【文徒】2019年(令和元)8月20日(第7巻149号・通巻1569号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】春ジャーナリズムがインターネットで頭角を現し始めた
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.8.20 Shuppanjin

1)【記事】春ジャーナリズムがインターネットで頭角を現し始めた

春オンライン」は「週刊春」編集部による「【宮崎容疑者逮捕】あおり運転殴打 警察に食ってかかった女性は『年上独身クレーマー体質』ガラケー女性と同一人物?」や「【大阪で逮捕】“あおり運転殴打”宮崎夫容疑者 『話すのは車と女のことだけ』元同期男性が見た執着」を逮捕当日の8月18日に発表している。
その前日の8月17日には「“あおり運転殴打”宮崎容疑者(43)過去にも逮捕歴 女性を監禁か」や「【あおり運転殴打】宮崎夫容疑者、所有マンションでもトラブル 友人には『狙われている』」、「『あおり運転殴打』容疑者はマンション事業を手掛ける43歳会社経営者」を発表している。
春ジャーナリズムは紙のメディアの時間ではなく、オンラインメディアに相応しい時間を獲得しつつある。容疑者逮捕の記事では映像も押さえている。オンラインメディアにおいて「音」や「映像」を駆使するのは出自が紙のジャーナリズムであってもマストな課題であることを承知しているようだ。
https://bunshun.jp/articles/-/13448
https://bunshun.jp/articles/-/13443
https://bunshun.jp/articles/-/13440
https://bunshun.jp/articles/-/13437
https://bunshun.jp/articles/-/13436
8月19日、午前10時現在、「NEWSポストセブン」や「デイリー新潮」「現代ビジネス」には「宮崎」の名前は一切なかった。
春オンライン」はツイッターを活用して記事の告知も丁寧に行っている。
https://twitter.com/bunshun_online/status/1163229316223606784
https://twitter.com/bunshun_online/status/1163226798873665536
https://twitter.com/bunshun_online/status/1163224281490153472
https://twitter.com/bunshun_online/status/1163088382261510144
春くん公式」でも、しっかりと告知している。
https://twitter.com/bunshunho2386/status/1163016533238358017
https://twitter.com/bunshunho2386/status/1162649880348594179
https://twitter.com/bunshunho2386/status/1162516763549941760
https://twitter.com/bunshunho2386/status/1162399410480766976
私であれば「春オンライン」のアプリ化を考えるけれど。インターネットの世界で生き残るには、できることは何でもやってしまうことが求められているのではないだろうか。

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2)【本日の一行情報】

◎釣りの月刊誌「SALTY!」をはじめルアーフィッシングに関する出版を手がけていたアトリエ・ボイルが破産。
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20190815_01.html
この「編集 吉岡」は中央公論新社の編集者か。こんなツイートを投稿している
《エロと料理のほか、釣り系情報誌も結構消えてる
性格的にネットに食われやすいメディアなんだろうな》
https://twitter.com/nyonioka/status/1161895191814348801

朝日新聞デジタルは8月15日付で「セブン売上高、9年4カ月ぶり前年割れ ペイ影響の声も」を掲載している。
《コンビニ最大手セブン―イレブン・ジャパンの7月の全店での売上高は前年同月より1・2%少なかった。前年割れは2010年3月以来、9年4カ月ぶりだ。長雨に加えて、7pay(セブンペイ)への不正アクセスの問題も響いた可能性がある。》
https://www.asahi.com/articles/ASM8G4PZWM8GULFA012.html?ref=auweb

◎「AbemaTIMES」は8月16日付で「N国立花党首の姿勢に東洋経済の山田編集長『丁寧に議論する必要がある』」を公開している。
週刊東洋経済編集長の山田俊浩氏は「一つのことだけをやるというのは本当に強いし、立花氏の知識も積み上がって、どんどん専門家になっていっている。ただ、そこに我々が乗っていくのはどうかと思う。(中略)やはり国会や国民にとっての優先順位で考えれば、何が公共放送なのかと丁寧に議論していくことは重要であっても、短兵急にやることではないし、"払う・払わない"や"ぶっ壊す"という考え方でいくのはヤバい」と話していた。》
https://abematimes.com/posts/7015136
NHKから国民を守る党」の一点突破全面展開は大衆受けするのである。

夕刊フジ頭脳警察の組み合わせが愉快である。
https://www.zakzak.co.jp/ent/news/190816/enn1908160004-n1.html

化放送は特別番組「追悼・萩原健一 傷だらけの天使ラジオ 天使のビルに集う人たち」を27日午後7時から放送する。
《“ショーケン”の愛称で知られた萩原さん。今回の番組では主演し、多くのファンに親しまれた日本テレビ系で放映されたドラマ「傷だらけの天使」(1974~75年)で共演の水谷豊(67)らとのさまざまなシーンが撮影された「エンジェルビル」を通した人間模様を取り上げる。》(中日スポーツ)
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2019081602100016.html
エンジェルビルはJR代々木駅前に建つ「代々木会館」のこと。今月から老朽化に伴う解体工事が始まっている。
https://tokyodeep.info/yoyogi-kaikan/

◎「月刊ComicREX」(一迅社)とツイッターで連載中の安藤正基の4コマ漫画を原作としたTVアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき」の公式スペシャルショップが「TSUTAYA 名古屋駅西店」で8月16日(金)にオープンした。 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000871.000018760.html

◎ネットフリックスは、オリジナルドラマシリーズの「全裸監督」シーズン2の制作を決定した。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/16/news087.html

◎「BUSINESS INSIDER JAPAN」が8月16日付で「山田孝之の大ヒット『全裸監督』自販機が渋谷に。“ビニ本”欲しさに猛暑の渋谷を目指した」を発表している。
《しかし、「ビニ本」は失われた昭和遺産では……そんなツッコミを逆手にとったのか、8月16日、突如、渋谷駅前の「MAGNET by SHIBUYA109」に、ビニ本の自販機が登場した。ネットフリックスが「全裸監督」プロモーションとして仕掛けたものだ。》
《裏側を見ると、制作はマガジンハウス。最新のBRUTUS MOOK「合本・危険な読書」の付録としてつくられたオフィシャルガイドブックを「ビニ本」として配ったようだ。》
https://www.businessinsider.jp/post-196730
こういうの「平凡出版」らしくて好きだよ。その昔から電柱を使ったり、アドバルーンを使ったりと、アーベインな広告手法には定評があったからね。

毎日新聞が8月17日付で「Theme 出版社がCF事業 高額本の資金や研究者支援に」を掲載している。
《出版市場が縮小するなか、出版各社は新しい収益源を求めて、書籍や物品、イベントなどのアイデアに対して一般から資金を募るクラウドファンディング(CF)事業に力を入れている。各社の戦略を取材した。》
https://mainichi.jp/articles/20190817/ddm/014/040/017000c
大手出版社の仕事の中心が「編集」から「投資」に変わるかもしれない。東宝のようになると言えばわかりやすいか。

◎「ITmediaマーケティング」が8月16日付で「広告媒体としての『TVer』『radiko』の可能性」を公開している
《2015年10月にサービスを開始したTVerは、民放テレビ局で放送された過去一週間分の番組を、専用アプリやWebブラウザを通じて無料で閲覧できるサービスだ。アプリダウンロード数は2000万を突破しており、月間再生数は6月に1億回を超えた。視聴者はF1層(20~34歳の女性)が多く、全体の35%強を占める。
2010年4月スタートのradikoは、日本国内のラジオ放送をインターネット上でリアルタイムに配信するサービスで、Webブラウザと専用アプリのどちらかで視聴できる。民放連加盟ラジオ局の101局のうち93局が参加しており、デイリーユニークユーザーは135万~145万人、1ユーザー当たり平均で約130分聴取する。》
https://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1908/16/news072.html

米澤泉幻冬舎新書「おしゃれ嫌い 私たちがユニクロを選ぶ本当の理由」で次のように書いている。
《ところが、「ユニバレ」「ユニ被り」と否定的に語られることの多かったユニクロが、一転してファッション誌の主役に躍り出る時代がやってきた。代表的なのが、『andGIRL(アンドガール)』2015年11月号の特集「ユニクロでよくない?」であろう。『アンドガール』は2012年に創刊されたアラサー向けファッション誌である。「アラサーになっても、仕事ができても、結婚しても、『ガール』な大人たちへ!」をキャッチフレーズに「大人女子」ファッションを提唱している。その『アンドガール』創刊3周年記念号で28頁にわたってユニクロと姉妹ブランドのGUが大特集されたのであった。》
https://www.gentosha.jp/article/13589/

◎「YAHOO!ニュース」に江川紹子が「メディアはN国の取り上げ方をよく考えて」を寄稿している。
NHKという巨大メディアに挑むドン・キホーテを演じることで一定の票を得た立花氏の手法は、既得権益者・エリート層を「ぶっ壊し」たり引きずり下ろしたりする「下克上」を訴えて人々の関心や支持を集めるポピュリズムそのものと言える。》
《このように、N国が気に入らない発言や質問をした人を力尽くで排除したり、「私人逮捕」と称して大立ち回りを演じたりすることは、この時だけではない。昨年6月の松戸市長選では、ごく当たり前の質問をした市民メディア関係者を追い回し、腕をつかんで転倒させ、けがをさせたりもしている。》
《けれども、大きなメディアはこうしたN国の”真の姿”を、まず報じない。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190816-00138652/

◎「ハーパーズ バザー・オンライン」の「セレブリティの仲間入りをするには、何人のフォロワーが必要?」は、こう書いている。
ソーシャルメディアインフルエンサーたちが守らなければならない規定を作るこの広告業界のお目付け役、「ASA」がガイドラインを発表した。 30,000人以上のフォロワーがいる人なら誰でもセレブリティであり、広告の規定の適用対象となる。》
https://www.harpersbazaar.com/jp/lifestyle/sns/a28653831/number-of-followers-celebrity-190817-lift3/

◎日刊スポーツが8月17日付で「ついに実現、テレ朝弘中綾香ナのANN0放送決定」を掲載している。
テレビ朝日弘中綾香アナウンサー(28)がパーソナリティー務めるニッポン放送のラジオ番組「弘中綾香のオールナイトニッポン0(ZERO)」(土曜深夜27時)が31日に放送されることが分かった。》
《ラジオとテレビ、放送局の垣根を越え、このほど弘中アナの出演が決定した。》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201908160000825.html
垣根を越えるのがブームだが、「社内の垣根」を越えることが最も難しいはずだ。

◎「第41回ぴあフィルムフェスティバル」予告編が公開された。中島セナ、良いねぇ。
https://www.youtube.com/watch?v=WPCqy11VSh4
https://pff.jp/jp/news/2019/08/41st_trailer.html

◎「筒井漫画涜本ふたたび」 (実業之日本社庫)が刊行されるぞ!筒井康隆の名作群を、16名の漫画家が独自解釈でコミカライズした伝説のアンソロジーの第2弾だ。
https://www.amazon.co.jp/dp/4408555479

◎「週刊女性PRIME」が8月16日付で「闇営業を暴いた『FRIDAY』に報復措置! 吉本興業vs講談社、全面戦争のゆくえ」を発表している。
《「社内には“『FRIDAY』、発行元の講談社を絶対許さない”という空気が充満しているそうです。確かに宮迫らの件は問題ではありますが、5年前の話ですからね。
しかもそこから、表に出てもらいたくなかった社内事情がいろいろ明らかになって、お家騒動にまで発展してしまいましたから。
実際に吉本は、岡本昭彦社長の会見に講談社の全雑誌を“出禁”にし、取材拒否をしたんです。この措置は今後も続くでしょう。お互いに相手がつぶれるまで戦うつもりなのでは?」(元吉本興業関係者)》
https://www.jprime.jp/articles/-/15848

東京新聞は8月17日付で「ネット配信時代のテレビ 『エムキャス』で先行、MX社長に聞く」を掲載している。
《発展途上ながら、伊達社長はエムキャスを「MXにとって一番大事な、新しいモデルをつくる中核」と位置付ける。昨年には商品を紹介する番組を生配信し、そのままアプリで商品を購入できる“テレビ通販番組のネット版”の実験も行った。スマホの位置情報を利用したサービスなど、エムキャスを切り口にしたさまざまな新規事業も考えているという。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019081702000200.html
新聞、雑誌、ラジオ、テレビというマスメディアに問われているのスマホを制することができるかどうかである。

◎「TATTOO<刺青>あり」や「光の雨」の高橋伴明が新作「痛くない死に方」を撮っている。主演は柄本佑。撮影は今井哲郎。公開は来夏。
https://eiga.com/news/20190817/3/
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2140829892694029&set=a.225625307547840&type=3

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3)【深夜の誌人語録】

会社のスケールでしか生きられないサラリーマンにはなりたくないものだ。