【文徒】2014年(平成26)10月16日(第2巻195号・通巻397号)

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1)【記事】アマゾン!恐るべし
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】アマゾン!恐るべし

アマゾンは住宅設備メーカーと共同して住宅用ポストを開発した。日本郵便とともに設置に際しての支援策も打ち出すという。「J-CASTニュース」は次のように書いている。
「ネット通販が普及するのに伴い、商品がポストに入らず、注文者の不在時には持ち帰って再配達するケースが増加している。アマゾンは小型の商品をメール便で配送しているが、ポストを共同開発した住宅設備メーカーによると、現状ではこれらメール便の『65%がポストに入らない』状況という。すぐに再配達してもらえないこともあるから注文者にも不満が残り、ネット通販のネックの一つになっている」
昔、流行したテレビCMをもじって言えば、「目のつけどころがアマゾン」というべきだろう。もっとも、このポスト、安くはない。戸建て住宅用で3万2080円するのだ。ポイント還元や補助金が出るといっても、簡単に手を出せる価格ではあるまい。
http://www.j-cast.com/2014/10/11217920.html
そうは言っても、これまでわが国の宅配業者は宅配物がポストに入らない情況を前にして、何の手も打ってこなかったことからすれば、アマゾンの行動力には、驚かされる。
そう言えばグーグルのシュミット会長がグーグル最大のライバルはアマゾンだと語ったそうだ。AFPは、このように伝えている。
「アマゾンについては『多くの人がグーグルの最大のライバルはBingやヤフー(Yahoo!)だと思っている。だが現実には、ネット検索における最大のライバルはアマゾンだ』と指摘。『アマゾンを検索エンジンと見なす人はいない。だが、買いたいものをネットで探しているとき、かなりの頻度でアマゾンに行き当たる』と述べた」
http://www.afpbb.com/articles/-/3028812

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2)【本日の一行情報】

◎11月15日(土)に立命館大学衣笠キャンパスでシンポジウム「浅田次郎が語る電子出版時代の書店と図書館」が開催される。
http://www.japanpen.or.jp/news/guide/1115_1.html

カルチュア・コンビニエンス・クラブが福岡市の掲げる「スタートアップ都市づくり」のもと、福岡市とともに起業家を支援する。具体的には、その拠点機能を担うスタートアップカフェを「TSUTAYA BOOK STORE TENJIN」3階ワークスタイルフロアで10月11日に開業した。
http://www.ccc.co.jp/news/2014/20141010_004612.html

◎オットージャパンのアプリ「ファビアインフォリーダー かんたんに洋服をコーデ&試着」。こういうアプリも女性ファッション誌にとって、実は脅威なのである。
http://android.ascii.jp/2014/10/13/993584/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=993584

電通の9月度単体売上高。マス4媒体のなかで前年を僅かにでも上回ったのは、雑誌だけであった。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2014084-1007.pdf

集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+」のダウンロード数が、今月11日に100万件を突破した。これを記念して「こち亀」のコミックス1巻から100巻までが100時間限定で無料配信されている。
http://mantan-web.jp/2014/10/14/20141014dog00m200009000c.html
http://octoba.net/archives/20141014-android-news-kochikame.html
こち亀」って192巻もある!若き日の堀内丸恵社長が担当した作品でもある。

インプレスは、インプレスグループ内で、人気の高く、優良なWebコンテンツを中心に、電子書籍としてリパッケージして出版する「impress Digital Books」シリーズを創刊した。企業ホームページとネットマーケティング実践情報サイト「Web担当者Forum」で大人気のWebマーケティングをテーマにしたマンガ「Webマーケッター瞳」、デジタル総合ニュースサービス「Impress Watch」で活躍中の人気著者によるメルマガ「MAGon」の「藤本健のDigital Audio Laboratory's Journal」における連載をまとめた「DTMの原点」の2点をリリースした。
http://japan.cnet.com/release/30083529/

◎新潮社の「ニコラ」が編集スタッフを募集している。フレックスタイム制(標準労働1日8時間/コアタイム11時〜17時)で「月給/25万円以上」だそうだ。
http://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-121106-4-6-1/?ty=nw

◎誰かの手を借りずに誰もが当事者として「生」な情報を発信できるということでもある。エボラ出血熱に感染した米国のフリーカメラマンが自らの体験をブログで発表するとツイッターに投稿した。
http://www.afpbb.com/articles/-/3028847

◎トモノカイは同社のメールマガジンt-newsを使って現役大学生・大学院生を対象にSNSの利用実態についてのアンケート調査を実施。99%がSNSを利用している。LINEの利用率は96%。ツイッターが87%。フェイスブックが77%。この三つを使っている学生は約7割。フェイスブックは「ほぼ閲覧のみ」で利用が57%に及び、「自らの情報を投稿するというよりも、知人の近況に関する情報をチェックする場として」利用される傾向にある。一方、ツイッターは「頻繁にツイートをする」「たまにツイートをする」と答えた人があわせて8割を超えている。LINEは「家族・友人等との連絡・雑談」に使うが95%となり、メールに代わるコミュニケーションツールであることが推測できる。
http://www.value-press.com/pressrelease/132338

ソフトバンクはインターネット広告を強化するためにオンライン広告配信事業者のジーニーと資本・業務提携する。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0S939720141014

アメリカの「エスクワイア」が毎年発表している「世界で最もセクシーな女性」にペネロペ・クルスを選んだ。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35055117.html

◎「ブーン」(祥伝社)復刊を手がける山口一郎編集長の次のような発言は重要だと思う。
「例えば、ローティーンってコンテンツにお金を払わないと思うんです。それがデフォルトになっているなかで、どう彼ら、彼女らにアクセスいけばいいかというと、例えばSNSだけでコンテンツをアップしていくとかもあるでしょう。紙はフリーにしてネット媒体主体で広告費を稼ぐというやり方もありかもしれません」
こういう作業に真剣に取り組まないと雑誌の「入口」は、どんどんと狭まり、シニア層でさえも雑誌に振り向かない時代がやって来てしまうだろう。出版社は最低限、デジタルファースト戦略を持つべきだと思う。
http://news.ameba.jp/20141014-546/

◎元「少女フレンド」のマンガ家が同窓会マンガ誌として「プラチナフレンド」を刊行しようと、クラウドファンドを使って資金募集をしている。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1410/14/news145.html

朝日新聞社が「信頼回復と再生のための委員会」を発足させた。委員は社外からジャーナリストの江川紹子、弁護士の国広正、日産自動車副会長の志賀俊之社会学者の古市憲寿、社内から委員長となる飯田真也上席執行役員・東京本社代表のほか、西村陽一取締役・編集担当、持田周三常務取締役・大阪本社代表、福地献一取締役・社長室長を選んだ。どういう基準で選んだのだろうか。本当に適任なのだろうか。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141015-OYT1T50006.html

◎ 編集者という稼業は芸能人にモテる!
http://lite-ra.com/2014/10/post-546.html

◎「マンガ読破!」などを手掛けるGreen rompとベンジャネットは単行本化されなかったマンガを電子書店に提供するサービスを開始した。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/15/news029.html

◎ニールセンの調査によれば、アメリカの書籍の販売全体に占めるペーパーバックの割合は42%で、次はハードカバーの25%。電子書籍は23%だった。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/15/news059.html

◎国会記者会館の取材拒否訴訟でインターネットメディアの「OurPlanet-TV」が敗訴。こういう判決に疑問を感じない記者クラブを構成するマスメディアの記者って何?
http://www.bengo4.com/topics/2162/

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3)【深夜の誌人語録】

敵には尊敬すべき敵を選ぶべきである。そうしないと人間として成長できないからだ。