【文徒】2016年(平成28)10月28日(第4巻202号・通巻889号)

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1)【記事】朝日新聞が年金記事で「誤報
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】朝日新聞が年金記事で「誤報

厚生労働省が次のようにツイートしている。
〈【朝日新聞の年金関係記事訂正のお知らせ】事実誤認があったため抗議・訂正要求していた朝日新聞の年金関係記事(10月22日付け朝刊1面)について、10月26日に訂正記事が掲載されました。
朝日新聞が「訂正して、おわびします」を掲載した。〉
https://twitter.com/MHLWitter/status/791535002731225088
これが厚生労働省の抗議文である。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000140817.html
こちらが朝日新聞の「訂正して、おわびします」。
〈▼22日付1面の厚生労働省の年金試算の記事について「不適切な計算方式を使い、現役世代の平均的な収入に対する年金額の割合(所得代替率)が高く算出されるようになっていた」とあるのは、「法律に基づく現行の計算方式では、欧米の一部の国の計算方式に比べて所得代替率が高く算出されていた」と訂正します。「政府は厚生年金の所得代替率について『50%以上を維持』と公約しているが、将来的に割り込む可能性が高くなった」とあるうちの「将来的に割り込む可能性が高くなった」は削除します。現行の計算方式では50%を割り込まないように法律で定められています。
また、塩崎恭久厚労相が21日の衆院厚労委員会で「年金の試算について『役割を果たしていないこともありうる』と述べ、不十分だと認めた」とあるのは、「計算方式を変えた場合の所得代替率について『物差しとしての役割を果たせないこともありうる』と述べた」の誤りでした。答弁内容を取り違えました。
「年金 不適切な試算/厚労省 支給割合高く算出」の見出しは「年金 支給割合高くなる計算法/欧米と異なる方式」に訂正します。
◆年金試算の仕組みについて、後日、改めて報じます。〉
http://www.asahi.com/articles/DA3S12626292.html
朝日新聞の「全面敗北」である。年金の法律に疎かったり、答弁内容を取り違えたりしても朝日新聞記者は務まってしまうようだ。

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2)【本日の一行情報】

ブックウォーカーの海外向けストア「BOOK☆WALKER GLOBAL」(http://global.bookwalker.jp/)では、10月25日(火)より、講談社の米国関連会社Kodansha Advanced Mediaが配信する英語版コミック750点以上の配信を開始した。これにより「BOOK☆WALKER GLOBAL」の取扱作品数が3,000点を超えた。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000755.000001227.html

◎さわや書店フェザン店の「文庫X」は、全国300以上の書店に拡がった。さわや書店フェザン店だけで2500冊を売ってしまったというのだから凄い。
http://hbol.jp/114371

◎今年の4月に創業したThousand Japanが運営しているファッションに特化したキュレーションプラットフォーム「FUKROO」だが、編集部によるオリジナルコンテンツの提供を開始した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000020353.html
https://fuk-roo.com/
この「FUKROO」の出来が良いとか悪いではなく、こうした勢力と紙の雑誌は否応なく競合に晒されることになる。

◎アニメ映画「君の名は。」の劇中音楽を手がけたRADWIMPSのニューアルバムに「週刊少年ジャンプ」という曲が収録されているそうだ。
http://getnews.jp/archives/1543680

◎「まんたんウエブ」によれば、白泉社タカラトミーは、新プロジェクト「ねこ男子 ニャンキーハイスクール」を2017年春からスタートさせるそうだ。怖そうな「ヤンキー」が可愛いネコになるという設定で、マンガやアプリ、PV配信を展開するという。にゃるほど。
http://mantan-web.jp/2016/10/24/20161024dog00m200019000c.html

マルハニチロ株式会社は、学研プラスとのコラボ企画「おいしく食べて たのしく脳活! キャンペーン」を11月1日(火)より実施する。マルハニチロの魚肉ハム・ソーセージ全品の商品パーケージに印刷された「まめちしき」を学研プラスが提供している。
http://www.maruha-nichiro.co.jp/news_center/release/files/20161024_gakken_collaboration_campaign.pdf

黒薮哲哉が「Business Journal」に「朝日新聞、4年間で発行部数105万減の衝撃…新聞業界、存亡の危機突入へ」を発表し、「旧来の新聞社と販売店をめぐるビジネスモデルが崩れ始め、新聞社が深刻な危機に立たされていることだけは間違いない」と書いているが、私が着目したのは、元販売店主の発言のなかの次のような部分だ。
「新聞を購読している人は、新聞が生活の一部になっていますから、細かい文字が読める限りは、そう簡単には購読を中止しません」
雑誌には簡単に購読を中止できないような仕組みがないのである。
http://biz-journal.jp/2016/10/post_17001.html

北海道新聞社社員の井田剛容疑者が酒気帯び運転で現行犯逮捕された。
http://www.sankei.com/affairs/news/161026/afr1610260014-n1.html

◎LINEは、博報堂の専門組織「博報堂ブランドデザイン若者研究所」と共同で、若年層を対象とした調査研究プロジェクト「若者インサイトラボ」を開始した。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1554

◎米Twitterは、従業員の8%にあたる300名を解雇する方針のようだ。
http://iphone-mania.jp/news-142133/

博報堂DYメディアパートナーズは、国際柔道連盟とワールドワイドの放映権、配信権およびマーケティングライツに関する契約に基本合意した。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/HDYmpnews20161026.pdf

ワシントン・ポストインタラクティブ広告をApple TVでスタートさせた。「DIGIDAY」は、こう書いている。
「この広告は大手自動車メーカー『ジャガー』の30秒CM。インタラクティブなのはCMの下部にあるパネルだ。視聴者はリモコンでこれをクリックし、ジャガーの新型車F-ペースの内装や外観のフォトギャラリーを閲覧できる」
http://digiday.jp/publishers/washington-post-launches-first-interactive-tv-ad/

インプレスR&Dは、次世代型出版メソッド「NextPublishing」が提供するアマゾンPOD(プリント・オンデマンド)による紙書籍の出版サービスを、著者個人に提供する「著者向けPOD出版サービス」として開始した。
「著者向けPOD出版サービス」は、2012年よりサービス提供している出版社向けのサービス「NextPublishing」のPOD流通部分を、著者個人に対して提供するものだ。初期費用、出版料等は無料。
紙書籍の出版には、インプレスR&Dが国内取次社契約を行っている「アマゾンPOD」が担う。
http://www.impressrd.jp/news/161026/NP

インフォコムのグループ会社で、ネットビジネス事業を担うアムタスの展開する電子書籍配信サービス「めちゃコミック」などの2017年3月期売上高が10月24日時点で100億円を突破したそうだ。
http://www.infocom.co.jp/info/press/2016/p16102601.html

◎「装苑」12月号は創刊80周年記念号。特集は「デザインの衝動。」である。これは買い!だ。
http://soen.tokyo/fashion/news/soen161026.html
装苑」は日本に初めてシャネルを紹介した雑誌だ。確か「チャネル」って言ってたんだよね。

労働基準法違反で労働基準監督署から是正勧告を受けていた電通厚生労働省から育児休業の取得や労働時間短縮に取り組む「子育てサポート企業」に認定されていたという。
「認定制度は次世代育成支援対策推進法に基づいて2005年から始まり、今年6月末時点で2570社が認定されている。時間外労働の削減や有給休暇の取得促進に取り組み、重大な法令違反がないことなどが条件で、電通は07、13、15年の3回認定されていた」(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016102600822&g=soc

カルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者として運営する宮城県多賀城市立図書館の館長が10月末で辞職する。何があったのだろうか?何かがあったと考えるのが普通だろう。河北新報は沈黙するのだろうか。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/26/tagajoshi-lib_n_12652966.html

◎1996年から2003年まで「別冊マーガレット」(集英社)で連載された河原和音の「先生!」が実写映画化されることになった。
http://eiga.com/news/20161027/2/

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3)【深夜の誌人語録】

敗北が知性を鍛えるし、敗北が感性を磨くのである。