【文徒】2019年(令和元)6月17日(第7巻105号・通巻1525号)


Index------------------------------------------------------
1)【シリーズ】講談社広報室の劣化 #6 「ViVi」炎上の焼跡が暗示する「戦後」の終焉
2)【記事】柳井政和の小説「#電書ハック」とウエブサイト「ノベル読もうよ」
3)【記事】阪急電鉄の車内広告が炎上!中止に追い込まれる!!
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.6.17 Shuppanjin

1)【シリーズ】講談社広報室の劣化 #6 「ViVi」炎上の焼跡が暗示する「戦後」の終焉

研という社名は高校生化研究会に由来する。かつては雑誌「考える高校生」を擁していたことでも知られているが、ツイッターにこんな投稿をしている。
講談社女性誌自民党ロゴ入りTシャツプレゼントが話題になっていて思い出したのが、早川タダノリさんのブログ『虚構の皇国』の記事」
https://twitter.com/koubunken/status/1138605746906468352
研が思い出した記事というのは2013年8月28日にブログ「虚構の皇国」エントリされた「お子様向け日本軍大活躍『過激描写』画像」がそうだ。早川タダノリが紹介しているのは1938年大日本雄弁会講談社から刊行された「支那事変大手柄絵話」で、「馬詰准尉の三十六人斬り」とか、「柳上等兵の五十二人斬り」が描かれている。
https://tadanorih.hatenablog.com/entry/20130828/1377622188
デラべっぴん」に十年間連載された「オナマイド」で知られるエディトリアルデザイナーのほんとうひろしが呟く。
「とうとう戦前戦中の大日本雄弁会講談社になっちゃった!」
https://twitter.com/HiroshiHootoo/status/1138104235550076929
今回の一件で「大日本雄弁会講談社」の歴史を思い起こしている関係者が多いことに私は正直驚いている。もしかすると講談社の戦後(民主主義)が終わり、先祖返りが始まったのかもしれない。「ひとりから始める~『市民起業家』という生き方」の川口和正講談社の変質を見て取っている。
講談社庫刊行の辞」はこう謳っています。「われわれは権威に盲従せず…(略)日本の「草の根」をかたちづくる若く新しい世代の人々に、心をこめてこの新しい綜合庫をおくり届けたい」。「時の政権の広報」と化していいのですか?
https://twitter.com/kazsoul/status/1138200909609963521
「凛の弦音」(光社)の我孫子武丸は速水三兄妹シリーズや人形シリーズなど講談社との仕事も多いが、落胆している。
「ぼくもデビューから30年、講談社とは仕事をしてない年がないくらい仕事をしてるが、ほんとがっくりくる。お笑いが好きなので最近の吉本のことも危惧していたが、まさか講談社までね……」
https://twitter.com/sukiyapotes/status/1138686861092614144
次のようにツイートしている王谷晶も小説家である。
「おいおい講談社さんマジかよ 何考えてますのん? ファッション誌が政治を語るのは大いに応援するけど政権与党ピンポイントでピックアップってダメ過ぎますでしょ」
https://twitter.com/tori7810/status/1138084073144954882
警視庁いきもの係シリーズや福家警部補シリーズで知られているミステリ作家の大倉崇裕も次のようなツイートを投稿している。
「原稿を送り、課題図書の1冊を読み終わり、息子が発熱したので小児科に連れて行き、『ViVi』に今なお憤り、『2000万報告書がもうない』と政治家が居直る様に絶望し、もういろいろ大変なので『パゴス』を作っている。もうすぐ完成」
https://twitter.com/muho1/status/1138683666303897600
「亡国記」で城山三郎賞を受賞した北野慶は断言する。
講談社は『このたびの自民党との広告企画につきましては、政治的な背景や意図はまったくございません。』これ自体、アベ側に立っていくらものを言ったり媚びへつらっても政治的でなく、反アベ的なことを少しでも言ったら政治的と決めつけるアベ=ネトウヨ的発想そのもの
https://twitter.com/keikitano/status/1138601193821786112
QED 百人一首の呪」でメフィスト賞を受賞しているミステリー作家の高田崇史は「ViVi」の問題で予定をキャンセルしたそうだ。
「10年前に幻冬舎と揉めて、社会通念上あり得ない話だと感じたので(弁護士さんにも入ってもらい)決別した。でも今度は講談社『ViVi』の問題で予定をキャンセルしたりと煩わしいことになっている。
両方とも知らんぷりしていれば何も問題がないのに、実に損な性格だと自分でも思います。本当に」
https://twitter.com/clubtakatakat/status/1139433185467498496
「ViVi」が編集タイアップ広告で自民党と組んだことについて、純学よりも大衆学に身を置く作家たちからの批判がSNSは目立つ。大衆学が時代に対して危機感を抱いているのだ。
科省で事務次官にまで登りつめた前川喜平講談社が言い訳に使ったフレーズに疑問を呈する。
「ViViと自民党のコラボについて講談社『このたびの自民党の広告企画につきましては・・政治的な意図や背景はまったくございません』。これ日本語として成り立つか?」
https://twitter.com/brahmslover/status/1138326200345026560
講談社広報室から発せられた、その場しのぎのコメントは集中砲火に晒されることになった。
「安倍官邸vs.NHK」(藝春秋)の相澤冬樹は「ヤフー!ニュース」に「『美女たち』の政治利用?ファッション誌ViViとコラボ 自民党の狙いを聞いた」を発表しているが、そこでこう書いている
「取材に対し、以下のコメントを送ってきました。
『このたびの自民党との広告企画につきましては、ViViの読者世代のような若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したいと考えました。政治的な背景や意図はまったくございません。読者の皆様から寄せられておりますご意見は、今後の編集活動に生かしてまいりたいと思います。講談社 広報室』
これで納得できる読者がどれほどいるでしょうか?」
https://news.yahoo.co.jp/byline/aizawafuyuki/20190611-00129715/
講談社広報室の対応は本当に酷い。朝日新聞ファッション・映画担当デスク兼記者 後藤 洋平もそう思っているようだ。
自民党の広告企画としてのコラボなのに『政治的な背景や意図はまったくございません』とのたまう講談社。記者が『政党の宣伝ではないか』矛盾を指摘し重ねて問うと、『コメントは差し控えさせていただきます』。どなんでしょか、これ…」
https://twitter.com/Yohei_Goto/status/1138595680857931776
杉田水脈衆議院議員によるLGBT差別論に端を発し、小川榮太郎がこれを擁護するヒョーロンのあまりの酷さで遂には「新潮45」が休刊に追い込まれた事件にしても、「日本国紀」を批判するツイート多数、発表していた作家の津村泰水の実売部数をツイッターで晒した幻冬舎見城徹が謝罪に追い込まれた事件にしても、今回の「ViVi」の一件にしても小田嶋隆からすれば「同じ背景を踏まえたものだ」。
「その『背景』をあえて言語化するなら『雑誌の断末魔』ということになる。あるいは
『出版業の黄昏』でもかまわない。
いずれにせよ、私たちは、20世紀の思想と言論をドライブさせてきたひとつの産業が死に絶えようとするその最期の瞬間に立ち会おうとしている」
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00026/?P=1
そう貧すれば鈍するのである。
「俵才記」がどのような人物であるか知らないが、秀逸なツイートが多いことで知られている。
甘利明自民党参院選対策委員長だな。ワイロ疑惑から逃げるため『睡眠障害』で雲隠れしてた奴がやりそうなことだ。
甘利と講談社が手を組んで自民党とのコラボか。
講談社よ。寝ぼけたこと言うな。何が『政治的な背景や意図はありません』だ。
意図丸出しじゃないか」
https://twitter.com/nogutiya/status/1138683538599899141
豊崎由美のツイートも紹介しておこう。
「広告が若い世代に政治について考えてもらうきっかけになれば──という考えも『ほんと、そうなればいいね』と願うけれど、その広告の中にある嘘を見抜けず、そのまま受け取ってしまう人が、残念だけど、わたしは大多数と思っていて。なので、やはり、自民党とviviのコラボは結果的にNG物件です」
https://twitter.com/toyozakishatyou/status/1139013266078818304
集英社OBの鈴木耕が嘆く。
「権力と癒着すれば雑誌の力は消滅する。ああ、講談社よ、お前もか…」
https://twitter.com/kou_1970/status/1138619300552462336
4thアルバム「レトロニム」をリリースした「New Residential Quarters=NRQ」のツイートの責はギターの牧野だそうだ。
「このようなキャンペーンにハッキリと『NO』を突きつけ続けることが可能な世の中にしたいです。特定の政党のキャンペーンに加担した当該雑誌と講談社には猛省して欲しい」
https://twitter.com/_N_R_Q/status/1138136196679290880
東京新聞の望月衣塑子はプロパガンダだと指摘する。
「『オンナ・子ども』と政治家はバカにしてる。軽んじたのは #ViVi か。絶対やりたくなかったことを講談社はした。大手出版社が資金力を持つ政党と組むのはプロパガンダと言われても仕方ない。
声を上げ、ダメ!と言わなくては若者にとって夢もない国になってしまう」
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1139353356915232768
ポピュリズムと『民意』の政治学 : 3・11以後の民主主義」の木下ちがやもツイートしている。
「令和キャンペーン、自民党新時代、芸能人とのコラボ、甘利のゆるキャラ化、そしてViViと、物量戦が効いてるなら、いまなんで年金でこんなに揺らいでんだという話ですよ。どんなプロパガンダも、社会経済的な変動の前には霞んでしまうわけです。むしろプロパガンダの過信がこのような事態を生んでいる」
https://twitter.com/sangituyama/status/1138772342065238016
「反ヘイト・反新自由主義の批評精神」の岡和田晃がツイートしている。
「ViViが自民党プロパガンダをしたことの何が問題か。『ファッションに政治を持ち込むなよ』ではなく、与党支持をデファクトスタンダードとして紛れ込ませようとした点が問題だ。つまり批判精神の欠落である。版元の講談社は責任を取り、庫で新しく戦前プロレタリア作家の本を出すべきだろう」
https://twitter.com/orionaveugle/status/1139491060055334912
「ViVi」の 公式ツイッターは6月10日を最後に投稿を中断している。嵐が通り過ぎるのをひたすら待つのが講談社お得意の広報戦術である。昨年、〝剽窃〟騒動に揺れた北条裕子の「美しい顔」をインターネットで全部公開する際に発表した章は「本件に関する詳細な経緯説明も、追ってご報告させていただきます」と結ばれていたが、「美しい顔」は単行本として出版されたが、「本件に関する詳細な経緯説明」はなされないままである。こういう「対応」をつづけていった、その先に待っているのは? そういう想像力ぐらいは働かせてみるべきである。
------------------------------------------------------

2)【記事】柳井政和の小説「#電書ハック」とウエブサイト「ノベル読もうよ」

藝春秋の野心的な試み。柳井政和の小説「#電書ハック」を「春e-Books」としてリリースした。柳井のプロフィールはアマゾンによれば、こうなる。
「1975年福岡県北九州市生まれ。97年熊本大学理学部生物科学科卒業。ゲーム会社勤務を経て、現在クロノス・クラウン合同会社代表社員として、ゲームやアプリケーションの開発、プログラミング系技術書や記事の執筆をおこなう。
著書に『マンガでわかるJavaScript』『プログラマのためのコードパズル~JavaScriptで挑むコードゴルフとアルゴリズム』など、技術書の著書多数。
2016年、第23回松本清張賞応募作「バックドア」が最終候補となり、改題した「裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬」にて小説家デビュー」
春オンライン」が「10年後には紙の本ってなくなるの? 電子書籍の現在と未来――『#電書ハック』配信記念 電子書籍の現在と未来を語る、IT系作家と現役電子書店員座談会」を二回にわたり掲載している。
トゥ・ディファクトUX企画部 副部長・松原嘉哉の発言。
「現状、これはどの電子書店も同じだと思うのですが、コミック・BLが売上のかなりの割合を占めていて、うちの場合は5割弱。それでも他の電子書店にくらべると字ものが売れてます」
ブックリスタReader Store企画部 部長・加藤樹忠の発言。
電子書籍市場全体ではコミックが80パーセントから多いときは90パーセントですが、うちもラノベを入れたら字ものが5割くらいです。小説の売れ筋は、高齢の男性が好む時代小説や、意外なところですと海外の名作SFですね。好奇心旺盛なおじさまたちが、小さい頃に読んだものを電子書籍で買い直してくださる」
トゥ・ディファクトUX企画部ディレクター・矢部潤子の発言。
「紙の書店も世の中の動きに対して素早く反応しようと頑張っていますが、さすがに夜中のテレビがきっかけで翌日すぐに売れ行きが跳ね上がるというのは仕入れの関係などもあって難しいです。でも、電子の場合は夜中でもすぐに購入できますので、1時間どころか分単位でパッとランキングが上がるというような反応の速さは初体験でした」
ブックリスタReader Store 編成部 ストアディレクター・佐藤由布子の発言。
「…紙の書店さんと違うのはフェアの反応が出やすいことではないでしょうか。新刊や映画化された話題作も売れるのですが、フェアになった時の売れ行きが今後の動きを読む参考になります。紙の書店さんだと価格が変わらないのでその時に買うしかないわけですが、電子はお客さんがフェアを待っているのを感じます」
柳井政和の発言。
「私はもともとIT系でゲームの営業や広報をやっていた人間ですので、紙の本が出る時に販促はどういうことをやるのですかと尋ねたら、『新聞・雑誌や書評家に献本するぐらいで、それ以外は特にありません』という答えで、驚きました。ゲーム業界だと何ヶ月も前にデモ版を作るなど、事前にいろいろやるわけです。出版社もリアル書店も、もっと売れていた時代のやり方を今も引きずっているんじゃないでしょうか」
松原のこんな発言は頭に叩き込んでおこう。
「若者たちが興味を持っているところから導線を引くという意味では、最近、ZOZOTOWNと組んでキャンペーンをやりました。ZOZOTOWNで洋服を買った人にオマケとして電子書籍クーポンが付けると、紙の本を購入したお客様に電子書籍クーポンを付けたときより、利用された比率が高かったのには驚きました」
https://bunshun.jp/articles/-/12222
https://bunshun.jp/articles/-/12271
柳井政和はウエブサイト「ノベル読もうよ」を立ち上げている。「ノベル読もうよ」は「小説の紹介」を投稿するサイトであり、商業小説、同人小説、Web小説問わず、自作の一次創作の小説の紹介を投稿できる。作家主導で情報を届ける「本と読者の距離を近付ける場」というわけである。
https://yomouyo.com/

------------------------------------------------------

3)【記事】阪急電鉄の車内広告が炎上!中止に追い込まれる!!

阪急電鉄が企業ブランディングを手掛ける「パラドックス」とコラボし、同社がまとめた「はたらく言葉たち」から選んだ言葉を車内広告として掲出する「ハタコトレイン」がネットで炎上し中止になった。
毎日新聞は6月10日付で「阪急電鉄『働き方啓蒙』中づり広告『月50万円』に『不愉快だ』など批判、掲示とりやめ」を発表した
阪急電鉄の中づり広告が批判を呼んでいる。働く人への啓蒙メッセージを掲載したものだが、『時代にそぐわない』『不愉快だ』といった声が多く寄せられ、阪急電鉄は10日で広告をとりやめることを決めた」
https://mainichi.jp/articles/20190610/k00/00m/040/238000c
「ねとらぼ」は「これ『働かせたい言葉』? 阪急炎上『はたらく言葉たち』批判殺到の理由を考える」を公開し、次のように書いている。
「その1つとして列車内に掲げられたのが『毎月50万円もらって生きがいのない生活、30万円だけど仕事が楽しい生活、どっちがいいか(研究機関 研究者/80代)という言葉。これがTwitterユーザーによって投稿されると、『やりがい搾取』『若い世代の給与を知らないのか』など批判が集まる事態に。Twitterのトレンドに入るなど、結果的に大いなるレピュテーション(悪評)リスクを取りに行ってしまった形の阪急電鉄は企画を取り止めることになりました」
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1906/11/news089.html
オバタカズユキが「NEWSポストセブン」に「阪急電鉄中吊り炎上騒動は『私鉄ナンバーワン給与』の産物か」を寄稿している。
「…筆者が見渡した限り、もっとも代表的な意見だと思われたのは、1万件以上のリツイートがされた「あさつゆ」さんというアカウントの6月10日のツイートだ。
〈手取り30万が低所得扱いされてる事に衝撃を受けたと同時に、こんな考えの人達の年金に余裕で手取り30万以下の若者の金が吸い取られてるのかと思うとやるせなさが凄い〉
『あさつゆ』は、シングル2児ママの『あさぎ』さんと、同棲後妊活予定という『つゆ』さんとの共同アカウントなのだが、上記ツイート内容はいまの若い庶民層の感覚としてごく一般的で自然なものだと思う。月に30万円の収入を得るのは、そんなに簡単なことじゃないし、その金額を安月給の例として使う『研究機関研究者/80代』の感覚には、『バブル時代で時間が止まってるのか!?』と問い質したくなるようなズレがある」
https://www.news-postseven.com/archives/20190613_1390765.html
「あさつゆ」のツイートはリツイートが12432、「いいね」が21132を数える。
https://twitter.com/asatuyu0604/status/1137912183562465280
次のような怒りのリプライが並ぶ。
「介護職の人は 手取り 20万以上いったら すごいって言われる世界ですよ! 年収200万ですけど? 
そういう業界の人たちは どうすれば?夜勤して日勤して 排泄処理して 入浴介助して 亡くなれば その後の処置もして それでも 年収200万の業界の人たちは どうすれば?」
「まじめに自殺した方が得な気さえする」
「30万近く稼ぐのにどれだけ辛い思いしてるか分かってるんか?ほんま毎日なんのために生きてるかわからんというのに」
「夜勤込みで手取り20万いかないし、仕事に楽しみがあるわけでもない私はどうしろと言うのでしょうか?
と言いたくなりました」
阪急電車が問題の広告を止めましたこれもTwitterのおかげだと思います皆さんの力です皆さんの力が阪急電車の広告を止めたのです本当にお疲れ様でした」
次に紹介するのはZOZOの執行役員コミュニケーションデザイン室長・田端信太郎のツイート。
「現実には高給の人ほど、仕事に行くのが楽しみで仕方がないし、給料の低い人ほど、生き甲斐のない生活を送りがちなのでは?。
月収の数字がズレてるんじゃなくて、そもそもの内容が間違ってる
https://twitter.com/tabbata/status/1138233558080688128
日本でも社会の「分断」をともないながら「階級社会」が息を吹き返そうとしているのである。

------------------------------------------------------

4)【本日の一行情報】

朝日新聞デジタルが6月12日付で「本の取次苦境、ほころぶ流通網 出版社『作っても届かない』懸念」を公開している。
「不振の背景は、ピーク時の半分以下となった雑誌の売り上げ減だ。日本の出版流通は、大量の雑誌を発売日に合わせて一斉に全国の書店に届ける際、『ついでに』送ることで書籍の配送コストを吸収する仕組みで機能していた。売れ残れば返品できる慣例があり、その割合が約4割にのぼる現状もこうした仕組みが支えてきた。
さらに近年は、人手不足で配送ドライバーの賃金が上がり、業績悪化に追い打ちをかけている」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14052188.html
アルコール依存症はアルコールを断てば治療できるが、雑誌依存症はそうはいかないのである。私が心配するのは、決算が好転している大手出版社のマンガ依存症である。

東急エージェンシーは、慶應義塾大学経済学部 星野崇宏教授とデータサイエンスのマーケティング活用に関するアドバイザリー契約を締結し、共同研究を開始した。
https://www.atpress.ne.jp/news/185798

祥伝社庫版の江波戸哲夫「集団左遷」の発売日は2018年11月12日。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396344733
その2か月後に講談社庫版が刊行された。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000317638
TBSのドラマ「集団左遷」の原作は同名の講談社庫版に加え、同日に講談社庫から刊行された、やはり江波戸の「銀行支店長」である。
https://www.tbs.co.jp/shudan-sasen/original/

◎「現代ビジネス」に呉座勇一が「『俗流歴史本』の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る」を寄稿している。
「井沢氏は『ポスト』5月17日・24日合併号に掲載された東京大学史料編纂所教授の本郷和人氏との対談で(おそらく私の井沢説批判を念頭に置いて)『重箱の隅を突くように批判されても困ってしまう』と語っている。だが、歴史学は細かい事実解明を積み上げて歴史的真実に迫る学問である。大きく魅力的な『仮説』を提示できれば矛盾や間違いがあっても良いということにはならない。神は細部に宿るのである」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65110
オレ、八切止夫が好きなんだよね。八切史観に従えば上杉謙信は女性であるし、織田信長暗殺は明智光秀でないし、徳川家康は二人いたのである。八切を読んでいると百田の「日本国紀」はダイナミズムに欠けるのよ。八切止夫は全作品の著作権を放棄したことでも知られている。久しぶりに「トレド」のカレーでも食いに行くか。「トレド」は八切の実子が経営している。

讀賣新聞は6月13日付で社説「NHK同時配信 節度ある事業運営が必要だ」を掲載した。
「18年度の受信料収入は7122億円に上った。繰越金の残高も1100億円を超える。広告に頼る民放に比べ財務内容は盤石だ。
衆参両院の総務委員会は付帯決議をそれぞれ可決し、公正性確保の観点から、同時配信を適正な規模で実施するよう求めた。NHKは重く受け止める必要がある」
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190612-OYT1T50251/
今年の大みそかNHK紅白歌合戦がネット配信されるかもしれない。
https://www.j-cast.com/tv/2019/06/12359853.html

◎「糖尿病ねっと」によれば主婦の友社より刊行された「糖質オフ大全科」(税別1,200円)が重版決定。
https://info.ninchisho.net/diabetes/archives/15097
私も買った…。

◎昭社は、累計発行部数100万部を超えた旅行ガイドブックシリーズ「大人の小さな旅」の新刊として「千葉・茨城特別編集版 日帰り 大人の小さな旅」を発売した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000287.000007916.html

◎「アエラドット」が「紙で復刊の『egg』編集長は22歳 スカウトはSNS、『雑誌載りたい』ギャル心つかむ」を公開した
押切もえ、今井華ら名だたるモデルが輩出したギャル雑誌『egg』が『令和』初日の5月1日、5年ぶりに復刊し、完売店が続出する人気ぶりだ」
https://dot.asahi.com/aera/2019061100064.html?page=1

◎産経が6月12日付で「百田尚樹さんが『小説家引退』宣言 ツイッターに『悔いはない』」を発表している。
https://www.sankei.com/life/news/190612/lif1906120040-n1.html
これが百田のツイート。
「出版界、とくに芸の業界はうんざりするような連中が多すぎる
『夏の騎士』(新潮社)を最後に引退する。
でも最後にいい作品を書けたから満足や」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1138688791344865280
百田はツイッターを駆使してのプロモーションが本当に上手だ。

◎2019年5月「書泉・女性タレント写真集売上ランキング」で第1位となったのは宮崎由加(Juice=Juice)セカンド写真集「繋」(オデッセー出版)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001181.000016756.html

◎ネットフリックスがゲームに参入する。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1906/14/news060.html

------------------------------------------------------

5)【深夜の誌人語録】

同じ苦労をするなら従属ではなく自立を選択しよう。