【文徒】2021年(令和3)4月16日(第9巻71号・通巻1968号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】本屋大賞は町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)に決定!
2)【記事】今日の東京オリンピック 「無観客」「延期」への道のり
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
5)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.15 Shuppanjin

1)【記事】本屋大賞は町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)に決定!

2021年本屋大賞は、町田そのこの「52ヘルツのクジラたち」中央公論新社)に決まった。
https://www.hontai.or.jp/
毎日新聞は4月14日付で「本屋大賞の町田そのこさん『私の力じゃないと思っています』と感涙」を掲載し、町田の「受賞のあいさつ」を紹介している。町田は、こうスピーチした。
《この「52ヘルツのクジラたち」は昨年の4月に刊行されました。昨年のちょうど今ごろなんですが、私は暗く荒れている海に小さな小さなクジラの赤ちゃんみたいなのを放流する想像をよくしていました。
昨年の4月は新型コロナウイルスの感染拡大によって世の中が今よりももっともっと混乱していた頃でした。私もこれからどうなるんだろうという不安を抱えていまして、そんな時に無名に近い私の本が、果たしてどこまでがんばれるんだろうとすごく不安になっていたんだと思うんですけども。
ただ、その、私はすごく不安だったんですけども、この本はどんどん大きくなって存在感を増していきました。私はまったくそれを想像していなくて、戸惑ってばかりだったんですけど、ふとこれは私の力じゃないなと気付いたんです。
本当にこの本を売らなければと頑張ってくださった中央公論新社皆さん、それと大変な中、ずっと、すいません、本当に大変な中、読者の人に一番近いところでずっと応援し続けてくれた書店員の皆さん、そのたくさんの人の思いがのった本を受け取ってくださった、読者の皆さんのおかげです。本当に私の力じゃないというか、そう思っています。》
https://mainichi.jp/articles/20210414/k00/00m/040/216000c
これは町田そのこのツイート。
《『52ヘルツのクジラたち』が、2021年 本屋大賞をいただきました。たくさんの方の応援のお陰で、しあわせな景色を見ることができました。ありがとうございます。賞に恥ないよう、これからも頑張っていきます》
https://twitter.com/sonokosan3939/status/1382275826272464898
しかし、毎日新聞の4月14日付の「2021年本屋大賞に町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』」なる記事は学に失礼なものであった。こう書いている。
ジャニーズ事務所の人気グループ「NEWS」加藤シゲアキん(33)が刊行した長編小説「オルタネート」(新潮社)は候補10作に選ばれていたが8位となり、受賞を逃した。》
https://mainichi.jp/articles/20210414/k00/00m/040/129000c
ときわ書房志津ステーションビル店の日野剛広が次のように引用ツイートしているが、全く、その通り。
《受賞を逃したのは加藤シゲアキさんだけではありません。ノミネート作品それぞれに価値があるはずです。
それに、受賞された町田そのこさんに失礼です。》
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1382338789805150217
町田に失礼だし、加藤に失礼だし、他の候補作に対しても失礼である。そのことに気がつかない鈍感さはジャーナリズムとして万死に値しよう。
西日本新聞によれば町田そのこは福岡県京都郡在住だそうだ。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/723214/
西日本新聞は2020年8月24日付で「門司港を舞台に新作 京都郡在住・町田そのこさんが故郷を離れぬ理由」を掲載している
《夜泣きする子どもを抱きながらケータイ小説を書いて投稿し続けた。2014年、初めて学賞に応募したのが新潮社主催の「女による女のためのR-18学賞」だ。ネットで作品を送れるのが魅力だった。
「私はすごいコンプレックスがあって、都会に住んで、いい大学を出ていないと作家様にはなれないと思っていた。おまけにプリントした作品を封筒に入れ郵送なんて敷居が高くてとても無理。ボタン一つのネット応募だから踏み切れたんです」。でも結果は散々で1次選考で落ちた。
実力が足りないと痛感し、2年間、むさぼるように本を読み、物語の構成などを独学。16年、2度目の挑戦でR-18学賞の大賞を射止めたのだった。》
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/638067/
朝日新聞の運営する「好書好日」は1月10日付で「『52ヘルツのクジラたち』町田そのこさんインタビュー 虐げられる人々の声なき声をすくう」を発表している。町田は次のように語っている。
《「私にも子どもがいるので、虐待児童のことは以前からずっと気になっていました。ニュースを見ながら、虐待された子はどうしたら救いの手を差し伸べることができるんだろうと考えていたんです。また、声なき声にもいくつか種類があって、声をあげたい人、声をあげるのを諦めた人、そもそもあげることを知らない人などがあると思うんです。そういう人は虐待児童だけでなく、DV被害者やトランスジェンダーなどにも存在していると思い、いろんな人の声なき声を小説に織り込んでみることにしました」》
https://book.asahi.com/article/14086030
今回の本屋大賞は次のような順位だった。
1位「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ,中央公論新社
2位「お探し物は図書室まで」青山美智子,ポプラ社
3位「犬がいた季節」伊吹有喜,双葉社
4位「逆ソクラテス伊坂幸太郎,集英社
5位「自転しながら公転する」山本緒,新潮社
6位「八月の銀の雪」伊与原新,新潮社
7位「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう,中央公論新社
8位「オルタネート」加藤シゲアキ,新潮社
9位「推し、燃ゆ」宇佐見りん,河出書房新社
10位「この本を盗む者は」深緑野分,KADOKAWA
https://twitter.com/hontai/status/1382217073409990658
https://twitter.com/hontai/status/1382216818706685952
「翻訳小説部門」の第1位はディーリア・オーエンズ著、友廣 純訳「ザリガニの鳴くところ」(早川書房)だった。
https://twitter.com/hontai/status/1382215960501706756
こんなツイートが投稿されている。
《「ザリガニの鳴くところ」の「なぜ傷つけられた側が、いまだに血を流している側が、許す責任まで背負わされるのだろう?」って言葉は、読んだ時からずっと心に残っている。》
https://twitter.com/yu_reading/status/1382318809441132547
発掘部門「超発掘本!」にみうらじゅん庫「『ない仕事』の作り方」が選ばれた。
「ORICON NEWS」は4月14日付で「みうらじゅん本屋大賞』発掘部門を受賞 “発掘”され『これからはミイラじゅんとして…』」を発表している。
《スピーチでみうらは「僕のイメージで本屋大賞というのはグラミー賞。エレガントにしてきたけど浮いてるな、と。また、ない仕事をやってしまった」とにやりとし、会場を笑わせた。》
《最後は「今回は自分が発掘される立場。しかも“超”がついている。相当掘られたのかな。発掘していただいて、とてもうれしい。発掘していただいたということで、ミイラみたいな気持ちなんですね。今後は本屋大賞を機に、みうらじゅん改めミイラじゅんとしてやっていきたい」とゆるく抱負を語っていた。》
https://www.oricon.co.jp/news/2190429/full/

-----------------------------------------------------

2)【記事】今日の東京オリンピック 「無観客」「延期」への道のり

時事通信は4月15日付で「五輪『テレビで興奮共有を』 ワクチン確保で政府批判―猪瀬元都知事インタビュー」を配信している。
東京五輪開幕まで14日で100日となった。新型コロナウイルスの感染拡大で中止や延期を求める声もある中、招致活動を主導した元東京都知事猪瀬直樹氏は時事通信のインタビューに応じ、コロナ禍でも「テレビ中継を通じて興奮を共有できる」と強調。異例の状況下に置かれていても「五輪は生きる活力につながる祝祭空間になるはずだ」と訴えた。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041400747&g=pol
時事通信は4月15日付で「『ラストスパートの準備を』 バッハIOC会長、東京五輪開幕に向け」を配信している。
新型コロナウイルスの感染拡大により今夏に延期された東京五輪の開幕まで100日となった14日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が公式サイトにメッセージを寄せ、「(開幕100日前は)選手に例えるなら最終周。組織だけでなく選手に関しても、ラストスパートの準備をする必要がある」と語った。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041500340&g=spo
時事通信のスタンスも「無観客開催」。
琉球新報は4月15日付で「沖縄の五輪聖火リレー、本島は公道中止へ」を掲載している。
沖縄県新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受け、東京五輪沖縄本島での聖火リレー(5月1、2日)は全て公道を使わない方向であることが15日、分かった。各日の到着地の会場にリレーを集約し、無観客で実施する代替案で関係機関が調整している。16日に発表される見通し。》
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1305314.html
スポーツニッポンは4月14日付で「山本耕史がコロナ感染で舞台降板 貫地谷しほりゴマキも感染」を掲載している。
《俳優の山本耕史(44)が新型コロナウイルスに感染したと、13日に公式サイトで発表された。》
《山本は今月4日、聖火ランナーを務め岐阜県関ケ原町を走っていた。》
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/04/14/kiji/20210414s00041000143000c.html
朝日新聞デジタルは4月15日付で「聖火リレーの関連行事縮小へ クラスター発生受け日向市」(神崎卓征)を掲載している。
《日向市は14日、新型コロナウイルス感染症クラスター(感染者集団)が発生し、日向・東臼杵圏域が「感染急増地域」に指定されたことを受け、25日に実施予定だった東京五輪聖火リレーのミニセレブレーションを縮小すると発表した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4G6SNVP4GTNAB00X.html
朝日新聞デジタルは4月15日付で「松山市聖火リレー中止 城山公園で『点火セレモニー』」(照井琢見、亀岡龍太、天野光一)を掲載している。
東京五輪聖火リレーは、21~22日に愛媛県内全20市町を走る予定だったが、直前に県内で新型コロナウイルスの感染が拡大。県実行委員会(会長・中村時広知事)は14日、大会組織委員会に申し入れ、松山市内でのリレー中止が決まった。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4G6X50P4GPTLC002.html?iref=comtop_AreaArticle_05
朝日新聞デジタルは4月14日付で「五輪中止なら『退陣』?開催に突き進む政権、すがるのは」(小野太郎)を掲載している。
菅義偉首相は五輪を「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」と位置付ける。秋までには衆院解散・総選挙もあり、「夏に五輪をやって、お祭りムードのなかで総選挙」(自民党中堅)が、今のところ政権中枢が描く政治日程とみられる。五輪の有無は政権の行方を左右しかねず、「五輪ができなければ菅首相は退陣じゃないか」(自民関係者)との見方すらある。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4G66W3P4GUTFK01H.html
朝日新聞デジタルは4月15日付で「二階氏、五輪中止の可能性言及『とても無理となったら』」を掲載している。
自民党二階俊博幹事長は15日、今夏に予定されている東京五輪・パラリンピックの開催について「ぜひ成功させたいと思うが、そのために解決すべきテーマがたくさんある」と指摘したうえで、「これ以上とても無理だということだったらこれはもうスパッとやめなきゃいけない」と述べ、新型コロナウイルスの感染状況次第で中止もあり得るとの見方を示した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4H42SPP4HUTFK009.html
二階のこの発言は「無観客開催」に向けた地ならしであり、観測気球なのだろう。毎日新聞は4月15日付で「河野氏東京五輪巡り『開催できるやり方で、無観客の可能性も』」を掲載している。
河野太郎行政改革担当相は15日のテレビ朝日番組で、新型コロナウイルス禍での今夏の東京五輪パラリンピックを無観客で開催する可能性に言及した。「開催できるやり方でやる。無観客になるかもしれない。いつもの五輪とは違う方法になるだろう」と述べた。》
https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/010/074000c
春オンライン」は4月14日付で「聖火リレーに税金116億円を支出 47都道府県調査で判明」を発表している。良記事である。
新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、日本全国を回ってい聖火リレー。その運営経費は全国の自治体が負担しているが、その総額が少なくとも約116億円に及ぶことが、「週刊春」の取材でわかった。全国47都道府県の公表資料(昨年度からの繰越額も含めた今年度の聖火リレー関連予算=パラリンピックを含める場合もある)や、担当部局への取材を基に算出した。》
https://bunshun.jp/articles/-/44781
NHK、元讀賣の島契嗣がツイートしている。
《これ全然いつもの春砲じゃない。スクープじゃない。地道に数字を集めて足し算しただけ…なんだけど、こんなことも春がやるようになった怖さよ。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1382311084040753154
これも春。「春オンライン」は4月14日付で「『東京五輪1年再延期の検討を』 西浦教授が提言」を発表している。
《大阪で新規感染者数が1000人を超えるなど、感染が再び拡大している新型コロナウイルス厚労省感染症対策アドバイザリーボードのメンバーで京都大学大学院医学研究科の西浦博教授が、今夏に予定されている東京五輪については、コロナ対策を優先し、「1年再延期」を検討するべきと「週刊春」の取材に語った。》
https://bunshun.jp/articles/-/44792
朝日新聞の三浦英之がツイートしている。
《こういうことまで春に先をこされる。新聞はもっともっと危機感を持たないといけないと思うわ》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1382459612280983553

-----------------------------------------------------

3)【本日の一行情報】

◎「ダイヤモンド・オンライン」は古賀史健がダイヤモンド社から刊行した「取材・執筆・推敲」の冒頭に収められた「ガイダンス──ライターは『書く人』なのか」を5回にわけて紹介するという。
《編集者にとって、編集の第一歩とは、ただ「人」を探すことではなく、「それを語るに足る必然性と説得力」の持ち主を探すことなのだ。》
https://diamond.jp/articles/-/268173
出版社の新入社員に「取材・執筆・推敲」を一冊ずつ配って、この本のどこが間違っているかを議論させる研修をすれば良いのではないだろうか。この本に「間違い」を見出す才能は相当優秀だと思う

◎ロイター通信の次期編集主幹に170年の歴史で初めて女性が就任する。
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35169257.html
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-04-13/QRH4RRDWRGG801

◎今度は龍幸伸の「ダンダダン」ってか。「チェンソーマン」(藤タツキ)や「地獄楽」(賀来ゆうじ)でメインアシスタントをつとめた龍幸伸の「ダンダダン」の連載が「少年ジャンプ+で始まり、公開2日で100万PVを達成したそうだ。「KAI-YOU.net」は4月13日付で「『ダンダダン』もう読んだ? 『チェンソーマン』元アシの怪作がやばい」を公開している。
《『ダンダダン』は、幽霊を信じないオカルトマニアの少年と、宇宙人を信じない少女が、互いの理解を超越した怪奇に出会うことから始まる物語。
人気作の数々でメインアシスタントとして活躍した龍さんの画力はすさまじく、アクションは躍動感があり、ちょっとした場面でのデフォルメ顔も愛嬌がある。》
https://kai-you.net/article/80089
龍幸伸は「月刊少年マガジン」でデビューしている作家だ。

◎日刊スポーツは4月13日付で「『進撃の巨人』最終話掲載『別少年マガジン』重版決定 30日から配本」を掲載している。
《漫画家・諫山創氏原作の漫画「進撃の巨人」最終話が掲載され、9日に発売後、売り切れ店が続出していた「別冊少年マガジン」(講談社)5月号の重版が13日、緊急決定した。》
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202104130000666.html

実業之日本社は「ねこねこ日本史」第10巻の発売を記念して、全11書店チェーンにて限定特典としてBIGトレーディングカードを用意した。書店チェーンによって、キャラクターが異なる。紀伊國屋書店は真田幸村未来屋書店伊達政宗有隣堂源義経丸善ジュンク堂書店坂本竜馬TSUTAYA卑弥呼三洋堂書店織田信長。平安堂は上杉謙信大垣書店沖田総司コーチャンフォー土方歳三ブックファースト近藤勇三省堂書店は石田三成
https://www.j-n.co.jp/columns/?article_id=610
長野が謙信なのか!新選組って人気があるようだ。

◎「AsageiBiz」は4月14日付で「『チケットぴあ』店舗チケット販売終了に不満の声が出るワケ」を発表している。こんな声を紹介している。
《「指摘されるとおり、ネットのチケット販売は人気イベントでは特に、購入できるかどうか運任せになることが多い。しかし、店舗であれば早くから並べば購入できる確率も高まるため、販売前日の夜から長蛇の列が出来ることもありました。それが辛くもあり、いい思い出にもなりますからね」(前出・エンタメ誌ライター)》
https://asagei.biz/excerpt/27642
長蛇の列に加わるのは意外と楽しいんだよね。所謂ナンパもしたよなあ。「無駄」を無くすのが技術で、「無駄」を楽しむのが化だとすれば、歴史とは技術と化のいたちごっこなのかもしれない。

新田次郎学賞(新田次郎記念会主催)は13日、永井紗耶子の「商う狼」(新潮社)に決まった。
https://this.kiji.is/754619537421451264?c=39546741839462401
永井紗耶子のツイート。
《『商う狼』が、新田次郎学賞をいただきました!先ほど、第一報を頂戴したはかりで、本人がまだ、全然、実感がないのですが、嬉しさがジワジワ来ています。ありがとうございます~♪♪》
https://twitter.com/sayavivi/status/1381923960825159681
永井は小学館庫小説賞を受賞してデビューした作家である。

白泉社のマンガ誌「ヤングアニマル」で連載されているダークファンタジーベルセルク」(三浦建太郎)が本格ウイスキーとコラボしたオリジナルボトル第二弾が登場する。
ベルセルク」コラボウイスキーは、昨年9月に第一弾を発売し、ガッツのラベルの「ベン・ネヴィス1996」、ガッツとグリフィスのラベルの「シークレットスペイサイド1993」が、完売したが、今回は、主人公「黒い剣士」ガッツと、ガッツの好敵手の一翼「不死者」ゾッドのラベルでシングルモルトウイスキーアイリッシュ2002」が発売される。
オリジナルウイスキー通販サイト「WHISKY MEW」で、4月22日(木)昼12:00から219本の限定発売だ。価格は24,200円(税込)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000487.000046848.html

朝日新聞デジタルは4月13日付で「産経新聞で13人感染 全社で原則在宅勤務に」を掲載している。
産経新聞社は13日、大阪本社(大阪市浪速区)の販売局で勤務する30~60代の男女13人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。12日から、東京本社や総支局を含めた全社の従業員を原則として在宅勤務としたという。》
《大阪本社総務部によると、12日付で同社独自の「緊急事態宣言」を出した。10~13日に販売局の複数の社員が発熱し、検査の結果、関連会社の社員やアルバイトも含め13人の感染がわかった。全員が無症状か軽症。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4F6V8VP4FPTIL03M.html
毎日新聞グループホールディングス顧問の小川一がツイートしている。
産経新聞社員ら13人がコロナ感染しました。まさに他人事ではありません。もし新聞制作の根幹部署の整理チームにクラスターが起きたら新聞はつくれません。》
https://twitter.com/pinpinkiri/status/1382078712473026562
漏れ伝わるところによれば光社の常務取締役の烏山公夫が入院。濃厚接触者は取締役・折敷出慎治、コンテンツビジネス局長・渡辺清史、今泉祐二だそうだ。他人事ではあるまい。

フジサンケイグループ広告大賞が決まった。メディアミックス部門大賞はトヨタ自動車の「トヨタイムズ」。優秀賞はサントリーBOSS 働く人の相棒」、サントリー「クラフトボス どこでもワーク」、パナソニックパナソニックの店 こころの密は、変えません。」。
https://www.fujisankei-g.co.jp/koukoku-taisho/50/index.html

大日本印刷DNP)と産業経済新聞社合弁会社「ライフラ合同会社」は4月14日にスマホ向けアプリ「ライフラプラスを開発し、情報銀行の事業化に向けた実証事業を約1年間の予定で開始するそうだ。
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10160759_1587.html

◎「日経ビジネス」は4月15日付で「『どこでもオフィス』整備、在宅率7割のKADOKAWA」を発表している。
《コロナ禍でオフィス縮小の動きが広がる中、2020年8月、KADOKAWAが約2700坪の大規模オフィスを開設した。埼玉所沢市の複合化施設「ところざわサクラタウン」に併設した「所沢キャンパス」では、約1000人が働ける。一方、東京都心の飯田橋にある従来の本社オフィスは「東京キャンパス」命名して、2拠点体制とした。
ただ、部署ごとにどちらの拠点で業務をするかが決まっているわけではない。業務の内容やその日の従業員の気分によってオフィスを自由に使い分けられる。この2拠点以外に、法人契約した複数のサテライトオフィスや在宅勤務も選択可能だ。
こうした場所にとらわれない働き方は欧州が発祥と言われ、「アクティビティー・ベースド・ワーキング(Activity Based Working=ABW)」と呼ぶ。KADOKAWAはコロナ前から数年間かけて導入を準備してきた。所沢キャンパスの稼働を機に本格的に導入し、現在、在宅勤務率は約7割をキープしているという。》
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00281/041400002/
KADOKAWAは時代の風に上手く乗ることができたのは間違いあるまい。

西日本新聞広告社大分が、9日に大分地裁に自己破産申請したそうだ。
https://mainichi.jp/articles/20210415/ddl/k44/020/303000c

ハースト婦人画報社のラグジュアリー住宅誌「モダンリビング」は創刊70周年を迎えた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000295.000008128.html

◎マガジンハウスは、4月15日より、福祉とクリエイティブをテーマに新たなメディアプロジェクトを始動した。第一弾として、ウェブマガジン「こここ」(https://co-coco.jp)を創刊。「個と個で一緒にできること」を合言葉に、福祉につらなる人や場所、活動、表現、創造性をたずね、紹介していくメディア事業を軸に、ラボ事業も展開するという。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000030125.html
雑誌ビジネスのデジタルシフトには成功してもらいたいものだ。

小学館DIME」編集部、丸善ジュンク堂書店、株式会社セキュアは3社共同で、未来型AI無人店舗「DIME LOUNGE STORE」を本日4月15日(木)に、新宿住友ビルにオープンした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001116.000013640.html
DIME」「ビーパル」「サライ」といった小学館の情報誌は「共創」をテーマに掲げている。先日、開催されたウェビナーも実に充実していた。広告会社にしても知りたいのは編集者の楽屋オチではなく、どう雑誌を生き残らせるかの戦略である。

◎光社の「VERY」と味の素が発売する洋風調理用ソース「Bistro Do」がタッグを組み、4月15日(木)より、全国の家族に笑顔を届けるプロジェクト「今日は家族で話そうよ!With Bistro Do」をスタートさせた。「VERYwebプロジェクト特設サイト」をオープンしている。
https://veryweb.jp/food/172954/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000808.000021468.html

東京新聞は4月14日付で「復興庁の『トリチウム』キャラ、公開中止 原発処理水の安全性PRに批判噴出」(中根政人)を掲載している
《復興庁はホームページ上で「国民のさまざまな声や感想を踏まえトリチウムのデザインを修正する。このため、当該チラシ及び動画の公開をいったん休止する」と説明した。
 同庁の角野然生統括官は14日の参院資源エネルギー調査会で、チラシや動画の作成に関し、電通に発注して費用は「数百万円程度」と説明。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/98124

-----------------------------------------------------

4)【深夜の誌人語録】

模倣は独創の第一歩である。

-----------------------------------------------------

5)【お知らせ】 

」2000号まで、あと32号。

【文徒】2021年(令和3)4月15日(第9巻70号・通巻1967号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】今日の東京オリンピック 朝日は「無観客開催」が社論!?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.15 Shuppanjin

1)【記事】今日の東京オリンピック 朝日は「無観客開催」が社論!?

朝日新聞デジタルは開催を前提に世論調査を実施した。4月12日付で「五輪『観客なしで』45%『制限」』49% 朝日世論調査」を掲載している。
《10、11日に朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、東京五輪パラリンピックの観客数をどうするのがよいか尋ねたところ、「制限して行う」は49%、「観客なしで行う」は45%だった。「通常通りの観客数で行う」は2%どまりだった。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4D6GW7P4DUZPS004.html
朝日新聞デジタルは、こうした記事を書く一方で「五輪まで100日、本当に開催できるの? 各地で懸念」を掲載している。荻原千明がサッカーや7人制ラグビーの会場となる東京スタジアムなど、三つの競技会場がある調布市を取り上げている。西田とは西田医院院長の西田伸一のことだ。
《市医師会長でもある西田さんは、医院での患者対応と、ワクチン接種の準備に追われている。「五輪、本当にやるのでしょうか」》
《海外観客は入れないことが決まったが、関係者だけでも相当な人数の来日が予想される。変異ウイルスの入ってくる可能性を懸念する。「開くのであれば、無観客しかない」。医院の外の街灯では、大会をPRするフラッグが揺れていた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4F7QGXP4FUTIL004.html
この二つの記事からし朝日新聞の「社論」は無観客開催であることがわかる。
毎日新聞は4月13日付で「迫る五輪、課題山積 選手『優先接種』報道に批判、観客上限決まらず」を掲載している
《政府が東京五輪パラリンピックの日本代表選手に新型コロナウイルスワクチンの優先接種を検討しているとの報道が流れると、ネット交流サービス(SNS)では「あり得ない」「医療従事者と高齢者の命をないがしろにするのか」と批判する声が相次いだ。
丸川珠代五輪担当相は9日の閣議後会見で火消しに追われ、こう強調せざるを得なかった。「現時点ではもちろん、これから先も具体的な検討を行う予定はない」》
《産業能率大が3月に発表した五輪の意識調査によると、回答を得た全国1万人のうち、コロナ下での開催条件として「無観客しかない」との意見が69・2%を占めた。「無観客開催」は国民の理解を得る新たな打開策となり得るが、大きな痛手を被る。組織委が900億円を見込むチケット収入が失われるため、さらなる公費負担が避けられない。さらに感染が広がれば、新たなジレンマが待ち受ける。》
https://mainichi.jp/articles/20210413/k00/00m/050/275000c
毎日新聞も「無観客開催」か。毎日新聞は4月14日付で「新型コロナ 五輪100日前 「赤信号」太陽の塔に聖火 一般客入れず周回」を掲載している。
大阪府聖火リレーが13日、万博記念公園吹田市)で始まった。コロナ感染者の急増を受け、府は7日に独自の警戒ランクで最悪の「赤信号」を点灯させ、府民に不要不急な外出の自粛を求めた。当初は18市町の計約40キロを巡る計画だったが、公園内3キロの周回コースに集約された。14日までの2日間で計約180人のランナーが約200メートルずつを走る。当日は一般客の出入りが規制され、観客はランナー1人につき家族ら4人に絞られた。》
https://mainichi.jp/articles/20210414/ddp/012/050/008000c
毎日新聞は4月14日付で「松山市での聖火リレー中止決定 代替策なくランナー走れず」を掲載している。
東京オリンピック聖火リレーについて、愛媛県中村時広知事は14日、松山市内でのリレーを中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う措置。県によると、代替策もなく、ランナーに走る機会がなくなるのは全国で初めて。既に大会組織委員会に申し入れ、了承を得た。》
https://mainichi.jp/articles/20210414/k00/00m/050/150000c
共同通信が4月13日に配信した「やまゆり園での採火、『ありえない』と考える6つの理由
作家の佐藤幹夫氏に聞く」で「飢餓陣営」を主宰する佐藤幹夫は次のように語っている。
《主催者は、やまゆり園で採火することで、共生社会の実現をアピールするといいます。しかし、やまゆり園は大惨事が起きた場所です。亡くなった方々への哀悼も十分でないまま共生社会のアピールの場とする、というその考え方に強い疑義を持ちます。自分たちを利するときだけ障害者の存在を持ち出し、アリバイ作りとする。そう思えてならないのです。市長のいう「共生社会」や「新しいパートナーシップ」をどう考えるか。
誤解を受けやすいところですが、たとえば近代的に整えられた施設があり、そこで利用者の方たちが安全と安心を満喫して過ごしている。専門的な訓練を受けたスタッフによって、手厚い支援を受けることができる。設備も外観も整えられている。そのような施設が各地に完備されていくことが、共生社会の実現に向かっている姿だと私は考えません。》
https://this.kiji.is/753907997669343232?c=39546741839462401&fbclid=IwAR3uSADCQD932gpGXbXfInhfMcD7cmgIUeT8mJEIrSmgQ8W_uCoYZaPwt_U
共同通信は4月13日付で「五輪続行はリスクと英紙 日本とIOCに自問促す」を配信している。
《英紙ガーディアン(電子版)は12日、新型コロナウイルス再拡大の懸念があることを受け、今夏に延期された東京五輪の開催に「ショーは続行しなければいけないのか?」と疑問を呈する論説記事を公開した。》
https://this.kiji.is/754649837977206784?c=39546741839462401
日本低国の報道機関は海外メディアの厳しい論調を紹介することに長けているというべきか。五百旗頭幸男のツイート。
《未だかつて世界からこんなに白い目で見られた五輪があっただろうか。
NBC聖火リレーの火は消されるべきだ」
NYタイムズ「一大感染イベント」
ガーディアン「続行しなければいけないのか?」》
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1381969604596039688
英タイムズの論調も厳しかった。
讀賣新聞よりもスポーツ報知のほうが東京五輪に厳しい記事が多いのではないだろうか。スポーツ報知は4月13日付で「東京都医師会長、東京五輪『これ以上感染拡大すれば無観客でも難しい』」を掲載している。
《東京都医師会の尾崎治夫会長は13日の会見で、14日に開幕100日前を迎える東京五輪パラリンピックについて「これ以上感染が広がることがあれば、現実的には従来通りの色んな国から選手が来て開催される五輪というのは、例え無観客であってもなかなか難しい」との見方を示した。》
https://hochi.news/articles/20210413-OHT1T50184.html
日テレNEWS24」は4月14日付で「IOCが断言 東京五輪は『確実に開催』」を公開している。
東京オリンピックの開幕まで14日で100日となるのを前に、IOC(=国際オリンピック委員会)がビデオメッセージを公開し、「大会は確実に開催される」と断言しました。》
https://www.news24.jp/articles/2021/04/14/10855882.html
「Weの市民革命」が話題の佐久間裕美子のツイート。
《経済も回したい、五輪もやりたい割には大した感染対策もせずに、精神論で押し通そうとしたところで感染大拡大、そこに原発処理水流すとか、自ら世界の顰蹙を一身に集めにいく感じ、政府は何がしたいんですか。》
https://twitter.com/yumikosakuma/status/1381854023792390144

-----------------------------------------------------

2)【本日の一行情報】

◎オトバンクは、講談社と提携して、講談社現代新書の一部を音声で楽しめるポッドキャスト「聴く講談社現代新書」の配信を4月12日よりaudiobook. jpのほか、iTunes PodcastSpotify 等、各音声プラットフォームで開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000034798.html

◎アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が公開178日間で動員2869万人、興収396億円を突破した。400億円を達成するのかもしれない。
https://www.oricon.co.jp/news/2190153/full/
映画の興行収入集英社の利益とはならないのだろうけれど、これは凄い数字だ。

◎「現代ビジネス」は4月13日付で飯田一史の「意外と知らない…空前の『ショートショートブーム』が起こっている『これだけの理由』」を発表している。
《2021年4月には、主に「週刊少年ジャンプ」掲載マンガのノベライズを刊行するレーベル集英社ジャンプjBOOKSもオリジナル短編集『5分で読める驚愕のラストの物語』『5分で読める胸キュンなラストの物語』『5分で読める恐怖のラストの物語』で新規参入するなど、今もこのジャンルは拡大を続けている。》
《たとえば小説投稿サイト「小説家になろう」の年間純学【】ランキングで1位となった村崎羯諦『余命3000字』や、Twitter上に書かれた140字ぴったりで完結する神田澪のショートショート集『最後は会ってさよならをしよう』などは、いわゆるライト芸の読者層(大人の女性が多いとされる)を中心に「感動」と「驚き」を求める人たちにも支持されている。》
ここは重要な指摘だ。
《本がたくさん出版されている背景には、読み手が増えただけでなく、書き手も圧倒的に増えているという事情がある。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81953?imp=0
芸誌の「世界」に収まらない芸が生まれつつある。

幻冬舎が運営するブロックチェーン/暗号資産(仮想通貨)専門メディア「あたらしい経済」と、学習サービスPoL(ポル)を運営するtechtecは業務提携することを発表した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000588.000007254.html

SmartNews(スマートニュース)のチャンネルプラスに「FRIDAYデジタル」チャンネルが開設された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003184.000001719.html

◎日販は、図書館選書センターに2020年5月~2021年3月に来場した図書館関係者が選書した図書のランキングを発表した。セット部門(小・中学校)で第1位となったのはKADOKAWAグループの汐社の「地球が危ない!プラスチックごみ」。小学校の単品部門第1位は、光村図書出版の「なんだろう なんだろう」(ヨシタケシンスケ)。中学校の単品部門の第1位はイカロス出版の「行きたい!企業ミュージアム」であった。
https://www.nippan.co.jp/news/sensho-center-ranking2020/

川端康成学賞が千葉雅也「マジックミラー」(ことばと vol.1)に決まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000193.000047877.html
千葉雅也がツイートしている。
《短編「マジックミラー」で第45回川端康成学賞を受賞することになりました。初めて挑戦した短編作品なのにまさかと驚いています。ありがとうございます。》
https://twitter.com/masayachiba/status/1381821010198994945
《親戚の間でお祝いの電話が飛び交ってるらしいのだが、あの小説で……笑》
https://twitter.com/masayachiba/status/1382116734950281217
《同性愛のリアルをテーマにした小説を書くとなると、それが評価されて親族の知るところとなれば半ば自動的にカムアウト的意味を持ち、親族はそれを認めつつ半分見ないようにするみたいな、だがおめでとうおめでとうと盛り上がる、というなんとも微妙な状態になる。このこと自体が小説的なのだが。》
https://twitter.com/masayachiba/status/1382117764396052485
《うちは親にはカムアウトして一応受け入れてもらっているが、他の親戚にべつに言うことでもなく、『デッドライン』の芥川賞ノミネートで騒がれたときに、親が親戚にほどほどに説明してくれたらしい。そこは面倒なので任せるから、と伝えたのだった。》
https://twitter.com/masayachiba/status/1382118499925954560
「ことばと vol.1」の版元は福岡の書肆侃侃房だ。
http://www.kankanbou.com/books/kotobato/3966
私には「学界」5月号に千葉が発表した「霊的世俗性―フーコー『肉の告白』論」の「罪と救済という二元性のゲーム」という言い方が刺激的であった。ゲームから脱落する、ゲームから逃げる。そんなことを考えながら二時間ほど休憩した。

◎「サントリー天然水」のテレビCM「雨あがる」篇は良かった。石橋静河が魅力的だ。父が石橋凌で、母が原田美枝子
https://www.advertimes.com/20210413/article346643/

◎第20回「女による女のためのR-18学賞」は宮島未奈の「ありがとう西武大津店」が大賞、読者賞、友近賞を受賞し、初の三冠に輝いた。4月22日発売の「小説新潮」5月号に掲載される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000190.000047877.html
タイトルが良いなあ。

村上春樹がディスクジョッキーをつとめる番組「村上RADIO」は、4月より毎月最終日曜日放送の、月イチレギュラー番組として放送されることになった。月イチレギュラーキックオフの4月25日(日)の「村上RADIO」の選曲テーマは、「村上RADIO~花咲くメドレー特集~」。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002346.000004829.html
どこか田中康夫をDJとしたレギュラー番組を企画してくれないものか。私は田中の「たまらなく、アーベイン」が傑作であるということを学史の常識として語り継いでゆきたい。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309023762/

東京新聞は4月13日付で「DHC吉田会長、ネット上で『コリアン系』ヘイト声明 荒唐無稽な主張次々」(石井紀代美、佐藤直子)を掲載している。
《「在日コリアンが日本を支配しているなどとこれほど繰り返すのは、今どき珍しい。コテコテの、古風なネトウヨ言説だ」と語るのは、立教大の明戸隆浩助教社会学)だ。》
《明戸氏は、今後の影響について「DHCと取引している企業やふるさと納税事業などで連携している自治体も、このヘイトを見逃して取引を続けたら同罪だ。ヘイト問題はDHC一企業の問題にとどまらなくなった」と分析する。》
《ジャーナリストの安田浩一氏は「差別を許容してきた日本社会はDHCを甘やかしてきたが、企業は株主や従業員だけでなく、消費者や地域とつながる社会的責任ある存在だという認識を徹底しなければ」と指摘する。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97800

◎「NEWSポストセブン」は4月13日付で「付録もIT化 創刊96年の『小学一年生』、時代に合わせた誌面作り」を掲載している。
《朗らかな声を上げてカラフルな地図上を進むのは、雑誌『小学一年生』5・6月号の付録「プログラミングタケコプター」。進行方向のボタンを押すと、その指示通りにドラえもんがしゃべりながら動いていく。同誌の長竹俊治編集長が言う。
「小学校でプログラミングの授業が始まったこともあり、ドラえもんで楽しく学習してもらうため付録にしました。いまの子供たちはさまざまなデジタルデバイスに慣れ親しんでいるため、付録も常に進化させる必要があります」》
https://www.news-postseven.com/archives/20210413_1650584.html?DETAIL
小学館の雑誌にとって付録は雑誌の「入口」なのだ。付録が総ての雑誌とは一線を画しているということだ。

-----------------------------------------------------

3)【深夜の誌人語録】

始まりを恐れてはならない。

-----------------------------------------------------

4)【お知らせ】 

」2000号まで、あと33号。

【文徒】2021年(令和3)4月14日(第9巻69号・通巻1966号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】本屋lighthouseの啖呵と矜持、怒りと響き
2)【記事】今日の東京オリンピック
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
5)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.14 Shuppanjin

1)【記事】本屋lighthouseの啖呵と矜持、怒りと響き

本屋lighthouse〈幕張支店〉。支店といっても本店は「台風で屋根が飛んだりする小屋本店は改修のため一時休店中」だそうだ。次のような連ツイを発表している。
《近所にDHCの研究所?があるお店として「在日コリアン(にかぎらずあらゆる国籍のひと)は日本の敵ではない」と強い意志を持って明言しておきます。当店には差別やヘイトを助長する本はありませんので、安心してご来店ください。青の看板に恐怖を覚えても、それより濃い紺の中に灯台がありますので。》
《本を買わなくても大丈夫ですので気楽にご来店ください。本棚眺めて帰るのもよし、奥の部屋でぼーっとして帰るのもよし、オクラの水遣りしてもよし。なんなりとどうぞ。昨日サッカーボールも手に入れたので店の前でパス練習もできます。いえい。》
《夜、青の電光看板が光り輝いてるわけですよ。それを見て多くの人は「明るくて安心する」とか思うんでしょうけど、ある人にはそれがとてつもない恐怖を覚えるものになっているわけですよね。そんなんおかしいじゃないですか。》
《あなたにとっては「なんも怖くないもの」でも、誰かにとっては「命の危機すら感じるもの」になる。それが差別やヘイトのもたらす影響なんですよね。だから「自分は差別してないから」では足りなくて、はっきりと「やめろ」と言わなくてはならない。それでもまだイーブンにもならない。》
https://twitter.com/book_lighthouse/status/1380501140387766275

https://twitter.com/book_lighthouse/status/1380503367076605953
これに「野良猫丸」が次のようにリプライした。
《この手の理論には、もううんざりですよ。
私は自分の欲しい本のある店に行くよ。
朝田理論
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E7%94%B0%E7%90%86%E8%AB%96
「不利益と不快を感じさせられたら全て差別」「差別か否かというのは被差別者しか分からない」といった、つまり『差別』と感じた者に全ての決定権と主導権があるという考え方。》
https://twitter.com/wildcat_x/status/1381524208279187458
本屋lighthouse〈幕張支店〉は、このリプライを次のように引用ツイートしている。
《ありがとうございます。当店にはお越し頂かなくて結構です。「死ね」「殺してやる」などと言われている人がいるという現状に対して、「差別だと感じたら全部差別になるのはおかしいよね」的な言説をぶつけてくる人間は被差別者にとって恐怖でしかないので、違う本屋に行ってください。》
https://twitter.com/book_lighthouse/status/1381587238836838401
本屋lighthouseはホームページに次のような章を掲げている。少し長いが全をお読みいただきたい。
《2019年5月1日、本屋lighthouseは畑のなかの小屋の本屋としてスタートしました。そのときのウェブサイトに記した、
 暗闇に迷うひとには足下を照らす光を
夢を抱くひとには果てなき道を照らすしるべとなる光を
過去、そして未来へと あまねく光を
 というテーマは、いまも変わっていませんし、これからも変わることはありません。
 本は光となりうる。読むひとにとって。書くひとにとって。その間をつなぐ存在としての、灯台でありたいと思っています。
 では、なぜ本は光となりうるのか。そこには人生が、そして歴史が織りこまれているからだと思います。本を読むこととは、書き手の人生を知ることであり、書き手や私たち皆が生きている社会の歴史を知ることです。それらは「過去」と言い換えることもできるでしょう。
そして、私たちが自らの現在や未来に希望を抱くことができるのも、過去の積み重ねがあるからです。本に書かれている/描かれている多種多様な生きかたや価値観、その積み重ねとしての連綿とつづく歴史=過去。私たちは先人が残してきたそれを本を通して受け継ぎ、同時に、私たちがいま/これから積み上げていくそれを後世に向けて本として残していくことで、未来の「私たち」ひとりひとりを、ひいては社会全体をよりよいものにしていくことができる。そう考えています。
 本屋はその媒介です。ゆえに、社会を苦しみや憎悪に満ちたものへと向かわせるような本を置くことはあってはなりません。少なくとも本屋lighthouseはそうありたいと思っているし、そのためにいくつか基準のようなものを設定しています。
とはいえ設定といっても、厳格で明確なそれを提示することはできないので、本屋lighthouseでは「かっこいい大人になるための本」というものをイメージしながら、本屋を運営していきます。
となると「かっこいい大人」とはなんなのか?という問いが新たに生まれ、やはりまたそれに対する厳格かつ明確な回答は出せないのですが、逆に「かっこわるい大人」というのはなんなのかを考えてみると、つまり「本棚に並べない本」のことを考えてみると、いくつかはっきりとわかるものがありました。
 ・他者を傷つけることで自らの苦しみを誤魔化そうとする大人
・自己保身のために嘘をつく大人
 つまり、いわゆる「ヘイト本」や「歴史修正主義的な本」です。これらに該当する本は、本屋lighthouseでは一切扱いません。お客さんからの注品であっても断ります。どうしても欲しい場合はほかの本屋でお買い求めください。いまのあなたは「ヘイト本や歴史修正主義本に頼ることでしか自らを救えないほど弱っている」状況なのでしょうから。ですがあなたが向かっている先にあるのは底なしの暗闇です。いつかこちらに、光のほうへ来てくれることを願っていますし、そのときはハグをしましょう。ようこそlighthouseへ。
 他者を傷つけることなく自らを救うこと。自らの過ちと向き合い、乗り越えようとすること。この2つができていれば「かっこいい大人」なのだと思いますし、頭がいいとか仕事ができるとかおしゃべりが上手いとか見た目がいいとかお金持ちだとか、そういうのは関係ないです。
後世のひとたちが、いや、もっと身近に考えて、いま目の前にいる子どもたちが、「こういう大人になりたい」と憧れるような存在に、私たち皆でなりましょう。私たちがしあわせな人生を送るために必要なのは、まっとうな社会であり、まっとうな社会であるためには、私たちが「かっこいい大人」である必要があるのです。》
https://books-lighthouse.com/about/
私は2018年(平成30)8月30日付で本屋lighthouseの関口竜平を取り上げている。
https://teru0702.hatenablog.com/entry/20181001/1538378405
関口は2018年8月26日付で「本屋lighthouseにおける『腐った本』への対応について」を発表している。
《長いことモヤモヤしていたことへの区切り、覚悟のようなものがついた。いや、つけたいからつける。いまから。
講談社のケント本、そして新潮45と、いわゆる大手の出す「腐った本」への向き合いかた。》
《これから本屋lighthouseでは、「僕が」「腐った本だ」と判断した本を出している版元の本は、その売上を、その「腐った本」によって傷つけられているひとたちを支援するために使うことにする。もちろん腐った本そのものは仕入れない。》
https://note.com/books_lighthouse/n/n1cee9d72e044
本屋lighthouseは次のように呼びかけている。
《たとえば神奈川は大船のポルベニールブックストアさん(@porvenir_books1 )なんかもハッキリとNO HATEを表明してますが、ほかにも同様の表明及び実践をしている本屋は増えてきていると思います。リストにまとめたいですね。なので「うちもやで!」という本屋、挙手!!》
https://twitter.com/book_lighthouse/status/1381611135997075462

-----------------------------------------------------

2)【記事】今日の東京オリンピック

朝日新聞デジタルは4月12日付で「NHK聖火リレー、30秒の空白 当事者に聞いたその時」(宮田裕介、上田真由美)を掲載している
《このとき、沿道では10人ほどが五輪への抗議活動をしていた。その一人、江沢正雄さん(71)は帰宅後、ライブ配信を見ていた妻から音声が消えていたと知らされ、驚いた。「技術的なことはよくわからないけれど、意図的に声を絞ったのだとしたら、その後ろにある意思というか思想というか、表現の自由踏みにじられたと思えてしまう」と話す。
この日、江沢さんたちは「密」にならないよう気をつけながら、長野市内の大通りで小さなハンドマイクを使って「オリンピック反対」「長野オリンピックで残ったのは借金と自然破壊だけ」などと訴えた。朝日新聞を含む報道機関が五輪のオフィシャルパートナーに名を連ねることにも言及しながら、「メディアはオリンピックに協力するな」とも声をあげたという。》
《ドキュメンタリー作品で知られる映画監督、作家の森達也さんは「現実にある音を消すことは加工であり、NHKの『さまざまな状況に応じて判断』という回答は、説明責任を果たしていない」と話す。ヘイトスピーチなどが映像に入れば、緊急的に音を消す対応することはありうるが、その場合でも説明することが必要だという。
そもそも、NHKは受信料制度によって市民が支えている。政府やスポンサーの意向を受けない公共メディアとして、五輪反対の声や、少数派の意見も紹介する番組をつくるべきだという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4D4TBKP49UCVL01L.html
辻田真佐憲のツイート。
聖火リレーなんてそもそも五輪となんの関係もなく、ただ準備したからいまさら止められず、開始しちゃったわけでしょう。》
https://twitter.com/reichsneet/status/1381814947445809153
毎日新聞は4月12日付で「やまゆり園遺族ら『寝耳に水』『違和感』 パラ聖火の採火に疑問」を掲載している。
《2016年7月に入所者19人が殺害される事件があった相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で東京パラリンピックの聖火の採火をすることについて、事件の遺族や被害者家族が中止を求める意向であることが判明した。
13日に神奈川県と同市に要請する。中止を要請するのは、事件で娘の美帆さん(当時19歳)を失った母親と、重傷を負った尾野一矢さん(48)の父剛志さん(77)。遺族らは「まだ心の傷が癒えていない。フェスティバルの一環としての採火に違和感を持つ」などと説明している。》
https://mainichi.jp/articles/20210412/k00/00m/050/244000c
東京新聞は4月12日付で「やまゆり園での採火中止を 遺族ら相模原市に要請「遺族の気持ちないがしろ」を掲載している
《2016年7月に入所者ら45人が殺傷された相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で東京パラリンピックの聖火を採取することに、事件の被害者の遺族や家族が反対していることが12日、分かった。「家族が犠牲になった場所で採火が行われるのは違和感がある」として、市と神奈川県に中止を要請した。
要請したのは、事件で犠牲になり、昨年1~3月に開かれた横浜地裁公判で名前だけ明かされた美帆さん=当時(19)=の遺族と、重傷を負った尾野一矢さん(48)の父剛志さん(77)。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97620
ミサオ・レッドウルフのツイート。
《やまゆり園聖火の件に本当に憤る。というか、悲しくなるよね。こういう発想できる人って、心か倫理観が病んでるんじゃあないでしょうか。ただでさえ五輪辞めてほしいのに、もううんざりだ。》
https://twitter.com/MisaoRedwolf/status/1381588583388045320
日本経済新聞は4月13日付で「大阪の聖火リレー万博公園でスタート 公道回避は初」を掲載している。
東京五輪聖火リレーが13日、大阪府で始まった。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて公道での開催が初めて中止となり、代替措置として「太陽の塔」のある万博記念公園(同府吹田市内を周回するコースとなった。感染対策のため一般客を入れず、観覧は家族ら少人数に制限された。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC127C80S1A410C2000000/
毎日新聞は4月13日付で「東京五輪は『最悪のタイミング、一大感染イベント』 NYタイムズ」を掲載している。共同通信の配信記事だ。
《12日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、日本で新型コロナウイルス感染が収まらずワクチン接種も滞る中で東京オリンピック開催するのは「最悪のタイミング」であり、日本と世界にとって「一大感染イベント」になる可能性があると伝えた。》
https://mainichi.jp/articles/20210413/k00/00m/050/054000c
東京新聞の望月衣塑子がツイートしている。
《大阪は千人を超えた。ワクチン打てる国は限られる、五輪開催は見送るべきだ》
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1381857058689978368
東京新聞は4月13日付で「出来レース? 73億円「五輪アプリ」の入札期限がわずか4日半、応札1者のみ 公正性に疑問の声」(坂田奈央)を掲載している。
《73億円という巨額の予算が投じられた「オリパラアプリ」は、事業の委託先が競争入札で決められたものの、応札したのは1者のみだった。入札の公示から書類の提出期限までが、年末年始の休みを除くと実質4日半しかなかったことから、手続きの公正性に対する疑問も上がっている。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97648
東京新聞は4月13日付で「海外客断念なのに…73億円『五輪アプリ』の見直し迷走中」(坂田奈央)を掲載している。
東京五輪パラリンピック新型コロナウイルス対策として、訪日観戦客の健康管理を行うアプリの開発が迷走している。3月に海外からの観戦受け入れを断念した後、政府が利用の仕方を決めかねているためだ。この「オリパラアプリ」は、開発する民間企業への委託費約73億円に対して当初から「高額だ」との批判が上がっていたが、政府は現時点で事業の凍結に向かわず継続する方針だ。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97645
西日本新聞は4月5日付で「【東京五輪感染症】 平野啓一郎さん」を掲載している。平野は五輪中止の決断を一刻も早く急げと提言している。
《メディアは、五輪が中止になった場合の損失を試算するが、なぜ、それによって感染症の対策に集中した場合の利益を示さないのか? その場合の受益者が誰なのか、なぜ分析しないのか? 変異株の蔓延(まんえん)が、第4波を招く懸念の強い現在、開催の強行で、コロナの感染拡大に収拾がつかなくなった場合の損失は、どのように想定されているのか? もし五輪を去年の段階で中止し、コロナ対策に専念していたならば、どれほどの経済効果があったのか?
そもそも、「復興五輪」という名目自体が、完全な欺瞞(ぎまん)だった。東京で五輪が開催されることが、なぜ、東北の復興の証となるのか? 五輪を通じて象徴的に被災地を応援するのと、直接支援するのと、どちらが効果的だったか?
五輪に、「人類がコロナに打ち勝った証」などという意味づけをするのは、恐るべき軽薄さである。
一体、いつ、「人類がコロナに打ち勝った」のか? その「人類」には、コロナの犠牲者たちも含まれているのか? コロナの克服とは、ただ、人々が感染リスクを怖れずに元の生活に復帰することではないのか? その象徴機能を、なぜ五輪が担う必要があるのか?》
《実質を欠いた「証」を幾ら掲げても現実は良くならない。政府と東京都は、一刻も早く五輪中止の判断を下し、コロナ対策に全力を注ぐべきである。》
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/718429/
春オンライン」は4月13日付でプチ鹿島の「『下世話』が『王道』を超えてしまう“強烈な違和感” 本当の正論はどこにあるのか?」を発表している。少し長めに引用しよう。
《このところ「週刊春」という猟犬は、“東京五輪の開閉会式の演出”を口にくわえてどんどん獲ってきてます。下世話です。
これに対して五輪組織委員会は「掲載誌回収」「春オンライン記事の削除」を求めた。すると春は「税金が投入されている公共性の高い組織のあり方として、異常なもの」と指摘。返り討ちでその闇体質をツッコんでいた。
しかも回収要求を出された次号では組織委の「内部告発5連発」をデカデカと載せた。その見出しには、
「回収要求された小誌だから書ける」
あーあ。
五輪組織委は春にエサを与えてしまった。回収要求なんてしたら逆に喜ぶに決まってる。「向こうから飛び込んできたぞー、お前も焼いてやろうか」という山賊の宴会みたいだ。言わんこっちゃない。聖火がますます炎上している。
 ただ、ここ数週の記事を読むと演出プランをただ暴露しているのではなく、開会式の演出チームがいつのまにか「乗っ取られていた」ことを追及していた。つまり莫大な税金を使うイベントの公益性を問う内容だった。
皮肉な展開である。この本質を新聞もテレビも見て見ぬふりするから、下世話が王道を超えてしまっている。スキャンダリズムがいつの間にか東京五輪の不透明な体質を問う役割を担っている。いいのか他のメディアはそれで。》
https://bunshun.jp/articles/-/44742
プチ鹿島師匠のおっしゃられる通り。新聞は変化球しか投げられず、剛速球は「週刊春」が独占してしまっているという「歪み」が生じてしまっているのだ。新聞は読者に見捨てられるだけなのだろう。私が心配なのは剛速球投手の肩である。

-----------------------------------------------------

3)【本日の一行情報】

◎4月11日付産経新聞が掲載している「【聞きたい。】佐藤直樹さん 『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』」で佐藤は「美術史って探偵っぽい面白さがあるんですよ」と語っているが、同書はミステリを読むような面白さであった。カラヴァッジョの「聖マタイのお召し」で、マタイがどの人物かを説明する筆致は、まさに美術探偵の筆さばきであった。版元が世界化社であることが意外であった。
https://www.sankei.com/life/news/210411/lif2104110009-n1.html
ちなみに佐藤の西洋美術史印象派は入っていない。

◎薗部真一という名前は覚えておきたい。藝春秋で「証言『機動戦士ガンダム藝春秋が見た宇宙世紀100年」を担当した編集者だ。「リアルサウンド」が4月11日付で公開した「『機動戦士ガンダム』の事件を春がスクープ!? 担当編集者が語る、前代未聞のガンダム本へのこだわり」で、薗部真一は次のように語っている。
《2年前に藝春秋に転職したんですが、その前の会社でもガンダムに関係する書籍を編集していたんですよ。転職した後に、またガンダムに関連する仕事をやりましょうと権利元のサンライズさんとお話していて、それでふと出たのが「藝春秋らしいガンダムの本を出せないか」というアイデアだったんです。それはどういうものだろうか……と詰めていくうちに、どうせなら「宇宙世紀藝春秋があったら」という体裁でいこうということになりました。》
《僕も月刊の「藝春秋」や「週刊春」編集部にいたことがあるわけではないので、一生懸命それぞれを読んで研究しました。ぶっちゃけ、ただの読者に近いところにいたので(笑)。だから外から来た人間としてある種パロディをやった感じですね。そういう意味で藝春秋という会社は懐が深いな、と。》
《テキストに関してだと、基本的に藝春秋の雑誌って記者が自分で何かを断言しないんですよ。まず誰か関係者とか目撃者の証言があって、それに対してまた反論の証言を集めたり裏を取ったりしながら結論を導く形です。だから勝手に「私が取材したところこうだった」と書くのではなく、誰かがこう証言していた、というカギカッコ付きの証言を積み重ねていく記事にしてほしいというのはライターさんにお願いしました。》
https://realsound.jp/book/2021/04/post-737720.html
ちなみに薗部真一は宝島社の出身。「このマンガがすごい!」の編集長だった。「翔んで埼玉」を当てたのも薗部だ。実は、宝島社に入社する前は、祥伝社中途採用では落ちてしまったようである。「ざんねんな偉人伝」シリーズの真山知幸がツイートしている。
《「なかなか呼ばれませんね」。2004年あたりだろうか。祥伝社の中途面接の会場で話しかけてきたのが、薗部真一君だった。二人とも選考には落ちたが、それからの付き合いで、お互いの状況も変わった。薗部君は紆余曲折を経て藝春秋社へ、私は執筆業へ。思えば遠くまで来たものだ。お楽しみはこれから。
https://twitter.com/mayama3/status/1305514549685043206
藝春秋はマンガに本気なのである。藝春秋の出版社としての幅がじわりと広がりつつあるのは間違いあるまい。

Netflix、凄い。今度は「機動戦士ガンダム」の実写版を独占配信してしまおうというのか。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2104/13/news055.html

◎マガジンハウスのライフスタイル誌「Hanako」は、フルーツの輸入加工販売を行うユニフルーティー ジャパンと、同社の定番商品である「こだわリッチ」バナナのパッケージデザインとコンテンツを共同開発した。4月12日頃より順次、コラボレーションパッケージに切り替わり、6月末までの期間限定で発売される。購入者だけが読める特典であるエッセイを執筆したのは、吉本ばななだ。「こだわリッチ」バナナに貼られたシールをめくると現れるQRコードを読み込めば、購入者特典のエッセイが読める仕組みになっている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000184.000030125.html

ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ」は編集作業をオンライン化しているのか。千人のスタッフが紙を使わず、在宅のまま編集しているという。
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00129/032500027/?i_cid=nbpnxta_top

テレビ東京系にて現在ドラマ化され放送中の「私の夫は冷凍庫に眠っている」は小説投稿サイト「エブリスタ」で話題を集めた同名小説を、小学館が運営するコミックアプリ「マンガワンがコミカライズしたもの。更に紙の出版物としても刊行されることになった。しかも書き下ろしエピソードを増補した内容で、小学館庫より5月7日(金)に発売される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001104.000013640.html
「投稿サイト→庫化→コミカライズ→テレビ化」ではなく、「投稿サイト→コミカライズ→テレビ化→庫化」という流れに注目したい。紙の出版を一番後に持って来ることで、紙の出版物の売行をマックスに持って行こうという考え方なのだろう。

小学館集英社プロダクションの運営する保育施設は、本物に触れる質の高い食育活動を行うことを目的として、フルーツを通じた食育活動を展開するため新宿高野とのコラボレーションをスタートした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000402.000002610.html

朝日新聞デジタルは4月12日付で「見えぬ中国の『情報』リスク LINEが突きつけた問い」(福田直之、編集委員・峯村健司、杉山歩)を掲載している。
《対話アプリ「LINE」の個人情報が業務委託先の中国企業からアクセスできる状態になっていた問題をきっかけに、情報管理をめぐる「中国リスク」に注目が集まっている。中国には、国民や企業に諜報活動への協力を義務づける「国家情報法」があるが、運用の実態は見えない。日本企業にとって、どこにどんなリスクがあるのかも分からず、対応に苦慮するケースが増えそうだ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP496CZ7P49ULFA029.html

毎日新聞が4月12日付で掲載している「90年越しの悲願成就 なぜ松山英樹は勝てたのか その意義は?」(角田直哉)は次のように書いている。
新型コロナウイルスが中国・武漢から拡大して以降、米国ではアジア系住民らへの人種差別やヘイトクライム憎悪犯罪が深刻化している。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は松山選手の優勝を「アジア人やアジア系米国人に対する人種差別的な暴力が社会に動揺を与える中での画期的な勝利」と報じた。》
https://mainichi.jp/articles/20210412/k00/00m/050/267000c

朝日新聞デジタルは紙では4月7日付で掲載した田玉恵美論説委員の「多事奏論」を4月12日付で拡大版として掲載している。タイトルは「NHK値下げの社説を書いた 総務省に呼び出された」。
《もう一度、総務省に行って課長と話をしてみたいと考え始めた翌月、ニュースを見ていて思わず声が出た。東北新社にいる首相の長男らから違法接待を受けて懲戒処分を受けた官僚の中に、あの課長の名前があった。同社の外資規制違反問題でも渦中の人になっている。》
《あの抗議の真意を知りたい。改めて課長に取材を申し込むと、接待問題の調査担当者を経由して、国会対応などで相当多忙であり取材はお断りしたいと返事が来た。放送法を勉強しろとお怒りだった課長に、国家公務員倫理法の勉強はどうなっていたのかも聞きたかったのだが。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4C425KP49USPT001.html

◎メディアドゥと出版取次大手のトーハンは、業務提携の目的である全国書店の活性化を実現するために、ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)を活用した「デジタル付録」のサービスを開始する。このサービスに関する技術開発は2021年夏ごろの完了を予定しており、サービス展開は年内を目指すという。
現在、KADOKAWA講談社集英社小学館と施策の検討を開始している。この取り組みでリアル書店のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、書店で魅力あるデジタルコンテンツを入手可能にすることで、来店者増、紙出版物の売上増、出版業界全体の活性化を図る。
https://mediado.jp/service/3842/

-----------------------------------------------------

4)【深夜の誌人語録】

正論に欠けているのは正論だ。

-----------------------------------------------------

5)【お知らせ】 

」2000号まで、あと34号。

【文徒】2021年(令和3)4月13日(第9巻68号・通巻1965号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】古賀史健と柿内芳ダイヤモンド社で組んだミリオンタッグ!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.13 Shuppanjin

1)【記事】古賀史健と柿内芳ダイヤモンド社で組んだミリオンタッグ!

古賀史健によれば「この本(『取材・執筆・推敲』)、もう原稿は書き終わっているんですが、糸井さんに読んでもらって、糸井さんからの感想を聞くまでが、
この本を書くということだと思って」いたという。
https://twitter.com/fumiken/status/1379276627335467008
ツイッターの古賀のアカウントには、こう自己紹介をしている。
《ライター。バトンズ代表。最新刊『取材・執筆・推敲』。著書・共著書『嫌われる勇気』『20歳の自分に受けさせたい章講義』『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』など。構成に『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(幡野広志)、『ミライの授業』(瀧本哲史)など。編著書累計1100万部超。犬の名前は「ぺだる」です。》
https://twitter.com/fumiken
編著書累計1100万部超とは凄い!そんな古賀がダイヤモンド社から刊行したのが「取材・執筆・推敲」に他ならない。
https://www.diamond.co.jp/book/9784478112748.html
「ダイヤモンドオンライン」で立ち読みすることができる。
《われわれは、書く人(ライター)である以前に、つくる人(クリエイター)なのだ。
カタカナの「クリエイター」ということばは、あまり使いたくない。輪郭(りんかく)がぼやけてしまわないよう、「つくる人」だと強く念を押したい。ぼくは、この「つくる人」との自己認識が、書くものの姿を変えていくと思っている。》
https://diamond.jp/articles/-/268011
この本の編集を担当したのは光社出身の柿内芳。柿内は「この一冊だけでいい。100年後にも残る"章本の決定版"を作りました」とまでアマゾンに書いている。周知のように「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」や「嫌われる勇気」「漫画 君たちはどう生きるか」といったミリオンセラーを世に送り出した編集者である。
《著書累計93冊、1100万部超! 世界的ベストセラー『嫌われる勇気』をはじめ数々の名著、ロングセラーを執筆してきたライター・古賀史健が、「取材」「執筆」「推敲」の三部構成・全10章、21万字、約500ページをかけて「ほんとうの核心」だけを教える、書く技術・伝える心得の永久決定版。
現役のライターや編集者はもちろん、これからその道をめざす人、そして「書くこと」「伝えること」で自分と世界を変えようとするすべての人たちに向けた"教科書"である本書には、小手先のテクニックは一つも掲載されていません。どうすれば、プロの「書く人」になれるのか? どうすれば、ひとりでも多くの人に届く「原稿(コンテンツ)」をつくることができるのか? この本と徹底的に格闘して、思考し、実践した先に、その「答え」はあるはずです──。》
https://www.amazon.co.jp/%E5%8F%96%E6%9D%90%E3%83%BB%E5%9F%B7%E7%AD%86%E3%83%BB%E6%8E%A8%E6%95%B2-%E6%9B%B8%E3%81%8F%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8-%E5%8F%A4%E8%B3%80-%E5%8F%B2%E5%81%A5/dp/4478112746
柿内は、こうツイートしている。
《古賀さんの「次世代のためのライターの教科書を作りたい」という想いが、「俺が作らねばならぬ」という衝動が、今日世界を変えたのだと思っています。本当に、この一冊を生み出してくれて、ありがとうございます。感謝しかありません。》
https://twitter.com/kakkyoshifumi/status/1379319117480480771
古賀史健は「note」に「あらためて、柿内芳氏に。」を発表している。
《ここまで読んでいただいてわかるように、この本でぼくは「柿内」という編集者を、共著者と言ってもいいくらい前面に押し出し、ある意味では矢面(やおもて)にも立ってもらっている。あまり前に出ることを好まない彼にその役をお願いしたのは、やっぱりこの本はカッキー抜きではありえなかったと思うからだ。
本の中身について、彼が「こう書いてほしい」とか「こんな話を入れてほしい」とか「この話は取りましょう」とかの指示やリクエストをしてきたことは、一度もない。彼がなにをしたのかと訊かれて「これをやってくれた」と具体を述べるのは、相当にむずかしい。「信じて待ってくれた」くらいしか言えない気もする。けれどもそういう言語化の困難な毎日を過ごすのが編集者というものなんだろうし、彼は今回彼にしかできない仕事を存分にやってくれたと、あらためて感謝している。》
https://note.com/fumiken/n/nb5f9417c9bfa
「note」の加藤貞顕も絶賛している。加藤もまた「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を世に出したミリオンセラー編集者だ。
《この本は、本当に世の中を変えると思います。古賀さん、柿内さん、発売おめでとうございます!》
https://twitter.com/sadaaki/status/1379313979097448456
くまざわ書店武蔵小金井北口店がツイートしている。
《【新刊/フェア】『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』古賀史健(ダイヤモンド社)100年後にも残る、「章本の決定版」を作りました!古賀史健と編集・柿内芳世界累計2600万部タッグがつくる決定版!!刊行を記念して「古賀史健?柿内芳の仕事」フェアもはじまっています!特別冊子も配布中。》
https://twitter.com/kbc_koganei/status/1380320875656843266
フェアは全国173書店で開催されている。
「ダイヤモンド・オンライン」は「著者・古賀史健と編集者・柿内が語る『取材・執筆・推敲』ができるまで」を公開している。
《柿内 そうですそうです。古賀さんが、岸見一郎さんの語るアドラー心理学に人生を揺るがすほどの衝撃を受け、その思想をどうしても広めたいと願った衝動が、すべての始まりでした。今回も同じで、僕が古賀さんの初期衝動を「受注した」形で、担当編集になったんです。
古賀 この3年間、カッキーが2週間に一度必ず事務所に来て、書けた原稿について意見交換するやりとりを続けてきました。そこで原稿の感想を言うカッキーのテンションや顔つきが、毎回全然違うんですよ。それを見ると、出来・不出来がすぐわかっちゃう(笑)。
柿内 やっぱり、顔に出ちゃってますよね。計算して動くの、苦手なんで
古賀 だから僕はいつも、「次はびっくりさせてやろう」「ギャフンと言わせてやろう」って、2週間後のカッキーに向けて原稿をブラッシュアップしていました。よく、編集者は伴走者だと言うけど、むしろ競争している感じだったね。「絶対、こいつに負けるもんか!」と思いながら原稿に向かうのは、いま振り返るとすごく面白かった。》
https://diamond.jp/articles/-/267324
《古賀 最終的に21万字の本になったけど、実際に書いた原稿は40万字以上ありました。書きながら、ロジックが弱いとか、納得感が足りないとか、自分のなかでまだ確かな言葉になっていないとか、少しでも迷いがある内容は削っていって。
柿内 僕から見たら、どれも完成度の高い原稿でしたよ。それでも万全を期すために、何度も客観的に読み、容赦なくハサミを入れる。この本の第三部「推敲」のパートに書いてあるシビアなことを、古賀さんはまさにこの本の制作においても完ぺきに実践していました。》
https://diamond.jp/articles/-/267356
実際に書店店頭での動きは良い。むろん、古賀と柿内はミリオンを狙っているはずだ。彼らにとって世界を変えるとは、そういうことなのだろう。

-----------------------------------------------------

2)【本日の一行情報】

洞口依子のツイート。
《夏葉社。いい本つくってるなあ。》
https://twitter.com/noranecotv/status/1381374918483304450
書影は三品輝起の「すべての雑貨」。
http://natsuhasha.com/news/subetezakka/

豊田市中央図書館は柴田元幸岸本佐知子「貸出回数が少ない訳書TOP25」という展示を先月まで行っていたそうだ。そこで配布していた二人の推薦コメントを掲載したTOP10アピールペーパーが公開されている!柴田の第一位はスティーブ・エリクソン「アムニジアスコープ」(集英社)。岸本の第一位はスティーヴンミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」(河出書房新社)。
https://twitter.com/toyotacitylib/status/1380466664248987652
https://www.library.toyota.aichi.jp/info/cms_items/%E3%80%90%E9%85%8D%E5%B8%83%E7%94%A8PAPER%E3%80%91%E5%B2%B8%E6%9C%AC%E4%BD%90%E7%9F%A5%E5%AD%90%EF%BC%8B%E6%9F%B4%E7%94%B0%E5%85%83%E5%B9%B8%E3%80%8E%E8%B2%B8%E5%87%BA%E5%9B%9E%E6%95%B0%E3%81%8C%E5%B0%91%E3%81%AA%E3%81%84%E8%A8%B3%E6%9B%B8TOP10%E3%82%92%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%8F.pdf
このリストでフェアを企画する書店があったら、最高にクールなんだけどなあ。

◎最近の春ジャーナリズムの凄みは、こうした企画が目につくことだ。「ニューミュージックマガジン」をかつて愛読していたような読者層まで取り込もうとしている。藝春秋は「異能力士」の宝庫なのだろう。4月13日付で「「シュガー・ベイブの後、なぜポンタにドラムを頼んだか」山下達郎が初めて語った戦友・村上“ポンタ”秀一 山下達郎ロングインタビュー」(真保みゆき)を発表している。
《――とはいえ、細野さんとポンタさんを組み合わせるという発想自体、今振り返ってみても「よくぞ」としか言いようがないと思うんですが。
山下「そうですか。でも、僕にとって日本で一番優秀なベーシストといったら、やっぱり細野さん以外にないと思っていたから。で、ポンタは圧倒的に個性が違う。技術的な問題じゃないんです。これって言語化できない境地で、ミュージシャンというのは、とどのつまり言語じゃないんですよ。たとえば『LOVE SPACE』の最初のピアノ。あれは佐藤くんがいきなり本番で弾き出した。2テイク目だったかな。みんな一瞬『ウッ』と思うんだけど、その一瞬がキモなんです。佐藤くんが挑発して、そこに3人がどう反応するか。そういう一瞬が、ものを創る」》
《一方で、『SPACY』なんて、当時の売り上げは2万枚にも届いてないからね。1万4千枚くらいだった。そういう中で、ああいう“創造”が生まれていたんです。だんだんビッグ・ビジネスになるにつれて、ある種ポピュリズム化したというか、売り上げへと優先順位が移ってきた。カラオケで歌いやすいとかね。僕もずっと言われてきたから。『なんでカラオケで歌えるような曲をもっと作らないの?』って。何を言ってるんだ、人様ができないこと、たとえばバック宙10回できるからおカネをいただけるんだと、そういう時には答えてきたけど、わかってもらえなかったですね》
https://bunshun.jp/articles/-/44612
https://bunshun.jp/articles/-/44613
https://bunshun.jp/articles/-/44614
意外かもしれないが、山下は活動家だったんだよね。細野晴臣、大滝詠一には、その経験がなく、坂本龍一山下達郎には、その経験がある。しかも、高校で、だ。

◎武田砂鉄がツイートしている。
《時代錯誤の「醒めない夢」がいかに根拠なく進められているかを改めて知った。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1381234880126705667
山本義隆みすず書房より「リニア中央新幹線をめぐって 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す」を刊行した。
https://www.msz.co.jp/book/detail/08996/
山本によればリニア中央新幹線原子力発電の再稼働や新設と不可分であり、本来ならば福島第一原発の事故の時点で見直さなければならなかった時代錯誤のプロジェクトということになる。

◎小説家の深町秋生韓国映画「楽園の夜」を絶賛している。これNetflix作品だ。
《9日配信のネトフリ韓国映画「楽園の夜」を。今年ベスト級。「逃げたはぐれ者が女と出会う」という骨組み自体は目新しくない。しかしユーモアに満ちた会話、出会った女のぶっ飛び具合、済州島の美しい風景に魂を奪われる。「魔女」「悪魔を見た」等のパク・フンジョンなので、超暴力も鬼盛でよかった。》
https://twitter.com/ash0966/status/1381246847570735110

斎藤環の次のようなツイートに納得。
《ワクチンの副反応に苦しむ人のエピソードは共感を呼び行動をうながす。いっぽうワクチン接種をしないことで数百人の任意の子どもが死ぬとしても、彼らは「数値」なので同情されない。(ポール・ブルーム『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』)なるほど、メディアが反ワクチン言説を好むわけだ。》
https://twitter.com/pentaxxx/status/1381217134039080961
メディア・ビジネスにおいて硬直した商業主義は「論理」よりも「感情」を好むのだ。銭になるのは「主張」よりも「感動」だ。即ち、「論理」や「主張」をブレーキとして駆使できない商業主義は、結局、民主主義に敵対することになる。

◎元外務官僚の田中均がツイートしている。
《私には全く理解出来ない。縦割り行政を打ち破るとして内閣府多数の特命大臣をつくり、補佐官など特別職の官僚を側近として配置し、ここに来て、再び縦割りを破るとしてデジタル庁、子ども庁。財政も人材も無限ではない。欠けているのは改革の政治的決意ではないか。野党もメディアも何故指摘しない?》
https://twitter.com/TanakaDiplomat/status/1381039892533112836
野党が指摘しないのは票にならないからであるし、メディアが指摘しないのはカネにならないからである。

◎「J-CAST ニュース」は4月11日付で「しまむら『脱テレビCM』でも業績好調 デジタル広告へシフト『低コストで売上効果も十分』」を公開している。
《衣料品チェーン大手の「しまむら」が2021年4月5日、21年2月期連結決算を発表し、4期ぶりの増収増益を果たした。「巣ごもり需要」の取り込みや広告戦略の見直しが奏功した。
売上高は、前期比4.0%増の5426億円、最終利益が同99.3%増の261億円だった。3期連続で減収減益だったが、好転した。》
《広告戦略の見直しも効果的だった。第2四半期からデジタル広告を、第3四半期からは動画広告の出稿を増やし、客足増加につなげた。年齢や性別、商品セグメントごと広告を配信する手法を新たに取り入れた。
一方、従来の主要媒体だった新聞折込みチラシは出稿量を減らした。変わってウェブチラシに力を入れた。テレビCMは見送り、広告宣伝費は114億7800万円と2割強抑制した。
   しまむら企画室は取材に「テレビCMよりもユーチューブなど動画広告の方がより低いコストでかつ売上効果も十分あったため、ウェブの方に重きを置いていこうと去年から進めています」と話す。
https://www.j-cast.com/2021/04/11408920.html?p=all
デジタル広告シフトを考える広告主は間違いなく増えよう。雑誌は、これを嘆くのではなくチャンスと考え、雑誌ビジネスのデジタルシフトを加速化させるべきなのである。雑誌ビジネスのデジタルシフトにおいて単純なブランド論は何の役にも立つまい。ブランド論はビジネスの可能性を特定のメディアに閉じてしまう。メディアを横断するプラットフォームの発想を雑誌ビジネスは強化すべきなのである。

◎「光秀の選択」(毎日新聞出版)の鈴木輝一郎がツイートしている。
《小説の作品構成の鉄則。
1)いいアイデアを思いついたら、起承転結の「転」ではなく「起」にもってくる。
2)これやるとものすげえ苦しむことになるけれど気にしない。
3)大丈夫、苦しいのは君であって読者じゃない。
4)読者は著者が苦しむほど面白い。(鈴木輝一郎小説講座)》
https://twitter.com/kiichiros/status/1381254295476051974

小学館は「名探偵コナン」の劇場版アニメ「名探偵コナン 緋色の弾丸」が4月16日(金)に公開され、原作コミックス第99巻が4月14日(水)に発売されることを記念し、人気キャラ8人の缶バッジがもらえる書店フェアを4月14日からスタートさせる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001098.000013640.html

◎「東洋経済ONLINE」は4月10日付で「フジの違反で露呈総務省』のお粗末すぎる実態
 外資規制が形骸化、東北新社騒動とは何が違う?」を発表している
《・・・事業者自身が気づいた場合でも、違反状態を解消したのちに事後報告すれば、認定取り消しには至らない。そのため、実質的には外資規制違反でチャンネルや放送事業者としての認定を取り消すことはほぼ不可能だったと考えられる。放送行政に詳しい立教大学の砂川浩慶教授は「正直者が馬鹿を見る事態になっている」と現状を指摘する。》
https://toyokeizai.net/articles/-/421873

◎三連発に留まらなかった。立岩砲の四連発だ。立岩陽一郎は、こうツイートしている。
NHKに質問を送りました。》
https://twitter.com/YoiTateiwa/status/1381457638089654273
立岩陽一郎は4月12日付で「YAHOO!ニュース」に「NHKはそれでも『まったくの事実無根』と言い続けるのだろうか」を寄稿し、NHKに四つの質問を投げかけている。
《①「まったくの事実無根」という見解は現在も変わらないという理解で良いのでしょうか?
②「まったくの事実無根」とは、「クローズアップ現代」の終了を決定していないだけでなく、その後継番組について検討している事実も無いという理解かと思います。そういう理解で良いのでしょうか?
③「まったくの事実無根」ということは、その見解の対象となっている記事は、捏造であるか、虚偽の情報に基づいて書かれたということになるかと思います。そういう理解ということで良いのでしょうか?
④「クローズアップ現代」は来年4月以降も続くという理解で良いのでしょうか?》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210412-00232320/
NHKの島契嗣はツイッターで次のような質問を更に加えている
《⑤長野市で行われた聖火リレーで、生配信を行っていたNHK、沿道の「オリンピック反対」の声を消去したのは、なぜか?故意か過失か、組織的か否か。誰が、いつ、何をどう判断して音声を消去したのか。生配信の具体的なオペレーションと役割をもとに視聴者に説明してほしい。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1381464712152457216

◎「新潮」5月号に佐久間子が「ツボちゃんの話 ーー夫・坪内祐三」を発表している。坪内にとって初めての単行本となる「ストリートワイズ」の編集者が中川六平だ。坪内と中川が山口昌男のテニス会で知り合う。西新宿にバー「火の子」があった時代の話だ。このテニス会に参加していた佐伯修は、中川を介してサンカ研究会に入るが、一時、「火の子」でもアルバイトとして働いていた。
サンカ研究会を母胎にした「マージナル」が中川を編集長として現代書館から創刊されると、佐伯は新進気鋭の社会学者を「マージナル」に紹介する。大月隆寛だ。大月が「マージナル」で編集委員をつとめていた朝倉喬司と出会うのは、佐伯を介してである。佐久間の「ツボちゃんの話」を読みながら、そんな昔を思い出した次第である。
https://www.shinchosha.co.jp/shincho/
どうでも良い話を更につづけると、この「いま、三角寛サンカ小説を読む」(現代書館)は朝倉、佐伯、そして私の共著である。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-6826-8.htm

-----------------------------------------------------

3)【深夜の誌人語録】

私が今日の敗北に感謝するのは、敗北こそが最も価値ある教訓だからだ。

-----------------------------------------------------

4)【お知らせ】 

」2000号まで、あと35号。

【文徒】2021年(令和3)4月12日(第9巻67号・通巻1964号)つづき

◎「弁護士ドットコムニュース」は4月10日付で「『さよなら朝日』広告掲載を断念した柏書房は、なぜツイッター朝日新聞に怒ったのか?」(若柳拓志)を公開している。
柏書房朝日新聞記者である石川智也が朝日新聞の運営する「論座」に発表した原稿を正規の手続きを踏んで「さよなら朝日」として一冊の書物にまとめたにもかかわらず、朝日新聞に広告を出稿しようとしたところ通常の3.3倍にも及ぶ掲載料を提示され断念せざるを得なかったわけだが、その経緯を柏書房取締役の菊池明郎と担当編集者の天野潤平に取材している。
《菊池さんによると、朝日側は掲載リスクについて、「(『さよなら朝日』のような)タイトルだと、読者からの電話での問い合わせが多くなって、その対応に追われるということが過去にあった」と説明したという。
「『掲載拒否していません』と言いたいがために、掲載料金を引き上げて掲載を諦めさせようとしたのではないかと感じました。金銭的ないじめで、悪質で陰湿な手口です」(菊池さん)
担当編集者の天野さんも「掲載リスクがあるというなら、ただただ広告掲載を拒否すればよかったはず」と朝日側の対応を厳しく批判する。
「リスクがあるから掲載しないということなら、まだその意味自体はわかります。ところが、3.3倍の料金を提示してきたため、『お金の問題』になってしまった。
朝日側のいう掲載リスクというのは、3.3倍の料金と通常料金との『差額』で解消できるものなのでしょうか。リスクがあろうが、お金次第で何でも掲載するのかとも思ってしまいます。
私たちが3.3倍の料金を支払ってでも掲載したいと伝えていたらどうなっていたのでしょうか。リスクはどうなるのでしょうか。まったく筋が通っていない。非常に不可解です」(天野さん)》
https://www.bengo4.com/c_18/n_12927/
今回は朝日新聞の「いやらしさ」が白日の下に晒されたわけだが、朝日新聞が報道においても時折、垣間見せる「虚妄のリベラリズム」の中心にあるのは、こうした「いやらしさ」にほかなるまい。それは朝日新聞の至るところに蔓延っていると考えたほうが良いはずだ。

◎オーバーラップ庫8周年を記念して、4月17日午後5時よりオンラインイベント「ありふれた放送で世界最強」が開催される。異世界最強ファンタジー!シリーズ「ありふれた職業で世界最強」は紙+電子で500万部を突破している人気作だ。
https://over-lap.co.jp/lp/8th/

◎齋藤薫は4月9日付で「YAHOO!ニュース」に「女性誌休刊ドミノ、化粧品広告はインフルエンサーへ 巧妙化するSNSステマと#PRが生む安心」を寄稿している。
《コロナ禍に入り、女性誌の休刊が目立っている。しかしコロナは一つの引き金に過ぎず、長年続く雑誌不況に加え、女性誌にとって大きな痛手となったのが、意外にも“インフルエンサーの台頭”だった。》
《・・・ある意味予想を超えてきたのが、いわゆるインフルエンサーによるSNSの投稿だった。実は驚くなかれ、4、5年ほど前から雑誌の広告やタイアップよりも、個人による投稿を中心とした「インフルエンサー施策」に予算を費やすクライアントが急増。今や揺るがぬ主軸となり、雑誌に多大な影響を与えたのである。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitokaoru/20210409-00230436/
齋藤は東京アドエージ出身者である。ただし、私とは重なっていない。私が入る以前に辞めている。

-----------------------------------------------------

6)【深夜の誌人語録】

誤解を正解と誤解することが失敗の始まりだ。

【文徒】2021年(令和3)4月12日(第9巻67号・通巻1964号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】NHKは立岩陽一郎を甘く見ていた?立岩砲が三日連続で鳴り響く
2)【記事】馬脚を現した巨大メディアグループの「愛国」路線
3)【記事】DHC吉田嘉明会長の「差別」章に女性誌は「沈黙」で良いのか?
4)【記事】新聞、テレビは東京五輪報道で股裂き状態に陥る!
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
7)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.4.12 Shuppanjin

1)【記事】NHKは立岩陽一郎を甘く見ていた?立岩砲が三日連続で鳴り響く

「インファクト」編集長の立岩陽一郎は4月9日付で「YAHOO!ニュース」に「NHKが『クローズアップ現代』の終了を決定」を発表している。立岩はNHK出身だ。
《取材に対して放送総局員は、「発表は無いが、NHKの報道を支えた番組が終わるのは確実だ」と語った。
また、報道局員は、「クローズアップ現代は数年前に週1回に減らすように指示があり、それを現場が押し返した経緯が有る。今回の廃止に政治の圧力が有ったかどうかはわからないが、安倍政権、菅政権がこの番組を潰したがっておりNHKの中でそれに呼応するグループが有るのは事実。これまで抗ってきた現場が力尽きたという感じだ」と語った。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210409-00231537/
この記事の反響は大きかった。
映画「沖縄スパイ戦史」共同監督の大矢英代が呟く。
《またひとつ、またひとつと、日本のジャーナリズムが崩れていく。》
https://twitter.com/oya_hanayo/status/1380313927293136896
立岩は、こうツイートしている。
《1つのテレビ番組が終わったでは終われない話だと思います。NHKはどこへ向かうのか?公共メディアとはどうあるべきか?引き続き考えていきます。》
https://twitter.com/YoiTateiwa/status/1380265223769088002
もっともNHKは立岩にこの記事の削除を求めたという。立岩は、こう加筆している。
《この記事に対してNHK広報部から筆者に直接連絡が有り、「事実無根」だとして記事の削除を求めました。その事実はここに明記するとともに、削除しない理由等をあらためて別稿で出したいと考えています。
(この記事では情報源を全員匿名にしています。情報源は極力明示すべきと考えており、安易に「関係者」などを使って報じることは控えるべきと考えますが、今回は情報源を明らかにすることによって情報提供者に著しい不利益が生じる懸念が有り匿名としました)。》
NHK広報局名義で「『クローズアップ現代+』に関する報道に対するNHKの見解」が発表された。
《2021年4月9日、一部ネットメディアで、NHKが『クローズアップ現代+』の終了を決定したとする記事が掲載されましたが、まったくの事実無根で、大変遺憾です。執筆者に対し抗議するとともに、記事の削除を求めてまいります。》
https://www.nhk.or.jp/info/otherpress/pdf/2021/20210409.pdf
立岩陽一郎は記事の削除に応じなかった。応じないどころか4月9日付で「YAHOO!ニュース」に「『クロ現』終了の記事を『まったくの事実無根』としたNHKの見解は事実ではない」を寄稿し、応戦している。
《私の手元にあるこれらの資料は、既に主だった制作担当者の間で共有されている。それに基づいて、「クロ現の次」、つまり「クローズアップ現代」の次の番組について普通に議論が行われているのだ。資料には部署名のみならず担当者の名前も記されている。NHK広報部は調べようと思えばいつでも調べられるが、担当部署に問い合わせた形跡も無い。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210410-00231897/
立岩のツイート。
《クロ現終了の記事の続報です。私はNHKの見解の削除は求めません。そのかわり、この記事に対する見解をお願いします。対応が無ければ更に続報を書きます。》
https://twitter.com/YoiTateiwa/status/1380642236992421888
西岡研介は立岩の記事を引用ツイートしている。
《やはり立岩さん、関係者の証言だけでなく、〝ブツ〟を握っている。一報段階からそれを出さなかったのはネタ元への配慮だろう。
https://twitter.com/biriksk/status/1381013328500125696
NHK記者の島契嗣は、こう指摘している。
《圧力が疑われているなら、有馬キャスターや武田アナを続けさせればよかった。というかそうすべきだった。圧力と関係ない通常の人事異動だったとしても…だ。
クロ現の終了だってそうだ。もし権力と一切関係のない番組編成上の戦略だったとしても、終わらせてはならない。それがテレビマンのセンスだろ》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1380291917963915270
新田哲史も引用ツイート。
《なるほどブツを持っていれば、NHKが今度は旗色悪いな。しかしそもそもクロ現をやめること自体に何か社会的、法的に問題があるのだろうか。》
https://twitter.com/TetsuNitta/status/1380842406048763905
池田信夫は「クローズアップ現代」の初代スタッフだった。
《始まったのは1993年。もうドキュメンタリーの時代は終わった。私は初代スタッフだが、当初から「ドキュメンタリーを毎日やるのは無理だ」という声が多かった。5分の企画ニュースでやれるネタを30分にのばすのに苦労した。》
https://twitter.com/ikedanob/status/1380352076878807041
私などはドキュメンタリーの時代は、これからだと思っているけれど。「記者のアライさん(キライさん)」が呟く。
《広報戦略として、お粗末極まりないのだ。》
https://twitter.com/kishaiguma/status/1380653318410629120
一方、立岩は手を緩めない。4月11日付で「YAHOO!ニュース」に「NHKの『まったくの事実無根』見解が事実でない理由を更に詳細に明かす」を寄稿している。
《4月9日、「クローズアップ現代+」を制作する部署では会議が開かれていた。その場で責任者から、そのニュースについて、「NHKはまったくの事実無根だとして記事の削除を求めた」との説明があった。
その時、会議の出席者からどよめきが起きたという。その報告を受けた放送総局の幹部によると次の様な内容だったという。
「でも、クロ現は無くなるんですよね?」
「だから我々はパイロット版を作るっていう話をしているんですよね?」
責任者は、それを否定していない。
「じゃあ、まったくの事実無根って、おかしくないですか?」
これについて責任者は次の様に話したという。
「上からの指示で潰すわけではありませんから。それは、事実無根です」
以上が会議での大まかなやり取りだ。勿論、正確な言では無い。こうした趣旨のやり取りが有ったということだ。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210411-00231987/
島契嗣がツイートしている。
《「立岩砲」金土日で3連発。NHKが具体的な部分を示さず「まったくの事実無根」と非難し、記事削除を求めたのは公共メディアの姿勢として明らかにいきすぎた対応だ。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1380992960066560002
朝日新聞記者・南彰が呟いている。
NHKの行く末を憂う切なる願いに、NHK執行部はどう答えるのでしょうか。》
https://twitter.com/MINAMIAKIRA55/status/1381033354724708352
五野井郁夫が南をリツイートしている。
《「クローズアップ現代」終了をNHK側が「事実無根」と主張した件、わたしも方々からNHK側とは違う事実を聞いており、すでに「新番組検討委員会」も立ち上がっているとの情報も得ている。もし「事実無根」ならばNHKは「クローズアップ現代」は続けるべき。》
https://twitter.com/gonoi/status/1381107057546293250
少なくとも「クローズアップ現代」を今年度(21年度)で終了させるという決定をしてしまっては、立岩に記事の削除を要請できなくなることは間違いあるまい。

-----------------------------------------------------

2)【記事】馬脚を現した巨大メディアグループの「愛国」路線

朝日新聞デジタルは4月8日付で「フジHD、外資規制違反は2年間 総務省に相談していた」を掲載している。
《金光社長は5日の朝日新聞の取材に対し、同省への相談の有無について「公式にはない」と否定していたが、8日は一転して認めた総務省も同日、相談があったと認めたうえで、同社の「認定放送持ち株会社」の認定を取り消す考えはないとしている。
外資規制は放送が世論に与える影響を考慮し、外国資本を一定程度に抑えるのが目的。議決権の外資比率が20%以上の事業者は認定を受けられず、違反すれば総務相は認定を取り消さなければならない。金光社長は「極めて重要な比率についてオーバーしたことは深く反省しなければならない」と述べた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4862D6P48UTIL04Z.html?ref=flashmail
「SAKISIRU」を創刊準備中の新田哲史が次のように指摘している。そう、総務省の裁量行政は恣意的だ。
《武田大臣は「徹底調査する」と仰っていたが、なんのことはない。どうせ、東北新社と異なり、このままフジは不問にするんだろうが、総務省の裁量行政がいかに恣意的で腐敗してるか国民に知れ渡っただけだった。》
https://twitter.com/TetsuNitta/status/1380235764387094528
朝日新聞デジタルは4月8日付で「『認定取り消しない』根拠は フジHD会見、なお不透明」を掲載している。外資規制違反が分かっても、総務省(=国)に黙って是正し、事後報告すれば問題はないということになってしまう。
《「認定取り消しになるという判断なら、適時開示しないといけない。そうでない限り、開示する必要はないと考えた」
8日夕、急きょ開かれたフジ・メディアHDの記者会見。外資規制違反を発覚当時に公表しなかった理由を問われた金光修社長はそう説明した。放送法で禁じられる外資比率に達していたのに、認定の取り消しにはならない。そんな判断の根拠となったのが、当時、自らが行った総務省への2度の相談だったという。》
《金光氏は2度目の面会で総務省の課長から「今後ないように」と厳重注意されたことを受け、「認定取り消しに至らないという判断だった」としている。一方で、「記憶では(認定を取り消さないという)具体的な言い方ではなかった」として、やりとりの詳細までは明らかにせず、認定が取り消されないと判断した根拠は判然としない。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP48721DP48ULFA021.html
https://digital.asahi.com/articles/ASP486JM6P48UTIL059.html
朝日新聞デジタルは4月10日付で「フジHD『隠し得』では 外資規制不備、放置した総務省」を掲載している。
《違反が解消するまで隠しておけば処分されないなら、一時的な違反はどれも処分を免れる道ができ、規制の形骸化につながりかねない。総務省が審査体制の強化を含む制度改正の検討に乗り出したのも、「隠せば得」の現状を改善するためだとしている。
ただ、外資規制の運用に問題があることは、遅くとも14年のフジ・メディアHDの一件で省内では認識されていたはずだ。にもかかわらず、対応した当時の担当課長や局長は、制度を改善する方向で動かなかったのか。当時、運用を見直す議論があったかどうかについて、総務省の担当幹部は「どこまで議論があったかは確認中だ」と話す。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4977NWP49ULFA012.html
冨永格がツイートしている。
《記者「放送局側が外資規制違反に気づいても、違反状態が解消するまで総務省に報告しなければ得をする…そういうことか」
総務省の担当幹部「制度的にはまさにそういうことだ」
違反解消まで隠しておけば処分されない、つまり一時的な違反はどれも処分を免れ、規制は骨抜きに。》
https://twitter.com/tanutinn/status/1380672914765176835
適菜収が呟く。
《フジ産経が消滅すれば少しは社会がよくなる。》
https://twitter.com/tekina_osamu/status/1380095943798755332
この巨大メディアグループがわが国の安全保障を軽んじていたことは間違いあるまい。

-----------------------------------------------------

3)【記事】DHC吉田嘉明会長の「差別」章に女性誌は「沈黙」で良いのか?

共同通信は4月9日付で「DHC会長『NHKは日本の敵』」を配信している。
《化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の公式オンラインショップのサイトに、吉田嘉明会長名で「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」などと誹謗中傷する章が掲載されていることが9日、分かった。》
https://this.kiji.is/753229493862907904?c=39546741839462401
朝日新聞デジタルは4月9日付で「『NHKは日本の敵』 DHCサイトに会長名で新章」を掲載している。
《新たな章は、11月の章に続く形で掲載された。
NHKの番組について、具体的な根拠を示さずに「出演者についても、学者・芸能人・スポーツ選手の多くがコリアン系であり、ひどいことに偶然を装った街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる」「NHK朝鮮半島の悪口は絶対に言わない」などと記した
また、「今や日本におけるコリアン系はマイノリティどころか日本の中枢をほとんど牛耳っている大マジョリティ」「毎日ものすごい数で帰化人が誕生している」と差別的な言葉も交えて主張している
章には日付がなく、末尾に「株式会社ディーエイチシー代表取締役会長・CEO 吉田嘉明」とある。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4962Q3P49UTIL04V.html
J-CAST ニュース」は4月9日付で「DHC会長『差別的章』またも公開 NHK取材受け...立憲・経団連も『標的』に」を公開している
《声明は2021年4月9日、自社通販サイトに吉田嘉明会長名で掲載された。
 NHKから取材を受けての発表とみられ、「小生は常々、日本の朝鮮化ということを何よりも危惧しているが、その元凶であるNHKからの問い合わせに小躍りした。NHKの状況を全国民に周知させる絶好の機会だからである」と記す。
 その意図を「NHKは幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系である。出演者についても、学者・芸能人・スポーツ選手の多くがコリアン系であり、ひどいことに偶然を装った街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる。予めリストアップしているのである」と根拠を示さず説明している。》
https://www.j-cast.com/2021/04/09409213.html?p=all
この記事の後半がそうだ。削除することなく今も堂々と公開されている。
https://top.dhc.co.jp/contents/other/kuji_about/
NHKの番組」とは4月9日に放送された「おはよう日本」である。どんな内容であったのか。「BuzzFeedNews」が4月9日付で公開している「『NHKは日本の敵です』DHC会長が声明、在日コリアンへの『差別的表現』報道に反論」(籏智 広太)は次のように書いている。
サントリーに対するメッセージについて、NHKは4月9日、「おはよう日本」でDHCの名前を公にしながら、「在日コリアン蔑む表現をしている」と指摘。
批判があがっていることや、抗議する署名活動が実施されていることなどを報じた。
番組では、「大企業がここまで露骨にしていることにびっくりした」などとする在日コリアン女性の声や、ジャーナリスト・安田浩一さんの「絶対に看過できない」との発言に言及。
さらに、4月2日の衆議院法務委員会で自民党武井俊輔議員が「ヘイト企業のあり方も非常に残念」と本件などを取り上げたことも伝えた。
この際は、上川陽子法相が「企業にはむしろ率先してヘイトスピーチを含めたあらゆる差別・偏見をなくして、人権に配慮した行動をとるということについて考えて、深く行動していくことが大事」と答弁している。》
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/dhc-nhk
番組は「DHC会長のヘイト回答をそのまま垂れ流さず、『…などと根拠を示さずに主張』と妄想であることを明示した」(阿部岳)ものであった。
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1380362629978320899
この放送について津田大介は次のようにツイートしている。
《これがNHKで流れたのは大きいな。DHCと取引してる企業も当然これまで以上に厳しく企業姿勢が問われるようになることを期待したいですね。》
https://twitter.com/tsuda/status/1380306834343436288
茂木健一郎は次のように指摘しているが、日本の会社組織の多くは旧日本軍を引き摺っていることを忘れてはなるまい。
《DHCの会長の吉田嘉明さん、80歳ということだけれども、発言されたりお書きになられることをそのまま載せる会社の上層部もどうかと思う。明らかに公益、会社の利益に反することは、敢えてストップして吉田さん自身とDHCという会社を守ることができないのか。経営幹部としてやるべきことをして欲しい。》
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1380453909399969792
「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」が今なお読み継がれているのは、結局あの「失敗の本質」を克服できなかったからだ。
https://www.chuko.co.jp/bunko/1991/08/201833.html
DHCの広告掲載を一切拒否すると宣言する女性誌が一つや二つあっても良いと思うのだが、一誌としてないのが現状である。

-----------------------------------------------------

4)【記事】新聞、テレビは東京五輪報道で股裂き状態に陥る!

朝日新聞デジタルは4月9日付で「米オリンピック委『東京大会は安全』 選手派遣に意欲」(藤原学思)を掲載している。
《米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は7日、オンラインで記者会見を開き、今夏の東京オリンピック(五輪)パラリンピックへの参加について、「引き続き科学的に見ていかなければならないが、この大会は安全に責任を持って実施できると信じている」と、強い意欲を示した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP483VXWP47UHBI041.html
一方、朝日新聞デジタルは4月9日付で「五輪反対プラカード、運営側が撤去要請 聖火コース付近」(土井良典)を掲載している。
《6日にあった愛知県半田市での東京五輪聖火リレーで、五輪中止を訴えるプラカードを掲げた男性に対し、リレーの運営関係者が取り下げを求め、プラカードの前に立ちふさがるトラブルがあった。専門家からは、運営側の行為は表現の自由の侵害にあたる可能性も指摘される。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP495WFWP48OIPE02B.html
畠山理仁はツイッターで「反対する人がいるのは当然なのに撤去を求める狭量さがものすごく日本的」であると指摘している。そういう「狭量さ」に新聞やテレビが加担している部分もあるのだ。報道が股裂き状態に陥っているのもそのためだ。
https://twitter.com/hatakezo/status/1380677125527642112
太田竜の高校の後輩にあたる政治家は次のようにツイートしている
《大手メディアの多くが、今夏の東京五輪パラについては、開催の是非を正面から論じようとしません。国民の6~7割は開催に反対・延期を求めているというのに。それでメディアの役割が果たせますか?
もうこの問題はタイムリミットが近づいています。タブーにせず報道していただくことを願っています。》
https://twitter.com/shiikazuo/status/1380149695213936645
上智大学国際教養学部教授の中野晃一が次のような連ツイを発表している。
《日本のワクチン接種が世界的に見て話にならないほど遅れてるという大スキャンダルが、日本のメディアによってそれとして報じられていないことがまた大スキャンダルなんだが。
よりによってオリンピックやるって言ってる国だよ。ちょっとこの世のものとは思えないレベル、政府もメディアも。》
《竹槍で本土決戦やるって言ってた時代から何の進歩も感じられない政府とメディア。そしてそれを許容する国民。
「人類がコロナに打ち勝った証の東京オリンピック」という世迷言を、世界でも突出してワクチン接種ができてない日本で繰り返すことがまかり通るのまじキモい。》
《こんなメディアしかない国では政権交代は永遠に無理かも、とさえ思う。
だってコロナ対策重視派だけでなく、むしろ経済優先派やオリンピック推進派こそが、ワクチン接種の歴史的大敗北に激怒すべきところでしょ?
何がワクチン担当大臣だよ。前現首相ともども政治生命が終わって当然の大失態だよ。》
《安全保障だけでなく経済政策でも日米同盟がすべてみたいに言ってきた安保ムラの皆さんも何でおとなしいんですかね?
アメリカの子分やっててもワクチン分けてくれてないよな。》
https://twitter.com/knakano1970/status/1380629442389676032

https://twitter.com/knakano1970/status/1380673125482778628
NHK NEWS WEB」は4月9日付で「兵庫県 コロナ感染対策『うちわ会食』呼びかけ 32万本配布へ」を公開している。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210409/k10012966161000.html
演劇評論家の犬丸治が呟く。
《「米英撃滅」「撃ちてし止まむ」「竹槍戦術」との凄まじい既視感。》
https://twitter.com/fwgd2173/status/1380645447228870663
山崎雅弘がツイートしている。
《菅政権は、このまま東京五輪が「無事に」終了するまでは、どれほど感染拡大が起きても「緊急事態宣言」は発令しないつもりなのか。東京五輪が「無事に」終了するまでは、国民の命と健康を後回しにするつもりなのか。頼むから、メディアは仕事してください。批判してください。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1380841376569458690
毎日新聞は4月9日付で「マラソン発着点の札幌・大通公園 芝生除去工事に批判相次ぐ」を掲載している。
《「何のための五輪なのか」――。札幌市中心部の憩いの場として市民から親しまれている大通公園で、芝生をはがす工事が行われたことに対しツイッター上で批判の声が相次いでいる。今夏行われる東京オリンピックのマラソン競歩の発着点とするための措置だが、新緑の季節を迎えた今、インターネット上ではちょっとした騒動になっている。》
https://mainichi.jp/articles/20210409/k00/00m/040/162000c
東京新聞は4月10日付で「東京五輪中のコロナ感染者隔離のため300室確保へ 選手村から数キロのホテル1棟、数億円規模で」を掲載している。共同通信の配信記事である。
東京五輪パラリンピックで選手らに新型コロナウイルスの感染者が出た場合に備え、大会組織委員会が軽症者や無症状者向けの療養施設として、選手村外に約300室のホテル1棟を独自に借り上げる方針を固めたことが10日、分かった。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/97237
五輪ファーストでわれら草莽は後回しである。
さあ、雑誌の出番である。というか「春」の独擅場である。「春オンライン」は4月10日付で小説家真山仁の「《混迷の聖火リレーに想う》『復興五輪』はまやかし…私が今すぐ東京五輪を中止すべきと考えるこれだけの理由」を発表している。
聖火リレーの様子を見ていると、そこだけが「虚構」の世界で動いている気がします。これまで国は「なぜ聖火リレーをするのか」という本質的な議論を全くしてきませんでした。そして、今回ついに、なし崩し的に聖火リレーは始まってしまいました。》
《私はコロナ禍が始まった1年ほど前から、東京五輪は中止すべきだと主張してきました。今でもその気持ちに変わりはありません。
五輪組織委員会の方と先日議論する機会がありましたが、「東京五輪開催には安全安心が第一」と強調されていました。私もこの点には同意します。しかし、どうも「安心」と「安全」が全然別なものである点に無頓着なことが気になりました。安心は人の心の問題ですが、安全は具体的に「数値化」できる。ところが、組織委は「安心」について語るばかりで、きちんと数値を出して「安全」を証明できていません。》
《しかし、今回の五輪が、東北の復興に果たした役割は何かあったでしょうか。オリンピック・パラリンピック競技の一部を被災地で開催するそうですが、効果は限定的です。いっそ、開会式を行う国立競技場を被災地に作った方が復興のためになったのではないでしょうか。招致に「復興」という言葉を使ったからには、その責任として何らかの成果を出していただきたいところですが、残念ながら見る影もないというのが現実です。》
https://bunshun.jp/articles/-/44723
「凡人エリック」がツイートしている。
《本当に日本が好きなら、東京五輪には反対すべきだろう。
いくらアスリートへのリスペクトがあっても、あるいはコロナ禍で暗く沈む国内を盛り上げたいからといっても、五輪開催でコロナ感染拡大したらもっと悲惨なことになるし、国際的信用を失う。そうならないようにするのも愛国心ではないのか。》
https://twitter.com/No_Zey_2020/status/1380663515996848134

-----------------------------------------------------

5)【本日の一行情報】

共同通信は4月9日付で「ぴあ、6月末で全店舗閉鎖」を配信している。
《チケット販売大手の「ぴあ」は9日、全国に77カ所ある「ぴあステーション」などの店舗を6月末で全て閉鎖すると発表した。》
https://this.kiji.is/753199541675311104?c=39550187727945729

◎「新潮社YouTubeチャンネル」は尾崎世界観南相馬市柳美里に会いに行く90分間の対談動画を公開している。尾崎は柳美里の「ゴールドラッシュ」(新潮庫)を読んで救われたことがあるそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=VGEqLcrgGIk

山尾悠子のツイート。
《ずっと品切れとなっていた『新装版 角砂糖の日』、3刷増刷の件も話が進んでいます。皆さまのお力添えのお陰と感謝しております。
(でもほんとに、すごい若書きの下手っくそな歌集なのですよ…マア恥ずかしいことです)》
https://twitter.com/marco9mx2/status/1381056256790515713
こんなステキな一首が収められている。
金魚の屍 彩色のまま支那服の母狂ひたまふ日のまぼろし
山尾の唯一の長編である「仮面物語」(徳間書店)はが、庫化されずに現在も絶版のままで、古書店で高値で売られている。

講談社が中心となって運営する池袋に誕生したLIVEエンターテインメントビル「Mixalive TOKYO」(ミクサライブ東京)は、ワン・パブリッシングが発行する月刊「ムー」ドワンゴの3社コラボによるLIVE配信番組を実施する。番組名は「帰ってきた ムー×ミクサ ミステリー調査班 MMMR」と題して、インターネットの祭典「ニコニコネット超会議2021 Supported by NTT」併設の「超声優祭2021 Powered by dwango , Supported by ディズニープラス」にて4月24日(土)24時00分から配信する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003179.000001719.html

◎「広告朝日」が4月7日付で発表している「『新聞×SNS』時代の到来。 いま話題化しやすい新聞広告とは」で電通のクリエーティブプランナー花田礼は次のように語っている。
《以前から新聞広告起点の話題化については一定の法則があると考えていましたが、2020年度話題になった広告を振り返って見てみると、その法則はある程度、正しかったように感じています。新聞広告がSNS上で話題化するとき、突破口となるのはやはりTwitter。私はTwitterを「広告が拡散する構造を持っている唯一のSNS」と捉えています。
Twitterでは、(場合によりますが)1,000リツイートを超えたあたりで、広告が広告ではなく「話題のコンテンツ」という見え方に変わる瞬間があり、ここまでくると拡散の流れは加速します。Twitterでの盛り上がりを見ていたWEBメディアのライターやテレビ番組のディレクターが、ネット記事やテレビなどで「話題の広告」として取り上げ、Twitterユーザー以外の人たちの目にもその広告が届くようになります。》
https://adv.asahi.com/creator/14260374.html

藝春秋コミック編集部は、安彦良和の漫画「安東 ANTON 一~三」の電子版を刊行した。紙版は学研より刊行され、長らく絶版状態にあった作品だ。
https://www.asahi.com/and_M/pressrelease/pre_26171116/

柳澤健は「日刊大衆」が4月8日付で発表した「新谷学『週刊春編集局長』は雑誌編集者よりも藝春秋という会社を背負うことを選んだ」で次のように語っている。
《花田さんは、部数の落ちた本誌(月刊『藝春秋』)を立て直せるのは新谷しかいない。新谷を本誌の編集長にするべきだとずっと言っていた。でも、『週刊春』編集長を退いた新谷は、新設された週刊春局長になった。雑誌編集者は雑誌を作りたいもの。本来なら『藝春秋』の編集長をやる方が面白いに決まってる。
でも彼は「自分がやりたいことよりも、自分にはやらなければならないことがある」と私に言った。自分が『週刊春』を稼げるメディアにしなければ会社が潰れると思っている。今の彼はそれくらい藝春秋という会社全体を背負っているんです。》
https://taishu.jp/articles/-/93483?page=1
「日刊大衆」が4月9日付で掲載した「スクープを連発しても『週春』がバカ売れしているわけではないのが難しいところ」で柳澤健は次のように書いている。
《・・・ここまでスクープを連発しても『週刊春』がバカ売れしているわけでは決してない。そこが難しいところ。みんなが『週刊春』のニュースにびっくりするけど、それが雑誌の購買にはなかなか結びつかない。「新聞を買うのをやめて、その分『週刊春』を買おう」という意見を見つけた時は笑ったけど。》
https://taishu.jp/articles/-/93484?page=1

◎「東洋経済ONLINE」は4月8日付で「漫画『進撃の巨人完結で知る担当編集者の秘話」を発表している。
《『進撃の巨人』が誕生に至るきっかけは、今から15年前の2006年の夏。諫山からの漫画持ち込みの電話を、講談社に入社したばかりの川窪が取ったことだった。当時、専門学生だった諫山はすでにいくつかの出版社に原稿を見せていたが、どこからも相手にされなかった。》
そうしたなかで川窪慎太郎は、その才能を見逃さず、「進撃の巨人」に結実する。海外での人気も高い。
《川窪は、Twitterで『「進撃の巨人」担当編集者バック』のアカウントを運用し、15万人のフォロワーを抱える。川窪によればフォロワーの7割は外国人だという。『進撃の巨人』は海外22カ国で合計1200万部を売り上げた。世界中でコスプレが楽しまれ、ハリウッドでの実写映画も決定した。YouTubeでアニメを放送すると外国人からのコメントがほとんどだ。》
https://toyokeizai.net/articles/-/421653

◎日販は3 月期の店頭売上前年比調査の結果を発表した。全体で 96.6%。全体の前年超えの連続記録はストップするも、 コミックは「呪術廻戦」関連商品が好調で、18 か月連続の前年超えを達成した。
雑誌 94.8% 。書籍 93.1%。コミック 104.1%。開発品 99.0%。
https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2021/04/pos_202103.pdf

海野つなみの新連載「スプートニク」が、「フィール・ヤング5月号(祥伝社)で開始されたが、コロナ禍を反映した設定となっている。
https://natalie.mu/comic/news/423643
フィール・ヤング」のマンガは、いつも時代に敏感だ。

博報堂、大広、読売広告社の3月度単体売上高が発表された。博報堂の新聞は前年同期比は+15.0%と大健闘。雑誌は-33.7%で、構成比は0.7%に過ぎない。ラジオは-33.5%で、構成比は0.5%。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1952354/00.pdf
この3 月分をもって月次売上高の開示を終了することになった。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1952359/00.pdf

青木るえかは「論座」に4月9日付で「イケイケの『週刊春』が自滅しないよう、『週刊○×』にがんばってほしい」を寄稿している。青木は「30年とか40年ぐらい前?」には「週刊朝日と「週刊春」を毎週買っていたそうだ。当時の感覚からすると「左派週刊誌と右派週刊誌の両雄」であった。青木は、こう書いている。
《「週刊朝日vs週刊春」の時はだんぜん週刊朝日派だったんだけどなあ。とにかく、電車の中吊り広告も楽しみで吊り革握りしめながら食い入るように読んだりしていたのに……。
これを書くにあたって、今週の『週刊朝日』をパラパラめくったら、「放送40周年記念『オレたちひょうきん族』を振り返る」なんて記事が前のほうに載っていて、つらいものがあった。そりゃ負けるわ……(ちなみに「デキゴトロジー」はなかった)。》
週刊誌は「週刊春」の一強時代に突入してしまったようだ。だからこそ青木は不安なのだろう。
《今、『週刊春』が一強みたいなことになっているのは、私としてはちょっと不安はある。
ひとつのメディアが力を持ちすぎて暴走するとか、そういう心配はしていない。そんなことより、こういう感じで「一強」の立場になると、いつかどういうわけか、その立場が崩れるんですよ。自滅していくのである。》
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021040800002.html?page=1
デイリースポーツは4月9日付で「五輪組織委 抗議応じぬ週刊春に『極めて遺憾』内部調査結果次第で法的措置も」を掲載している。
《週刊春が東京五輪開閉会式の責任者だったMIKIKO氏による演出案を報じた問題で、組織委は先週、著作権侵害を主張し、厳重抗議と販売差し止め、回収を求めていたが、組織委広報がこの日回答があったことを明かし、「我々が善処を求めていた点について、まったく応じられておらず、極めて遺憾」と、コメントした。現在は情報漏洩について内部調査を行っており、「対応は内部調査の結果を踏まえ検討する」とした。》
https://www.daily.co.jp/general/2021/04/09/0014225720.shtml
日本経済新聞は4月10日付で「五輪開会式巡り『表現の自由』論点に、組織委と春 対立」を掲載している。
東京五輪パラリンピックの開会式を巡って「表現の自由」が論点に浮上している。「極秘」の演出案を明らかにした週刊誌報道に大会組織委員会が抗議、掲載誌の回収も求めた。著作権侵害や業務妨害などを理由にした異例の対応だが、報道の正当性を支持する声は少なくない。
組織委の定例記者会見が開かれた9日、高谷正哲スポークスパーソンは「抗議して善処を求めた点について全く応じられておらず、極めて遺憾」と述べた。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE061I10W1A400C2000000/?unlock=1
「週刊春」が最近、右派に見えなくなってしまっているほど不健全な時代になってしまったのかもしれない。

◎「弁護士ドットコムニュース」は4月10日付で「『さよなら朝日』広告掲載を断念した柏書房は、なぜツイッター朝日新聞に怒ったのか?」(若柳拓志)を公開している。
柏書房朝日新聞記者である石川智也が朝日新聞の運営する「論座」に発表した原稿を正規の手続きを踏んで「さよなら朝日」として

【文徒】2021年(令和3)4月9日(第9巻66号・通巻1963号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】東京五輪にちらつく強権体質に反発 見渡せば春の味方ばかりなり 
2)【本日の一行情報】
3)【人事】学研プラス 2021年4月1日付
4)【人事】世界化ホールディングス(世界化社) 2021年4月1日付
5)【深夜の誌人語録】
6)【お知らせ】
----------------------------------------2021.4.9 Shuppanjin

1)【記事】東京五輪にちらつく強権体質に反発 見渡せば春の味方ばかりなり 

信濃毎日新聞は4月7日付で社説「組織委の抗議 報道の自由への威圧だ」を掲載している。
《見過ごせない報道への圧力である。東京五輪組織委員会の見識を疑う。》
《内幕を暴く報道が組織委にとって目障りなのは察しがつく。だとしても、国家的な事業を担う組織の威光をかさに言論を封じることが許されるはずもない。春だけでなく、ほかの報道機関にも組織委をめぐる報道をためらわせる圧力になりかねない。
森喜朗前会長の女性蔑視発言であらわになった組織委の体質に厳しい目が向けられている。求められるのは、批判に向き合って説明する責任を果たし、組織と五輪運営の透明性を高めることだ。市民の知る権利に応える報道を妨げることではない。》
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021040700125
北海道新聞は4月8日付で「五輪組織委抗議 表現の自由侵しかねぬ」を掲載している。
《開会式は五輪という国家プロジェクトの一環だ。多大な経費に税金が充てられることを踏まえれば、国民に対する情報公開は当然である。報道が公益にかなうのは、自明の理と言えよう。
著作権を巡る組織委の主張にも首をかしげざるを得ない。報道を目的にするのであれば、著作物を正当な範囲内で利用することは広く認められているからだ。
恫喝まがいの手法を取る組織委の姿勢は言論封殺に通じる。週刊春のみならずメディア全体を萎縮させかねず、ただちに改めなければならない。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/530782?rct=c_editorial
京都新聞は4月8日付で社説「組織委の抗議 五輪報道の自由奪えぬ」を掲載している。
《組織委では、森喜朗前会長の女性蔑視発言や五輪エンブレム盗用疑惑など不祥事が後を絶たない。組織体質に厳しい目が向けられていることを認識する必要がある。
五輪の人件費の「肥大化」を報じた新聞社に、組織委は謝罪と訂正を求めている。
コロナ禍での聖火リレーや五輪開催の可否をめぐり、さまざまな意見や批判が飛び交っている。
組織委は独善的にならず、しっかりと受け止めるべきだ。できるだけ情報を公開し、批判に応える姿勢を示してもらいたい。》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/543931
組織委員会が4月2日付で発表した「毎日新聞報道について」は、こう書き出している。
《4月1日の毎日新聞朝刊に掲載された「五輪『人件費単価』30万円 委託1人日額 肥大化止まらず」を見出しとする記事、及び、3月31日に毎日新聞社ウェブサイトに掲載された「東京五輪人件費『一人1日30万円』組織委内部資料、実額は非公表」「五輪費用、あれもこれも総額 組織委、実際単価示さず『参考値』」を見出しとする記事については、東京2020組織委員会が常識外れの高額な人件費を支払っているかのような誤解を招く見出し及び内容であり、極めて遺憾です。毎日新聞社に対しては、書面で厳重に抗議を行い、紙面及びウェブサイト上で謝罪及び訂正を求めました。》
https://tokyo2020.org/ja/news/news-20210402-07-ja
「ジャーナリズムの道徳的ジレンマ」の畑仲哲雄が呟いている。
《毎日の記事がよほど「不都合な真実」だったのだろうか。》
https://twitter.com/hatanaka/status/1378324922468954125
毎日新聞の齊藤信宏が畑仲をリツイートしている。
《「不都合な真実」とは言い得て妙です。情報開示こそ大事だということを、オリンピック組織委員会はしっかり考えてほしいです。
https://twitter.com/nobusaitoh/status/1379803858558324741
日本ペンクラブが4月6日付で発表した会長・吉岡忍名義の声明「東京2020組織委員会は報道統制をしてはならない~マスメディアの多様な報道を求める」は全を紹介しておこう。
《[またか!]
東京2020組織委員会が、また問題を起こしている。今度は週刊春が開会式内容を報じたことに対して、販売中止・回収・オンライン記事の削除を求め、さらに毎日新聞が非常識な高額日当を基準に会場運営委託費を算定しているのではないか、と報じたことに抗議し、謝罪・訂正を求めている。
国立競技場デザイン変更やエンブレム盗用疑惑から始まり、最近の前会長や辞任した開閉会式演出責任者の差別発言まで、いったいどれだけ醜聞をまき散らすつもりなのか。マスメディアが、多額の税金を投入して開催される〝国家プロジェクト〟の内情を取材・報道し、問題点を指摘するのは当たり前ではないか
[マジか!]
週刊春が報じたのは、本人も知らないうちに契約を打ち切られた演出家が考案した開会式演出案だという。組織委員会がその記事の回収・削除を求めたということは、ほぼその通りに開会式が行なわれると認めたに等しい。また、毎日新聞指摘ももっともである。
組織委員会の一連の要求は言論統制そのものであり、知る権利の侵害であることは言うまでもない。だが、そのこと以上に、あらたな演出案もつくれず、みずから手の内を明かしていることにも気づかない要求をする組織委員会の体たらくにがっかりする。いまからでも遅くない、組織委員会は両メディアへの要求を撤回すべきである。
[落ち着け!]
オリンピック報道は、現在の聖火リレーの段階から浮ついている。東京新聞記者が福島県内を大音声を上げて走る企業宣伝カーを撮影したネット動画は、国際オリンピック委員会(IOC)の「ルール」により72時間しか掲載できなかった。NHKが長野県内のリレーをネット中継した映像はいきなり途中で無音になり、五輪開催反対を叫ぶ市民たちの声が消去された。
IOCや組織委員会に、公道上も含めすべての五輪関連行事に対し報道規制をする権限があるのか。それは憲法で保障された言論や表現の自由に抵触しないのか。そうでなくてもコロナ禍の下、賛否両論ある五輪開催である。報道機関は多様な現実を伝えることが仕事ではないか。
東京五輪2020がうまく開催できたとして、終わってみたら言論統制の居丈高と、商業主義の騒々しさと、マスメディアの空騒ぎの印象だけが残った、などということにならないよう、関係諸方面の冷静な奮起を期待する。》
https://japanpen.or.jp/statement20210406/
出版労連は4月7日付で声明「公的機関による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する」を発表した。これも全を掲載しておこう。
《公益財団法人東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会は、「週刊春」4月8日号(4月1日発売)掲載記事「白鵬海老蔵、後援者…森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」、および3月31日配信の春オンライン記事「AKIRA』主人公のバイクが…渡辺直美も絶賛した「MIKIKO チーム開会式案」の全貌」において東京オリンピックの演出プランを暴露したことは不正競争防止法違反の罪及び業務妨害罪が成立しうるとして、4月1日、同誌の回収とWebからの削除を求めました。
これに対し同誌は「侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性があり、報道機関の責務である」と説明し、組織委員会の要求である発売中止、回収などについて拒否する姿勢を表明しています。出版労連この表明を支持し、連帯を表明いたします。
オリンピック・パラリンピックが、莫大な税金が投下される公共性の極めて高い催しであることはいうまでもありません。組織委員会は、国内外から多くの批判を受けた森喜朗会長(当時)の女性蔑視の差別発言による辞任、タレントへの侮辱演出案の存在など、五輪憲章に抵触し、人権を軽視した度重なる不祥事を起こしてきました。同誌の表明するとおり、開会式の概要を取材・検証し公表することが公共の利益と合致することはだれの目にも明らかです。
組織委員会は、非公開で会議を行うなど、極端に不透明な運営手法をとり、過度な情報コントロールを行ってきたことも報道で明らかとなっています。これらを納税者の前に明らかにする記事は、高い公益性を有していると考えます。さらに組織委員会は、警察と相談しつつ内外の関係者の調査に着手するとしていますが、これは刑事告訴をほのめかし取材活動を萎縮させることを意図した恫喝であり、不都合な事実を隠蔽することでガバナンスの不在を繕おうとしていると思わざるをえません。
平和の祭典と称されるオリンピック・パラリンピックは、市民の共感と支持がその礎にあってこそのものと考えます。そのためには、運営組織の透明性は不可欠です。報道機関として当然の取材活動の範疇にあり、憲法21条で保障されている出版社として当然の出版活動の範疇にある同記事に対し、著作権法違反や業務妨害などの組織委員会の主張は、公的機関による言論活動の妨害、出版・表現の自由に対する重大な侵害にほかならず、看過できるものではありません。
私たち出版に働く者は、公的機関による言論活動の妨害、出版・表現の自由の侵害を認めません。1963年に日本雑誌協会が制定した雑誌編集倫理綱領の第一項「雑誌編集者は、完全な言論の自由表現の自由を有する。この自由は、われわれの基本的権利として強く擁護されなければならない」という立場をいま一度、強く支持し、公益財団法人東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会による同誌への発売中止、回収要求の即時撤回を求めます。》
https://syuppan.net/?p=3169
日本マスコミ化情報労組会議(MIC)は4月8日付で「五輪組織委による言論妨害、出版・表現の自由の侵害に抗議する」を発表している。
《公益財団法人「東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会」は、「週刊春」4 月 8日号(4 月 1 日発売)掲載記事「白鵬海老蔵、後援者...森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」、および 3 月 31 日配信の春オンライン記事「『AKIRA』主人公のバイクが...渡辺直美も絶賛した『MIKIKO チーム開会式案』の全貌」において東京オリンピックの演出プランを取材・検証し、暴露した記事の掲載が「著作権の侵害」にあたるとして、同誌に対して、4月8日号の回収と販売中止、ネット記事の全面削除を求めました。
併せて保有の内部資料を直ちに廃棄し、今後のその内容を一切公表しないことを要求。「不正競争防止法違反の罪」「業務妨害罪」にも触れ、警察への相談、内部調査の徹底などにも言及しています。
これに対し同誌は「侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性がある」として、発売中止、回収などについて拒否する姿勢を表明しています。
平和の祭典と称されるオリンピック・パラリンピックは、莫大な公金が投入された公共性の極めて高い国際的なイベントです。同誌の表明するとおり、開会式の概要を取材し公表することが公共の利益と合致することは明白です。さらに、当該記事は、開会式の内容の決定過程や、その公金支出の在り方を検証し批判しているもので、公益性が高い報道です。内部資料の引用や紹介を含む報道記事について著作権が問われると、権力の監視や市民の「知る権利」に応えるメディアの正当な取材活動が成り立ちません。
さらに組織委は、営業秘密を不正に開示する者についても、「不正競争防止法違反の罪」及び「業務妨害罪」が成立しうるものであり、所管の警察と相談し、内部調査にも着手する、としています。刑事告訴をほのめかし、取材活動の萎縮を意図した恫喝とも受け取れます。公的機関による報道の自由への侵害や内部告発者や内部告発行為への威嚇とも受け取られ、今後の報道の自由、取材活動に多大な制限と影響を与えかねません。
オリンピック・パラリンピックは、市民の共感、支持があってこそのものです。その運営組織の透明性は不可欠で、メディアの取材活動の範疇です。言論・出版の自由は憲法 21 条で保障されています。組織委の主張は、公的機関からの言論妨害、出版・表現、報道の自由、取材活動に対する重大な侵害にほかならず、メディアで働く労働者として、看過できません。1963 年に日本雑誌協会が制定した雑誌編集倫理綱領の第一項「雑誌編集者は、完全な言論の自由表現の自由を有する。この自由は、われわれの基本的権利として強く擁護されなければならない」という立場をいま一度、強く支持し、組織委による同誌への発売中止、回収要求に抗議し、即時撤回を求めます。》
http://www.union-net.or.jp/mic/seimei/2021_04_08MIC%E5%A3%B0%E6%98%8E%EF%BD%A2%E4%BA%94%E8%BC%AA%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%A7%94%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%A8%80%E8%AB%96%E5%A6%A8%E5%AE%B3%E3%80%81%E5%87%BA%E7%89%88%E3%83%BB%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AE%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E3%81%AB%E6%8A%97%E8%AD%B0%E3%81%99%E3%82%8B%EF%BD%A3.pdf
NHK NEWS WEB」は4月6日付で「島根県丸山知事 聖火リレー実施決定も“スポンサー車両なし”」を公開している。
島根県の丸山知事が感染拡大を抑え込めないかぎり中止せざるをえないという考えを示していた東京オリンピックの県内での聖火リレーについて、実施を決めたことが関係者への取材でわかりました。一方で、多くのスタッフを伴う大会スポンサーの車両などは参加すべきではないとして6日、大会組織委員会に申し入れることにしています。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012958391000.html
春オンライン」は4月7日付で「開始3日で3件の車両事故 『聖火リレー』で電通に厳重注意」を掲載している。
《3月25日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」でスタートした聖火リレー。開始から3日間で3件の車両事故が続けて起き、運営を担う電通が厳重注意を受けていたことが、「週刊春」の取材でわかった。》
組織委員会を巡っては開会式の演出を巡る問題をはじめ、透明性の欠如が指摘されているが、車両事故が起きていた事実についても公表してこなかった。》
https://bunshun.jp/articles/-/44632
朝日新聞デジタルは4月8日付で「聖火リレー、大阪全域で中止 万博公園で代替開催 組織委」を掲載している。
東京五輪大会組織委員会は7日、大阪府内全域の公道での五輪聖火リレーを中止すると発表した。代わりに万博記念公園大阪府吹田市)でリレーを行う。新型コロナウイルスの感染者の急増を受けて、府が要請した。都道府県全域の公道でのリレー中止は初めて。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14863901.html
東京新聞は4月8日付で社説「聖火リレー 感染防止へ計画見直せ」を掲載している。
《まん延防止等重点措置が適用された大阪市を含む府全体で、公道でのリレーを中止するのはやむを得ない。他の大都市でも繁華街を通る計画は大胆に見直すべきだ。縮小を検討している鳥取県の事例も地方都市には参考になる。
一方、聖火リレーの意義を分かりにくくさせる演出には疑問を呈したい。ランナーを先導するスポンサー企業の派手な広告車の存在である。
巨額の協賛金を負担する企業が大会応援団の一員であることは理解しても、大音量で音楽を流し、観衆に景品を配るのはやりすぎではないか。ランナーより目立っては本末転倒だ。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96563?rct=editorial
ここまで五輪のイメージが汚れるとは誰も予想できなかった。

-----------------------------------------------------

2)【本日の一行情報】

朝日新聞デジタルは4月7日付で「米、北京五輪ボイコット協議へ 同盟国と、人権問題受け」(園田耕司)を掲載している。
《米国務省のプライス報道官は6日の記者会見で、来年2月の北京冬季五輪について、中国の人権問題への懸念を示した上で、ボイコットする可能性を米国の同盟国との間で協議したいとする意向を示した。米国からの呼びかけで、日米間でも協議することになりそうだ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP472V7XP47UHBI008.html
東京五輪については協議しないのだろうか。

◎小説家・平野啓一郎のツイート。
《自殺報道やテロ報道では、「アナウンス効果」の抑制が求められますよね? 聖火リレーで、人が集まってる映像だって、当然、アナウンス効果はあるんですよ。メディアは「気の緩み」と言うけど、自分たちが煽ってることも自覚すべし。》
https://twitter.com/hiranok/status/1379943288514301953
特にNHKの責任は大だ。

◎ワクチンもアスリートファーストってか!毎日新聞は4月7日付で「五輪選手に優先接種検討 政府、6月までに 高齢者終了前開始か」を掲載している。
《政府は東京オリンピックパラリンピックに出場する日本代表選手を対象に、新型コロナウイルスワクチンの優先接種を可能とする方向で検討に入った。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/k00/00m/010/405000c
江川紹子が引用ツイートしている。
《今月19日に全成人にワクチン接種できるアメリカ、それより遅いとはいえ、高齢者の接種は進んでいるヨーロッパ。これに対し、多くの人がいつになったら自分が接種を受けられるかさえ見通しが立たない日本で、五輪選手が優先接種とは…。》
https://twitter.com/amneris84/status/1379929749351329794
情報労連のつしまようへいも引用ツイートしている。
《こういうのは、脆弱性を抱える人たちから優先的に接種するのが基本ではないのかな。「能力のある者」「社会的に有用な者」から優先的に接種させようというようにも感じられ、抵抗感がある。》
https://twitter.com/yohei_tsushima/status/1379936013779275778
毎日新聞スポーツ記者・倉沢仁志の引用ツイート。
《選手だけでも理解得られないのでは?必要としている人の列に割り込んでまで、五輪をやるものなのかは疑問です。》
https://twitter.com/hitkurasawa/status/1379815332496375812
医師にして小説家の知念実希人のツイート。
《とりあえず、1年以上感染リスクにさらされながら頑張ってきた医療従事者へのワクチンを急いで下さいね……》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1379971347070087169
知念は、こうもツイートしている。
《オリンピックやれるかどうかは私には分からないけど、大量の医療従事者の動員はまず無理だと思います。
新型コロナ対応とワクチン接種で多忙極まる医療従事者にその余裕はありません。
あと、ワクチンなかなか来なくて阿鼻叫喚なのに、『ボランティアをしろ』はさすがに虫が良すぎでしょ。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1380089533304242184

◎「週刊ポスト」4月16・23日号は書評で太田英昭の「フジテレビプロデューサー血風録 楽しいだけでもテレビじゃない」(幻冬舎)を取り上げている。評者の山内昌之は次のように書いている。
《フジ持株会社の社長や新聞社の会長を経ていまは英字発信に勤しむ著者は「国益」を大事にする。その華を開花させずに放送界を去った著者を惜しむ声が登場人物たちから聞こえそうな本でもある。
https://www.news-postseven.com/archives/20210407_1649274.html?DETAIL
そうか、太田は国益を大事にしているのか。太田の略歴を見て見るならば、2008年にフジ・メディア・ホールディングスの専務取締役、2012年に取締役副社長、2013年に代表取締役社長、2015年産経新聞代表取締役会長を歴任している。そう、フジ・メディア・ホールディングスが放送法外資規制に違反していたとされる時期(2012~2014)と重なっているのだ。愛国が売国に転落しないことを祈りたい。
東京新聞は4月8日付で「フジHD、総務省に14年に報告 外資規制違反でミス4回、口答で注意」を掲載している。
《フジテレビを子会社に持つフジ・メディア・ホールディングスHD)は8日、過去の外資比率が放送法の規制に違反していたと発表した。2012年9月末~14年3月末の半年ごとの株主名簿確定時で、計4回にわたり議決権ベースで20%をわずかに上回った。同社の金光修社長は東京都内で記者会見し、外資規制違反について14年12月に総務省へ報告していたと明らかにした。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96686
国益を大事にする経営者が外資規制を違反することなど絶対にないはずなのだけれど。

朝日新聞デジタルは4月7日付で「優里さんのMVでSME陳謝 ユーチューブ公開を停止」(鈴木康朗)を掲載している。
《人気アーティスト優里(ゆうり)さんの楽曲「インフィニティ」のミュージックビデオについて、所属先の親会社であるソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は6日、ユーチューブでの公開を停止した。ビデオには優里さんとは別人がスケートボードを操るシーンがあるが、スケボー禁止の公園で無許可で撮影されていたという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4662D7P46ULFA01N.html
青臭い話をしたいわけではないが、「表現の自由」との整合性も踏まえて判断しなければならない案件であろう。

◎4月7日付毎日新聞が掲載している「LINEが読み違えた『ユーザーの気持ち』 宍戸常寿・東大大学院教授」(後藤豪)でLINEの親会社であるZホールディングスが設置した特別委員会の座長で、情報法が専門の東京大大学院教授・宍戸常寿は次のように語っている。
《――一方、ラインは利用者間でやりとりした画像や動画のデータを韓国のデータセンターで保管していました。この点はどう見ますか?
◆政治的には、こちらの問題に怒っている人も多いように感じます。ラインはヤフーと合併する前は韓国IT大手ネイバーの子会社だったわけで、個人情報が韓国にある程度移転されること自体は、多くの国民もそれなりに想定するわけです。それに対してラインは「データは全部日本にあります」と説明してきた。しかし実はそれはテキストや通話履歴の話であって、画像や動画等は韓国に行っていた、というわけです。利用者の期待を裏切るもので、非常にすっきりしない説明です。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/k00/00m/020/006000c
ツイッターフェイスブック、アマゾン、アップルの情報は、どこにあって、どのように管理されているかも本当は問わなければならないのではないだろうか。

◎ロイターは4月8日付で「フェイスブック、5億人超の情報流出で利用者に通知しない方針」を配信している。
《米交流サイト(SNS)大手フェイスブックは、過去に流出した利用者5億3000万人以上の個人情報がインターネット上で最近閲覧可能になっていた問題について、当該の利用者に通知しておらず、通知する予定もないと、広報担当者が7日、明らかにした。》
https://jp.reuters.com/article/facebook-data-leak-idJPKBN2BV054
「Business Insider日本版」は4月5日付で「ザッカーバーグCEOの電話番号も流出していた…フェイスブックの5億人以上のユーザー情報漏洩で」を公開していた。
《サイバー研究者のデイブ・ウォーカー(Dave Walker)によると、フォーラムに個人情報が投稿された5億3300万人のユーザーの中には、ザッカーバーグのほか、フェイスブックの共同創業者であるクリス・ヒューズ(Chris Hughes)とダスティン・モスコビッツ(Dustin Moskovitz)も含まれていたという。》
https://www.businessinsider.jp/post-232488

◎「NHK NEWS WEB」は4月7日付で「世界の富豪 アマゾンのベゾス氏1位 富裕層への富の集中進む」を公開している。
《4年連続でトップとなったベゾス氏の資産は1770億ドル、日本円で19兆4700億円で、去年に比べて1.5倍以上に増えました。
2位は、電気自動車メーカー・テスラの経営トップ、イーロン・マスク氏で1510億ドル、16兆6100億円でした。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012960221000.html
第一次IT革命が富の集中をもたらしたのであれば、第二次IT革命は富の平等を実現することを目指さなければならないはずだ。デジタル社会主義

小学館が培ってきた紙付録は今やとんでもない段階を迎えようとしている。「幼稚園」5月号の付録は東芝テックのセルフレジ「WILLPOS Self SS-900シリーズ」をベースにしたペーパークラフトなのだが、「センサーユニット」も使う本格派だ。楽しむのは、幼稚園児にしても、組み立てを楽しむのは親たちであろう。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1316555.html
テレ朝系の「羽鳥慎一モーニングショー」でも4月8日に取り上げられた。「J-CAST ニュース」は4月8日付で「雑誌『幼稚園』の人気付録に玉川徹がブツブツ 羽鳥慎一『面倒くさい幼稚園生だなあ』」を掲載している。
小学館の子ども向け雑誌『幼稚園』の付録が「すごい」と評判らしい。きょう8日(2021年4月)の「モーニングショー」は、番組冒頭からこの話題で盛り上がった。
スタジオに登場したのは、高さ30センチほどの紙でできたセルフレジ。これが「幼稚園」5月号の付録というのだから、驚きだ。紙でできた牛乳パックなどの商品を「スキャン」すると、「328円」「288円」などと表示され、中から値段を読み上げる声もする。最後にはちゃんとレシートも出てきて、マイバッグもついている。4月1日に発売されたところ、幼稚園児向けの雑誌の付録とは思えないクオリティーの高さで品切れとなる書店も出ているという。》
https://www.j-cast.com/tv/2021/04/08409038.html?p=all
「紙」の化の凄みを小学館が見せてくれた。宝島社には、この芸当は逆立ちしても真似できまい。フライパンやトートバッグでは大人の「遊び心」を刺激できないのである。
https://books.j-cast.com/topics/2021/04/07014821.html
もちろん、付録がない女性誌よりも宝島社の女性誌は魅力的ではある。

◎栗山米菓は、「ばかうけ」とTVアニメ「呪術廻戦」とコラボレした「呪術廻戦ばかうけ青のりしょうゆ味」が好評だったことを踏まえ、第2弾として、キャラクター数を増やし、新たなパッケージで「呪術廻戦ばかうけ青のりしょうゆ味2」を期間限定で発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000063435.html
「呪術廻戦」の名前が年代性別を超えて、どんどん浸透していく。

◎「マネー現代」は4月6日付で磯部孝の「『鬼滅』以上の可能性? 『呪術廻戦』が不況のファッション業界を救うかもしれないワケ」を発表している。
《そんな中、ファッション業界でも「呪術ブーム」が到来しつつある。
いち早く取り扱ったのは、D2Cブランドとして若者達から支持を集める『MONO-MART』と、しまむらグループのカジュアル専門店の『アベイル』。》
《・・・『呪術廻戦』については、いまだ充分な供給量に達していないとの見方が大半だ。実際のアパレル業界の声を聞くと、取り扱った企業では即日完売したところが多く、商品の供給不足で終わったという手応えがあるようだ。
当然、実績を作った企業ではコラボレーションの第二弾、第三弾を企画しているし、若者向けカジュアル専門店として人気の『ウィゴー』やアダストリアグループの『レイジブルー』など新たなプレイヤーも加わり、『呪術廻戦』商戦はいよいよこれからといった様相だ。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81904?imp=0

◎4月7日付毎日新聞が掲載している「東京彩人記 小さな書店、存続に尽力 出版社『トランスビュー』社長 工藤秀之さん(48) /東京」で工藤秀之は次のように語っている。
《――何を変えようと考えたのでしょうか?
売ろうという意思を持った書店にきちんと応え、1冊で利益が出る卸値の設定をすることに尽きます。トランスビューでは取次会社を介さずに作った本を直接、書店に卸しています。取次会社を介すと書店に出る利益は定価の22%くらいが平均といわれていますが、30~32%の利益が出るようにしています。を受けた本はすぐに発送し、全国の3000店ほどとやりとりしています。
実は出版社にとっては取次会社を介した方が利益は出るのですが、同じように「自分が大事に作ったものを大事に売ってくれるお店と付き合いたい」と考える出版社もいて、まとめて本を発送することで費用や事務作業を効率化しています。月に1度、それぞれの出版社の本を集めたダイレクトメールを書店に送っているのですが、書店にとっても約130社分の本を一括で注できるので手間が軽減でき、余力は本を売るために使えます。》
https://mainichi.jp/articles/20210407/ddl/k13/040/012000c

集英社が運営する漫画アプリ「少年ジャンプ+」はネーム原作限定の新たな漫画賞「少年ジャンプ+ ネーム原作マンガ賞」を創設した。大賞は100万円だ。
https://www.oricon.co.jp/news/2189542/full/

◎「Casa BRUTUS」5月号が、建築家・安藤忠雄を大特集している。私などは「Casa BRUTUS」というと、即座に安藤忠雄を連想してしまうのだが、「Casa BRUTUS」が安藤を特集するのは何と12年ぶりだそうだ。「リアルサウンド」が4月5日付で「芦田愛菜佐藤健又吉直樹安藤忠雄と対談 『Casa BRUTUS』12年ぶりANDO建築特集」を公開している。
https://realsound.jp/book/2021/04/post-735903.html
又吉との対談は「住吉の長屋」で行われた。
http://www.hetgallery.com/row-house_sumiyoshi.html
住吉の長屋」に住んでいる東氏は、当時、電通神戸支社の社員であった。

博報堂は、ブランド・トランスフォーメーションによる企業支援の一環として、noteと共同で、パーパスを起点とした企業・ブランドの情報発信を行うため、業務提携契約を締結した。あわせて、両社による企業向けサービス「new branding with note」を提供開始した。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/04/210407.pdf

◎「日刊大衆」が4月7日付で掲載している「花田紀凱が『マルコポーロ事件』で藝春秋を追われたのは本人にとってはよかった!?」で柳澤健が喝破しているように花田紀凱は「過去の思い出にすがる老人ではなく、いまでも現役バリバリの編集長であるところが凄い」のである。
https://taishu.jp/articles/-/93478?page=1

◎元欅坂46の長濱ねるが、創設25年目を迎える幻冬舎庫のフェアキャラクターを務めることになった。
https://www.oricon.co.jp/news/2189552/full/

◎マガジンハウスは、「農林水産省職員直伝『食材』のトリセツ」を発売した。YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF](ばずまふ)から生まれた企画といってよいだろう。
https://www.atpress.ne.jp/news/253240

東京新聞労働組合のツイート。
中日新聞社の新入社員のみなさん。
社内には労組が2つあります。
新聞労連加盟の私たち「東京新聞労働組合」と
新聞労連非加盟の「中日新聞労働組合」です。
どちらに入るか
みなさんには選択の自由があります。
よく見て、考えて
良いと思ったほうに入ってください。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1379025872435355648

-----------------------------------------------------

3)【人事】学研プラス 2021年4月1日付

南條 達也
新:代表取締役社長
旧:学研ホールディングス経営戦略室・室長

-----------------------------------------------------

4)【人事】世界化ホールディングス(世界化社) 2021年4月1日付

鈴木 東子
新:出向(株)世界化社 家庭画報事業本部 家庭画報編集部 部長 編集長代行 兼 家庭画報 .com ビジネス部長 家庭画報 .com 編集長
旧:出向(株)世界化社 家庭画報グローバルビジネス部長 家庭画報国際版編集長 兼 家庭画報事業本部 家庭画報 .com ビジネス部長 家庭画報.com 編集長

辻 美紀
新:出向(株)世界化社 家庭画報事業本部 家庭画報編集部 兼 新ビジネス戦略部
旧:出向(株)世界化社 家庭画報グローバルビジネス部 兼 新ビジネス戦略部

佐藤 信之
新:出向(株)世界化社 イベント・カスタムビジネス部担当部 長
旧:出向(株)世界化社 家庭画報グローバルビジネス部担当 部長

-----------------------------------------------------

5)【深夜の誌人語録】

怒るよりも笑え!

-----------------------------------------------------

6)【お知らせ】 

」2000号まで、あと37号。