【文徒】2015年(平成27)6月12日(第3巻109号・通巻554号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】電通における「局長補」と「局次長」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2015.6.12 Shuppanjin

1)【記事】電通における「局長補」と「局次長」

客 電通に「局長補」が誕生するんだね。
主 今朝の日経新聞に掲載されている電通人事の記事を見たかい?「局長補」の人事は掲載されていない。
客 まだ見ていないけれど、物凄い人数になるからなんじゃないの?
主 まあ、それもあるのだろうけれど「局次長」が「局長補」になるのは昇格じゃないからだよ。要するに「局次長」がなくなったと考えたほうが分かりやすいだろう。
客 でも「局次長」という肩書は残るんだろ。
主 対外的には残るけれど、社内的にはなくなったんだよ。「局次長」は「部長」と変わらなくなったわけさ。一方、「局長補」は局ごとに、その規模等に従って何人という上限をつくっているらしい。電通としては、若返りとともにフラットでフレキシブルな組織を実現したいのだろう。
客 う〜ん。何が変わるのか、君の説明だけでは、もうひとつ理解できない。
主 これによって部長の権限が強化されることになるから、経営のスピードアップ化を図れるのではないかな。それから「局長補」になっていなくとも、「部長」から「局長」に就任できる体制を作ったと言えば良いのかな。局長の若返りを図ることができるはずだ。これまでの「部長→局次長→局長」体制を続けるならば、社内が「局次長」だらけになりかねない。そういう意味では「局次長」をなくすことは、コストカットにもなるはずさ。
客 まだ良くわからないけど、結局、どう運営されていくかだろうね。出版ビジネスプロデュース局もいろいろと変わるんだよな。
主 堀内善太局長が誕生することになる。小沼修前局長は局長職としてとどまることになる。これは既に報じた通りだし、「出版コンテンツ商社」という方向性に変わりはない。関西支社・新聞統合メディア局「雑誌部」を発展的に解消し、出版ビジネス・プロデュース局に新たに「関西雑誌部」を設置するというのも、「出版コンテンツ商社」として良いことだと思うし、「ビジネス開発部」「業務マネジメント部」を解消して、「デジタルビジネス・プロデュース部」「コンテンツビジネス・プロデュース部」を新設するのも、時宜にかなった変更だとオレは思っている。今のところ言えるのは、こんなことくらいかな。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

講談社は、人気ゲームアプリ「LINE:ディズニーツムツム」を題材とした「Disney TSUM TSUM シールブック 500」を発売した。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062864824
LINEスタンプをシールにして売るという手もあるな。

講談社は同社が主催する女性アイドルオーディション「ミスiD」の2015年コンテスト出場者を収めた公式写真集「さよなら、ユースフルデイズ」を発売した。
http://www.j-cast.com/trend/2015/06/09237359.html

早川書房の創業70周年を記念してハヤカワ文庫SFの通巻2000番作品として4月に刊行された沼野充義訳の「ソラリス」は、ポーランド語原典からの完全翻訳版だったのか。「日本の読者に長く親しまれてきた飯田規和訳『ソラリスの陽のもとに』は、一部が削除されたロシア語版からの重訳だった」(大森望)そうだ。沼野訳「ソラリス」は、2004年に国書刊行会から刊行されていた。
http://www.nishinippon.co.jp/feature/f_sicence_fiction/article/174423

◎「りぼん」(集英社)の歴代連載作の電子書籍を「LINEマンガ」で購入すると、限定のLINEスタンプセットがプレゼントされる。「LINEマンガ」ならではの企画だ。
http://natalie.mu/comic/news/149857

アサヒ飲料は、「三ツ矢フルーツサイダー パイナップル」の発売に合わせ、小松菜奈が出演する新CM「帰りの相談」編を放映しているが、これに連動して、「orange」(双葉社)で知られる高野苺による描き下ろしマンガ「空飛ぶサイダー 〜Around Story〜 青春編」が、三ツ矢サイダーの特設サイトで公開されている。
http://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2015/pick_0609.html
http://around-story-campaign.com/

◎矢吹博志が「ああ懐かしの雑誌黄金時代」で「話の特集」を取り上げている。
「70年代後半、当時華やかなりし西武百貨店渋谷店地下に『話の特集』書店というのがオープンした。同誌がプロデユースし、永六輔が書店長になり、同誌に集う著名人が毎月お勧めの100冊を展示販売していた」
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20150610/enn1506100830006-n1.htm
こういう書店が今もあったらなと思う。「ブルータス」書店は可能だと思うよ。実は一昨日、私たちは矢崎泰久をインタビューした。

JTBグループのJTB首都圏で高品質旅行商品を専門に企画・販売・実施するロイヤルロード銀座は、日本全国の動物園、水族館に設置されているフリーマガジン「どうぶつのくに」編集長の写真家・田井基文が同行する動物ウォッチングツアーを発売した。
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=2052
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=388556&lindID=5

◎ブラジルの「ニッケイ新聞」が「これって誠意ある対応?」と首を傾げるのも当然であろう。
朝日新聞誤報問題で、同紙は8日付け夕刊で訂正記事=写真=を掲載した。
1日付け夕刊記事の見出しおよび内容について、本紙が抗議したことを受けたもの。
しかし、この掲載記事は、電話、メールで謝罪した高野弦(ゆずる)・国際報道部長代理が送ったものでも、記事を書いたサンパウロ特派員の田村剛記者からでもない。
メディア報道の正確性を調査・検証する誤報検証サイト『GoHoo』(http://gohoo.org/)を運営する『日本報道検証機構』から、メールで送られてきたものだ。
海外からの抗議で、紙面で確認できない相手に対しては、掲載データを送るのがせめてもの誠意ある対応といえないか。形だけの謝罪、訂正といえなくもない」
http://www.nikkeyshimbun.jp/2015/150610-73colonia.html
http://gohoo.org/15060901/

◎1972年という時代を舞台にして描かれているという桐野夏生の「抱く女」(新潮社)の刊行を記念して、紀伊國屋書店新宿南店7F「紀伊國屋サザンシアター」で桐野と内田樹トークイベントが7月9日(木)午後7時より開催される。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20150610103000.html

サントリー自動販売機4万5千台で日本語・英語・中国語・韓国語の4ヶ国語で対応する。
http://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/d/sbf0301.html

KADOKAWAから刊行された「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴)の累積売上が単行本で70.9万部、4月発売の文庫で30.7万部を記録し、作品総売上100万部の大台を突破した。映画のヒットによる相乗効果が生じている。
http://www.oricon.co.jp/news/2054129/full/

大和ハウス工業ベネッセコーポレーションと教室付き住宅事業「住まいづくりプラス」で提携。戸建て住宅の一角に教室専用の玄関、6畳の部屋、洗面所やトイレを設置し、大和ハウスが仲介役となってベネッセに教室を貸し出す。ベネッセは家主に対して3年更新の契約で月5万円程度の家賃収入を保証し、専用玄関など教室部分の清掃も担うというものだ。
http://eduon.jp/news/juku/20150611-006189.html

◎光文社は「Martミセスパーティ」を7月2日(木)に開催する。専属モデルのトークショー、ホテルのビュッフェにイベント協賛社のブース展開もある。
http://mart-magazine.com/CGI/blog/pickup_comment_list.cgi?blog_seq=3952

ソフトバンクモバイルは、130誌以上の雑誌と1000作品以上のマンガが読み放題となる電子書籍サービス「ブック放題」を、SoftBankスマホタブレットを利用するユーザー向けに月額500円で6月下旬以降に提供を開始する。
http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2015/20150611_01/
雑誌も音楽業界が辿った道を辿ることになるのだろうか。

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

焦れば焦るほど時間を無駄遣いしてしまうはずだ。焦りに最も効く処方箋は、諦めることである。