【文徒】2017年(平成29)年4月28日(第5巻80号・通巻1009号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「#東北でよかった」について
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.4.28 Shuppanjin

1)【記事】「#東北でよかった」について

今村雅弘復興相が東日本大震災について「まだ東北で良かった」と失言した責任を取り辞任したが、この発言を逆手に取り、「#東北でよかった」とハッシュタグを付けた投稿がツイッターで相次いでいる。東北からの今村雅弘復興相に対する、まさに反撃だ。ソーシャルメディアの「有効性」は、こういうところにある。ソーシャルメディアには「広場」を形成する力があるのだ。
http://www.sankei.com/politics/news/170426/plt1704260048-n1.html
次のようなツイートから大きく流れが変わっていったのは間違いない。
「今日も東北楽天イーグルスが勝った!
東北でよかった!」
https://twitter.com/KawaCome/status/856841191362412544
岩手県知事の達増拓也は次のようにツイートしている。
「#東北でよかった ハッシュタグが教えてくれるのは、政治は社会のごく一部に過ぎないということ。政治は法律や予算で社会のあらゆる部分に影響を及ぼすことができるが、社会の広さは政治を飲み込む。#東北でよかった に日本社会の豊かな可能性を実感する」
https://twitter.com/tassotakuya/status/857175160868134912
今村は木村友祐の小説「イサの氾濫」(未来社)に震撼すべきだろう。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624601195
「小説は東北じゅうの『イサ』たちが結集して永田町になだれ込み、国会議事堂に矢を放つイメージで閉じられる。私たちに必要なのもイサの精神ではないか」(斎藤美奈子)
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2016040300004.html
今村は林周一+白崎映美の「まつろわぬ民2017」(座高円寺)に震撼すべきだろう。
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=1683

                                                                                                                      • -

2)【本日の一行情報】

タワーレコードは同社の旗艦店である渋谷店を発信拠点とした店舗密着型の音楽プログラム「タワレコTV」を5月1日(プレオープン)より立ち上げる。5つの番組が月イチまたは不定期で配信される予定。
http://tower.jp/article/news/2017/04/26/n102

◎「ハフィントンポスト」米版のリディア・ポルグリーン編集長は次のように書いている。
ニューヨーク・タイムズに15年間勤務した後、3か月前に私がハフィントンポストに移ったのは、シンプルだが力強い、ある疑問に突き動かされたからだ。『政治的、経済的、そして社会的勢力図から取り残されたと感じている人たちについて書くのではなく、その人たちのためにニュースを書く組織を作るとは、一体どういうことなのか』」
http://www.huffingtonpost.jp/lydia-polgreen/huffpost_b_16222058.html
朝日新聞なんかも「政治的、経済的、そして社会的勢力図から取り残されたと感じている人たちについて書くのではなく、その人たちのためにニュースを書く組織を作るとは、一体どういうことなのか」と一度、自問して欲しいものである。
そうそう「HuffPost」(ハフポスト)が正式なブランド名になる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000014894.html

河北新報は次のように書いている。
河北新報社は24日、酒気帯び運転で交通事故を起こして宮城県警泉署に逮捕された編集局生活文化部の小穴英久副部長(56)を同日付で懲戒解雇とした」
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201704/20170425_13011.html

双葉社は通販サイト「PAL CLOSET」と組んで“自由で可愛い大人のオンナの人生”を提案するファッション&ライフスタイルBOOK「Su magazine」(スーマガジン)を創刊した。
http://www.palcloset.jp/display/freepage/?id=su_2017ss
「Su magazine」にも出て来るらしいけれどマエガミマミのイラストって良いよ。
https://www.instagram.com/p/BTT9PITDBp5/?taken-by=maegamimami
https://www.instagram.com/p/BTS0tPYDpoD/?taken-by=maegamimami

白泉社から刊行されている工藤ノリコの累計50万部突破の「ノラネコぐんだん」シリーズ最新刊は初の知育絵本「ノラネコぐんだん あいうえお」だ。子どものみならず、ネコ好きには、たまらないんだよね、こういう絵本は。
http://www.dreamnews.jp/press/0000151680/
キャラクタービジネスとしても可能性は大である。
http://www.kodomoe.net/noraneko/

国境なき記者団により毎年発表されている「報道の自由度ランキング」。日本は72位。G7では最下位。隣の韓国は63位。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/26/story_n_16276730.html
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042601198&g=prk
安倍政権が悪いというよりも、記者クラブ制度が原因のひとつであることは間違いあるまい。

◎宝島社は次のような文章を発表している。
オンライン書店を通じての弊社月刊誌の定期購読において、『特別付録が届かない』『届くまでに非常に時間がかかる』などのトラブルが、一部で発生しています。
宝島社では、みなさまに安心してご購入いただくために、定期購読のお申し込みは、以下のサイトを推奨しております。
雑誌のオンライン書店 Fujisan.co.jp
http://www.fujisan.co.jp
http://tkj.jp/information/detail/?cd=324&div=2

◎インドのモディ首相のフェイスブックのフォロワーは4000万人もいる。ツイッターのフォロワーも2900万人いる。
http://withnews.jp/article/f0170426001qq000000000000000W02310701qq000015083A

◎「オリイジン」はダイバーシティインクルージョンマガジン。版元はダイヤモンド社
「たとえば…昨今、LGBTという言葉が、まるでブームのように新聞やテレビで取り上げられています。
LGBT層が、LGBTをはじめとしたセクシュアル・マイノリティに目を向け、考えるのは良いことですが、けして「流行り(はやり)」で終わらせるものではありません。
LGBTの人も、非LGBTの人も、誰もが等しく自分の『ココロ』を持っています。
自身の「性自認」と「性的指向」に基づいて、自分の考えや物事への姿勢にプライドを持ち相手の言動や価値観をリスペクト(尊重)していく――それを、当雑誌『Oriijin』(オリイジン)では『ココロスタイル』と名づけました。
当雑誌にはLGBT当事者と非当事者を含め、たくさんの人たちが登場し、そんな『ココロスタイル』を語っていきます」
http://diamond.jp/go/pb/oriijin/
http://life.letibee.com/oriijin-party/

KADOKAWAの「週刊ザテレビジョン」が実施したマスコミ関係者&読者による1000人超アンケートによる「好きなテレビランキング」が発表された。
1位:世界の果てまでイッテQ!日本テレビ系)
2位:月曜から夜ふかし日本テレビ系)
3位:アメトーーク!日曜もアメトーーク!テレビ朝日系)
4位:報道ステーションテレビ朝日系)
5位:ブラタモリNHK総合
6位:マツコの知らない世界(TBS系)
7位:YOUは何しに日本へ?(テレビ東京系ほか)
8位:ザ!鉄腕!DASH!!日本テレビ系)
9位:ホンマでっか!?TV(フジテレビ系)
10位:ドキュメント72時間NHK総合
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003251.000007006.html
フジテレビの番組が一本しか入っていない!フジテレビの凋落を証明する。

◎メディアドゥは9月1日付で持ち株会社制へ移行する。同日付で商号を「株式会社メディアドゥホールディングス」に変更し、会社分割で事業会社のメディアドゥを新設する。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1460723
出版デジタル機構株式交換により6月1日付で完全子会社化する。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1460722

◎「2016年幻冬舎文庫 冬の読書フェア ディスプレーコンクール」の結果が発表された。最優秀賞はブックスキヨスク森ノ宮店、明林堂書店えびの店、BOOKSなかだ奥田店。優秀賞は啓文社岡山本店、有隣堂横浜西口ジョイナス店、精文館書店書店本店、文教堂浜松町、江崎書店イトーヨーカドー店、明林堂書店神宮店、旭屋書店なんばCITY店、ブックファーストあおい川崎駅前店、有隣堂アトレ川崎店、BOOKSなかだ魚津店という10書店。
http://www.gentosha.jp/articles/-/7781

ユニバーサルミュージック合同会社は、書籍出版用レーベル「ソラオト書店」を設立した。発売中のラインナップは次の通り。
真田幸村戦記」DVD(戦国最強 真田幸村の戦いを綴った書店専用DVD)
「まこちゃんのドロップス」(CDを聴きながら親子で楽しく学べる音楽絵本)
「30日で身につくペン字練習帳」(新進気鋭の書道家みらい監修)
「ミホレルカラダ」(30秒でゆる〜く鍛える画期的筋トレ本)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001257.000000664.html

神戸新聞が社説「電通送検 日本企業全体への警鐘だ」を掲載した。
電通だけを特異なケースとして片付けることはできない。他の大手企業でも相次いで違法残業が発覚しており、長時間労働を当然視する風土が多くの企業に根付いていると言っていい」
電通送検を、日本企業全体に体質改革を求める警鐘と受け止めるべきだ」
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201704/0010129951.shtml

◎「ユリイカ」5月号の特集は「追悼・鈴木清順」。鈴木清順問題共闘会議を忘れてしまっているよなあ。何か違うんだよね。
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3039

電通にも数カ月、籍を置いたことのある文藝春秋出身の勝谷誠彦兵庫県知事選に出馬する。
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201704/0010134420.shtml

講談社ライツ・メディアビジネス局デジタルソリューション部の織田順一副部長の次のような発言には同意できる。
「…今までのように紙の本を売るという考え方から、コンテンツを伝えるという考え方にシフトする必要があります。そうなると、コンテンツはもちろん、読者もデータとして捉えなければいけません。コンテンツを伝える仕組みをデータの流通と捉えると、その基盤が確立できることで生まれる効果は、読者へ伝わることだけではありません。これまでのような広告掲載による雑誌ビジネスの枠にとらわれずもっと幅広い形で、雑誌ビジネスのお客さまである企業のマーケティングにもお役に立てるのではないでしょうか」
http://hrnabi.com/2017/04/27/14127/
更に言えばコンテンツを伝えるという考え方をサービスを提供するという考え方にシフトする必要があると私は考えている。

                                                                                                                      • -

3)【深夜の誌人語録】

ピンチはチャンスであり、チャンスはピンチなのである。