【文徒】2019年(平成31)1月10日(第7巻4号・通巻1422号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】広告が不要となり、「個告」の時代がやって来る
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.1.10 Shuppanjin

1)【記事】広告が不要となり、「個告」の時代がやって来る

ZOZOの前澤有作社長が100名に100万円の総額1億円のお年玉を現金でプレゼントするというツイートが話題になったことは昨日のでも報告した。応募方法は、ツイッターで前澤をフォローし、お年玉プレゼントを告知するツイートをRTするというものであった。その結果、前澤のフォロワーは570万人を突破してしまったし、リツイート数も540万を突破した。
前澤の発想は昨年末に、ペイペイによる100億円あげちゃうキャンペーンと同じ類のものである。いや、前澤はペイペイの発想をより先鋭化させたのである。ペイペイはテレビCMなど既存のマス広告も併用していたが、前澤はツイッター広告すら使わずして、フォロワーを一気に増やして見せたのである。「Yahoo!ニュース」で「前澤氏1億円バラマキ企画が示す、『広告』から考える時代の終わり」(徳力基彦)は次のように書いている。
ツイッター広告によるフォロワー獲得単価は、時期やアカウントにもよりますが、100円~200円ぐらいと言われており、安ければ50円前後のケースもあるようです。
つまり1億円予算があるなら、仮に1フォロワー獲得に100円かかっても1億円÷100円=100万人で、100万人のフォロワーが獲得できる計算になるわけです。
それにも関わらず、今回前澤さんは広告に1億円を投下するのではなく、直接お年玉としてフォロワーに直接ばらまくという選択をし、結果的に目標の4倍以上のフォロワーを獲得。
500万フォロワーを突破してしまったわけです」
こうした事態は「メディアに広告を投下することからキャンペーンを考える時代が終わろうとしていることの、象徴的な出来事」に他ならないのである。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20190107-00110412/
「メディアに広告を投下することからキャンペーンを考える時代が終わろうとしていること」に驚いていては、恐らく、時代に置いてけぼりを喰らうかもしれない。挑発を込めて言うのであれば私たちは「広告」という概念すら無効になる時代を想定しなければならないのではないだろうか。ビッグデータやAIを駆使するマーケティングにおいては広く告知するという意味での広告は不要になると言えば分かりやすいのかもしれない。
広告が不要となり、「個告」の時代がやって来る。実際にアマゾンのオススメ機能は、アマゾンを使えば使うほど、納得できるオススメが送られて来る。既に「個告」の時代は始まっているのである。

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2)【本日の一行情報】

◎光社の写真週刊誌「FLASH」が主催する「ミスFLASH2019」のグランプリに山岸奈津美(24)、沙倉しずか32)、阿南萌花(24)が決まった。山岸は元NMB48のメンバー。沙倉は史上最年長となる。
https://www.sanspo.com/geino/news/20190107/gra19010720280003-n1.html

◎「INTERNET Watch」が「青空庫、2019年に著作権が切れるはずだった『凍結作家』13名のリストを公開中」を掲載している。
「毎年1月1日に、新たに著作権切れとなった作家の一覧を『そらもよう』で公開している青空庫だが、今年公開されたのはTPPが発効していなければ今年1月1日に著作権が切れる“はずだった”作家の一覧。名前が挙げられている13名はいずれも1968年に亡くなった方々で、著作権保護期間が50年から70年へと伸びたことにより、これら作家の著作権2039年まで継続して保護されることに」
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1161169.html

◎「ダイヤモンド・オンライン」の「レジの店員が全員マスク!顧客に不快な思いをさせる接客はNG」は東京都心のターミナル駅くにある、大規模書店の旗艦店を問題にしている。
「…本人にそのつもりが全くなかったとしても、また、経営者がそのように意図していなかったとしても、受付カウンターの店員全員がマスクをして対応しているということは、『顧客と明瞭に会話するつもりはありません』『顧客ににらんでいるように思われても構いません』『顧客に配慮していません』というメッセ―ジが伝わってしまうのだ」
「経営者にそのつもりがなくても、顧客に伝わるメッセージは、『顧客の声をまじめに取り上げていません』『取り上げるまでに4ヵ月近くかかる、対応が遅い組織です』というものになってしまうのだ。わが国を代表する書店の旗艦店の顧客対応がこれでは、業界全体を危惧してしまう。それとも、Amazon相手に厳しい戦いを強いられている書店に、このようなこまやかな顧客対応マインドを期待すること自体が、無理な話なのだろうか」
https://diamond.jp/articles/-/190206

新興出版社啓林館江崎グリコは、2019年度版の「教科書ぴったりテスト」の4冊セットでコラボした。4冊セットに加えて江崎グリコが開発した小学生向けのプログラミング教材「GLICODE」(グリコード)専用の「学習用キット」が付録とる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000040535.html

電通は、これまで個別案件ごとに対応してきたスタートアップ企業向け事業成長支援サービスを体系化し、2019年1月から主にメディアやプラットフォーマー事業者向けの「360度事業支援サービス」として本格化した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019001-0107.pdf

オレンジページは健康情報誌「おとなの健康」の特別編集による「食べて健康になるレシピ250」を発売する。週刊誌のみならず雑誌は「健康」に活路を見い出す。雑誌は高齢者メディアに特化していくのかもしれない。
https://www.atpress.ne.jp/news/174512

◎韓国のLGが画面を巻き取れる65型4K有機ELテレビを発表した。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1161175.html

◎2017年12月9日にVTuberとして登場した「輝夜月」YouTubeのチャンネル登録者数は89万を突破している。2018年7月13日に、ソニー・ミュージックエンタテインメント内のレーベルと契約を結び、8月30日にファーストソング「Beyond the Moon」を配信すると、iTunes総合チャート第3位を獲得。翌日に開催した「VRライブ@Zepp VR」のVRライブチケットは即完売し、全国15ヶ所の映画館でのライブビューイングでは5,000人を超える動員を記録している。そんな「輝夜月」のオフィシャルファンクラブ「LUNAfam」を会員総数235万以上を誇るオムニチャネルプラットフォームを提供するSKIYAKIがニューオープンした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000017372.html

日本経済新聞社は、Voicyと業務提携した。
http://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/release_20190109.pdf

◎田村栄治が「BUSINESS INSIDER JAPAN」に「広河氏の『性暴力』が10年も放置された理由――セクハラを見えなくする力」を発表した。
「職場など身近で起きている性暴力、セクハラ、パワハラなどへの対処法で、万能なものはおそらくないだろう。事案によって、環境や人間関係、ハラスメントの内容が大きく違うからだ。
ただ、解決のために必要なことは共通していると思う。それは、苦しんでいる人の周囲や社会が、加害者とその行為に対して『ダメだ』と言うことだ。
ダメ出しは、早ければ早いほどいい」
https://www.businessinsider.jp/post-182763?fbclid=IwAR3qPxz-a6kNE_-QZ78gG9NWBFiC8r1kkwtsYNy8k8BwDOicCGyPeZH8sYA

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3)【深夜の誌人語録】

失敗を繰り返しながら実績を積むのが基本である。失敗なくして実績を積むことも不可能ではないが、そこには無理が生じるはずだ。