【文徒】2017年(平成29)12月22日(第5巻241号・通巻1170号)

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1)【記事】炎上ツイートを連発する米山新潟県知事
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.12.22 Shuppanjin

1)【記事】炎上ツイートを連発する米山新潟県知事

新潟県米山隆一知事は医者で弁護士なのか。
新潟県北魚沼郡湯之谷村(現魚沼市)生まれ。幼少時の名前は愛甲隆一。湯之谷村立井口小学校、新潟大学教育学部附属長岡中学校、灘高等学校東京大学医学部卒業。1992年5月、医師免許を取得した。1997年10月、司法試験に合格した。1998年に東京大学大学院経済学研究科を、2000年に東京大学大学院医学系研究科をそれぞれ単位取得退学。放射線医学総合研究所ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院を経て、2003年に東京大学より博士(医学)を取得。2005年より東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師」
http://goo.gl/PRx19y
米山は炎上ツイートを繰り返すことでも知られている。そんな米山が「アエラ」12月25日号で次のように発言している。
言論の自由を保つためには良識ある言論空間が必要であり、良識ある言論空間を保つためには、労力がかかっても悪いものは悪いと言う努力が必要だ。リベラル系の人はその努力を怠っているのではないか」
https://dot.asahi.com/aera/2017121900048.html?page=1
来日中のスティーブン・バノンの夕食会に参加したことを喜んでいる前原誠司に対して米山はツイッターでこう評している。
「政治家となれば、好きな方ともそうでもない方とも幅広く会って話すのは当然です。ただそうでもない方と会った場合は、通常にこやかに握手をしている写真を添えてツィートはしません。前原氏はツィートの通り有意義な時間を過ごし感銘を受けたのでしょう。氏と氏の属する党の政治姿勢がよくわかります」
https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/943148496667865088
次のようなツイートも強烈だ。
「『公平中立な報道』を求めていた放送法遵守を求める視聴者の会も、某新聞叩きに夢中な方々も、この件では放送側を批判しなくていいと思っている様です。要は彼らが求めているのは『公平中立な報道』でも『放送法遵守』でもなく嫌いな相手を罵倒する理由だという事かと思います」
https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/941586344374972416
ブログ「米山隆一の10年先のために」も左翼系の言論人や元総理にして団塊の世代に属する菅直人のブログに比べてポレミカルである。12月2日付「日本にとって百害あって一利ないサンフランシスコ市への抗議メールを煽る中田宏氏の不見識」では次のように書いている。
「中田氏に限らず、昨今流行りの『右』の方々は、なにか気に入らない事があると、自分たちの正義を振りかざして、大挙して抗議のメールや電話を相手に送りつけ、争い事を嫌う日本社会のなかで問答無用に相手に不利な状況をもたらして自らの主張を通す、所謂『電凸』という手法を使ってきました。
そのような脅迫にも類似した手法が日本社会で幅を利かせていること自体極めて腹立たしいのですが、一万歩譲ってそのような手法に訴える動機に一部の理があったとして、その手法は、争いを問答無用で喧嘩両成敗にする日本社会のみにおいて通じるもので、日本人がアメリカ人に訴えるという状況においては、全く効果がないどころか、ほぼ100%逆効果になります」
http://www.election.ne.jp/10840/99784.html
米山のツイッターやブログを支えているのは何か。ブログには次のような文章があった。
「勿論間違った愛国心全体主義につながって、民主主義や自由主義を脅かすことは何があっても避けなければなりません。しかしだからといって愛国心から目を背けるのは、むしろ逆効果でしょう。愛国心とは、民主的で自由な日本を作る大前提なのであり、その為にこそ価値があるのだと、はっきりと教えてこそ、そういった事態は避けられると思います」
http://www.election.ne.jp/10840/2344.html
米山の政治家としてのキャリアを見れば、彼が保守政治家だということがわかる。2005年と2009年の衆議院選挙には自民党公認として立候補して落選。2012年の衆議院選挙と2013年の参議院選挙には日本維新の会公認で立候補し落選している。

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2)【本日の一行情報】

山と渓谷社が「『ヤマケイオンライン』会員情報流出に関するご報告とお詫び」を発表した。
「この度、弊社が運営しております「ヤマケイオンライン」(https://www.yamakei-online.com/)のウェブサーバを経由して、「ヤマケイオンライン」の会員データベース、その他のデータベースに対して外部から不正アクセスがあり、会員情報の一部が流出したことが判明しました。
お客様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けすることとなり深くお詫び申し上げます」
流出データは合計1160人。氏名の流出が1154人分、メールアドレスの流出が3人、氏名とメールアドレスの流出が1人、氏名・メールアドレス・住所・電話番号・性別・生年月日という登録情報が全て流出したケースが2人だった。
「弊社では、アプリケーションファイアウォールの設置等、ネットワークシステムのセキュリティ対策を講じてまいりましたが、今回の事態を真摯に受け止め、改めて情報セキュリティ対策の強化を進め、再発防止に努めてまいります」
https://www.yamakei.co.jp/news/apology/20171219.html

篠崎愛の写真集「結晶」は韓国や台湾でも発売されているが、特に「夢幻」というタイトルで発売された韓国では大ヒットしていることは既に報じたが、今年は講談社の写真集が次々に話題となった。「白石麻衣写真集 パスポート」は講談社の歴史でソロ写真集としては史上最高部数を記録したし、フィギアスケートの村主章枝を脱がせた「月光」なんていうのもあったし、欅坂46の長濱ねるのファースト写真集「ここから」の初版発行部数が12万部というし、石田えりヘアヌード写真集「56」は「8800円+税=9504円」という高価本である。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinmukoeng/20171220-00079131/
https://www.oricon.co.jp/news/2101422/full/
https://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20171122/Weeklyjn_13816.html
https://www.oricon.co.jp/news/2102598/full/
週刊現代」「フライデー」もまた生き残りに必死なのである。乃木坂46松村沙友理のファースト写真集「意外っていうか、前から可愛いと思ってた」も売れている。おっと、これは小学館
https://www.oricon.co.jp/news/2102715/full/

◎日経BP社の「酒好き医師が教える最高の飲み方」が売れている。忘年会シーズンだしね。
http://www.asagei.com/excerpt/94858
http://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/17/264540/

◎ビーグリーが運営するコミック配信サービス「まんが王国」とマンガアプリ「ピッコマ」が、双葉社のコミック「絶望の玉」発売を記念し、同作を独占先行電子配信する。「絶望の玉」は双葉社とビーグリーがタッグを組み、韓国の人気小説を漫画化したものだ。
https://www.beaglee.com/news/press/2017/12/2750/

◎エコーズが運営するマンガ投稿プラットフォーム「マンガハック( https://mangahack.com/ )」は、iOSアプリ版の大幅なリニューアルを行い、バージョン2.0をリリースした。これによりiOSアプリ版「マンガハック」では会員登録することなく、すべての機能を利用できるようになった。
https://www.echoes.co.jp/news/archives/72
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000022028.html

◎学研プラスは、映像講義配信サービス「学研ゼミ高校コース」内で「学研英検ゼミ<2級対策講座>」の配信を開始した。「60分×15回の映像授業とテキスト教材セット」で税込24,840円。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001426.000002535.html

◎ぴあは「プロ野球ぴあ 2000本安打の男達」を発売。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000720.000011710.html
80年超の日本プロ野球の歴史のなかで、2000本安打達成者は、わずか55選手にしか過ぎない。
「卓球ぴあ みうみまひな・女子高生トリオ」も発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000719.000011710.html

◎ヒットメーカーであることは認める。しかし、映画作家としていえば、一流?私の評価では三流なんだけれど。少なくとも世界的にはまるで無名だ。そんな山崎貴が2020年東京五輪パラリンピックの開閉会式の「総合プランニングチーム」に入ることになった。
https://www.asahi.com/articles/ASKDN4WG8KDNUTQP00P.html
これで2020年東京五輪パラリンピックの開閉会式には全く興味がなくなった。

◎東急百貨店がプロデュースする「品格」を持ち、「凛」として生きる大人の女性をターゲットとしたファッションのセレクトストア「HINKA RINKA 銀座」は、2018年1月2日(火)の初売りに、光文社の女性ファッション誌「VERY」「STORY」とコラボしたスペシャル福袋を販売する。
https://news.biglobe.ne.jp/economy/1220/atp_171220_9218491753.html
あっという間に売り切れになるのではないか。そういう雑誌の力を見せつけてもらいたい。

産経新聞の海老沢類によればカズオ・イシグロノーベル文学賞の受賞記念講演で複雑な感情を表現できる「人の歌声」に学んだという逸話を紹介したようだが、カズオ・イシグロパロールの奪還について言及していたのではないだろうか。パリ五月革命のスローガンの一つがパロールの奪還ではなかったか。セルトーの「パロールの奪取 新しい文化のために」(法政大学出版局)を私は思い浮かべている。
http://www.sankei.com/life/news/171220/lif1712200019-n1.html
http://www.ajup-net.com/bd/isbn978-4-588-00602-9.html

ケント・ギルバート中韓がむさぼり続ける『反日』という名の毒饅頭」(悟空出版)は現在三刷、売れている。悟空出版は小学館出身の佐藤幸一が立ち上げた出版社である。
http://www.goku-books.jp/news/n22782.html
百田尚樹ケント・ギルバートの「いい加減に目を覚まさんかい、日本人!」(祥伝社)も売れている。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396616281

◎音楽専門チャンネルスペースシャワーTV」を運営するスペースシャワーネットワークはカルチャー&ファッションマガジン「EYESCREAM」の版元でもあるが、12月26日に女性向けのファッション誌「tulle」(チュール)を創刊する。
http://books.spaceshower.net/magazine/m-new/tulle-2018-2

◎産経によればサントリーホールディングス新浪剛史社長は平成30年度に年収ベースで平均3%の賃上げを目指す考えを示したそうだ。
http://www.sankei.com/economy/news/171221/ecn1712210003-n1.html
羨ましいと指を咥えて見ているだけでは駄目なのだ。頑張らねば・・・。

◎「JEPA電子出版アワード」の大賞は「絵本ナビ」に決まった。
https://resemom.jp/article/2017/12/20/41946.html

◎「BOOK AND BED TOKYO」が来春、新宿コマ劇前広場にオープンする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000012633.html

安藤忠雄が設計した「光の空間」新華書店が16日、上海市の商業施設「愛琴海購物公園」(Aegean Sea Shopping Park)にオープンした!本棚の高さが均一ではない!写真にもあるように「本棚の中央部には正方形の空洞があり、そこから最も奥の本棚まで一望できる」のだ。
http://www.afpbb.com/articles/-/3155904
http://japanese.china.org.cn/travel/txt/2017-12/18/content_50109325.htm

◎「Zipper WINTER号」(祥伝社)が最終号となるわけだが、これは完売するんじゃないの。
https://www.cinra.net/news/20171220-zipper

直木賞、オレのイチオシは伊吹有喜の「彼方の友へ」(実業之日本社)なんだけれど。ほら、一応、雑誌の業界誌でしょ。ただ小説の舞台となるのが戦前とはいえ、この小説の版元でもある実業之日本社だから不利かもしれないね。
http://www.j-n.co.jp/columns/?article_id=446
http://bunshun.jp/articles/-/5440
これはドラマ化して欲しい作品である。

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、グローバルに展開する米国サンフランシスコのBtoBデジタルマーケティング会社「David Wood & Associates Inc.」(DWA社)の株式100%取得で合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017136-1220.pdf

電通の社内シンクタンク電通総研は、2018年1月から「よい社会づくりに貢献するために、コミュニケーションとマーケティングの領域で安全な議論の場を提供すること」を新しいミッションとして掲げ、社内メンバーおよび外部の有識者計15名を電通総研フェローとして選任し、彼らによる自由闊達な意見交換の場を設定することで、社会が抱える諸問題の解決に貢献していくことを目指すことになった。
電通総研フェローは、
有園 雄一 (zonari合同会社 代表執行役社長/株式会社電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント
今田 素子(株式会社インフォバーン代表取締役CEO・ファウンダー)
氏家 夏彦 (メディアコンサルタント/放送批評懇談会「GALAC」編集委員/元TBSメディア総合研究所 代表取締役社長)
岡本 泰治(株式会社ディレクタス 代表取締役
奥 律哉(株式会社電通 電通メディアイノベーションラボ 統括責任者)
倉成 英俊(株式会社電通 電通Bチーム クリエーティブディレクター)
境 治(コピーライター/メディアコンサルタント
佐々木 俊尚(作家/ジャーナリスト)
柴内 康文(東京経済大学 コミュニケーション学部 教授)
末松(神原)弥奈子(株式会社ニューズ・ツー・ユー ホールディングス 代表取締役社長)
徳力 基彦(アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役CMO/ブロガー)
並河 進(株式会社電通デジタル 執行役員 共同 チーフクリエーティブオフィサー)
深田 欧介(株式会社電通デジタル マーケティング コミュニケーションプランナー)
丸岡 吉人(電通総研 所長)
村上 憲郎(元Google 米国本社副社長)
という顔ぶれ。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017137-1220.pdf

電通NTT東日本は、インバウンドマーケティングにおけるデータ活用のニーズにワンストップで応えるサービスの事業性検証に向け、共同トライアルを2018年1月から開始する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017138-1220.pdf
電通は、いつまで「営業局」という呼称を使うのだろうか。「事業局」とかにしたほうが良いのでは?

◎劇団のこされ劇場を主宰する市原幹也が「お詫び」を発表した。
http://ichiharamikiya.wixsite.com/ichihara/news01
「#metoo」で告発された。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/metoo-1221?utm_term=.sxnzzBwxx#.wuKVVoqpp

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3)【深夜の誌人語録】

論理には情緒で対抗し、情緒には論理で対抗する。