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1)【記事】アマゾン・電子書籍「最安値」配信要求の撤廃は"佐藤秀峰の勝利"(岩本太郎)
2)【本日の一行情報】
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- 2017.8.17 Shuppanjin
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1)【記事】アマゾン・電子書籍「最安値」配信要求の撤廃は"佐藤秀峰の勝利"(岩本太郎)
アマゾンが電子書籍の配信に関して、これまで日本の出版社に“最安値”を求めてきた契約を撤廃したことが明らかになった。
公正取引委員会は15日、Amazon.co.jp上で電子書籍の配信事業を行うアマゾン・サービシズ・インターナショナル・インク(ASII)から、同サイト上で配信される電子書籍に関して出版社などとの間で定められてきた同等性条件(すなわち販売価格や品揃えでアマゾンが他サイトに対して不利にならないようにする等)について「自発的な措置を講じる」との報告を受けたと発表した。
アマゾンは既に今月4日までに上記の契約を見直す対策を講じたうえで、取引出版社に通知したという。
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/aug/170815.html
これを受けて各メディアも報道。既にアマゾンが家電や衣類などのネット通販事業で結んでいた同様の契約を、独禁法違反の疑いで公取委から調査が入ったことを受けて今年6月に見直していたことなども併せて報道された。
http://www.asahi.com/articles/ASK8B66JXK8BUTIL03D.html
https://mainichi.jp/articles/20170816/k00/00m/040/072000c
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170815/k10011100761000.html
https://this.kiji.is/270123925555363841
もっとも上記の各報道では、この契約をめぐり少し前に起こった小さな“事件”には触れていない。
『文徒』の先月31日号でも紹介した、漫画家の佐藤秀峰とアマゾンとの間に生じたバトルだ。佐藤の代表作『ブラックジャックによろしく』は佐藤自身により以前から二次使用フリーで公開されており、これを根拠にアマゾンが「競合他社との価格整合性」を図るとの理由から同作の配信を無料化。すると佐藤がkindle版で配信されている同作のタイトルを『ブラックジャックによろちんこ』に改題。アマゾンが「タイトルを変更するまで販売を停止する」と通告してきたという一件だ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1707/29/news024.html
https://netatopi.jp/article/1073208.html
公取委からの発表が各メディアで報道されて以降、さっそくネット民たちの間では《佐藤秀峰が勝った》《佐藤秀峰氏、amazonに勝ったのか》との声が上がっている。
https://twitter.com/ssig33/status/897395352713609217
https://twitter.com/norton_21/status/897435382526038017
http://blog.esuteru.com/archives/20017590.html
佐藤自身は15日の公取委発表後を受けて《狙い通り。》と短くツイート。
https://twitter.com/shuho_sato/status/897363034213031936
kindle版『ブラックジャックによろちんこ』はなおもタイトルはそのまま。なおも《本の品質に問題が見つかったため、現在販売を見合わせております。》と表示されている。
https://www.amazon.co.jp/dp/B06XNW4QXM/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_zgSEzbD0GYRS7
ちなみにTwitter上では今回の契約見直しについて次のような感想もぼちぼち出てきている。
《明治期の不平等条約を思い出すなあ》
https://twitter.com/ValueAddedNews/status/897471099771932673
《値下げやセール合戦の引き金を引いた、と理解していいのかな。》
https://twitter.com/mittsun3214/status/897435990972809217
《最近最安値を叩き出すのはGooglePlayかebookjapanの印象なんだけどどうなってくんだろうなぁ。》
https://twitter.com/zoknd/status/897355141757771777
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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)
◎米国ではフェイスブックが大手番組制作会社と組んで独自番組の配信を始めるなどユーチューブなど動画投稿サイトへの対抗策に力を入れる一方、アマゾンが広告媒体としてその両者のライバルとして台頭してくるのではないかとの予測が高まっている。『DIGDAY』は以下のように述べる。
《Amazonが広告の分野に進出するのであれば、同社にとって切り札となるのはデータだ。アメリカのオンライン買い物客の55%が同サイトで商品の検索をはじめることが明らかになったあとなら、なおさらだ。Facebookは誰がどんな人で、何に興味を持っているかを知っており、Googleは人々が積極的に探しているものが何かを把握している。しかし、人々が何を買うか、というデータを持っているのはAmazonだけだ》
https://shar.es/1SXvUl
◎先週9日の記者会見で通期業績の下方修正などについて公表して以降、電通の今後の業績や働き方改革の行方についての記事が多い。『ITMediaビジネス』は16日付「電通の働き方改革はうまくいくのか」の中で次のように書いている。
《利益相反の概念が薄い日本の社会風土も電通のビジネスに大きく影響している。(略)できるだけ安く出稿したい広告主と、できるだけ高く売りたいメディア側では、そもそも利害が一致しない。(略)一連の利害をうまく「調整」するのが日本の広告代理店の役割であり、そのためには膨大な労力が必要とされる。慢性的な長時間労働体質になっているのは、この辺りに根本的な原因がある。
今回の電通の働き方改革については、社内から業務品質の低下を危惧する声があったと言われるが、この業務品質とは広告の質の話ではなく、こうした膨大な調整作業が果たしてうまく機能するのかというニュアンスが強い。》
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1708/16/news018.html
◎宮崎県の地元情報を伝えるウェブメディア『宮崎てげてげ通信(テゲツー!)』が、さる7月5日に都内千代田区の日比谷図書文化センターで行われた日本図書館協会主催のシンポジウム「図書館とまちづくり」の模様をレポート。同県の河野俊嗣知事が「日本一の読書県」をスローガンに取り組んでいる活動について講演したほか、ジャーナリストの猪谷千春が佐賀市におけるCCC運営の現状など最近の市町村立図書館の動向について報告。図書館を軸にしたまちづくりの実例、図書館司書の置かれた状況など、広範にわたって議論された様子がレポートされている。日本書籍出版社協会の相賀昌宏理事長は挨拶でこう述べたそうだ。
《図書館の資料費も年々減っていく中で、地方交付税算定分の資料費としての予算化には、議員やマスコミの理解と、最終的な首長の判断が必要であり、そのことを知らしめる必要もあるので、図書館サイドと一緒にそのための活動をしている。》
http://visit.miyazaki.jp/?p=46245
◎治療法が見つかっていない「ミトコンドリア筋症」という、全身の筋力が低下する難病を出生直後から負いつつ兵庫県尼崎市内で一人暮らしをしている平本歩(31歳)が半生を綴った自伝『バクバクっ子の在宅記――人工呼吸器をつけて保育園から自立生活へ』を、現代書館より8月10日に上梓した。舌のわずかな動きでPCを操作しながら執筆したという。
http://www.gendaishokan.co.jp/new02.htm
http://www.sankei.com/west/news/170815/wst1708150012-n1.html
◎長崎市古川町の中通り商店街に、長崎県の歴史や文化を題材にした書籍を集めた書店「ブック船長」が14日にオープン。地元の長崎文献社とメモリードの共同運営でカフェも併設している。
http://www.e-bunken.com/
http://nagasakimachineta.blog.fc2.com/blog-entry-2822.html
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/08/15092851052165.shtml
◎東日本大震災で被災した宮城県女川町の書店「本のさかい」が今年4月に営業再開。70歳の店主は被災から半年後、仮設住宅に暮らしながら配達中心の営業を再開。元の場所から20mほどの現在の場所に13坪の、来客との交流スペースを持つ店舗の再オープンにこぎつけた。店の前には被災した「旧女川交番」が横倒しのまま遺構として保存されているそうだ。
https://mainichi.jp/articles/20170815/dde/018/040/030000c
◎恵比寿ガーデンプレイスで「ブック&フィルムバー」というイベントが9月3日まで開催されている。中央の時計広場に「BAR」「ショートムービー」「図書館」の3つのコンテナが置かれ、「図書館」は連日12時〜21時まで、好きな本を選んで時計広場で読むことが出来る。ショートムービーは恵比寿の映像制作会社「ROBOT」がセレクトした作品が上映される。
http://gardenplace.jp/special/summer2017/bookfilmbar/
http://www.shakai-kengaku.com/news_clA95XR0sI.html
◎ニコニコ生放送の番組延長と配信予約が8月24日から全て無料化される。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2922630
◎ベトナム戦争の最前線取材で活躍し、カンボジアでの取材中に命を落としたカメラマン・沢田教一の写真展が日本橋高島屋で28日まで開催中。初日の16日には、沢田がピュリツァー賞を受賞した『安全への逃避』(戦禍の中で川を渡って避難しようとする母子を撮った有名な写真)で母親に抱かれて写っていた女性も来場したそうだ。
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/sawada.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170816/k10011101411000.html
◎気象予報士の饒村曜(青山学院大学・静岡大学非常勤講師)が「太平洋戦争中は気象報道管制によって、気象情報が国民に全く伝えられなかったというのは誤解」だとして、実際に戦時中にラジオで伝えられた台風情報の事例などを紹介しながら、当時の気象報道管制の実態について解説している。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nyomurayo/20170813-00074364/