【文徒】2017年(平成29)年1月17日(第5巻8号・通巻937号)

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1)【記事】 夕刊フジ講談社を揶揄する資格はあるか
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】 夕刊フジ講談社を揶揄する資格はあるか

「女性セブン」は逮捕された講談社の編集次長について次のように書いている。
「ヒットメーカーだった彼は、『週刊少年マガジン』の次期編集長の有力候補といわれていた。ところが、昨年6月の人事異動では予期せぬ人事を言い渡されたという。
『朴さんの本意ではないマンガ編集部への異動でした。長年、キャリアを積んできた部署ではないところで働くことへの不安だけでなく、順調にいっていた“出世コース”を外れた失意も感じていたようです』(朴容疑者を知るコミック誌編集者)」
http://www.news-postseven.com/archives/20170112_483524.html?PAGE=1#container
「ホウドウキョク」によれば「夫から仕事を辞めろと言われ、暴力を受けていると相談していたことが、FNNの取材で新たにわかった」というけれど、物証も自白もないとなると、この一件は不起訴となる可能性もあるだろう。
https://www.houdoukyoku.jp/clips/CONN00346882
講談社からすれば「取材は必ず広報を通す」「読者の問い合わせは、部署のできるだけ役職が上の者が対応する」「『ご心配をおかけします』とわびた上で、『講談社の公式ホームページに見解があります』と答えるようにする」しか対応のしようがあるまい。違うかね、夕刊フジさん。
夕刊フジは「…『週刊現代』や写真週刊誌『フライデー』の編集者からは、『(フライデーがコカイン吸引疑惑を報じた元俳優)成宮寛貴氏のスキャンダルをあれだけ報じておきながら、自社のことに1行も触れないのはいかがなものか』との意見もあったという」とも書いているが、このように夕刊フジの記者に語る編集者がいるのだから、夕刊フジ講談社を「沈黙の巨人」などとは揶揄できないはずだろう。
そもそも夕刊フジはフジテレビの「老害」について書いたことがあるのだろうか。あるいは夕刊フジに匿名ではあってもフジテレビの「老害」を告発する気骨ある記者はいるのだろうか。
http://anonymous-post.com/archives/189

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2)【本日の一行情報】

マイナビニュース会員のうち個人年収が1,000万円以上の男女131名を対象に電子書籍派か紙書籍派かを尋ねたころ、電子書籍派が21.4%、紙書籍派が78.6%という結果になったようだが、男女131名の年齢に偏りはなかったろうか。
http://news.mynavi.jp/news/2017/01/13/043/
20〜30代で、年収1000万円をクリアしている金持ちに同じ質問を投げかけたら、どういう結果になるだろうか。

◎アイプレスジャパンが運営する電子書籍サイト「コンテン堂モール」(https://contendo.jp/)は、クーポン機能を新設する。これにより、出版社は、刊行する書籍にクーポンコードを付与し、読者がクーポンコードを入力することで付録や特別版などをダウンロードできるサービスを提供できるようになる。
http://i-press.jpn.com/?page_id=2761
この機能を利用して、IT技術専門出版社のリックテレコムは、書籍購入者に「リックテレコム電子Books」にて電子版を無料提供する「コンテンツ引換コードを利用したコンテンツ配布サービス」を既に展開している。

アオシマ書店は電子書籍のセール情報や新刊情報を紹介するサイトだ。最大1万円で電子書籍のPR記事を出稿できるという。「ビジネス+IT」によれば、月平均80本程度の記事をUPしていて、アフィリエイトで確認できる書籍販売数は月850冊程度とのことである。
http://www.sbbit.jp/article/cont1/33112
オレは、これで充分。そう「読書人」。ま、アオシマ書店で千坂恭二の名前を発見できるという事件は万が一にも起こるまい。千坂が取り上げているのは佐古口早苗の「起て、飢えたる者よ〈インターナショナル〉を訳詞した快優・佐々木孝丸」(現代書館)だ。
http://dokushojin.com/

◎米アマゾンは新たに10万人の雇用を2018年半ばまでに実現すると発表した。日経によれば「直近5年は年間3万人ペースで増やしていたが、これを倍増させる」ものだ。これもトランプ効果なのだろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM13H1N_T10C17A1MM0000/

サイバーエージェントは、同社が提供するブランド広告企業向け広告配信サービス「CA本部DSP」において、Momentumの提供するアドベリフィケーションツール「BlackSwan」と連携し、広告配信に伴うブランド価値毀損を回避する機能を追加した。「BlackSwan」は、適切・不適切な広告掲載面を、ブランド広告企業の業種毎に判別する広告自動判別機能を持ち合わせている。
https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=13192

◎「週刊少年チャンピオン」「別冊少年チャンピオン」の2誌は、1月12日発売の7号及び2月号より紙版雑誌と電子版雑誌の同日発売を開始した。
http://www.work-master.net/201787040

長時間労働をさせた疑いで書類送検された大手電機メーカー「三菱電機」について、塩崎厚労相は実態は電通と同じだと述べたそうだ。敢えて電通の名前を出す塩崎厚労相の意図は奈辺にありや。
http://www.news24.jp/articles/2017/01/14/07351479.html

◎CCCの図書館運営は、中古本に目をつけているのは間違いないところ。「Business Journal」によれば、市場価値100円以下の中古本を920円で図書館に買わせている。そりゃあ儲かるでしょ、CCCの中古本部門は。出版社の利益にはならなくとも、出版社はCCC系の書店に支えられているためCCCのこうしたヤリクチを批判できないでいる。
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17722.html

片山杜秀島薗進という組み合わせはなかなか魅力的である。いわゆる「編集力」のなせるワザである。集英社新書の『近代天皇論 ──「神聖」か、「象徴」か』。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-720865-8&mode=1

◎「小学8年生」(小学館)はまだ定期刊行が決定したわけではない。
http://family.shogakukan.co.jp/sho8_cover/

トーハンは、主婦の友社との共同企画で「主婦の友社 女性向け実用アウトレットセール」セットを1月中旬よりトーハン独占販売のMVPブランド商品として全国約750書店で展開を開始した。
http://www.tohan.jp/topics/20170113_906.html

◎1月5日、日販アイ・ピー・エスのウェブサーバーが不正アクセスを受け、同社が運営する「CLUB JAPAN」「MagDeli」の2サイトの運営を偽装したフィッシングメールが送信されていることがわかった。
http://www.nippan-ips.co.jp/ci/files/20170106-01.pdf

◎日販は、全国各地の日販支社・支店と地元書店との連携のもと、店頭販促企画「祭」を実施しているが、1月1日からは、有隣堂とともに、「有隣堂創業祭」を開催している。
http://www.nippan.co.jp/news/matsuri_yurindo/

◎日本の電子書籍市場はアメリカに次ぎ世界第2位。マンガがあるからね。電子書籍市場が週刊誌市場を抜いた。
https://vdata.nikkei.com/datadiscovery/21book/

◎CCCメディアハウスの「ペン」(Pen)は、2月1日発売の最新号で「エルメスの秘密。」と題して「エルメスHERMES)」を1冊まるごと特集する。
http://www.fashionsnap.com/news/2017-01-15/pen-hermes/

◎池袋の泊まれる本屋「BOOK AND BED TOKYO」が「BOOK AND BED AND BAR」として1月21日にリニューアルオープンする。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1701/15/news031.html

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3)【深夜の誌人語録】

決断は結局のところ独断である。