【文徒】2019年(令和元)6月14日(第7巻104号・通巻1524号)

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1)【記事】講談社広報室沈黙す。「岩本さんの取材はお断り」と回答拒否
2)【記事】『ViVi』問題で町山智浩と西田亮介がTwitterで早朝の激論
3)【本日の一行情報】
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1)講談社広報室沈黙す。「岩本さんの取材はお断り」と回答拒否(岩本太郎)

『ViVi』をめぐって大炎上する直前にも「江戸川乱歩賞受賞作の名前を間違える」という、それって本当に芸書の一大版元でもある会社の広報か? と思うような話があったんだけど、間髪を置かず今回のような話が出てくるところからすると、講談社広報室は完全にヤキが回ったというかドツボにはまり始めたということなんではないかと、逆に心配になってくる。
毎日新聞が6月11日 16時06分に発表した「ViVi、自民党とのネット広告で批判殺到 『機関誌になったのか』『Tシャツより年金を』」によれば、『ViVi』は「政治的な背景や意図はまったく」ないまま自民党の「批判も含めたいろんな声が出ることは想定していた」広告企画に乗ってしまったてなことが書かれていたけれど、仮にも雑誌ジャーナリズムを担ってきたとかいう出版社の(それも『週刊現代編集長経験者が室長を務める)広報室のコメントなのか? ってここでも思ってしまう。
んで私も例によって直に講談社に聞いてみることにしたわけだが、以前の経緯から携帯電話の番号も知っている広報担当役員と広報室長に電話したところ、やっぱり留守電が掛かるだけでつながらない(メッセージも残したけど、やっぱり返事はない)
広報室にも電話した。当日夕方18時頃のことである。電話口の広報室員氏に用件を伝えて「乾室長はいらっしゃいますか」と聞くと不在とのこと。
「渡瀬常務は……」というと、「あの、失礼ですがお名前をもう一度伺えますか」というので、『週刊金曜日』と『出版人』でお世話になっているフリーライターの岩本である旨と取材の趣旨を再度伝え「ではどなたか担当者を」というと「特に担当者というのは……少々お待ちください」。
保留音の「エリーゼのために」が30秒ほど続いたところで、先ほどの担当者が「大変お待たせいたしました」と電話口に戻ってきた、が。
「すみません。あの、こちらといたしましては岩本さんの取材はお断りしますので」
――あ、そうですか。それはどういう理由でいらっしゃいますか? 私の取材を、岩本の取材を断るというふうにおっしゃられたわけですよね? その理由をお聞かせ願えませんか?
「失礼いたします。切りまーす。はい(ガチャンという音)」
「この件の取材については……」といって断られるなら、折しも炎上真っ最中ゆえありがちだろうけど、それ以前に「岩本さんの取材だから」との理由をはっきり言われる形で取材を拒否された次第であった。まあ、『美しい顔』をめぐるこの間のやりとりではいろいろ思うことがいろいろおありだったのであろうし、そうやって名指しで門前払いを食らったりするのも記者としてはある意味で冥利に尽きるところでもあります、はい。
https://air.ap.teacup.com/taroimo/1944.html
と、以上ブログに書いた記事の再録(一部微修正)でした。今度は渡瀬常務がお子さんを某マスコミ企業にコネ入社させようと画策した話でも聞いてみましょうかね。さて。
オンライン上ではミーハー編集者を自認する軍地彩弓が6月13日付「ハフポスト日本版」に「ViViの自民党キャンペーン『#自民党2019』は、読者への裏切りではないのか。元編集スタッフの私が感じたモヤモヤ。」を寄稿していた。
軍地のプロフィールを簡単にスケッチしておこう。1964年生まれで中央大学学部哲学科を卒業と同時に『ViVi』編集部でフリーライターとして活動を開始。後にGLAMOROUS』創刊にも関わったというから、講談社との関わりは深い。そんな軍地が今回の一件が表面化した当初よりTwitterで嘆き節を重ねた末、《何よりも釈然としないのは、彼らが読者や社会に対して、きちんと説明責任を果たせていないということだ》としたうえで、『ViVi』がこの広告キャンペーンに踏み切った背景について以下のような観測を記事では述べている。
《私が今まで他媒体で経験している例で考えると、この規模でも大グロスでトータル800-1000万円くらいの広告料だったのではないかと推測できる》
《ここで登場しているViVi girlsたちも報酬をもらって投稿する#PR記事に慣れていて、メイクアイテムの宣伝をするように、今回の仕事を受けたのかもしれない》
《彼女たちやこの記事に関わったスタッフに対して、きちんと編集部からの説明を受けないまま、議論を経ることなく仕事を受けているでのはないか? だからこそ、編集部の罪は重いように感じる。
そして、何よりも釈然としないのは、彼らが読者や社会に対して、きちんと説明責任を果たせていないということだ。講談社は「政治的な背景や意図はまったくない」と言った。
自民党とのタイアップに政治的背景がない、というのであれば、講談社は自民党政治団体と認めていないことになる。あまりに稚拙な釈明を読み、これを書いた人の顔を想像し、嘆息をする。編集部なのか、会社なのか、この程度の浅さなのだ》
《編集者であればこのタイアップが出ることの反響も分かって腹をくくっているべきではないか? そのくらいの気骨を持ってこのタイアップを受けたのなら、それはそれで編集部の意思を感じるが、この釈明からはそのような思いの一つも見えてこない。やるなら、覚悟を持ってやって欲しかった》
《私たちが絶対やりたくなかったことを今の講談社はした。
とはいえ、現場の元仲間の編集者たちは悩んでいるのだと信じている》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d01ada0e4b0985c419799ec
軍地に限らず、かつて『ViVi』で仕事をしたライター、あるいは長年の読者によると思しき嘆きの声が依然としてTwitter上には溢れ返っている。先日も本誌発行人が紹介していた木村嘉代子は私(岩本)の友人で、『ViVi』にはかつて長らくレギュラーで書いていた。12日付『アーカイブス』の記事をRTしつつ、憤懣やるかたないといった調子でさらにツイート。
《たかが女性誌でも、政治がからむと、意見するのは男性たち、とこれを読んでつくづく思った》
《いろんな女性誌でタイアップ(コラボ)をやった経験から、原稿はクライアントの徹底的なチェックと修正が入るので、今回のViVi girlの意見もモデルたちの言葉かどうか疑問》
《"若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したい"
”読者の皆様から寄せられたご意見は、今後の編集活動に生かしてまいりたい”
講談社広報が言うのなら、近々ぜひ編集企画としてやってほしい
広告でなければやらないのは、政治的な背景や意図があるということだろう》
https://twitter.com/Kayoko_Kimura_/status/1138828294969733120
https://twitter.com/Kayoko_Kimura_/status/1138828805550645249
https://twitter.com/Kayoko_Kimura_/status/1138829460398940165
他のユーザーからも怒りや嘆きの呟きが続く。
《大好きな『ViVi』がこんなことするなんて…。読者や社会への説明責任を果たしていないのでは? 》(ハフポスト日本版編集者・南まりえ)
https://twitter.com/scmariesc/status/1139046706744418304
野間省一講談社庫刊行の辞」の写真をシェアしつつ)《「権威に盲従せず、俗世に媚びることなく」って、おっしゃってましたのは何代前の社長さんでしたかね?》
https://twitter.com/SaharaMegumi/status/1138443085040562176
《VIVIは自民党機関紙に名前を変更した方がいいかもしれませんね。》
https://twitter.com/ParfumLiberte/status/1138425490891452422
ちなみに『しんぶん赤旗』もこの件について取り上げたが、講談社広報室は取材に対し、今回の『ViVi』キャンペーンについて「自民党の広告です」と明言したらしい。見出しにも使われている。
https://twitter.com/akahata_pr/status/1138817739190022145
https://twitter.com/kgrbwkn2734/status/1138779280102420481
https://blogs.yahoo.co.jp/nodashigikaigiinodamari/66513482.html
さっそく「将来の『ViVi』の表紙」を想像したイメコラ画像上がっている。
https://twitter.com/NTUY_uncle_bot/status/1138429248157364225
https://twitter.com/kinokuniyanet/status/1138972399964049408
講談社と付き合いの深い立川談四楼も13日にこんなふうに呟いていた。
《ViViと自民党のコラボには私も唖然としている。講談社の「政治的な意図や背景はありません」との説明にも口をアングリだ。他に言い訳のしようはなかったのか。まさかカネに転びましたとは言えないまでもだ。もう出た人もいるが、何人もの世話になった編集者が残っていて、彼らのメンタルが気がかりだ》
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1139009473173807105
週刊現代』などでもライターとして活躍していたジャーナリスト寺澤有も、上記の私のブログをシェアしながら言う。
《あらあら。講談社もずいぶんイヤな会社になっちゃったんですね。ほとんど警察庁や警視庁の取材対応と変わりませんな》
https://twitter.com/Yu_TERASAWA/status/1138743978612875265
同じく寺澤や私と共に共謀罪法案反対運動や秘密保護法違憲訴訟などで一緒に動いたジャーナリストの林克明講談社広報室の対応に驚いたらしい。
《「この件についての取材はお断りします」じゃなくて「岩本さんの取材はお断りします」だそうだ》
https://twitter.com/hayashimasaaki/status/1138799379026993152
「OurPlanet-TV」代表の白石草も呆れているようだ。
講談社って企業としてなってないのかも。今時》
https://twitter.com/hamemen/status/1138558543643103234
本当にそろそろ講談社や『ViVi』のOB、関係者、さらには現場社員たちまで含めた形での抗議の動きが湧き起こってもおかしくないような気もしてくる。また、どうせここまで盛り上がったんなら、ここはひとつ講談社広報室も渡瀬昌彦常務や乾智之広報室長などが、以下にも出てくる『AbemaTV』にでも何でも出演してこの問題について語ってもいいだろう。かつて高杉良講談社で出した名作小説ではないが、このままいつまでも「広報室沈黙す」のままでよいのか?

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2)【記事】『ViVi』問題で町山智浩と西田亮介がTwitter上で早朝の激論(岩本太郎)

一方、その『ViVi』のキャンペーンについて厳しく批判してき町山智浩(編集者)と西田亮介(社会学者)との間で、この件をめぐりTwitter上での論戦が続いている。
https://togetter.com/li/1365721
これが12日の夕刻以降、さらにヒートアップした。『ハフポスト日本版』に「広報戦略でも自民1強、ViViと自民党のコラボ広告は何が問題だったのか。西田亮介氏が懸念する3つのポイント」と題した記事が掲載され、西田も《こちらを読んでいただければ、概ねぼくの問題意識がまとまったかたちで伝わると思います》と紹介したのだ。
同記事で西田は「3つのポイント」として「責められるべきは、自民でなく『多様性の欠如』」「公教育では身につかない政治リテラシー」「政治を語ることをタブー視してはいけない」を挙げながら、今回の『ViVi』のキャンペーンについては「よくできている」と評価する。
《現代風の広告で耳目を引く、というのは、若者をターゲットにしマーケティングのセオリー通り。自分たちの政治理念を政治に興味がない人たちに広く訴求したい、若者や無党派層を取り込みたい、とあれこれ手法を凝らすのは、政党として当然です》
自民党は、過去の反省から、若者や女性の票をどう耕すかということに向き合ってきた。(略)女性誌に広告を打つというのは90年代からやっていることですし、広告代理店の電通とは深い付き合いが続いています。ノウハウの蓄積、人材、資金も豊富です》
《多様性、多元性に欠けている点が問題ですが、それは自民党だけのせいではありません》
自民党以外の政党は、分裂・合併を繰り返しているため、自民党と比べてノウハウの蓄積が乏しく、資金でも遅れをとっている。支持層に向けたメディア戦略には熱心だが、無党派層へのアプローチが弱い。努力不足もあるし、仕方がない面もあります》
《問題の根底にあるのは、日本の社会に広がる政治アレルギーです
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d005e65e4b011df123c8167
https://twitter.com/ryosuke_nishida/status/1138720979247685632
これに町山が13日の早朝、Twitter上で異論を唱えたことから論戦が激化。
《違います。こうした自民党の広報戦略はイメージだけでまったく政策について触れていません。それで年金や実質賃金や数々の不正を隠蔽しています》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138890373093154816
《西田亮介氏がここまで明確に自民党の広報戦略を絶賛しているとは思ってもみませんでした。権力側と非権力の資金力、宣伝力の圧倒的な差や、イメージだけで政策に触れず、実際の失政を隠蔽している問題などにまったく無頓着なので驚きました》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138892626399092737
《広告は「量」が問題です。量を制することができる政権党と、弱小な野党が広告で競争できるはずがありません。広告ではなく政策で競うべきです。ところが自民党の広報には政策はなく、イメージだけで、政策の問題を隠蔽することになっています》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138900836111622144
西田もさっそく応戦。
町山智浩さんをはじめ「与野党格差が大きすぎて競争できない」という人は両者の非対称性をどれだけ減少させれば競争できるというのか。行きつく先の政治広告の量的規制や禁止は、政治活動の制限、政治的表現の自由の制限にも繋がりうる》
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138901204237336577
《したがってそれらについては、 #自民党2019 踏まえても、現行法と判例中心に慎重であるべきだ、という主張を声高に「体制擁護のプロパガンダ!」と連呼されても議論は深まらないでしょう。この間、町山智浩さんのコメントに煽られて大量の誹謗中傷、罵詈雑言コメントも来ていますが、こちらも同様》
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138902084202295296
《政治活動や表現の自由制限の懸念が政治広告についての現行規制(現在も公選法等規制は存在)支持の理由で、他方、具体化の際には特定の、つまりよりシンプルで対象の少ないものになるはずの国民投票法については非対称性の影響がより強くなるものとも考えられるのでこちらは量的規制必要では、と》
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138905803308511232
《なお当時の民主党には博報堂がついており、さらに2000年代前半には外資系PR企業や専門家の支援があり、野党だから広告代理店を使えないという批判は必ずしもあたりません。むしろ、既に現代の選挙運動と政治活動、政治広報は企業や専門家の影響を強くうけているとみるべき》
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138913738759630848
この論戦は13日の午前中に掛けて2者間で延々と続き、やがてここに目を付けた『AbemaTV』の招きで両者が同日昼の生番組に「直接対決」で出演するまでに至った。ウェブメディアはこういうところの動きの速さが身上だ。
https://twitter.com/AbemaTV/status/1139008598950866944
なお13日午前の論戦では『ViVi』のキャンペーンそのものについては最終的に双方の見解が以下のような流れで収斂していった
《さまざまな宗教団体を批判する週刊春と週刊新潮阿含宗だけは絶対に批判しないのは、何十年間も毎週広告を出し続けている超お得意様のクライアントだからです。広告の量を制するものはメディアやジャーナリズムをも制するのです。それを自民党はやり始めているのです》
《また、自民党がVIVIなどでやっている広報は、講談社が「政治的意図はない」と言っているように、実際の政治への関心を導くものではなく、イメージだけを売っています。それも男女平等や多様性など実際の自民党の政策に反するイメージです。それは実際の政治の隠蔽だとは思わないのですか?  西田様》(町山)
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138964058781040641
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138965272260308992
《それをどのように制限するのですか?与野党ともに程度の差はあれ、自党中心の広報になるのは道義的には問題があれど、少なくとも法的にはやむを得ないところがあるでしょう。前者の良し悪しを判断する重要な機会のひとつは選挙です》(西田)
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138966108910702592
《雑誌やビルボードなどの広告は業界の倫理に頼るしかないですが、今回のVIVIのように講談社曰く「政治的意図なしに」政党名を刷り込む行為は批判すべきと思います。西田さんはそれを「政治に関心を持たせる」と評価しましたが、実際の自民党の政策を隠し、逆のメッセージを広めていると思います》(町山)
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138972097126912001
講談社が通常のビジネスの範疇をこえて、例えば無料で引き受けたりしたのであれば、批判されるべきと思います》(西田)
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138973089872527360
講談社は、ほかの政党ともコラボをするかという質問に答えを拒否しました。それは政権党だから協力したということでしょう。メディアの政治からの独立性を保つためのルールは必要だと思います》(町山)
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138976062564495360
《単にビジネスだった可能性は排除されないので、何ともいえません。関連ルールは直接規制、自主規制含めていまも存在します》(西田)
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138977179859968000
《ましてや講談社自民党との関係を問われて回答を拒否する事態はジャーナリズムの一翼を担うメディアとしての倫理性を問われることであり、決して褒められることではないと思います》(町山)
https://twitter.com/TomoMachi/status/1138997944244363264
《そのことについてはとくに異論ありません》(西田)。
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1138998260461236224
舞台を『AbemaTV』に移してからの両者の議論は以下で報告されている。
https://abematimes.com/posts/7006526
そのうえで西田も同日の夕刻にはこんなツイートをするようになった。
《#自民党2019 について、自民党講談社も回答自体を差し控えるとのことで払拭できない懸念は、講談社が『ViVi』の企画広告を無償か、通常以上の安価で提供したのではないかというもの。そうだとすれば、通常のビジネス関係とはいえず、社会との利益相反の体が色濃くなる。双方ともに回答、説明すべき》
https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/1139065659227222017
ちなみにこの論戦とは別に、専修大学教授の植村八潮は『Yahoo!ニュース』で「雑誌は政治的発言をして良いはず 『ViVi』と自民党のコラボが炎上した背景とは」と題して次のように述べていた。
《「ViVi×自民党」コラボがちょっと、気持ち悪いのは、これが広告であり、クライアント(自民党)に場を利用されただけだからだ。発言主体が雑誌になく、雑誌が単なる広告メディアに成り下がった感があるからだ。批判が集まったのもそこにある。だから、講談社は政治的意図がなかったと言い訳しているが、あったか、なかったかではなく、表現メディアが主体性を失って、政治に利用されたことへの批判と捉えるべきである》
《『ViVi』は、若い読者の雑誌である。自民党が若者にリーチしたいと考えて雑誌のウェブメディアを利用した。残念ながら、今回は、自民党の広報戦略が功を奏したというか、広告代理店の戦略勝ちだった。気になるのは、雑誌メディアが政治にとって都合のよいメディア一色になることである》
https://news.yahoo.co.jp/byline/uemurayashio/20190612-00129784/

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3)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎《講談社だけじゃない、グノシーもだ。より直接的で醜い内容だぞ》と、例の「#自民党2019プロジェクト」がグノシーで展開中の「日本政治王決定戦」にも批判の声が集まっている。
https://twitter.com/KAIcycloid/status/1138224180233613312
https://twitter.com/jimin_koho/status/1135682074671607809
https://live.gunosy.com/programs/31/664/
博報堂出身の本間龍もこれに言及。
《これは国民投票の予行演習。両社は、カネさえ貰えれば何でもやると宣言した訳だ。自民党が、国民投票の際にカネでなびくメディアを選別して使い始めたということ》
https://twitter.com/desler/status/1138435217473933312
実際『ViVi』のキャンペーンについても「"自己承認欲求"でウェブメディアに集まるユーザーたちに政治家の側が注目し、それにメディア運営者が簡単に乗ってしまうのと同じノリでやってしまったのではないか」との声を私の周辺でもいくつか聞いた。「インスタグラム政治」とやらにインスタグラムに負けた(?)雑誌がやられちゃってるのではないか? と。

◎『春オンライン』で「藝春秋電子書籍」編集部が新刊『#電書ハック』配信記念企画として、IT系作家と現役電子書店員による座談会「10年後には紙の本ってなくなるの? 電子書籍の現在と未来」を掲載した。司会は同編集部副部長の荒俣勝利。『#電書ハック』著者の柳井政和のほか、ブックリスタ「Reader Store」の加藤樹忠と佐藤由布子、トゥ・ディファクトUX企画部の松原嘉哉と矢部潤子が出席している。
https://bunshun.jp/articles/-/12222
https://bunshun.jp/articles/-/12271

トーハンは新宿区東五軒町に6階建て(延べ1万1400平方メートル)の本社ビルを新築。今年12月上旬に着工し、2021年2月下旬に完成の見込みという。施工者は鹿島東京建築支店。
https://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/190611500006.html

リユースデパートの「コメ兵」が名古屋の「座って読める本屋」として知られる「らくだ書店」本店の駐車場で、今日14日から30日まで「買取イベント」を実施するそうだ。昨年10月の古物営業法の一部改正以降、飲食店や百貨店の催事場など様々な場所で行ってきたイベントが書店の駐車場まで拡大することになった。
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000073.000000884&g=prt
http://www.rakuda.ne.jp/

◎編集プロダクション出身で、鎌倉の古書イベント「ブックカーニバルinカマクラ」の実行委員長も務めた荘田賢介が2011年に同市内にオープンしていた古書店「ブックスモブロ」が6月30日で閉店することになった。理由は店主である荘田の「病気療養」。8月に腎臓移植手術を受けることとなり、やむなく閉店を決意したという。
https://kamakura.keizai.biz/headline/345/

アメリカ人ジャーナリストで、読売新聞社会部記者として12年間勤務しながら日本の暴力団関係のルポなどを手掛けてきた経験も持つジェイク・エーデルスタインの著書『Tokyo Vice: アメリカ人記者の警察回り体験記』が、米ワーナーメディアによるストリーミングサービス向けにドラマ化されることになったらしい
https://eiga.com/l/cTIAL 
https://natalie.mu/eiga/news/334947
エーデルスタインは自身の経験から日本のメディア業界に対する批評活動も熱心に行っている。私が関わった「秘密保護法違憲訴訟」に関連して4年前に開催したシンポジウムでも、上記の寺澤有などと共にパネリストを務めた。
https://twitter.com/iwamototaro/status/603136056762900480

電通および電通国際情報サービスなどグループ4社が、チラシのデータからYouTubeの動画広告を自動生成するシステム「Dynamic3」を開発した。 
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019060-0613.pdf

博報堂・大広・読売広告社の5月度単体売上高実績。全体では3社とも対前年同期比で微減。雑誌は博報堂が10%減、大広が5.9%増、読広が64.4%減。ただし電波媒体は読広でテレビが21.6%減となった以外は堅調。紙媒体の低調がそのぶん目立つ。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1720388/00.pdf