【文徒】2015年(平成27)4月28日(第3巻80号・通巻525号)
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1)【記事】西岡研介が怒っている!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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- 2015.4.28 Shuppanjin
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1)【記事】西岡研介が怒っている!
「百田尚樹『殉愛』の真実」(宝島社)の主要な執筆者のひとりである西岡研介がツィッターで怒っている。
「その、フライデーO副編集長から度々、着信w 何の用や? あんまりナメとったら的にかけてまうど、チャラリーマン編集者が。 会社辞める気でかかってこいよ」
https://twitter.com/biriksk/status/591935353461702656
「こういうネトウヨ脳満開のドアホの、鉄火場になると逃げまくるチンコ無しを持ち上げ、調子乗らせた大手出版社のクソ編集者(その中には、残念至極でありながら、僕の書籍を担当してくれた編集者もおるんやけどノ)に、今更ながら腹立つ四月吉日」
https://twitter.com/biriksk/status/592010228779982848
「なあ、講談社の加藤さんよ」
https://twitter.com/biriksk/status/592010777734709248
「講談社の加藤さん」とは、百田尚樹の「海賊とよばれた男」を担当した加藤晴之のことであろう。西岡が「週刊現代」に「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」を連載していたときの編集長である。この連載は「マングローブ」としてまとめられ、講談社ノンフィクション賞を受賞した。
西岡が怒っている背景は、次のまとめに詳しい。
西岡が宝島社で「百田尚樹『殉愛』の真実」を担当した井野良介の次のようなツイートに反応して怒っていることが理解できる。
「殉愛騒動にまつわる歪曲記事の仕込みでちょろちょろ蠢いているのが、実は講談社の某幹部編集者だという話をきくにつれ、本気で嘆息ノ。ここまで劣化したのか、と。次にくだらないことをやったら本気で『的』にかけられるぞ」
http://togetter.com/li/812807
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2)【本日の一行情報】
◎学研パブリッシングは、アニメ「Wake Up, Girls!」のノベライズ作品の朗読コンテンツ「オーディオブック『小説版Wake Up, Girls!それぞれの姿』」を6月3日に発売する。
http://release.itmedia.co.jp/release/lifestyle/2015/04/24/49c7e2df2316b4a73820f3f89aed5615.html
◎「幻冬舎文庫の春まつり」が展開中。
http://www.gentosha.jp/articles/-/3515
http://www.gentosha.jp/articles/-/3526
こういうフェアで電子書籍の併売もすれば良いのだ。
◎電子書籍販売サイト「eBookJapan」が、4月に累計販売5000万冊を達成した。
http://japan.cnet.com/news/service/35063706/
36万冊を超えるラインアップがあるそうだが、単純計算すると一点あたり139ダウンロードということになる。
◎茅ケ崎市の長谷川書店が一九九八年九月から毎月一度催している「絵本とおはなし会」が二百回を迎えた。継続は力なりだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150425/CK2015042502000133.html
◎5月3日にオープンする「二子玉川蔦屋家電」は出版物とカフェ、家電の複合店だ。「T−SITE」は次のように書いている。
「売り場は2フロアに渡り、面積は代官山 蔦屋書店以上。家電コンシェルジュが常駐し、客一人一人に合ったライフスタイルを提案する。また、家電や雑誌・書籍販売のほかに、カフェの『GOOD MEALS SHOP(グッドミールスショップ)』や、家具販売の『ARFLEX TAMAGAWA (アルフレックス タマガワ)』、ボタニカルショップの『SOLSO HOME Futako(ソルソ ホーム フタコ)』などの9つのテナントが含まれる」
http://top.tsite.jp/news/i/23297459/
店名から「書店」を外したところが上手い。例えば「何とかカメラ」が店名から「カメラ」を外し、「ヨドバシ書店」なり、「ビック書店」を複合店としてオープンするという方法もあるだろう。
◎世田谷文学館で「開館20周年記念 植草甚一スクラップ・ブック」が開催されている。〈映画〉〈文学〉〈音楽〉〈コラージュ〉〈雑学〉〈ニューヨーク〉〈ライフスタイル〉のカテゴリーに分けて主要コレクションを披露しているそうだ。
私にとって晶文社といえば、ポール・ニザンであり、ベンヤミンであり、エンツェンスベルガーであり、植草甚一であった。私は10代の頃、晶文社の本を読みまくっていた。憧れの出版社のひとつだったんだよなあ。
だから、後年、中川六平が晶文社で働きはじめたときは、軽い嫉妬を覚えたくらいだ。リチャード・ブローディガンとか、イタロ・カルヴィーノも晶文社であった。むろん、チェザーレ・パベェーゼも。
http://www.setabun.or.jp/exhibition/exhibition.html
◎日本テレビが「週刊文春および担当記者に対して訴訟を提訴する」と発表したことで、ネットではかえって上重聡アナウンサーが窮地に追いつめられている。週刊誌ジャーナリズムの底力というやつである。
http://news.livedoor.com/article/detail/10047457/
◎KADOKAWAの「電撃ホビーマガジン」が休刊となる。デジタルシフトを加速し、最強ホビー系情報サイト「電撃ホビーウェブ」に生まれ変われ変わるそうだ。
http://hobby.dengeki.com/notice20150425/
このデジタルシフトは失敗しそうだ。KADOKAWAは今後、デジタルシフトと称して休刊が相次ぐはずである。そもそも紙の雑誌で採算が取れないから、デジタルシフトするという程度の発想でデジタルシフトがうまくいくとでも思っているのだろうか。デジタルを甘くみてはなるまい。KADOKAWAにとって急務の課題は三馬鹿トリオの排除である。
◎秀良子のマンガ「宇田川町で待っててよ。」(祥伝社)が映画化。主演はジュノン・スーパーボーイ・コンテスト出身の黒羽麻璃央と横田龍儀だ。
http://natalie.mu/eiga/news/145387
◎「Business Journal」の「もはや女性ファッション誌を買うのはダサイ?衝撃の若者離れが発覚、毎月買うのはわずか1割」は次のように書いている。
「今回のアンケートに答えてくれた女性の3分の2近くが、そもそも最近ファッション誌を購入してもいないと回答した」
http://biz-journal.jp/2015/04/post_9731.html
◎リテラの「池上彰が自民党のテレ朝・NHK聴取を真っ向批判!『放送法違反は政権与党のほうだ』」は「…池上は、もともと左翼でもなんでもないニュートラルな解説者だったはずだ。そんな池上がいつのまにか一番リベラルなポジションにいるという事実が、日本の言論状況の危うさを証明しているというべきだろう」と結ばれている。
池上のみならず、半藤一利や保阪正康までもが、いつの間にかリベラルな(=左派的な)ポジションになってしまった。
何故、「左」の言論が総崩れしたのか。大衆と対等な立場で接触しようとしなかった高踏的な姿勢がそうさせたのだろうが、思うに彼らの仲間内にしか通用しないような言論やあまりに偉そうな物言いが大衆から嫌悪されたのである。
http://lite-ra.com/2015/04/post-1052.html
◎朝日出版社から刊行された「紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす」は、武田砂鉄のデビュー作だ。武田が冒頭で宣言しているように「放たれた言葉が紋切型として凝り固まっていく社会はつまらないし、息苦しい」のは確かである。武田は昨年まで河出書房新社に勤めていてそうだ。帯に白井聡の名前があるのは、白井が翻訳したスラヴォイ・ジジェク「イラク ユートピアへの葬送」の編集担当者であったからだろう。文体は柔らかいが、内容は硬派だ。
「『戦争を知っている』には耳を傾けつつも、『戦争を知らないくせに』には、もっと好戦的に臨んでいくべきだ。その駆逐を、その仕分けを、怖がってはいけない。戦争を知るために、戦争を知らない世代だけが投じられる手段のひとつだろう。戦争体験の継承は、戦争を知らない世代の仕事である。そのためには時として『戦争を知っている人たち』の間引きも必要である」
それはそうなのだが、戦争を知らない世代「右派」のほうが戦争を知らない世代「左派」に比べて間引きの仕方が大胆だし、上手いという問題もあるけどね。
http://asahipress.com/extra/monkiri/
◎全世界で600万人以上の受講者を抱えるエドテック企業のユーデミーが日本に進出するに当たって選んだパートナーはベネッセ。「東洋経済」によればユーデミーの特長は「専門知識を持つ一般人がそのノウハウを提供するCtoCのモデルという点」である。エドテックが成功するにはオンラインとオフラインの両立が必要だと私は考えている。
http://toyokeizai.net/articles/-/67124
◎「週刊文春」に「韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」を発表したTBSの山口敬之ワシントン支局長が出勤停止処分を受けるとともに営業局ローカルタイム営業部に異動することになった。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150426/dms1504261140005-n1.htm
山口はフェイスブックで次のように書いている。
「今日の夕刊フジの記事についてたくさんのお問い合わせをいただいたので、この場でご説明させて下さい。
私が4/23付でTBSワシントン支局長の任を解かれ、営業局への異動を命じられたのは事実です。ですから、もう私は「TBSの記者」ではありません。
なお、この異動と懲戒処分に際しては、私の週刊文春への寄稿内容ではなく、寄稿に至る手続きが問題とされました。見解の相違はありますが、今回の懲戒処分がTBSの報道姿勢に直接リンクするものではない事は、ご理解をいただけたらと思います。
PS:
自分の異動に関する新聞記事を読みながら食べる餃子は、不思議な味がしました。うまかったけどノ」
https://www.facebook.com/noriyuki.yamaguchi
◎「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」の公開を5月に控え、「押井守ぴあ」が刊行された。こういうムックは、ぴあの十八番だ。
http://piabook.com/shop/g/g9784835624686/
◎「およそ50年ぶりにロシアで「再発見」されたプロレタリア絵画を新規撮影・掲載」されているそうだ。これは欲しい。でも1万5000円+税という値段がネックだなあ。小学館から「日本美術全集」の第15回配本「戦争と美術」が刊行された。
http://www.shogakukan.co.jp/pr/nichibi/detail/detail_15.html
◎昨日、「STORY STORY」で「BooCa」を販売しないのは、「BooCa」は儲からないという判断に至ったからだと書いたが、実は、有隣堂のメイン取次たる日販が反対したことが背景にあるらしい。
http://www.yurindo.co.jp/storystory/
◎DLE、小学館、キッズステーションの三社は、新規IPとして乗り物キャラクター「ブーブーボーイ」を共同開発した。
http://minkabu.jp/announcements/3686/140120150427452748.pdf
◎「ドイツのベルリンに拠点を置くビデオニュース社『Ruptly』が伝える福島県富岡町の放射性廃棄物一時保管所の空撮映像」なのだそうだが、何とドローンで撮影しているという。
http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-7579.html
◎京都・滋賀を中心に29店舗を展開する「ふたば書房」は、神戸・三宮の神戸マルイ4階に書籍、ステーショナリー、食材コーナーからなる「FUTABA+(フタバプラス)神戸マルイ店」を出店した。
http://kobe.keizai.biz/headline/2025/
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3)【深夜の誌人語録】
優れたリーダーは部下から学ぶことを怖れない。