【文徒】2016年(平成28)9月7日(第4巻168号・通巻855号)

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1)【記事】スプリックスが運営する中高生向けSNSゴルスタ」がサービスを停止した
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】スプリックスが運営する中高生向けSNSゴルスタ」がサービスを停止した

スプリックスが運営する中高生向けSNSゴルスタ」がサービスを終了した。ユーザー一名の情報を流出させ、また「一部の運営担当者において、明らかにふさわしくない言動があった」ことが原因のようである。
http://sprix.jp/
「IT media」によれば「ゴルスタ」は「アカウント停止をしたユーザーをしばらく削除せずに、ユーザー名を『違反-停止理由』などに変更し、一定期間みせしめのような状態にしていた」そうだ。
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1609/05/news090.html
WEDGE Infinity」の「SNS運営側が暴走した炎上騒動 ゴルスタってゴルバチョフスターリンの略なの?」は次のように書いている。
〈「(運営者のメールアドレス)まで反省文を送信してください」「あなたはゴルスタの円滑な運営を妨害しました。『威力業務妨害』として警察に通知する準備を進めています」……。
こんなツイートを行っていた中高生専用アプリ「ゴルスタ」。ユーザーが規約違反をしていたときだけではなく、運営に批判的な発言をしていただけでアカウントを停止し、ユーザーに反省文を遅らせることもあったようだ。
一部のユーザーの間では、アカウント停止が解除されるような「反省文の書き方」まで共有されていた。これが、「故意ではなくミスで規約違反をしてしまった場合でも言い訳せずとにかく謝る」「とにかく“運営さん”に感謝の言葉を入れる」などというもので、「まるで独裁国家のよう」と指摘されていた。
さらに炎上の原因となったのは、8月24日にゴルスタの公式ツイッターアカウントが「元ユーザー」の個人情報と思われる内容をツイートしたため。ユーザー名とともに、居住している都道府県と本名と思われる内容を入れて、「警察に通報します」とつぶやいた。これが個人情報の漏洩だとして瞬く間に拡散。ここから、以前から一部では指摘されていたおかしな運営状況が次々と広く知られることとなった。〉
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7655
これは酷い!更に驚くべきはスプリックスの企業体質である。「ゴルスタ」で問題となったようなことが社内でも行われていた、として「ねとらぼ」の「ゴルスタ個人情報流出問題 運営会社スプリックスでは数年前から『みせしめ』存在 関係者に聞いた」は、次のように書き出している。
Twitterにユーザーの個人情報を故意に書き込んだことがきっかけで、サービス終了が決定した中高生向けSNSアプリ『ゴルスタ』ですが、運営元であるスプリックスの社内では、以前から『不祥事を起こした元従業員の名前をみせしめに晒す』行為があったことが分かりました」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1609/02/news141.html
「教育を生業とする企業」にあるまじきことが起こったのではない。「教育を生業とする企業」だからこそ起きてしまったのだと私は考えている。

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2)【本日の一行情報】

◎「R25」の「『アマゾン読み放題』一部タイトル削除、落胆広がる」はツイッターに発表された次のような指摘を紹介している。
「アマゾン読み放題サービスの人気作品配信停止問題、電子書籍の弱点の象徴のような出来事だ。物じゃなく読む権利を買うってことはいつ権利を剥奪されても文句を言えないってことなんだよな」
http://r25.jp/it/00052592/

◎スマートニュースは、ニュース・コラム記事と電子書籍を楽しむWebサイト「幻冬舎plus」と、幻冬舎女性誌「GINGER」が運営するデジタルメディア「Spark GINGER」の2つのチャンネルプラスを開設した。
http://about.smartnews.com/ja/2016/09/05/20160905/

◎さわや書店の「文庫X」が三省堂書店池袋本店にも上陸を果たした。
http://ikebukuro.books-sanseido.co.jp/items/1442

ADKは、マーケティングコンサルティング領域における新会社「アブソルートワン」を設立した。
https://www.adk.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/20160905_ABO_final.pdf

カゴメは、「野菜生活100 Peel&Herb グレープ・シナモンミックス」の発売に合わせて、小学館の美容誌「美的」の協力のもと、“秋の究極のリラックスタイム”を提供する「Peel & Herb Relax SPA」を9月27日(火)から10月11日(火)まで、トータルビューティーサロン「uka」東京ミッドタウン店に隣接する「ukafe」に期間限定でオープンする。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000010752.html

◎LINEは9月5日、データ通信のみだと月額500円という格安通信サービス「LINE モバイル」の提供を開始した。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1492
CNET Japan」は次のように書いている。
「同日の記者発表会で登壇した、LINE取締役 CSMOの舛田淳氏は、日本のスマートフォン普及率が56.9%だとするMM総研の調査結果を紹介しつつ、先進国の中ではいまだに普及率が低いと指摘。その理由として、(1)月額利用料が高すぎる、(2)自分に合ったプランがない、(3)データ通信量制限に毎月悩まされるの3点を挙げる」
http://japan.cnet.com/news/service/35088537/
NHK NEWS WEB」も指摘しているように格安スマホの競争は更に激しさを増すことになる。
「競争が激化する中、格安スマホに国内で初めて参入した日本通信は先月、格安スマホの事業から撤退する方針を明らかにしました。LINEの参入によって値下げ競争は一段と激しくなりそうです」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160905/k10010670751000.html
LINEモバイルの嘉戸彩乃社長は美人である。女性社長の写真集って面白いと思うんだけれど。

◎「DIGIDAY」の「NYT『スナチャ』特任チーム、通常アカで試行錯誤:この1年半でトライしてきたこと」によれば、「ニューヨーク・タイムズ」は「我々はSnapchatをすべての記者や編集者、カメラマンに使わせるようにしている」のだそうだ。しかもマネタイズは考えていない!
「『ニューヨーク・タイムズ』をはじめとする多くのパブリッシャーに残された大いなる課題は、マネタイズの方法を見つけ出すことだ。仮想現実(VR)などの領域で新しいスポンサーを呼び込んでいるが、いまのところ同紙のSnapchat施策では、スポンサーシップの売上を生み出そうとはしていない。コリンズ氏いわく、『その方法を模索している人々がいることは確かだが、いまのところ我々は何もしていない』ということだ」
http://digiday.jp/publishers/eager-to-use-it-inside-the-new-york-times-snapchat-team/

◎ スクウェア・エニックスは新作スマホ向けアプリ「ドラマチックRPG 神つり」を9月12日に配信開始する。コミカライズを担っているのは小学館が運営しているコミックアプリ「マンガワン」だが、「マンガワン」連載の「マギ シンドバッドの冒険」「ケンガンアシュラ」「出会って5秒でバトル」とのコラボも決定しているそうだ。
http://www.4gamer.net/games/351/G035134/20160905013/

KADOKAWAは、タイの出版最大手Amarin Printing and Publishing Public Company Limitedと日本のマンガ・ライトノベル等のタイ語出版事業や訪日観光メディア事業などを目的とした合弁会社を設立する。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20160905_h8wb6.pdf

KADOKAWAは、同社100%子会社であるKADOKAWA HOLDINGS ASIA Ltdと、中国の国有大手文化企業である中南出版伝媒グループの関係会社との合弁会社である広州天聞角川動漫有限公司について、中国のインターネットサービス大手であるTENCENT HOLDINGS Ltdの関係会社が中南関係会社の持分の一部を取得することで、KADOKAWA、テンセントグループ及び中南グループの三社間の資本業務提携を基軸とする新たな合弁体制に変更された。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20160905_mk4de.pdf

◎9月6日付朝日新聞朝刊の鷲田清一の「折々のことば」は、木村俊介の「善き書店員」から、誠光社・堀部篤史の「本やコーヒーのような……なくてもいいものがある世の中を考えたい。となると、自分の店だけ栄えればいい、ではなくなるんです」という発言を取り上げている。
https://www.instagram.com/p/BJ_y6S9juFW/

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3)【深夜の誌人語録】

今日すべきことは、明日すべきことではない。今日を逃してはならないということだ。