【文徒】2016年(平成28)4月7日(第4巻65号・通巻752号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】伏木悦郎が日本自動車ジャーナリスト協会除名に激怒
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】伏木悦郎が日本自動車ジャーナリスト協会除名に激怒

日本カー・オブ・ザ・イヤー」選考委員もつとめていた伏木悦郎が日本自動車ジャーナリスト協会を除名された。自らツイッターにこう投稿している。
「もう笑うしかない。除名だってさ俺。さっきまで所属していた日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)の年次総会で、理事会決定だと言い渡された。理由?SNSでの発言が会の品位を損ねたとか。はぁ?であるが、密室での決定だ」
https://twitter.com/fushikietsuro/status/714383019541270528
かくして伏木は激怒。
「トップメーカーの広報資料作成を請け負い、自社関連会社で広報試乗会を請け負い、お台場の同乗試乗も営利目的で回す輩。トップメーカーの肝入りで自工会業務を請け負い汗流す会員の上前をはねる輩。獨逸メーカーの運転指導員を四半世紀。プロパガンダの走狗になって恥ない輩×2。私腹を肥やす4人組」
https://twitter.com/fushikietsuro/status/714433933648076801
「僕は、自動車ジャーナリストがお金儲けをするなとは言わない。ただ人を貶めたり、出し抜いたりする才覚でズルするのはなしである。ある者は『馬鹿は使えばいい』それが『俺ら頭の良い人間の生き方だ』と嘯いたと聞いた。馬鹿で結構だが、人を陥れる嘘を平気で吐く人間だけは許さない。いるんだそれが」
https://twitter.com/fushikietsuro/status/714503878566236160
フリーランスが個人としてどんな商売をしようと構わない。でも、曲がりなりにもメンバーシップの代表であるなら、立場を利用したと思われる行動は慎みたい。権力は必ず腐敗する。長く居座ると蜜の甘さに麻痺してしまう。梨花に冠を正さずはメンバーシップ全員が共有すべき心構え。他人事には出来ない」
https://twitter.com/fushikietsuro/status/714698275543203840
昨年、10月5日の次のようなツイートが今回の除名の引き金を引いたと見られている。
VWとスズキの提携解消話がこじれ訴訟となった頃、VWに縁の深い旧知からスズキに関するネガリポートを定期的に行う”仕事”のオファーを受けた。高額報酬の匂いに喉から手が出る思いをしたが、国を売る感覚に抵抗あり断った。乗らずに正解を痛感するが、金に転んだ輩は必ずいる。擁護する者を疑え!」
https://twitter.com/fushikietsuro/status/651225369857552384
こうした伏木の指摘に同じく自動車ジャーナリストの国沢光宏が「センパイ! オレぢゃね〜っすから。念為」と反応したことで逆にネット上では彼に対する疑いの目が向けられていた。一方、日本自動車ジャーナリスト協会は、こうした「告発」発言の「品位」を問題にしたようである。
http://matome.naver.jp/odai/2144414263935062101
netgeek」は、伏木を全面的に擁護している。
「除名理由については『SNSでの発言が協会の品位を損ねた』というもので何か作為的なものを感じる。真っ当に考えれば業界の不正を暴いた伏木悦郎氏の発言はむしろ表彰されるべきものなのに、なぜ処分されないといけないのか」
http://netgeek.biz/archives/69915
J-CASTニュース」も「自動車評論家、『お金もらって御用記事』と仲間を批判  『ジャーナリスト協会』が除名の理由にした『品位』とは」を掲載している。
「伏木悦郎さんの一連の発言は、日本自動車ジャーナリスト協会で問題になり、16年3月28日の理事会で審議されることになった。協会では、伏木さんのツイートについて話を聞きたいとしたが、伏木さんは、『何についての問い合わせか不明』として出席に応じなかった。
理事会は、伏木さん欠席のまま審議が行われ、伏木さんが15年10月20日のブログで協会幹部に悪態をついていたことも問題にされて、伏木さんは除名処分になった」
http://www.j-cast.com/2016/04/04263234.html?p=all

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2)【本日の一行情報】

Surface集英社の「ノンノ」「メンズノンノ」が新大学生のために共同で立ち上げた期間限定のウエブサイト「College Hack!」が良くできている。動画の使い方も上手い。大学新入生に対する応援メッセージを、かつて「坂口弘」を演じた井浦新に語らせているところなんか、いや本当にオレ好み。若松組の井浦も「メンズノンノ」のモデル出身なんだよな。
http://college-hack.jp/
渋谷ロフト2階のカフェ Shibuya City Loungeが「Surface College Hack! CAFE」としてオープンしている。

村西とおるがブログで「月刊WILLの連載中止」について書いている。
「ワック出版で、新しくWiLLの編集長になられた立林氏が『AV監督の人生相談や、爆笑問題の対談、等、の連載はWiLLにそぐわないものだったから、花田編集長には降板してもらう』と公式ホームページに書かれていたことについては『無礼だ!』と花田編集長は、甚くご立腹のご様子でした」
村西と花田の付き合いは「メンズウォーカー」に遡る。
「…やって来た担当者の方は『私どもの花田編集長が、監督でしかできない悩める人々への“励まし”があるはずだから、その言葉を摘んで読者に花束として届けたい、と言っています』と、心に刺さる口説き文句を申されたのです。
豚もオダてりゃ木に登る、と言います。されば、とエロ事師もパンツを脱ぎ捨てイボ痔丸出しで木に登って、連載をスタートさせていただきいた次第でした」
http://goo.gl/qe1sU7
このメンズウォーカーの担当者は、知る人ぞ知る数年前までショーケンのマネジャーだった佐久田修志のことだろう。
村西はツイッターでも次のように書いている。
「別に何を言われようと痛くも痒くもないが、2年以上も連載をしてきた人間に対して無礼すぎないか、人の悪口だけの男、と言われるだけあって見上げた非礼ぶりに恐れいった」
https://twitter.com/Muranishi_Toru/status/716915632562778112

小林恭子は「エコノミスト」のソーシャルメディア戦略について、次のように書いている。
「経済や世界情勢について難しいことばかり書いているような、お堅い雑誌のようにも思えるエコノミストだが、実は世界中に3500万人のフォロワーを持つ、ソーシャルメディアでは大きな位置を占める存在でもある」
「これだけ広がった理由について、エコノミストの副編集長トム・スタンデージ氏はまず、『それぞれのプラットフォームがグローバルにサービスを展開しており、エコノミストのコンテンツもグローバルな視点で書かれているからだ』と説明する」
エコノミストの中にはソーシャルメディアの専門チームがいて、どのプラットフォームにどんな見出しでいつ出すかなどを研究し尽くしている。どれぐらいの文章を入れるのか、どんな反応があったのかを細かく分析する」
http://www.huffingtonpost.jp/ginko-kobayashi/economist-socialmedia_b_9613534.html

◎シャープとタニタTwitterアカウントを擬人化した4コマ漫画「シャープさんとタニタくん@」(リフレ出版)の書籍化を記念し、アマゾンはシャープとタニタの両社の製品を同時購入すると10%割引となる「まとめ買いキャンペーン」を実施している。
https://www.amazon.co.jp/b/ref=tsm_1_tw_s_azjp_pmasen?node=4173612051
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1604/05/news114.html

文教堂書店 鵠沼店が3月31日に閉店。
http://kaiten-heiten.com/bunkyodo-kugenuma/
文教堂書店新横浜駅前が4月30日をもって閉店。
http://blogs.yahoo.co.jp/shinyokokun/69273043.html
文教堂書店は今年に入ってから初石店、宮前平店、総和店、座間駅前店と次々に閉店を決めている。

渋谷PARCOでは、4月4日(月)〜5月1日(日)までの間、スペイン坂の大型ビルボードに、ペロリから創刊されたファッション誌「MERY」の誌面を元に、イラストレーターのエスターキムによるアイコニックなイラストが施された、期間限定クリエイティブが掲出される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000013649.html

◎ベネッセの生活情報誌「サンキュ!」が創刊20周年を迎えた。
「…ここ数年は、不況しか知らない世代が読者の中心になり、共働き世帯も増加。逆に『ケチケチ節約したくない、自分らしく豊かに暮らしたい』『目先より一生豊かに暮らす知識をつけたい』という読者の声が増えています。フランスや北欧のものを厳選して大事にする暮らしや、アメリカの身近な人や自然を大事にするサードウェーブカルチャーなどの影響もあり、生活に対する成熟化が進んでいると編集部は考えます。現在の『サンキュ!』の巻頭特集は、我慢して削る節約企画から、賢く選んでお金をつかうシンプルライフ企画に変化しています」
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000511.000000120.html
WEB版「口コミサンキュ!」は現在3,500人の主婦ブロガーを組織しているのも「サンキュ!」の強みであろう。

◎米アマゾンは電子書籍端末「Kindle」の新モデルを発表するようだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46532

クックパッドの社員が創業者にして大株主の佐野陽光執行役兼取締役や岩田林平社長の退陣を求めるべく労働組合を結成した。「日経ビジネスオンライン」によれば事の発端は一通のメールであったようだ。
「3月24日に開かれた株主総会の翌週月曜日、全社員に向けてある社員がメールで訴えた。『今の状況は、おかしいのではないでしょうか』。メールを送ったのは、2015年4月にクックパッドに入社した、元くらしの手帖編集長の松浦弥太郎氏だ。呼応するように署名活動が始まり、国内240名超の正社員のうち、8割以上の署名が集まった」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/040500299/?P=1

康芳夫花田紀凱が「TOCANA」で対談している。次の発言は花田によるもの。
「俺はAKB48のスキャンダルにしても、“そんなのくだらないから『週刊文春』の読者的にはどうなの?”って言っているんだけど、新谷は“花田さん、あれは違うんだ”って言うの。要はね、今は『週刊文春』もネットで配信しているわけだと。ああいうところではAKB48の話題はもの凄い強い“引き”がある。そりゃあ誌面ではね、『週刊文春』読むような人はAKB48なんてどうでもいいんだけど、ネットでは強いと」
http://tocana.jp/2016/04/post_9205_entry.html
ベッキーの不倫スクープが「週刊文春」ブームを生み出したのである。ということは、月曜日発売の週刊誌が「週刊文春」に対抗するためには、講談社であれば「週刊現代」と「フライデー」の編集部を一つに統合してしまう、小学館であれば「週刊ポスト」と「女性セブン」の編集部を一つに統合してしまうという方法論が有効かもしれない。

◎コンビニにとどまらず、書店でもそうだが、小学生が来店するような店舗で成人向け雑誌を売っているという日本固有の文化を守るべく日本雑誌協会日本書籍出版協会は立ち上がった!
http://www.asahi.com/articles/CMTW1604052800004.html
われらがミシェル・フーコーが初めて来日したときに「どこに行きたいですか?」という問いにフーコーはラブホテルだと答えたことを思い出す。性行為をするためだけに建てられたラブホテルもまた「L'Empire des sens」日本にしかない文化装置であることを私は思い知らされたのだが、成人向け雑誌がコンビニに並ぶのもこれと同じことなのかしらん。その一方で成人であっても映画「L'Empire des sens」をボカシなしに見ることができない。そのくらい「表現の自由」は規制されているのである。

◎「アサヒ芸能」が「ラブライブ!」の新田恵海アダルトビデオ出演疑惑を報じた記事をネットから削除してしまった。
http://jijisikou.net/articles/49206.html

◎学研プラスはニュース閲覧アプリ「SmartNews」(スマートニュース)内の専用コンテンツチャンネル「チャンネルプラス」において、4月5日(火)に「GetNavi web」専用チャンネルを開設した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000599.000002535.html

久保帯人のマンガ「BLEACH」(集英社)を原作とした舞台「ROCK MUSICAL BLEACH」が今夏4年ぶりに復活を遂げるそうだ。これまで累計で18万人の観客を動員しているというから凄い。
http://animeanime.jp/article/2016/04/05/27891.html

講談社とUUUMが昨年7月31日に共同で開局した、YouTube上にキッズ向けの情報発信基地「ボンボンTV」の月間再生回数が3月度で2000万回を突破した。
http://www.uuum.co.jp/2016/04/05/4848

◎映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の公開を記念して、4月13日(水)発売の「週刊少年マガジン」に「FAIRY TAIL」「ダイヤのA」「七つの大罪」の“シビル・ウォー”ビジュアルが掲載されることになった。
http://cinema.pia.co.jp/news/168777/66438/

◎第47回大宅壮一ノンフィクション賞が決定。書籍部門は堀川惠子「原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年」(文藝春秋)。雑誌部門は、児玉博「堤清二 『最後の肉声』」(「文藝春秋」15年4月号〜6月号)。
堀川は「死刑の基準−『永山裁判』が遺したもの」で講談社ノンフィクション賞、「裁かれた命 死刑囚から届いた手紙」で新潮ドキュメント賞、「教誨師」で城山三郎賞を受賞している。広島テレビ出身で、ドキュメンタリーディレクターでもある。
http://www.nikkansports.com/general/news/1627618.html

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3)【深夜の誌人語録】

個性的であるということは、能動的であるということだ。