【文徒】2015年(平成27)12月16日(第3巻230号・通巻680号)

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1)【記事】学研ブランドの出版物に製作上のミスが多発している
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】学研ブランドの出版物に製作上のミスが多発している

このところ学研ブランドの出版物は製作上のミスが多いように思う。10月にはマルチメディア商品「LOVE・Cinnamoroll プレミアムBOX」(10月2日発売)に付属の絵本「A STORY OF CINNAMOROLL」内の10ページ目において、本文内容に「イラレデータなし」という文言が印刷されている不良品が一部、誤って混入していたことが判明したばかりではなかったのか。今度はムック「もう一度読みたい『星の王子さま』」のとじこみ付録②オリジナルポストカードの最終ページにおいて、対向面の付録封入袋の印刷が移り、最終ページに汚れがついてしまう可能性があることが判明したそうだ。
http://gakken-plus.co.jp/news/info/20151120.html
http://gakken-plus.co.jp/news/info/20151106.html
http://blog.esuteru.com/archives/8397072.html
学研プラスは徹底して再発防止に努めるというが、製作管理に構造的な欠陥があるのではないだろうか。ムック「自然農法で野菜づくり」では、当時、「20年以上この業界にいますがこんな本は初めて見ました」「もしウチがやったら全額負担で刷り直しレベル」と評判になるほどの誤植をしでかしている。私も2013年5月7日付「文徒」で次のように書いている。
「学研から刊行された『自然農法で野菜づくり』(2012年9月17日発行)で掲載記事に誤植があることが判明しネットで話題になった。校了前のテキストが出回ってしまったに違いない。恐らくケアレスミスなのだろうが、こうしたケースは私の記憶にない」
http://hon.gakken.jp/book/1860666500
もし学研プラスの製作管理に構造的な欠陥があるならば、学研プラスに求められているのは、これを正すための具体的な施策であるはずだ。

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2)【本日の一行情報】

◎東京、 パリと来て、今度はミラノだ。主婦の友社からAround60のマダムたちを活写する「Milanese Style Snapミラネーゼ スタイル スナップ」が発売された。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/newsrelease/8875/

◎光文社が「契約社員」を募集している。光文社の場合、契約社員での採用であっても、正社員登用制度があり、大半の契約社員が正社員に登用されているそうだ。
「2015年6月にデジタル事業部を立ち上げ、Webメディアやデジタルコンテンツの強化をスタートさせています。
そこでぜひ、Webに精通したあなたの力を貸していただきたいと思っています。
紙媒体のコンテンツを単にデジタル化する、ということではありません。
Webの特性を活かしたコンテンツ展開、O2O企画、効果的な広告展開など、Web戦略の上流部分から一緒に担っていただきたいのです」
http://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchDetail/j_jid__3001106289/

◎ハイブリッド型書店サービス「honto」は、位置情報ゲーム「Ingress」(イングレス)の日本初となる公式小説「イングレス ザ・ナイアンティック・プロジェクト」電子書籍版をリリースした。価格は12月31日まで980円(税込)で、2016年1月1日からは1,480円(税込)。電子書籍版は「honto」電子書籍ストアのみでの先行配信となる。
http://honto.jp/ebook/pd_27608034.html
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20151214_735139.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/Ingress

大正製薬電通の共同企画による出前講座が聖霊女子短期大学(秋田)で開催された。
http://www.seirei-wjc.ac.jp/topics/topic.php?tid=983

◎市民団体「北海道ブックシェアリング」(札幌)は来年4月から、絵本の移動販売を行う「北海道の無書店自治体を走る絵本屋さんプロジェクト」を開始する。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0212766.html

丸善書店ジュンク堂書店の書店員が選ぶ「本の収穫祭2015」。以前に比べ選書のセンスが劣化しているように思えてならない。私が「文徒」で紹介した本が一冊も入っていないのではないか。
https://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=10759

◎中国の検索サイト「百度」(バイドゥ)と学研プラスの「GetNavi」は、訪日中国人観光客の「爆買い」ニーズに対し、日本での商品購入の決定をサポートすべく、「バイドゥ」が提供する日本旅行買物ランキングサイトにて、「最新日本?潮商品」の掲載をスタートした。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000250.000007512.html

◎ソーシャル経済ニュース「NewsPicks」の登録ユーザー数が12月11日付けで100万人を突破した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000010548.html

◎故・赤塚不二夫「おそ松くん」の大人になってからのパロディであるテレビアニメ「おそ松さん」(「おそ松くん」の最後のテレビアニメ化から約27年ぶり)が人気だが、集英社の「YOU」でコミカライズされることになった。「おそ松くん」は、もともと「週刊少年サンデー」の連載だったんだよね。
http://mantan-web.jp/2015/12/14/20151214dog00m200008000c.html

◎日販は、人と本とをつなぐための新たな取り組みをスタートした。その第一弾として、福音館書店の協力のもと、カジュアルファッションブランドのユニクロ吉祥寺店と、リブロが運営するパルコブックセンター吉祥寺店とのコラボ企画を実施する。ユニクロ吉祥寺店のキッズフロア内に、誰でも自由に絵本が読める「どうぶつとしょかん」を設置し、そこで絵本の購入も可能にした。1月31日(日)まで設置される。
http://www.nippan.co.jp/news/guritogura_otegami_20151214/

◎グライダーアソシエイツ は、同社が運営するキュレーションマガジン「antenna」において、12月14日(月)より、現在1都3県の44駅50面で展開している駅広告と連動し、「antenna」アプリをダウンロードすると、森絵梨佳が着用したアイテムと同じものが抽選で当たるプレゼントキャンペーンを実施している。
https://business.antenna.jp/news/20151214_1.html

KADOKAWAは「カッコいい大人の生き様」をテーマにして、エンタテインメント小説文庫「NOVEL 0」(ノベルゼロ)を2016年2月15日に創刊する。創刊ラインナップ執筆作家陣は次の通り。
三浦勇雄(代表作「聖剣の刀鍛冶」) イラスト:屡那
杉井 光(代表作「神様のメモ帳」) イラスト:片岡人生
伊藤ヒロ(代表作「女騎士さん、ジャスコ行こうよ」)・峰守ひろかず(代表作「絶対城先輩の妖怪学講座」) イラスト:高野真之
扇 友太(代表作「MONSTER DAYS」) イラスト:天野英
師走トオル(代表作「僕と彼女のゲーム戦争」) イラスト:toi8
青木潤太朗(代表作「ガリレオの魔法陣」) イラスト:小船井充ufotable
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001972.000007006.html
http://novel-zero.com/
ライトノベルの卒業生を読者対象とした「大人のラノベ」文庫だろう。

サントリーチューハイ「ほろよい」のイメージキャラクターに沢尻エリカが起用された。部屋着姿の沢尻がセルフィーした写真をInstagramに投稿しながら「ほろよい」を楽しむという今の時代を反映したストーリーである。
http://www.suntory.co.jp/news/article/12532.html
https://www.youtube.com/watch?v=BBIYzuNEv0U

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3)【深夜の誌人語録】

知性は学ぶことによって身につくが、知恵は市井の暮らしの中から生まれるものである。