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1)【記事】読売新聞がペヤング誤報記事で大炎上
2)【記事】バイドゥが東大発のベンチャー企業popInを経営統合
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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- 2015.6.10 Shuppanjin
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読売新聞が炎上している。問題となった記事は「ペヤングファン『3分待てない!』…不安の声も」だが、読売オンラインは、この記事を削除してしまった。
何が問題になっているかと言えば、この記事を書いた記者は、ペヤングを作らずに記事を書いてしまったとしか考えられないからだ。当初は「お湯を注ぐと店内にソースのにおいがたちこめた」と書いて配信したのだが、ペヤングの場合、ソースは湯切りをしてから混ぜるため、お湯を注いだ段階でソースのにおいが店内に立ち込めるなどということは絶対にあり得ないわけだ。
修正後も「湯切り」に関しては触れず、「四角い容器に熱湯を注ぎ、3分が経過する。4人が勢いよく麺をすすると、店内に食欲をそそるソースのにおいが立ちこめた」と書いた。
つまり、記者はペヤングは湯切りをしてからソースを混ぜて食べるインスタント食品であるということは知らなかった!
ロケットニュースなど次のように書き、読売流ペヤングの食べ方を実践してしまっている。
「この修正には、読売新聞が暗に伝えたい、ペヤングの美味しい食べ方があるのではないだろうか…? 大手新聞社が商品に書いてある正しい食べ方を報じなかったら問題になるが、じつはそれを回避して伝えたい作り方があるのかもしれない」
そして読売流ペヤングの味を次のように書いて、ユーザーの笑いを誘っている。
「普通に作るペヤングがマイク・タイソンのような『ハードパンチャー系しっかり味ソース焼きそば』だとすると、読売新聞流はソース味のスープに、麺の香りやスパイスの香りが際立つ、マニー・パッキャオのような『テクニシャン系あっさりソースラーメン』になるではないか!!!」
http://rocketnews24.com/2015/06/09/593645/
http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/4411243.html
http://www.yukawanet.com/archives/4887651.html
しかし、これは笑い話では済まされない。記事のいわば「捏造」ではないのだろうか?
読売新聞は該当する記事を削除しただけで今のところ謝罪は一切なしである。
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2)【記事】バイドゥが東大発のベンチャー企業popInを経営統合
中国最大の広告プラットフォームを擁するバイドゥは、東京大学エッジキャピタルの支援を受け設立された大学発のベンチャー企業popInの発行済株式をすべて取得し、経営統合した。
http://japan.cnet.com/marketers/news/35065579/
バイドゥは「記事の熟読度を正確に測定できるネイティブ広告技術(コンテンツレコメンドエンジン、コンテンツ読了指標の『READ』)を、大手ニュースメディアなどに提供している」ことで知られている。
http://www.popin.cc/
popInの代表取締役は中国からの留学生だった程涛。次のような2012年の記事をご覧いただきたい。
「『popIn』を導入したある大手メディアサイトの事例では、従来のサイト内検索の検索連動型広告が、導入前に比べ6倍の収益にアップしたケースもあるそうだ」
「『popIn』を導入しているサイトの割合は、新聞社系のサイトが8割、ネットニュース系のサイトが2割だ。すでに50社以上が同サービスを導入しており、有名どころでいえば、YomiuriOnline(読売新聞のニュースサイト)、マイナビニュース、日刊スポーツ、ロイターなどの大手も採用している」
http://www.dreamgate.gr.jp/news/475
バイドゥは良い買い物をしたものだ。
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3)【本日の一行情報】
◎第37回講談社ノンフィクション賞の候補作が発表された。伊藤彰彦「映画の奈落」(国書刊行会)、上原善広「石の虚塔」(新潮社)、尾崎真理子「ひみつの王国」(新潮社)、眞並恭介「牛と土」(集英社)がそうだ。驚くべきことに講談社の作品は一本も候補に入っていない!
http://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/20150608nonfictin.pdf
私であれば躊躇することなく「映画の奈落」を推す。私は2014年6月5日付の文徒で「『映画の奈落 北陸代理戦争事件』を読み始めたのだが、これが信じられないくらい面白い。映画より映画的な映画をめぐってのノンフィクションである」と評している。
http://d.hatena.ne.jp/teru0702/searchdiary?word=%B1%C7%B2%E8%A4%CE%C6%E0%CD%EE
◎南天堂書房の奥村弘志が実行委員長をつとめる書籍見本市「書店大商談会」を産経新聞「広角レンズ 街の書店、磨く仕入れ力 利益率向上へ『買い切り』も」が紹介している。「昨年10月の第5回には233社が出展し、936人の書店関係者が来場。商談成立額は1億円を超え」るまでに成長したそうだ。
「23年からは大阪市で関西圏の書店を対象にした『BOOK EXPO』が、昨年から札幌市で『北海道書店大商談会』が開かれるなど、首都圏以外でも同様のイベントが広がり、注目を集めている」
出版社サイドの新たな動きとしてはミシマ社を紹介している。
「出版社のミシマ社(東京都)は5月、『コーヒーと一冊』という買い切り軽装本シリーズを創刊した。第1弾として食コミックエッセー『佐藤ジュンコのひとり飯な日々』など3冊を刊行。書店側は在庫リスクを負う代わりに、通常の倍の利益が入る仕組みだ」
http://www.sankei.com/economy/news/150608/ecn1506080004-n1.html
◎沖縄生まれの猫ムック「うちにゃ」。版元は沖縄教販。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=118922
https://www.facebook.com/uchinyamook
◎藤原書店から刊行された「石牟礼道子全句集 泣きなが原」を堪能する。「にんげんはもういやふくろうと居る」「前の世のわれかもしれず薄野にて」「ポケットに含羞を入れ逝きしかな」「またひとつ断念したり冬椿」「前の世にて逢はむ君かも花ふぶき」といった句が私の心を打つ。
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1447
◎関西発ファッションカルチャー誌「カジカジ」が、6月12日発売の7月号をもって月刊誌から隔月に刊行スタイルを変更する。2ヶ月の休止期間を経て9月10日号が新創刊となる。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-06-08/cazicazi-web/
◎電通の5月度の単体売上高が3カ月ぶりに前年実績を下回った。それでもネットメディアは高度成長をやめない。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2015061-0605.pdf
◎電通は、女子ならではの視点で顧客のマーケティング活動をサポートする「電通ギャルラボ」内に、新たに地方創生に特化したプランニングチーム「ギャルラボ@(アット)」を立ち上げた。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0608-004075.html
出版も地方創生にどう絡むかが問われている。座っていては「広告」は転がって来ない!
◎フジテレビは佐藤秀峰に著作権侵害を謝罪した。しかし、謝罪=和解するまでに3年間も要していることをフジテレビはどう考えているのだろうか。
http://www.fujitv.co.jp/movie/doc/150528.pdf
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1506/08/news079.html
◎テレビ番組の制作会社は「キー局であっても、1時間番組を100万円で作らないといけないことがある」そうだ。
100万円の内訳はディレクターが20万円、放送作家が10万円、出演者やナレーターなどの出演者のギャラが20万円、音声編集費10万円。これに交通費や弁当代が制作会社の支払いになるわけだが、そうすると制作会社の手元に残るのは数万円。
http://tocana.jp/2015/06/post_6352_entry.html
どの業界でも「下請け」はつらいよ!である。
◎LINEが展開するニュースサービス「LINE NEWS」の5月における月間アクティブユーザー数が1,200万ユーザーを突破した。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2015/1011
◎博報堂は伸長するアジア市場を牽引する、消費意欲あふれる女性たちに注目し、情報感度が高く、女性消費トレンドをレポートできるアジア女性の最先端層をネットワークした「博報堂亜女子会議」を独自に構築、その活動を本格的に開始し、ホームページ(http://ajoshi-kaigi.jp/ )をオープンした。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2015/06/20150608.pdf
◎曽根富美子の「親なるもの 断崖」(宙出版)が新装版で復活する。昭和初期の北海道は室蘭の幕西遊郭を舞台にしたマンガだが、4月に電子書籍としてリリースしたところ、大きな反響があり、紙版でも刊行されることになった。
もともとは、この作品は1991年に主婦と生活社から刊行され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞している。主婦と生活社もかつては真っ当な出版社であった時代もあったのだ。
http://ddnavi.com/news/242786/
曽根は北乃咲喜として油絵画家としても活躍している。
http://kitanosaki.com/
◎韓国の大手インターネット書店YES24の上半期ベストセラー第1位は、日本ではダイヤモンド社から刊行されている「嫌われる勇気」の韓国語版であった。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2015/06/08/0200000000AJP20150608002300882.HTML
◎映画「STAND BY MEドラえもん」の中国での興行収入が日本国内での興行収入を上回った。中国が86億円で、国内が83.8億円である。
http://www.animeanime.biz/archives/21151
◎小学館の女性ファッション誌「AneCan」は、オンライン画像ブックマークツール「Pinterest」(ピンタレスト)で公式アカウントを開設した。
https://jp.pinterest.com/anecantv/
◎アップルは8日、音楽3000万曲以上を月額9.99ドル(約1250円)で聴き放題にする定額ストリーミング・サービス「アップル・ミュージック」を30日から世界100カ国以上で開始する。
http://mainichi.jp/select/news/20150609k0000e020171000c.html?fm=mnm
約1250円を毎月アップルに支払う読者が「読書費」を増やすとは思えない。いや、減らすユーザーも出て来よう。
◎高橋源一郎が朝日新聞で月1回のペースで連載していた「論壇時評」を朝日新書に「ぼくらの民主主義なんだぜ」というタイトルのもとにまとめた。
「自称『愛国者』たちは、『愛国』がわかっていないのではない。『愛』が何なのかわかっていないのだ、とおれは思う。こんなこといってると、おれも、間違いなく『反日』と認定されちまうな。いやになっちゃうぜ」
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=17028
朝日新聞の最近の紙面に欠けているのは、高橋源一郎のような感性だと思う。
◎タカラトミーは、着せ替え人形「リカちゃん」の大人向けブランド「LiccA」(リカ)を新たにスタートさせ、大人向け ドール「LiccA Stylish Doll Collections (リカ スタイリッシュドールコレクション)」シリーズを展開する。
リカちゃん公式Twitterが宝島社で書籍化されたり、文化出版局のモード誌「装苑」とコラボして、6月27日発売の8月号において、アートディレクターの吉田ユニが手がける「LiccA」のビジュアルを提供する。
http://www.takaratomy.co.jp/product_release/pdf/p150609.pdf
◎太田出版から刊行された梶谷懐の「日本と中国、『脱近代』の誘惑」は読み応えのある一冊だ。
「社会のゆがみをもたらすもの―たとえば経済格差の拡大やモラルの低下など―を『外部』に求めるのではなく、自らの内部に求める思想や行動を、その政治的立場がどうあれ一貫して肯定してきました」
http://www.ohtabooks.com/publish/2015/06/06102743.html
あとがきでこのように書く梶谷は本書を執筆中にマンガ「進撃の巨人」にハマッていたという。その理由も私が引用した文章の後に述べられている。
http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20150801
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4)【深夜の誌人語録】
前を向くばかりが能ではあるまい。横も、後ろも向けば良いのだ。