【文徒】2015年(平成27)10月6日(第3巻187号・通巻632号)

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1)【記事】元政治学者の猪口邦子議員から送られて来た「呉善花本」の版元は「たちばな出版」だった
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】元政治学者の猪口邦子議員から送られて来た「呉善花本」の版元は「たちばな出版」だった

モンタナ州立大学山口智美准教授のもとに猪口邦子名義で「呉善花本と産経歴史戦本の英語版」が送られて来たそうだ。山口は次のようにツイートしている。
「ちなみに私は猪口邦子氏は会ったことも連絡したこともなく、なんの関係もありません。ほかにも猪口議員から呉善花本と産経本が送られたというひともいるようなので、おそらく相当数にばらまいているのだろう。これは国会議員としても学者としてもかなり恥ずかしくはないか猪口邦子
http://togetter.com/li/881635
猪口邦子から送られてきた本2冊、歴史戦本は産経新聞出版呉善花本はたちばな出版(!)と両方とも日本の版元が出してる英語版や日英両語版の本で、どちらも学術書ではない。おそらく本来なら、海外出版社からの英語学術書を送りたいところかと思うのよねえ。でもそれがないのが苦しいところだなと」
https://twitter.com/yamtom/status/650305905859301376
たちばな出版は深見東州の出版社である。
http://www.tachibana-inc.co.jp/index.jsp
深見東州という名前は新聞広告などで、よく見かけるでしょ。
http://www.tachibana-inc.co.jp/ad/index.html
深見東州御親元素大御神(みおやもとすおおみかみ 別名「(す)の神様」)、菊理姫大神天照皇大御神をはじめ、八百萬の神々を崇敬する神道宗教法人ワールドメイトの、いわば教祖である。
http://www.worldmate.or.jp/index.html
週刊文春」4月16日号の「下村博文文科大臣 オカルト人脈と金脈」は次のように書いている。
「11支部の収支報告書を見ると、宗教法人の関連団体からの献金が目を引く。『万能の天才』『現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ』『ギャグ爆発の宗教家』と称して、全国紙やスポーツ紙にロックコンサートやオペラ・書道展等の派手な新聞広告を打つ謎の人物、深見東州氏(64)。彼が教祖を務める新興宗教ワールドメイト』も、下村氏とは近しい関係だ」
http://ci.nii.ac.jp/naid/40020419027
深見東州は「宗教政治家」を名乗ったこともあるらしく、政治献金には熱心である。こんな具合である。
http://wmdata.main.jp/jittai-2/seijikenkin.html

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2)【本日の一行情報】

三越伊勢丹ホールディングスとCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、マーケティング事業を推進する新会社の設立を中心とした包括的提携に向け、基本合意書を締結した。具体的には、「両社のノウハウを活かしたマーケティング新会社を設立する(出資比率 三越伊勢丹:51%、CCC:49%)」、「2016年春より、三越伊勢丹の国内百貨店子会社で「Tポイント」のご利用を可能にする」、「両社が共同で、ライフスタイル提案型商業施設など、新たな事業の企画・開発を検討する」ことになる。
http://www.ccc.co.jp/news/pdf/20151002_ccc_mi.pdf

◎プラットフォーム・ワンとCCCの100%子会社であるCCCマーケティングは、プラットフォーム・ワンが提供するデマンドサイドプラットフォーム(DSP)「MarketOne(R)」において、CCC及びCCCマーケティング保有する実購買行動から推計したカテゴリデータを用いた広告配信サービスを提供することで提携する。この提携により、CCC及びCCCマーケティング保有する実店舗の購買行動から推計した「興味/関心カテゴリ」や性別・年代別といった「デモグラフィックカテゴリ」を作成し、「MarketOne(R)」を通して広告配信に活用できるようになる。
http://www.platform-one.co.jp/pdf/release_20151002.pdf
http://www.ccc.co.jp/news/2015/20151002_004837.html

◎CCCが武雄市より指定管理として図書館の運営委託等を受ける武雄市図書館・歴史資料館の来館者数が、2013 年 4 月 1 日のリニューアルオープンから 2 年 5 ヶ月時点で200 万人を上回り、利用者の満足度は 85%。図書館の場合、利用者の数や利用者の満足度だけをもって評価の基準とはなるまい。そのように短絡化させてしまう思考は図書館運営にとって百害あって一利なしである。
http://www.ccc.co.jp/news/pdf/20151001_ccc_takeo.pdf

フィンランドのセキュリティ企業「F-Secure」が開発した「F-Secure ADBLOCKER」は、無料でウェブページの広告をブロックしてくれる。
http://www.appbank.net/2015/10/02/iphone-application/1104970.php

◎ブレンディの「牛」を人間の高校生が演じるCMが炎上している。これ昨年のCMなんだよね。
http://www.yukawanet.com/archives/4946445.html
「日刊SPA!」は次のように書いている。
「今年9月にシンガポールで開催された広告大賞『スパイクス アジア 2015』のフィルム部門で銅賞を獲得した。WEB限定ムービーだけに公開当時は特設サイトでしか視聴できず大きな反響はなかったが、スパイクスアジアへのエントリーにともない英語字幕版が公開されることに。その動画が海外で瞬く間に拡散され話題となり、逆輸入するかたちで国内では『女性差別を助長する』などといった声が殺到しているのだ」
http://nikkan-spa.jp/951619

◎2020年東京五輪パラリンピック組織委員会は槙英俊マーケティング局長と企画財務局の高崎卓馬クリエーティブディレクターの退任を発表した。エンブレム責任者を更迭したということになるのだろう。組織委は、この人事で問題の幕引きを図りたいに違いない。
http://www.asahi.com/articles/ASHB253Y0HB2UTQP022.html

朝日新聞、TBS、小学館の三社が「下町ロケット」プロジェクトに取り組む。10月3日、朝日新聞朝刊の広告特集で「下町ロケット2」の連載が始まり、10月18日にTBS系でドラマ「下町ロケット」の放映が開始され、11月5日に単行本「下町ロケット2」が小学館より刊行される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000133.000009214.html

博報堂は、マーケティングの基礎から、高度な戦略構想力までを提供する「博報堂マーケティングスクール」を10月より開講する。参加費用は1講座(1日間)30,000円・昼食付(税込)、3講座(3日間)コースで85,000円・昼食付(税込)。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2015/09/20151001_2.pdf

◎杉作のマンガ「猫なんかよんでもこない。」(実業之日本社)が実写映画化され、SCANDALが主題歌を担当することになった。
http://www.mtvjapan.com/news/music/26086

◎ほけんの窓口と「オレンジページ」、「クックパッド」、「サンキュ!」(ベネッセ)がコラボしている。
http://www.hokennomadoguchi.com/sp/1508_kakeiouen/
http://www.entameplex.com/archives/24420

資生堂が販社制度に終止符を打った。本社の企画・マーケティング部門を切り離し、完全子会社である資生堂販売に継承させ、社名を資生堂ジャパンとした。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01I0S_R01C15A0TI1000/

◎学研プラスのムック「立ち食いそば手帳 名店120 首都圏編」は、ちょっと気になる。私の場合、一日に一食は「立ち食いそば」である。それにそばは、シズル撮影で違いを出し難いはずだ。その辺りをどうしているかが気になるところだ。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/02/news148.html

◎日販は、11月9日(月)まで、全国の120書店で「おはなしマラソン」読み聞かせキャンペーンを展開している。
http://www.dreamnews.jp/press/0000120345/

毎日新聞の「経済プレミア」は次のように書いている。
「ヤフーニュースでは、同じ記事に対して異なる見出しを用意し、よりクリックされる方を採用するテストが日常的に行われている。人が見出しを作り、テクノロジーでより良いほうを選び出すのだ」
http://mainichi.jp/premier/business/entry/index.html?id=20150930biz00m010023000c

◎塚岡雄太「たった39日で五輪エンブレムを葬ったものは一体何か」は、ギョーカイ人の「選民意識」を問題にしている。
「擁護派の論調は、『デザインをしたことない人には分からないだろうけど』『クリエイターなら分かることだと思いますが』という調子で、にじみ出る選民意識と自己防衛の空気に反感を覚えるネット民がいても不思議ではありませんでした」
「エンブレムへの批判が、そのまま選民意識への批判であることに気づかなかったのは、ネットでのバッシングをごく初期の段階で『一部のネットユーザーによる批判的なご意見』として処理してしまった甘さがあるのでは、と私は予想しています。
そして、その甘さは取りも直さず相手を軽んじる『蔑み』であり、それは選民意識から生まれているのではないでしょうか」
http://news.mynavi.jp/articles/2015/10/03/gorin/002.html

小学館の女性ファッション誌「AneCan」の専属モデル葛岡碧が自らのブログで結婚を発表した。
「この度、私、葛岡碧は、10月4日に千葉直樹さんと入籍いたしました」
http://ameblo.jp/kuzuoka-midori/entry-12080124826.html
千葉はベガルタ仙台に所属していた元Jリーガーで、現在はフットサルで活躍するモデル・タレントだという。

◎映画監督サミュエル・フラーの自伝が12月に刊行される!朗報とは、このことだ。
http://www.sankei.com/life/news/151004/lif1510040023-n1.html

◎10月5日付朝日新聞を舞台にともに今年創業70周年を迎える光文社とマガジンハウスが広告で「歴史的競演」を果たした。二連版カラー広告のコピーは「雑誌とは、時代の景色だと思う。」。両社の雑誌が「街」を構成しているというヴィジュアルだ。「平凡」を忘れていないんだなあ、マガジンハウスは!などと思いながら、私はこの広告を味わった。
http://adv.asahi.com/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/2015/uid000036_32303135313030355F6B6F62756E7368612E706466
確かに雑誌というメディアの本質をついたコピーである。雑誌は時代の風景を見事に反映して来たし、時代の風景を変えてしまったことさえある。朝日新聞を舞台とした両者の広告による競演は二連版カラー広告にとどまらず、題字下や中面、テレビ面などにも小型広告を複数掲載している。この日の朝日新聞の朝刊紙面全体でコラボしている。
http://adv.asahi.com/modules/adtopics/index.php/content0251.html
広告の「競演」だけにとどめず、企画でもコラボできたら、もっともっと話題になったのではないだろうか。例えば「VERY」編集による「Hanako」を刊行するとか、「女性自身」編集による「平凡」の復刊とかね。

◎10月4日付朝日新聞が「VERY」(光文社)の今尾朝子編集長を取り上げている。
〈今尾さんが考える、女性の仕事と家庭の両立とは。「両立なんて今の日本じゃまだまだできないと改めて思った。頑張って仕事する女性は増えたけれど、脱落するかどうかのギリギリでやっている。こんなのおかしい」。その思いは雑誌を通して発信するつもりだ。「男性社会的な働き方の考えが変わらないと無理。両立を模索している私たちがこれでいいと思っちゃだめなんです」〉
http://www.asahi.com/articles/ASH9Z51NCH9ZUEHF00C.html

大日本印刷は、TOKYO FMの番組「Skyrocket Company」のランナー応援コーナーのスポンサーとなり、個人同士のモノの売買を支援するDNPのサービス「DNP フリマアプリ KURURi」(クルリ)と番組のコラボを推進するそうだ。
http://www.dnp.co.jp/news/10115200_2482.html

◎「元東大全共闘代表」の山本義隆による「私の1960年代」(金曜日発行)を興味深く読んだ。
「何年か前に日本現代史のある研究者が、新聞紙上で、東大闘争における安保世代と全共闘世代の対立のようなことを訳知り顔で書いていましたが、それは現実とは大きく異なっています。東大全共闘の中心にいた全闘連と青医連の中核、そして助手共闘のメンバーは、ほぼすべて六〇年安保闘争の経験者だったのです」
1941年生まれの山本は1960年に東大に入学している。ちなみに日大全共闘議長の秋田明大は1947年生まれで、日大入学は1965年である。山本は日大全共闘を次のように評価している。
「本当の意味での『全共闘』を作りあげたのは日大です。これは文句なしにそうです」
「日大闘争は、学生大衆の正義感と潜在能力を最大限に発揮せしめた闘争であり、その意味で掛け値なしに戦後最大の学生運動で学園闘争だったと思います。ほんと、すごいです。いまでも涙がでてきます」
http://www.kinyobi.co.jp/publish/001792.php
http://blogs.yahoo.co.jp/meidai1970/32414233.html

◎愛知・小牧市が計画したCCC運営の図書館建設にかかわる住民投票は反対が賛成を上回った。10月5日付朝日新聞デジタルは次のように書いている。
〈CCCの広報担当者は5日朝、朝日新聞の電話取材に対し、「建築費用の問題が問われたと認識している。CCCとしても高いと思っていたので、再検討の機会が得られた意味で今回の結果は良かった」。一方で図書館建設については「撤退する考えはなく、仕切り直しになった場合は建築費を抑えたプランなどを提案したい」と話した〉
http://www.asahi.com/articles/ASH9Z3D16H9ZOBJB006.html
また産経によれば、CCCが運営に関与する海老名市立中央図書館で「タイバンコク夜遊び地図 初心者でも安心 ! 男の海外旅行ガイド」(シーズ情報出版)や「大人のバンコク極楽ガイド」(実業之日本社)といった「タイ・バンコクの歓楽街を紹介するガイド本などが少なくとも3冊含まれていた」ことがわかり、問題になっている。
http://www.sankei.com/life/news/151004/lif1510040028-n1.html
http://www.yoshiki-yamaguchi.com/B01-20.jpg
http://irorio.jp/agatasei/20151004/265394/

◎旧名の近代映画社のほうが名前が知れているかもしれない、映画雑誌「スクリーン」を擁していたケーイーが帝国データバンクによれば10月2日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。実は10月1日付で印刷事業などを手がけるタイヘイグループのティ・アイ・ティに「SCREEN」「SCREEN+」「BIG ONE GIRLS」の3誌の編集、発行事業を譲渡していた。その際にティ・アイ・ティが近代映画社に商号を変更している。
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4094.html

沙村広明のマンガ「無限の住人」(講談社)が監督・三池崇史、主演・木村拓哉のコンビで映画化される。
http://natalie.mu/eiga/news/161848

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3)【深夜の誌人語録】

できることをできないと言うのも、できないことをできると言うのも卑怯である。