【文徒】2015年(平成27)6月4日(第3巻103号・通巻548号)

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1)【記事】次々に現れる女性誌のライバル
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】次々に現れる女性誌のライバル

ガールズYouTuberに特化したプロダクションとして、次世代インフルエンサーの育成およびマネジメントを行っている3 Minute(スリーミニッツ)はファッション、ビューティー、クッキング、DIY、インテリア、海外のトレンド情報など、女性のライフスタイルに特化した動画メディア「MINE」(マイン)を公開した。
http://www.mine-3m.com/mine/#
宮地洋州代表取締役社長は「CNET Japan」で次のように語っている。
「20代、30代の女性をコアターゲットにし、ライフスタイルのテーマ全般と国内外の文化やファッションなどの話題を約3分の動画コンテンツにして発信していきます。6月中は50〜60本程度でさまざまに検証していき、7月以降は月1000本ペースで動画を制作、公開していきたいと考えています。既に撮り終えた動画素材は300本程度用意しており、今後本格的にコンテンツ制作を進めていきたいですね」
http://japan.cnet.com/marketers/interview/35065271/
女性誌のライバルがネットの世界で次々に生まれて来る。女性誌を擁する出版社がここで手を拱いているだけでは、時代に圧殺されかねまい。

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2)【本日の一行情報】

◎映画「予告犯」が6月6日より公開される。
http://www.yokoku-han.jp/trailer.html
ドラマ「予告犯‐THE PAIN」がWOWOWで6月7日に放送を開始する。
http://www.wowow.co.jp/dramaw/yokoku-han/intro/
筒井哲也のマンガを映画化した「予告犯」の1年後を描くのが連続ドラマ「予告犯−THE PAIN−」という関係になる。コミックスは集英社から刊行されている。「ジャンプ改」に連載されていた作品だ。
http://jumpx.jp/w/yokoku/special.html

◎東京駅エキナカ「GRANSTA(グランスタ)」では、「VOGUE GIRL」とコラボレートした「食べて輝け! モード女子」企画を実施している。
http://news.mynavi.jp/news/2015/06/02/031/

◎「明光義塾」を展開する明光ネットワークジャパンは7月1日より第四回「私のおすすめブックコンテスト」を開催する。小中高生を対象に、読んだ本の感動した部分を自分の言葉でまとめた「おすすめ文」を募集するものだ。
審査委員長は直木賞受賞作家の朝井リョウ朝日出版社学研教育出版KADOKAWA講談社集英社小学館・新潮社・文藝春秋という出版社8社と協力し、推薦図書100冊を選定しているが、応募は推薦図書以外からも受け付けるそうだ。
http://www.meikonet.co.jp/news/detail/year/2015/id/472
http://meiko-book.jp/

クックパッドは、2014年10月、新サービス「ベビー&ママ」を皮切りに「子育て支援」分野の事業を開始した。
今年に入ってから4月に譲渡を受けた「はっぴーママ.com」と統合し「クックパッド ベビー」として情報提供の分野でサービスを充実してきたが、6月1日、産婦人科を通してママ・ベビー向けのサービスを提供している日本テクトをクックパッドグループの一員として迎える。同時に、クックパッド上で運営していた「クックパッド ベビー」のサービスを同社に移管し、クックパッド ベビーに社名変更してスタートさせる。
https://info.cookpad.com/press/2015/0601
ベネッセの牙城にクックパッドが挑む。

◎中国で、映画「STAND BY ME ドラえもん」が大ヒット。中国で日本映画が公開されるのは三年ぶりのことだという。
http://newsphere.jp/entertainment/20150602-1/

◎ブラジルのニッケイ新聞が朝日新聞の「弱いものイジメ」を厳しく批判している。
「小紙はこの数年で編集協力も加えれば10冊近くの書籍を出版した。朝日新聞が日本に伝えるわずかなブラジル情報よりも、小紙サイトが毎日アップする様々なニュースは価値が低いのだろうか。発行を続けるため日々生き残り策を練っている。国や規模は違えど、同じ言葉を紡ぐ新聞への温かさを感じないのは当事者だからだろうか」
ニッケイ新聞が問題としているのは6月1日付「悩める邦字新聞 苦境 南米で日系人減少」だが、この見出し自体が間違っているという。
「…いずれにせよ『邦字紙読者は、基本的に日本人』というごく初歩的な知識が記者とデスクにあれば、こうした見出しは絶対につけないはずだ。捏造とまでいかないが、誤報レベルではないのか」
http://www.nikkeyshimbun.jp/2015/150602-column.html
朝日は、こうしたニッケイ新聞の主張をシカトするのだろうか。

◎日販アイ・ピー・エスは、雑誌定期購読専門のインターネット通信販売サイト「MagDeli」(マグデリ)をリニューアルした。「注文から初回の号の発送までの期間が、1カ月程度から10日程度へ大幅に短縮」というが、「今頃になって、やっとかよ」と何故か怒りが込み上げて来た。
http://www.nippan.co.jp/news/%e6%97%a5%e8%b2%a9%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%83%bb%e3%83%94%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%82%a8%e3%82%b9%e9%9b%91%e8%aa%8c%e5%ae%9a%e6%9c%9f%e8%b3%bc%e8%aa%ad%e5%b0%82%e9%96%80%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%88magdeli/

◎大新聞の解説委員ともなれば。ロクに仕事をせずとも「少ない者で1000万円ほど、多い者は1700万円近い」年収が保証されるのか。羨ましい限りである。しかも、解説委員の収入はこれにとどまらないのである。「ダイヤモンドオンライン」の「居眠りするだけで年収1400万円!新聞社を食い物にする解説委員の実態」は次のように書いている。
「…社外のセミナー会社や役所などからの講演依頼を受け、50〜200人ほどの前で話をする場を得られることだ。1回の講演料は、20〜40万円。交通費は当然、講演の主催側が支払う」
http://diamond.jp/articles/-/72481

◎新潮社の自費出版限定の「山の上のホテル執筆プラン」は老舗出版社のメイド喫茶商法にほかならない。「株式投資.jp」は新潮社を褒めているんだけどね。
http://equity-investment.jp/business/manager-think/shinchosha/

◎2014年の世界の新聞の広告収入は計865億ドル(紙770億ドル、デジタル95億ドル)、購読料収入は計924億ドル(紙899億ドル、デジタル25億ドル)。広告収入が購読料収入を下回ったのは、今世紀に入って初めてだそうである。
http://www.asahi.com/articles/ASH623R12H62UEHF00D.html

大日本印刷ASEAN地域で広告事業を行う中央宣興(タイランド)は業務提携を行い、お互いの強みを活かして、東南アジア市場に進出する日本企業や現地企業向けに、ブランド戦略やマーケティング施策の立案・運用などをトータルに支援する事業を開始する。
http://www.dnp.co.jp/news/10111378_2482.html
タイの中央宣興は健在である。

◎KADOKAWAは、6月2日より「週刊アスキー」電子版の定期刊行をスタート、各電子書店にて販売を開始した。また、印刷版から電子版への移行に伴い、ITニュースサイト「週アスPLUS」も「週刊アスキー」へとサイトの名称を変更し、ニコニコ生放送での番組「ACCN×つばさデジデジ90分!」も毎週火曜日夜に定期配信を開始した。
http://asciimw.jp/info/release/pdf/20150602.pdf

大日本印刷と日本マイクロソフトは、全国の小中高校などのプリント類をデジタル化するプロジェクトを開始した。
http://www.sankei.com/life/news/150602/lif1506020022-n1.html

◎オプティムは、電子雑誌サービス「タブレット使い放題・スマホ使い放題」(タブホ)の販売を6月3日より全国のイオンでも開始した。「イオンモバイル」ブランドで展開する格安スマホ「イオンスマホ」やタブレット端末のほか、イオンで販売している他社MVNOサービスなどの購入時に、店頭であわせて「タブホ」を契約できるようになった。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150603_705126.html

講談社がマンガ誌「なかよし」の電子版の配信をスタート。電子版は毎号、懐かしの名作を付録として収録する。7月号電子版の付録は、「きんぎょ注意報!」(猫部ねこ)、「ミラクル☆ガールズ」(秋元奈美)、「あこがれ冒険者(アドベンチャー)」(あさぎり夕)の3作品の第1巻となり、巻末に収録している。価格は540円で紙版(特別定価580円)よりも40円安い。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1506/03/news089.html

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3)【深夜の誌人語録】

癒着と友情を錯覚してはなるまい。癒着をもって堕落が始まり、友情をもって成長が始まるのだ。