【文徒】2017年(平成29)11月17日(第5巻217号・通巻1146号)

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1)【記事】足立康史衆院議員「朝日新聞、死ね」ツイート余話
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】足立康史衆院議員「朝日新聞、死ね」ツイート余話

朝日新聞日本維新の会足立康史衆院議員による「朝日新聞、死ね」ツイートに反論している。
〈足立氏の一連の投稿について、朝日新聞社広報部は「現職国会議員がこうした暴力的な言葉で正当な報道・言論活動を封じようとしたことに強く抗議します。本紙報道を『ねつ造』などとする事実無根の批判を重ねていることと合わせ、看過できません」とのコメントを出した〉
http://www.asahi.com/articles/ASKCG5FF6KCGUTFK00G.html
これまた朝日新聞の報道によれば足立議員は衆院文部科学委員会で、自民党石破茂元幹事長、希望の党玉木雄一郎代表、立憲民主党福山哲郎幹事を名指しして「犯罪者だと思っている」と発言し、朝日新聞の記事について「捏造」と言い放ったそうだ。
http://www.asahi.com/articles/ASKCH52L5KCHUTIL029.html
しかし、足立のツイートは笑えるものが多いよね。
朝日新聞の社会部記者から、間接的に、これまでに受けた懲罰動議が何回か、問い合わせあり、4回だと教えてあげました。
それにしても、直接連絡してこいよ、ボケ」
https://twitter.com/adachiyasushi/status/930769783699771392
「大阪の父からメールが来ました。
『文科委見たよ,良かった,
お母さんは,朝日にお詫びの手紙を
書くらしい,』
あほバカの時にも、表を歩けないと悲しんだ母。家族には負担をかけ、申し訳ないと思っています」
https://twitter.com/adachiyasushi/status/930673925809418240
この一件に関して、こんなツイートも発見した。
義家弘介にせよ、足立康史にせよ、どうせ与党側を擁護するなら、加計学園獣医学部設置認可の透明性や公平性を裏付けるような質問をすれば良いのに、何故、加計学園問題を追及するマスコミや野党議員を貶めることを、わざわざ国会の場でするのかね?コイツら、与党の味方としても、本当無能だわ」
https://twitter.com/sntb29481/status/930779882832797696
産経によれば「東京新聞も15日付朝刊で『維新・足立氏 議員資質は?』との記事を載せた」そうである。
http://www.sankei.com/politics/news/171115/plt1711150031-n1.html
読売新聞によれば「自民、立憲民主、希望の各党は16日、日本維新の会足立康史衆院議員が15日の衆院文部科学委員会で3党の議員の名前を挙げて、『犯罪者だと思っている』などと発言したことに対し、維新に抗議した」という。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171116-OYT1T50069.html
読売は足立が「朝日新聞、死ね」とツイートしたことを報じていないようだ。いずれにしても足立のキャラクターは商業出版社が放ってはおくまい。この手の著者の本は百田尚樹がそうであるように売れるのである。

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2)【本日の一行情報】

サイバーエージェントの「2017年国内動画広告の市場調査」によれば、市場規模は、前年対比163%となる1,374億円に達する見通しだそうだ。スマートフォン動画広告需要は前年対比190%の成長を遂げ、動画広告市場全体の約8割を占めるという。
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=20966

◎「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)が11月11日の放映で主婦の友社を取り上げていた。番組は、大正7年の創刊号から、1100冊以上にもなる『主婦の友』のバックナンバーに掲載された豊富な記事やイラスト、写真を用いながら、どんな時代でも現実に適応しながら知恵と工夫で家庭と家族を支えてたくましく生きる「主婦」という女性の姿を通じて見えてくる、近代日本の移り変わりを、教養バラエティの視点で楽しく学べる内容だったそうだ。
https://corporate.shufunotomo.co.jp/newsrelease/11636/

世界文化社は、Fun Japan Communicationsと業務提携した。Fun Japan Communicationsは、ジェイティービー日本通運三越伊勢丹ホールディングス日本航空が共同出資して設立されたジョイントベンチャーであり、インバウンドビジネス・海外事業展開・自治体の地方創生の成長・創造を目的に、アジアの現地消費者へ日本の素晴らしさを紹介するWEBメディア「Fun! Japan」や Facebookページを運営している。
今回の提携により世界文化社が企画・制作・出版する雑誌・書籍コンテンツを、「Fun! Japan」に掲載することで、「日本コンテンツの世界発信」の推進を図るほか、「双方のクライアントに対する営業の相互連携」を強化する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000386.000009728.html

片岡物産は、バンホーテン ココア特設サイト及びYouTubeチャンネル上において、美内すずえによる累計発行部数5,000万部を突破した大ベストセラー少女マンガ「ガラスの仮面」(白泉社)とコラボしたバンホーテン×ガラスの仮面W E B 限定ムービーを11月15日(水)より公開している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000029838.html

◎「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に連載されている眉月じゅんの「恋は雨上がりのように」が実写映画化されることになった。
http://natalie.mu/comic/news/256807

電通は2017年12月期第3四半期連結累計期間(2017年1月1日〜2017年9月30日)の決算を確定した。
収益 6,571億43百万円(前年同期比11.7%増)
売上総利益 6,203億71百万円(同12.4%増)
調整後営業利益 948億35百万円(同7.2%減)
営業利益 637億74百万円(同24.1%減)
調整後四半期利益(親会社の所有者に帰属) 597億40百万円(同6.6%減)
四半期利益(親会社の所有者に帰属) 445億13百万円(同12.6%減)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1533995

ユニバーサル・スタジオが「名探偵コナン・ワールド」を実現する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000198.000005761.html

◎シリーズ累計35万部、実写映画化もした「猫なんかよんでもこない。」全4巻の杉作によるコミックエッセイ「ねことマスター 幸せをよぶ看板猫」の刊行を記念して、12月2日に三省堂書店有楽町店にてサイン会を実施する。参加者全員に杉作の直筆イラスト入りしおりがプレゼントされる。
http://www.j-n.co.jp/event/?article_id=437
私は「週刊漫画ゴラク」に連載されている「にゃん組長」のファンでもある。

◎宮崎県延岡市は、JR延岡駅前に建設中の「延岡市駅前複合施設」の愛称を「エンクロス」に決定し、開館日を2018年4月1日(日)に決めた。「エンクロス」は2フロアからなり、待合いスペース、情報発信スペース、キッズスペース、図書閲覧スペース、市民活動スペース、宮崎県初の蔦屋書店、県北初となるスターバックスコーヒーなどで構成し、指定管理者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ延岡市より運営を受託する。「エンクロス」は、365日午前8時から午後9時まで開館するという。
https://www.ccc.co.jp/news/pdf/20171113_nobeoka.pdf

中山義秀文学賞は梓沢要の「荒仏師運慶」(新潮社)に決定。この賞はいつもセンスが良い選考をする。「捨ててこそ 空也」(新潮社)とか、「光の王国 秀衡と西行」(文藝春秋)とか、小説嫌いなオレだけど読んでいる。仏教の知識というか、仏教に対する造詣が半端じゃないのよ、梓沢要は。
http://www.minpo.jp/news/detail/2017111446759

◎「LINEマンガ」に連載中のLINE編集部オリジナル作品「ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画」とマイクロソフトの女子高生AI「りんな」がコラボすることになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000866.000001594.html
「LINEマンガ編集部」によるオリジナル作品の無料連載作品は、自社レーベル「LINEコミックス」として単行本化され、LINE発行とし、日販アイ・ピー・エスが発売を担っている。

◎「青春出版社 広告部からのご報告」には、こうあった。
「この度、月刊BIG tomorrowは、2018年1月号(11/25発売)、増刊は2018年1月号(12/14発売)をもちまして、休刊することになりました。
突然の休刊のご報告を深くお詫び申し上げるとともに、長年のご支援、ご協力に心より感謝申し上げます」
http://www.seishun.co.jp/ad/
http://www.sankei.com/life/news/171116/lif1711160038-n1.html

講談社現代新書が刺激的な2冊を揃えている。一冊は鴻上尚史が陸軍第一回の特攻から計9回の出撃をし、9回生還した陸軍の特攻兵・佐々木友次に迫る「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」。鴻上は夏に「青空に飛ぶ」(講談社)という特攻隊員といじめられている中学2年生の男の子が出会う小説を書いているが、今度はノンフィクションで特攻隊員をテーマにしている。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53497
もう一冊は井上寿一の「戦争調査会 幻の政府文書を読み解く」。当初は「大東亜戦争調査会」と呼ばれた、幣原喜重郎内閣が立ち上げた戦争調査会にアプローチする。興味深いのは1920年代後半、中国が軍事的に国家統一を進める過程で、日本人の生命・財産が脅かされる事件が多発するが、この時、国際連盟に中国の非を訴えて、国際的な支持を得られれば、満州事変は起きなかったとする考え方をどう評価するかである。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884518
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884532

◎「スープ」は今年の3月に紙の雑誌を休刊し、デジタルシフトを遂げたが、紙のファッション誌「スープ プラス」を不定期刊で刊行することになった。
http://soupplus.jp/fashion/2277
https://www.fashionsnap.com/news/2017-11-15/soup/
「紙からデジタルへ」という流れに身を置く紙の雑誌と「デジタルから紙へ」という流れに身を置く紙の雑誌は、同じ紙の雑誌でも読者に対する「視線」が全く違うものになるのかもしれない。

◎「プレジデントオンライン」の「読売はまた『政権擁護』で読者を欺くのか」。「読売、産経VS朝日、毎日、東京」の構図が「加計学園」問題についての社説でも鮮明になった。
http://president.jp/articles/-/23623

◎「2017第30回小学館DIMEトレンド大賞」は「Instagram」に決定。ベストプロダクト賞はHondaJet(本田技研工業)▽スマートスピーカー 「Amazon Echo」アマゾンジャパン、「Google Home」グーグル、「Clova WAVE」LINEの3 社。ベストキャラクター賞は、ブルゾンちえみ。ベストサービス賞はメルカリ。
https://mainichi.jp/articles/20171115/dyo/00m/200/018000c

青山商事は、20〜30 代をターゲットにした「ザ・スーツカンパニー」で、世界文化社の「Begin」とコラボしたチェスターコートを発売している。
http://www.aoyama-syouji.co.jp/topics/2017/pdf/1116_pr.pdf

◎日販が発表した10月の店頭売上前年比調査。書店店頭売上は前年同月比6.0%減。内訳は、雑誌6.1%減、書籍3.7%減、コミック11.8%減、開発品5.2%増。
https://ryutsuu.biz/sales/j111547.html

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3)【深夜の誌人語録】

誰もが誰でもない自分だけの歴史を生きているということを忘れてはならない。