっと待ってほしい。7年8カ月に及ぶ在任期間中、「1強」の名をほしいままにしてきた安倍前政権。退任してから議連の顧問になるくらいなら、どうして在任中にリプレースに取り組まなかったのか。》
https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/020/081000c
適菜収のツイート。
《『女性セブン』が「いちばん嫌いな男」というアンケートをやったら、ぶっちぎりの第1位は安倍晋三だった。「あらゆることへの執着の深さが気持ち悪い」(65才・主婦)。女性の感性は信用できる。》
https://twitter.com/tekina_osamu/status/1382560697058349056

時事通信は「アマゾン、有料会員2億人に 巣ごもり需要つかむ―ベゾスCEO」を配信している。
《インターネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コムは15日、有料サービス「アマゾン・プライム」の会員が世界で2億人に達したと公表した。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041600216&g=int
コロナ禍による巣ごもり需要により、一年ほどで5000万人も増えた。

東野圭吾は売れる。「白鳥とコウモリ」(幻冬舎)は発売前重版し、発売後1週刊で重版。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000590.000007254.html

毎日新聞は4月15日付で「復興庁、電通に3年で10億円 原発事故の風評払拭事業」を掲載している。
東京電力福島第1原発事故からの復興を目的とした風評払拭のため、復興庁は2018~20年度に復興予算から計10億1600万円を投じて、電通に「放射線等に関する情報発信事業」を発注していた。》
https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/040/247000c
公開中止となった「トリチウム」キャラも、この一部だ。

◎「ITmedia NEWS」は4月15日付で「『ぐるなび』アプリに脆弱性、フィッシング詐欺被害の恐れ 『最新版へ更新を』IPAが呼び掛け」を公開している。
スマートフォンアプリ「ぐるなび」(iOSAndroid無料)にアクセス制限の不備があり、フィッシング詐欺などの被害にあう恐れがあるとして、IPA情報処理推進機構JPCERT/CCJPCERTコーディネーションセンター)は4月14日、アプリを最新版にアップデートするよう注意を促した。》
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2104/15/news128.html
ぐるなびの会長・滝久雄は菅首相の盟友である。

集英社は、尾田栄一郎原作、江坂純著「ONE PIECE novel HEROINES」を6月4日に刊行する。「NARUTO―ナルトー烈伝シリーズ」も江坂だし、「名探偵ピカチュウ」(小学館ュニア庫)も江坂だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000223.000011454.html

小学館の「DIME」の6月号の付録はスマホスタンド。価格は990円。安い。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1318780.html
DIME」のアイデア付録路線は「いいね」。

博報堂博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)の3社は、2021 年4 月1 日に発足した、クライアント企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を、マーケティングDX とメディアDX の両輪で統合的に推進する横断の戦略組織「HAKUHODO DX_UNITED」で活躍する“DX 推進人材”のキャリア採用を開始する。
このキャリア採用は複数年で400 名を超える規模(3 社合計)を予定しており、第一弾となる今回は、HAKUHODO DX_UNITEDのメディアDX の一角を担う「博報堂デジタルイニシアティブ」において、3 社合同で採用活動を実施し、最大で100 名規模のデジタルアカウントディレクター/パフォーマンスメディコンサルタントの募集を行う。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/04/20120415.pdf
広告業界は劇的に変わるはずだ。

◎「DP-TRENDS」は4月16日付で「『オフセットと遜色なし』- 三島由紀夫 超大型写真集[Jet Press 750S採用事例]」を公開している。
《日本近代学、戦後政治思想において大きな足跡を残した三島由紀夫氏。その死から50年となった2020年11月25日、三島氏の超大型写真集「OTOKO NO SHI」がCCCアートラボ(株)(本社/東京都渋谷区南平台町16-17、久保田佳也社長)から出版された。これは篠山紀信氏が撮影、横尾忠則氏が装丁・編集したB2版(515×728ミリ)の超大型写真集を蔦屋書店のプライベートブランドとして企画・刊行したものだ。初版50部(篠山紀信・横尾忠則両氏のサイン入り)、価格50万円(税抜)というこの豪華写真集の印刷には、富士フイルムのインクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」が採用された。》
https://dptrends.pjl.co.jp/topics/2021/04/1241.html

◎宝島社の月刊誌「田舎暮らしの本」が公式WEBサイト「田舎暮らしの本Web」を4月16日(金)に開設した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001159.000005069.html
付録のない雑誌はデジタルシフトせずにはビジネスとして展開できない時代に突入しようとしているのかもしれない。

◎「台湾とは何か」の野嶋剛は安田峰俊の「『低度』外国人材 移民焼畑国家、日本」(KADOKAWA)について次のように書いている。
《問題提起の矛先はメディアや論壇における外国人労働者問題の論じ方にも向けられる。著者は現状の議論に「食傷気味」だとする。議論のほとんどが、「かわいそう」と「叩きだせ」の間のマンネリズムに陥っていると映るからだ。》
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900277/#

講談社は4月15日、新たな企業理念とロゴを発表した。企業理念は「Inspire Impossible Stories」。ロゴをデザインしたのは米グレーテル社。正方形に講談社の頭字Kをあしらったロゴのデザインは、「さまざまな交差点」を意味しているそうだ。
https://brandstory.kodansha.co.jp/
大手の場合、マンガ以外は殆んど利益が出ていないはずだ。ここで公開されている動画を見れば一目瞭然である。

◎徳間庫大賞は下村敦史の「黙過」に決まった。
https://twitter.com/atushishimomura/status/1382971696240488452
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000337.000016935.html
医療関係の謎に迫る5編の短編集と思わせておいて、最初の4篇を伏線にして最後の一篇に収斂させていくストーリーテリングが巧みである。下村敦史は実業之日本社から刊行された「ヴィクトリアン・ホテル」も話題だし、小学館庫「超短編! 大どんでん返し」も4刷と好調だ。
https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53776-4
https://twitter.com/atushishimomura/status/1381821826993557504

秋田書店の「Eleganceイブ」に連載されている「酒と恋には酔って然るべき」(はるこ)のコミックス第6巻が発売された。日本酒大好きOLが主人公!日本酒情報が満載なのが男性読者を魅了している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000040601.html

-----------------------------------------------------

4)【深夜の誌人語録】

ルールを変更すれば1+1=3となる。

-----------------------------------------------------

5)【お知らせ】 

」2000号まで、あと31号。