【文徒】2014年(平成26)10月30日(第2巻205号・通巻407号)

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1)【記事】講談社の「新規事業発表会」はどう報じられたか
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】講談社の「新規事業発表会」はどう報じられたか

講談社はファッションアプリ「iQON」を運営するVASILYと資本提携で合意した。講談社としてはスマホに特化したコンテンツ連携やネイティブアドネットワーク連携を推進する。VASILYからすれば講談社以外の出版社との提携も視野に入れているようだ。
http://press.vasily.jp/1857/
これも実は28日に講談社で開催された「新規事業発表会」で説明があったのだが、私は書かなかった。あれだけ案件の多い発表会となれば、各メディアとも、発表した内容の総てを紹介しているわけではなかった。IT系のメディアの場合は、VASILYとの資本提携の話題で持ちきりであるし、NHKの場合は日経との共同事業のみを報道したらしい。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/28/news105.html
http://jp.techcrunch.com/2014/10/28/jp20141028iqon/
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141028/k10015771311000.html
朝日新聞の場合はデジタルファーストで立ち上げる「ミモレ」や「FORZA STYLE」を無視し、メインは女性誌4誌について紙版の購入者に電子版を無料で提供するサービスに重心を置いた書き方をしている。朝日の記者はデジタルを苦手とするのだろうか。これに加えて日本経済新聞社との共同事業になる「Ai」を刺身のつま程度に紹介。朝日新聞社としては集英社と共同で「T JAPAN」を創刊するだけに、この程度の紹介で済ませたのだろう。しかし、朝日の記者はデリバリーにおいて日経が「富裕層エリア」なとどいう差別的な言辞を使っていないことの意味を考えるべきであろう。
http://www.asahi.com/articles/ASGBX5QW3GBXUCVL018.html
「アドタイ」も私同様にVASILYとの資本提携については書いていない。
http://www.advertimes.com/20141028/article173723/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+advertimes+(AdverTimes)
発表の総てを網羅した記事を書いたのは「ダ・ヴィンチNEWS」ぐらいしか見あたらない。
http://ddnavi.com/news/212069/
註:12月29日正午までの検索・閲覧による。

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2)【本日の一行情報】

◎「週刊金曜日」臨時増刊号として刊行された「『従軍慰安婦』問題」は書店のみでの販売となる。こういう臨時増刊号に文藝春秋OBにして、同社の社史を手がけた半藤一利の名前が載る時代になったのだなあ。
http://www.kinyobi.co.jp/publish/publish_detail.php?no=3341

◎92歳のブロガーが童話を出版した!
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20141027-OYT8T50146.html

◎「ネ暗トピア」や「ぼのぼの」で知られるマンガ家いがらしみきおのエッセー連載「花火の音だけ聞きながら」が双葉社の文芸ウエブマガジン「カラフル」で始まった。
http://www.f-bungei.jp/Essay/?cID=20&nID=1#

◎薦められて読んだんだけれど宇仁田ゆみのマンガ「トリドリ恋歌」(白泉社)がズシンと来た。痛くて、重い。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784592710738

◎「TM NETWORK 30TH ANNIVERSARY SPECIAL ISSUE 小室哲哉ぴあ TM編」に続き、音楽プロデューサー・小室哲哉の魅力に迫る、デビュー30周年記念本「TM NETWORK 30TH ANNIVERSARY SPECIAL ISSUE 小室哲哉ぴあ TK編」が刊行された。
http://www.musicman-net.com/artist/41035.html
小室はハブル文化の最後を飾ったアーチストであったように思う。少しも日本っぽくなかったものなあ。バブル崩壊の行き着く果てが格差社会であり、「ネトウヨ」であった。小室って1958年生まれなんだね。「ぴあ」を読者として支えた世代でもある。

◎ベネッセが11月から「進研ゼミ」などの通信教育講座の営業活動を再開する。ダイレクトメールは使わず、来年4月までに500店舗まで拡大するというエリアベネッセなる地域店舗を拠点に対面形式の営業に転換するというが、うまくいくかどうか。ベネッセは、学研のような対面営業ではなく、ダイレクトメールという飛び道具を使ったことで急成長を遂げたのではなかったのか。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141028/k10015762111000.html
http://ascii.jp/elem/000/000/947/947452/
http://www.asahi.com/articles/ASGBX44QQGBXULFA00L.html

文化出版局の「装苑」の特集は「音楽とファッションとエモーションII」。椎名林檎など女性アーティストが音楽とファッションの関係を語っている。
http://fashionjp.net/soen/magazine/

◎電子書店「eBookJapan」の会員を対象に実施した「ハロウィンに仮装(コスプレ)してみたいマンガキャラ」の調査結果は男性の1位「孫悟空」(ドラゴンボール)、2位「リューク」(デスノート)、3位「魔人ブウ」(ドラゴンボール)。女性は1位「トニートニー・チョッパー」(ワンピース)、2位「ラム」(うる星やつら)、3位「ペローナ」(ワンピース)。ジャンプ強しだなあ。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/28/news041.html

連続テレビ小説「マッサン」が大ヒット。鴨居商店社長の鴨居欣次郎のモデルは言うまでもなく、サントリーの創業者である鳥井信治郎杉森久英「美酒一代 鳥井信治伝」が新潮文庫から復刊されている。
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20141027/E1414352148528.html

KADOKAWA、グリー、AZITOの共同開発大型ソーシャルゲーム「城姫クエスト」の正式版がリリースされた。「艦コレ」には遠く及ばないように思うけれど。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001029.000007006.html

◎アマゾンは雑誌、ムック、コミックスの新刊の扱いを日販からトーハンに移行する。
http://www.webdoku.jp/shinbunka/2014/10/28/135110.html

トーハン週間ベストセラーの17位に「在特会桜井誠の「大嫌韓時代」がランクインされている。
http://www.tohan.jp/cat2/detail/_20141028/

◎大阪屋の臨時株主総会が開かれ、楽天など5社に対する総額37億円の第三者割当増資の実施が承認された。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ28HK0_Y4A021C1TJ1000/

東京国際映画祭のキャッチコピー「ニッポンは、 世界中から尊敬されている映画監督の出身国だった。お忘れなく」が映画人から大顰蹙を買っている。確かにネトウヨっぽいものな。大島渚が生きていたら許さないだろう。しかし、映画祭を粉砕しようという映画人もいないようだ。カンヌ映画祭粉砕に立ち上がったフランソワ・トリュフォは偉かったよな。
http://www.j-cast.com/2014/10/28219480.html

NHKがスポーツ中継を放送と同時にインターネットでも配信する方針だという。
http://www.asahi.com/articles/ASGBX6KCBGBXUCVL02G.html

山と溪谷社が「ヤマケイ新書」を創刊。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000503.000005875.html

講談社の男性ファッション誌「HUgE」が12月24日発売の2015年2月号で休刊することになった。
http://www.fashionsnap.com/news/2014-10-29/huge-1/
http://www.wwdjapan.com/business/2014/10/29/00014254.html

岸本斉史のマンガ「NARUTO -ナルト-」が11月10日(月)発売の「週刊少年ジャンプ」50号でいよいよ完結を迎えるが、これを記念し、10月27日より各電子書籍書店で計10巻の無料試し読みキャンペーンを実施している。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/special/st/naruto_free.asp
http://plus.shonenjump.com/ext/1410/naruto_pc/index.html

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3)【深夜の誌人語録】

明日になれば何とかなる?今日できることを今日のうちにしないで何とかなることなどないのだ。怠惰とは時間の価値を知らないことである。