【文徒】2015年(平成27)8月18日(第3巻155号・通巻600号)

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1)【記事】谷津矢車の「曽呂利!」(実業之日本社)を読みたくなった
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】谷津矢車の「曽呂利!」(実業之日本社)を読みたくなった

谷津矢車の一連のツイートを読んでいると、谷津の「曽呂利!」(実業之日本社)や「からくり同心景」(KADOKAWA)を読みたくなってしまう。
http://togetter.com/li/860325
私にとって曽呂利新左衛といえば豊臣秀吉の御伽衆のひとりであり、落語の元祖という程度の認識しかないが、谷津は曽呂利をダークヒーローとして捉えているようだ。
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53669-9
谷津のブログを読んで、ますます読みたくなった。「曽呂利!」を解説するのに「脱構築」や「デリダ」といった私好みの言葉が乱れ飛んでいるじゃないか。<「でもあれですか、谷津さんの「意表を突く」テクストにはもってこいってことですね。
「まさしくその通り」
で、今回の「曽呂利!」で谷津さんは何がしたかったんですか?
「そうですねえ。いろいろありますが、しいて言うなら「脱構築」です。これまでの歴史家が描いてきた歴史という物語の軸をあえてずらすことによって起こる歪みみたいなものを書きました」><で、谷津さんさっきから「脱構築」とか言ってますけど、これってどういうことです?
脱構築っていうのはデリダっていう人の唱えた現代思想の概念で、わたしは『かねてから存在した構造物を少しずつズラして再構成すること』だと思ってます」>
http://blogs.yahoo.co.jp/yatsuyaguruma_sousaku/13491826.html
http://blogs.yahoo.co.jp/yatsuyaguruma_sousaku/13496320.html

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2)【本日の一行情報】

◎扶桑社で「チーズはどこへ消えた?」などを手がけた平田静子がマガジンハウスから「そういえば、いつも目の前のことだけやってきた」を上梓していたのか。知らなかった。
http://www.sankei.com/life/news/150814/lif1508140009-n1.html
実は平田には、ポプラ社絡みで事実かどうか確かめたいことがあるんだよね。
http://tyoudouin-houdou.blogspot.jp/2014/01/2014-01-21.html

◎国分が世界文化社から刊行されている「缶つま」に着目し、おつまみ缶詰シリーズ「K&K 缶つま」として2010年に発売してから5年がたち、ラインナップも89品種になった。そこで「第1回K&K缶つま総選挙」を実施することになった。89品種の総てを紹介する「缶つま大全」はローソン、ファミリーマートサークルKサンクスほかコンビニエンスストアで限定発売される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000009728.html

◎「【戦後70年特別企画】戦時の『少年倶楽部』をよむ」。昭和20年7月号の特集は「手榴弾の投げ方」だった。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44660

◎8月16日は「電子コミックの日」なんだって。NTTソルマーレが運営する「コミックシーモア」がサービスを開始したのが2005年8月16日だからだとさ。「コミックシーモア誕生祭」が8月31日まで実施されている。
http://animeanime.jp/article/2015/08/14/24526.html
http://www.cmoa.jp/special/?page_id=anniversary2015/index.html

◎「KARAぴあ」が発売される。ぴあは韓流に強い。
http://k-plaza.com/2015/08/kara-68.html

博報堂は、トップ広報プログラム「女性エグゼクティブ編」の提供を開始した。博報堂が従来から提供してきたトップ広報プログラムを基に、女性ならではの「話し方・身振り」「服装・身だしなみ」などに対応できるように女性エグゼクティブ特有のポイントに着目して新たに開発したそうだ。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/22603

デジタルガレージの2015年6月期の連結決算。売上高381億円(前期比12.8%増)、営業利益48億円(同84.4%増)、経常利益76億円(同71.3%増)、最終利益51億円(同78.5%増)。大増収大増益だ。
http://www.garage.co.jp/ja/ir/library/pdf/150814_dg_tanshin.pdf
http://www.garage.co.jp/ja/ir/ceo/

◎産経ウエストによれば全国高校野球選手権大会の「大会本部は、記者ではない人物が撮影した甲子園球場正面の写真を15日付朝刊に掲載した朝日新聞に、当該部の取材証2枚の返却を求めた」というけれど、こういう大会本部の体質が高校野球を逆に歪めてはいないだろうか。
http://www.sankei.com/west/news/150815/wst1508150055-n1.html

◎「戦後70年」関連のフェアを展開している大型書店も多いようだ。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150815-OHT1T50233.html

◎57歳になるシャロン・ストーンは、米「ハーパーズ・バザー」9月号でヌードを披露している。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/16/sharon-stone-naked-harpers-bazaar_n_7993598.html

◎出版業界との関わりも深いデザイナーの俣野温子が自らのブログに「悩みましたが削除することにしました」と書いた。
http://la-merise.jugem.jp/?day=20150816
何が書いてあったのだろうか。スポーツ報知を読めばわかる。佐野研二郎について言及していたようである。
「その一方で、佐野氏に対する不信感も示した。取り下げた賞品は『明らかに逃げ場のないものに絞られていた』と指摘。自身の作品も含め、デザインやモチーフが似ているものに関して問題と認めていないことに、『この認識に対しては多少異論があります』とした。
模倣しているとの特定は、難しいとした上で『ある意味コピペ(コピー&ペースト)よりも悪質かもしれませんが大多数の方が一目見て似ていると判断したものがコピーと判断されます』。自らの見解を述べると同時に『この流れのなかで、まだ一部分しか認めないという佐野さんの認識は少しご自身に甘いようにも思えます』と苦言を呈した」
http://www.hochi.co.jp/topics/20150816-OHT1T50169.html

又吉直樹が「火花」で得る印税に関心を持つメディアが多いようだ。スポーツニッポンもそのひとつ。どの記事でもそうだが、印税は又吉に直接入らず、まず吉本興業に入るんだそうだ。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/08/16/kiji/K20150816010947530.html
吉本興業では又吉の先輩にあたるココリコの田中直樹が広島大の長沼毅准教授と組んでイラスト図鑑「図解 生き物が見ている世界」を学研パブリッシングから発売した。田中の取り分は、これも吉本興行経由なんだろうね。
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/436109/

◎2015年の上半期日本映画興収ランキングトップ10。
1「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」78億円
2「名探偵コナン 業火の向日葵」44億7,000万円
3「映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記」39億3,000万円
4「ドラゴンボールZ 復活の『F』」37億4,000万円
5「ビリギャル」28億3,000万円〜(上映中)
6「映画 暗殺教室」27億7,000万円
7「ラブライブ!The School Idol Movie」24億円〜(上映中)
8「ストロボ・エッジ」23億2,000万円
9「映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語〜サボテン大襲撃〜」22億8,000万円
10「寄生獣」20億2,000万円
出版のコンテンツなくして日本映画は成立しないといえよう。
https://gunosy.com/articles/aeRm9

◎津田ひろみのコミック短編集「夜明けのエレジー」(双葉社)は在日朝鮮人の女性とバンドマンの青年の恋愛を描いている。津田ひろみは次のように語っている。
「最初に日本にいる在日の子たちに関心をもったのは、『パク・ソンジュンの夏』という、夜中のドキュメンタリー番組がきっかけでした。朝鮮高校でボクシングをやっている少年のひと夏を追う内容だったんです」
https://gunosy.com/articles/RBNS8

◎出版科学研究所による今年上半期(1〜6月)の出版物推定販売額は前年同期比4.3%減の7913億円。書籍が2.3%減の4000億円、雑誌が6.2%減の3913億円。
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20150804-OYT8T50014.html

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3)【深夜の誌人語録】

仕事には足と頭と心の三拍子が必要だ。