【文徒】2014年(平成26)7月4日(第2巻124号・通巻326号)

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1)【記事】諫山創のアシスタント出身やまもとありさの連載が突然中止に!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】諫山創のアシスタント出身やまもとありさの連載が突然中止に!

やまもとありさは「進撃の巨人」のアシスタント出身のマンガ家。諫山創のブログ「現在進行中の黒歴史」によれば、やまもとの作品が何と連載開始の二日前に連載を取り消されたそうだ。
「原稿五話と何話かのネームが出来上がった状態の連載開始二日前に、有害図書指定に当たる可能性があるとのことで急遽連載取り消しの判断が下されたそうです」
http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/8436506.html
やまもと本人のブログ「まんまんかきかき!」に連載が突如中止になった経緯が書かれている。やまもとは6月29日から「コミックゼノン」のウエブ漫画サイト「ぜにょん」で連載を開始する予定だったが、6月27日に連載できない旨を編集者から伝えられたという。やまもとは、次のように書いている。怒りを抑えた冷静な筆致であるだけに読んでいると痛々しくなる。連載中止は、私などからすると、相当呆れた理由によるものだ。
「その理由はというと、コミックゼノン編集部のあるコアミックスという会社が徳間書店という会社に委託して雑誌や単行本を出版するらしいのですが徳間書店の担当者が、有害図書指定に当たる可能性があるとして、わたしの漫画を出版できないと判断したそうです。ゼノン側は単行本が出せないものには連載させても意味が無いという事で、連載開始2日前にそのような報告を受けました」
http://blog.livedoor.jp/slice_sareta/archives/38910895.html
性的な表現がどの程度ハードであるか知らないが、連載を決定する会議を経て、しかも担当編集者は五話分の内容にゴーサインを出したうえで連載中止とは、いくら何でも酷すぎるというものだ。
コアミックスと言えば「少年ジャンプ」出身の堀江信彦が社長をつとめる会社だが、いくらやまもとが新人であるとはいえ、作家=表現者に対して、こんなに失礼で良いものなのだろうか。作家を守ってこその版元であるはずだ。こういうことをやっていると、マンガ家の版元離れが始まりかねまい。

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2)【本日の一行情報】

幻冬舎コミックスが「ルチル文庫L」を7月15日に創刊。BL小説のシリーズ「リンクスロマンス」の文庫化である。
http://www.gentosha-comics.net/event/rbl.html

朝日新聞社オウケイウェイヴは、合弁会社アピタ朝日新聞OKWave」を6月30日付けで設立。これにより朝日のウエブサイト「apital(アピタル)」に、OKWaveのコミュニティ機能を付け加えることになる。
http://www.sbbit.jp/article/cont1/28186?ref=rsspick

◎今日もタイトルの変更なし。ブログ「『すてきな奥さん』編集長・ヤマオカのプチぜいたくな日々」。「CHANTO」8月号発売まで一週間を切る。
http://ameblo.jp/suteoku06/

エスエス製薬は、しみ・そばかすなどの肌トラブルを改善するOTC医薬品「ハイチオール」シリーズの広告出演モデルを決定する「素肌力コンテストを光文社とタッグを組み実施しているが、ファイナリスト15名を決めるウエブ投票を開始している。私は大手学習塾で取締役COOをつとめる伊藤奈緒に一票を投じた。
http://www.ssp-club.jp/shop/cp/contest.aspx

角川歴彦が社長をつとめる角川アスキー総合研究所Twitter Japanの協力のもと、Twitterのタイムライン上で電子書籍が読めるePubビューワーを開発し、7/2より「tw-epub.com」にて公開を開始した。この機能によりコミック・書籍の購買動機付けとして有効である「試し読み」(言ってみれば立ち読みだ)がタイムライン内で完結できるため、ユーザはタイムラインからほかのサイトへ移動することなく手軽に作品の内容を確認できるし、その作品が気に入った場合は、購入サイトへもワンクリックで進める。世界初なのだそうだ。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20140702_z2s78.pdf

集英社の「りぼん」は創刊60周年を迎えるが、これを記念して小花美穂の「こどものおもちゃ」が2015年夏に舞台化される。「こどものおもちゃ」は1994年から1998年まで「りぼん」に連載され、1996年にはアニメにもなっている。
http://www.nelke.co.jp/stage/kodocha/

◎7月7日、名古屋造形大学マンガコースで「ジャンプSQ」出張編集部が実施される。講談社の「ITAN」もやっている。
http://www.nzu.ac.jp/blog/manga/archives/4799

主婦の友社は「S Cawaii!特別編集 フツーの女のコでも読モ・モデルになるにはBOOK ダイエット編」の重版を記念してYouTubeに動画を公開した。オレも痩せないと。この腹を何とかしたい(泣)。
https://www.youtube.com/watch?v=8I2tio8Ba7o

◎ハイブリッド書店サービス「honto」を運営する大日本印刷大日本印刷グループの書店およびトゥ・ディファクトは共同で、「本を贈る」ことを習慣としてとして根づかせるべく、「本にリボンを添えて贈る」ことをテーマにした「OKURIBON」キャンペーンを展開している。 第1弾は、全国23店舗の丸善ジュンク堂文教堂のキャンペーン実施書店とhontoサイトでスタートさせた。
http://honto.jp/cp/hybrid/2014/okuribon?partnerid=okuribon

東京都市大学市民講座「メディアの現在 第3回『出版界のこれから、文藝春秋の挑戦」が7月14日午後6時半より開催される。講師は文藝春秋の松井清人社長だ。
http://www.yc.tcu.ac.jp/news/20140520.html

河出書房新社あたりでも、こういうことをやってしまう。1月に刊行した吉村昭の新書「人生の観察」について、現在書店にある分を除き、販売中止を決定した。時事通信は次のように書いている。
日本文芸家協会によると、津村さんは編集者からの出版依頼に同意したものの、本来行う出版社からの校正刷りの提示などがないまま刊行された。後に小野寺優社長らが津村さん宅を訪れて謝罪、販売中止の措置を伝えた」
「津村さん」とは吉村の妻であり、著作権継承者である作家の津村節子
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014070100933

講談社ラノベ文庫の「銃皇無尽のファフニール」がアニメ化されることになった。「good!アフタヌーン」で連載マンガ化もされている。
http://mantan-web.jp/2014/07/02/20140701dog00m200048000c.html

テレビ東京KADOKAWAステマ疑惑がかけられている。ステマを仕掛けていないのであれば、何らかのメッセージを発信する必要があるのではないか。
http://togetter.com/li/687451

角川春樹事務所発行の女性ファッション誌「BLENDA」が、8月7日発売9月号をもって休刊。部数も急降下しているし、広告も入らないという二重苦が休刊の原因である。
http://www.fashionsnap.com/news/2014-07-02/brenda/

◎日本最大級の屋外ファッションショー「a-nation&GirlsAward island collection」が今年も8月14日〜20日まで国立代々木競技場第一体育館を舞台に開催される。これにコラボする女性誌は「CanCam」「Numero TOKYO」「nicola」「itLOVE」「NYLONJAPAN」「nonno」「sweet」の7誌である。※「Numero TOKYO」のeはアクサンテギュのe
http://a-nation.net/island/fashion/

森永乳業のチルドカップ乳飲料「贅沢倶楽部」シリーズと集英社女性誌「LEE」が初コラボし、「LEE×贅沢倶楽部 バナナ・キャラメリゼ」が新発売された。この発売を記念し、「LEE」編集部がセレクトした“贅沢気分が味わえるこだわりの雑貨”が当たる「LEE編集部セレクトこだわり贅沢キャンペーン」を展開している。
http://www.morinagamilk.co.jp/corporate/release/2014/0630_2017.html

◎KADOKAWAがアジアで学校事業に乗り出す。今秋、台湾とシンガポールにアニメや漫画制作の専門学校を開校するのを皮切りに2016年までにタイ、香港、マレーシアなどアジアに10校を設立するそうだ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/culture/article/98811

大日本印刷は、パナソニック株式会社の4Kタブレット端末「タフパッド4K」を利用して印刷物の校正作業をオンラインで行えるシステムを開発しました。
http://www.dnp.co.jp/news/10100544_2482.html
「タフパッド4K」はコレ。
http://panasonic.biz/pc/prod/pad/ma6/

合田経郎人形アニメこまねこ」が絵本となった。小学館から刊行された「こまねこのこまったこまったぬいぐるみ」がそう。このキャラクター、良いね。
http://tampen.jp/article/222

佐賀県丸善ジュンク堂書店がコラボ。書店員が選ぶ佐賀県の名産品と本を組み合わせたギフトセット「ほんのひととき 〜本と、半径1mの、おくりもの。」を書店店頭で販売する。
http://japan.cnet.com/release/30074964/

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3)【深夜の誌人語録】

編集者の本質は流れ者である。