【文徒】2020年(令和2)4月22日(第8巻74号・通巻1731号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「読み聞かせ」と著作権について
2)【記事】羽海野チカが思い知ったSNSのチカラに乾杯だ!
3)【記事】新型コロナ蔓延 どうする!どうなる?東京オリパラ2020
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】「読み聞かせ」と著作権について

昨日のでも、この件は一行情報で触れて置いたが、今一度考えてみることにしよう。
アエラドット」は4月19日付で「『絵本読み聞かせ』動画問題だけじゃない あなたの身の回りにある著作権侵害」を発表している。
《「絵本の読み聞かせ」は、絵本の各ページを見せながら章を読み上げるというもの。「忙しくて自分で読み聞かせできないパパやママのために」「素敵な絵本なのでみんなに知ってもらいたい」などといった理由で動画を作って公開している。YouTubeを再生させたスマートフォンを子どもに見せるだけという手軽さゆえに人気も高く、なかには1000万回以上もの再生回数を重ねる人気動画もあるという(現在は削除済み)。》
https://dot.asahi.com/dot/2020041500063.html?page=1
鎌倉学館が呟く。
《本が好きなら著作権は守って!》
https://twitter.com/kamakura_bunko1/status/1250229648044118016
保育士・幼稚園教諭・子育て世代のための情報サイト「ほいくらいふ」もこう投稿している。
《こちら、ぜひ見てください!!!
「ほいくらいふ」でも出版社さんとやり取りをして、悲痛な思いを聞きました。
これから先も、子ども達に絵本を楽しんでもらうために。》
https://twitter.com/hoiklife/status/1250318307384684544
こんな投稿も発見した。コミケ云々は別にしても、グッズ販売は著作権者からすれば深刻な問題である。
《日本はコミケという巨大イベントがあるので著作権への認識が甘くなってるイメージ。キャラの台詞を全てアップロード、勝手なグッズの作製・販売、出典明記なしで他人の著作物を引用・要約など。CPTPPや日米デジタル貿易協定も発足し、今後著作権の扱いは厳しくなっていく筈。自分も気を付けたい。》
https://twitter.com/yuu_0054/status/1250443143914213378
このアカウントは元書籍編集者だそうだ。
《自分も版元の人間だし読書運動推進もお仕事なので、本に関心のある人が多いのは嬉しい反面、これは真面目にネット時代の皆さんにも分かってほしい。
芸能人や声優さんが堂々とやってるのは、むかし話とか青空庫と著作権が消滅してるやつだから。》
https://twitter.com/motokitaurawa/status/1250259135708327936
こんな投稿もある。
《これは紙媒体で二次創作したりネット上にゲーム実況アップしてる身としても一消費者としても気をつけたいところ。たくさんの善意が空回りにならないためにも。》
https://twitter.com/mui_nico/status/1250311248366821378
版元も「善意」の存在は分かっているのだ。福音館書店は4月20日付で「読み聞かせ動画配信についてのお願い」を発表している。
《新型コロナウィルス感染拡大の中、多くのお問い合わせをいただいている、絵本の読み聞かせ動画の配信について、福音館書店よりお願いです。読み聞かせの動画配信にあたっては、ご利用をご希望される作品を事前に弊社に申請いただきますようお願いします。
なお、現在多数の申請をいただいております。お返事を差し上げるまでに、お時間を頂戴する場合がございます。何卒ご理解をいただきますようお願いいたします》
https://www.fukuinkan.co.jp/oshirase/detail.php?id=436
福音館書店は4月16日付で「絵本の読み聞かせ動画配信についてのお願い」を発表していたのだ。
《新型コロナウィルス感染拡大の中、絵本の読み聞かせ動画配信についてのお問い合わせを数多くいただいております。
 おうち時間を少しでも楽しく過ごしてもらうにあたり、弊社の絵本や童話を子どもたちにと考えてくださる、たいへん嬉しいお問い合わせではありますが、著作権者からの許諾なしに絵本の読み聞かせを配信することは、著作権法上の公衆送信権侵害に該当いたします。著作権法は、絵本作家をはじめとした著作権者の権利を守り、化を育てていくためのものです。出版社としても、読者のみなさんにきちんと知っておいていただきたい法律です。
 一方で、子どもたちに少しでも楽しいひとときを過ごして欲しいという思いはみなさんと同じです。つきましては、読み聞かせの動画配信にあたっては、ご利用をご希望される作品を事前に弊社に申請いただきますようお願いします。
 申請をいただいた作品については、著作権者(著者)にご意向をお伺いし、弊社より申請者の方にお返事を差し上げます。ご希望に添えない場合がございますこと、なにとぞご了承ください。
【申請窓口】
 動画配信申請やその他著作物利用のお問い合わせは、団体名、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)、作品名および利用形態・目的の必要事項を明記の上、こちら(copyrights@fukuinkan.co.jp)まで、ご連絡ください。
なお、弊社刊行物の二次的利用については、ホームページ「著作物の利用」ページにてFAQをもうけておりますので、合わせてご確認をいただきますと幸いです。
「著作物の利用」ページ:https://www.fukuinkan.co.jp/copyright.html
福音館書店としては、絵本は大人が直接読んであげることが大切であるという姿勢に変わりはございません。ご家庭など、環境が許す場合は、短い時間でも直接お子さんと触れ合いながら絵本を読んでいただければ幸いです。》
https://www.fukuinkan.co.jp/detail_contents/?id=90
私も絵本は直接読んでやることが大切だと思っている。プロに依存した「読み聞かせ」は、大人がそれを聞いて学習するのは良いが、子ども相手に展開する場合は、そのデメリットもしっかりと自覚しておく必要があるはずだ。

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2)【記事】羽海野チカが思い知ったSNSのチカラに乾杯だ!

漫画家・羽海野チカのこの連投ツイートがきっかけであった。連投は4月17日になされた。
《20年以上前だと思うのですが/ネットでとても面白いブログを書いている人を見つけまして/あまりにも章が面白いのでよく覗きに行っていたのですが/お医者さんになる所だった人だったらしく/忙しくなって更新が無くなって/でも何年経っても気になって/時折、ペンネーム等の断片で検索をして》
《その後お医者さんになられていて、ご家族もできて/また味わい深い落ち着いた感じになっておられて/でも、またそのブログも見つからなくなり/けれどある日/テレビをつけたら当時の教育テレビ?で/黒板のようなものをバックに専門分野の話を1人で語り続ける番組/で「これはあの時のあの人では」》
《本名も知らないのになぜわかったのか/よく自分でもわからなかったのだけれど/きっとこれあの時のあの人だ!と思い/「わ…!!立派に…立派になられて!」と/すごく驚きうれしくなり》
《それからも、見つからないのに/(しかもお名前の読み方が分からなくて/画面が流れていってしまった)/時々、断片で検索をしていた方が/また再び見つけた時/このウイルスの最前線で頑張っている方に/なっていらして/今、どんなに大変な場所で/立っておられるのかと思うと》
《会ったことも無いけれど/ずっと「面白い章を書いていた人」として/20年も私の記憶の中に座っていた/その人の今を思うと/何かして欲しいことは?と訊きたいけれど/知り合いでもなく、今、そんな質問をしたくても/病院の窓口の方にも/時間も余裕も無いと思うし》
《でも、その方がきっと/今、ものすごく大変で責任の重い場所で/きっといっぱいグルグルしながら/戦っていらっしゃって/もし、使い捨ての防護服も残りわずかを工夫して使って/いらっしゃたら…と思うと》
《何かせめて/届けたら、少し落ち着くものを/現場の皆さんに届けたい…と思ったのですが/ウイルスというものと戦う現場で/邪魔にならなくて危なくなくて/知らない人からいきなり届いても/少し助かるものって何なのだろうと/いくら考えてもなかなか思いつかなくて》
《邪魔にならなくて助けになるかもしれないものは/最前線には寄付なのか…?と思ったのですが/ホームページにそのような受付の記載は無く》
《とにもかくにも/まずは、私に出来ること/「家にいる」ことが/人と接する職業に/ついて下さってる方々を/守る事につながるはずなので/いつも通り机の前で絵を描き続けます/あとは換気をして手を洗う/咳エチケットに気をつけ/打ち合わせは電話で/アシさんには在宅にしてもらい/これを続けます》
https://twitter.com/CHICAUMINO/status/1251090192615698433

https://twitter.com/CHICAUMINO/status/1251127060304556034
すると4月18日に「20年以上前だと思うのですが/ネットでとても面白いブログを書いている人」本人からリプライがあったのである。
《もしブログがモカで、書いてた人がくつ王だとしたらめちゃ嬉しいです。私も3月のライオンを日々の生きる糧にしています。》
https://twitter.com/kutsunasatoshi/status/1251314973784997893
羽海野が応じる。
《くつ王さん!!/くつ王さんなのですね!?/初めまして、羽海野チカです!!/本当に、今、大変な中/くつ王さんはどうしていらっしゃるのだろうと/考えたら止まらなくなって昨夜ツイートさせて/いただいてしまいました/お話できる日が来るなんて!!》
https://twitter.com/CHICAUMINO/status/1251370897698508800
SNSを介して二人の初対面が実現する。「くつ王」のリプライ。
《くつ王です。僕の方こそ夢のようです。3月のライオンを読んでから、ずっと支えていただいています。ありがとうございます。
今は国立国際医療研究センターというところで感染症をしています。心が折れそうな日々ですが、羽海野さんの投稿を読んで最後まで頑張ろうと思いました。》
《今はヤフーで、感染症啓発目的の、モカと比べたら何の毒もないブログを書いています。世界が平和に戻ったらまたモカを始めることにしますね。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/
羽海野さんもお体に気をつけてください。連載の続きを楽しみにしています。》
https://twitter.com/kutsunasatoshi/status/1251371691277561861
https://twitter.com/kutsunasatoshi/status/1251373401937076225
「くつ王」が国立国際医療研究センターの忽那賢志であることが本人によって明らかにされたのである。
羽海野。
《このヤフーのブログは/RTさせていただいても良いでしょうか?/あと、「これをわかりやすく絵にして欲しい」/「こういう感じの説明イラストが欲しい」などありましたら、すぐ描いて送るので、DMにメッセージをください/ああ…モカがまた読みたいです…》
https://twitter.com/CHICAUMINO/status/1251374914323443712
忽那。
《もちろん大丈夫です。これからはモカテイストもぶっ込んでいくことにします。
それではイラストの案をメッセージさせていただきますね。本当にありがとうございます。》
https://twitter.com/kutsunasatoshi/status/1251377014545584128
忽那賢志が「くつ王」として公開していたブログは「ブルータス、おまえモカ」というそうだ。親切にも、これを発掘してくれたひとがいる。
https://twitter.com/raitu/status/1251680951370801152
https://web.archive.org/web/20071204033429/http://brute-mocha.jugem.jp/
「ねとらぼ」は4月20日付で「『20年前に読んでいたブログの管理人が感染症専門医になっていて心配』 漫画家・羽海野チカさんのツイートから奇跡の再会 → コラボイラストも実現する流れに」を発表している。
《その後羽海野さんから何かできることはないかと聞かれ、新型コロナ対策を啓発する絵を描いて、広めてくれないかとお願いすることに。その結果、『3月のライオン』の川本三姉妹が手洗いと咳エチケットについて注意喚起する、かわいらしいイラストが公開されました。》
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2004/20/news129.html
https://twitter.com/3_lion/status/1252458057218416640
解像度の高いバージョンは、白泉社のホームページからダウンロードできるようになるそうだ。
https://twitter.com/CHICAUMINO/status/1252185566428323840

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3)【記事】新型コロナ蔓延 どうする!どうなる?東京オリパラ2020

共同通信は4月21日付で「東京五輪追加負担に『首相同意』IOC見解、政府は否定」
新型コロナウイルス感染拡大による東京五輪パラリンピック1年延期に伴う追加費用について、国際オリンピック委員会IOC)は20日、「安倍晋三首相が、現行の契約条件に沿って引き続き日本が負担することに同意した」と明らかにした。日本側に負担を強いる姿勢をより鮮明にした。追加費用は3千億円規模が見込まれ、今後精査される。》
https://this.kiji.is/625136443938227297?c=113147194022725109
小説家の平野啓一郎がツイート。
《いい加減、現実的になるべき。来年、夏の東京五輪は不可能だし、そんな金があるなら、まず新型コロナ対策だろう。早く中止の決断を!》
https://twitter.com/hiranok/status/1252437253671907328
産経新聞は4月21日付で「橋本五輪相『事実でない』と不快感 東京五輪追加経費のIOC見解に」を掲載している。
《大会延期が決まった3月24日の安倍首相とバッハ会長の電話会談には、橋本氏も同席していた。橋本氏は「経費のことは一切、議題に入っていなかった。(IOCの見解には)驚いた」と述べた。IOCの負担についても「こういった緊急事態に置かれている中、IOCが状況をみながら予算を執行することは、あっていいのではないか」との見解を示した。》
https://www.sankei.com/tokyo2020/news/200421/tko2004210004-n1.html
香山リカがツイート。
《アスリートの皆さん、職員の皆さんごめんなさい。オリンピックのこと忘れてました。でもほとんどの人がそうなんじゃないですか。ここはいったん忘れて人も場所もお金もコロナ対策につぎ込みませんか。》
https://twitter.com/rkayama/status/1252447262443057154
小説家の山川健一のツイート。
《オリンピックは中止しかない。1年後に今の状況が収束しているはずはない。誰が考えたって分かるシンプルなことです。繰り返しますが、オリンピックは中止に! 3000億円出せるのなら補償に回してください。》
https://twitter.com/Yamakawakenichi/status/1252467451184455680
大塚英志事務所告知アカウントのツイート。
《やったところで海外観光客殺到するとも、経済疲弊してオリンピックで消費する余裕、残っているとも思えず、中止したほうがいい。オリンピックで諸々先伸ばして今があるんだから。》
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1252410948171689984
こんなツイートも投稿されている。
《オリンピックの延期をIOCが決定したと思ってる人がたくさんいるなぁ。オリンピックは不測の事態で中止になった時のための保険が掛けられてる。
中止ではなく延期となれば保険は使えない。
延長負担金が発生することが事前に通告されていたにも関わらず延期を希望したのが安倍晋三。全部アイツのせい。》
https://twitter.com/RedGolgo/status/1252495613200986113
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57971050T10C20A4CR0000/
朝日新聞デジタルは4月21日 18時05分付で「五輪の追加負担に 『首相合意』 IOC掲載、翌日に削除」を掲載している。
《来夏に延期になった東京五輪パラリンピックの追加経費について、国際オリンピック委員会IOC)は20日、「安倍晋三首相が現行の契約に沿って日本が引き続き負担することで同意した」との見解を公式サイトで発表した。大会組織委員会は21日、掲載内容を否定し、IOCに削除を要求。この記述は日本時間21日夕、IOCの公式サイトからなくなった。》
https://www.asahi.com/articles/ASN4P5TW0N4PUTQP018.html
清水潔のツイート。
《なんとも気持ち悪い話。IOCの公式サイト、五輪の延期にかかる費用を「日本が引き続き負担することで首相が同意した」との記載が削除された。オリンピックを巡る金の話は、おかしな事ばかりだ。真実はどこに。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1252546667905048578

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4)【本日の一行情報】

◎ライバル企業が絶賛しているということだろう。毎日新聞は4月21日付で「新型コロナ 首相の“口撃”で注目 『アサヒノマスク』実は高品質 150回洗濯可能/長時間快適」を掲載している。
《「繊維の街」として知られる大阪府泉大津市の南出賢一市長と泉大津商工会議所がマスク不足の解消を目指し、3月6日に市内の繊維メーカーに呼びかけて、市内と近隣の計6社(後に7社)がそれぞれに手作りで製造・販売したうちの一つだった。市や商議所のホームページには「必要な人にマスクが届かない状況を改善するため、泉大津ならではの良さが詰まったマスクを揃えました」「地元事業者が一つひとつ手作りでつくりました。“泉大津産マスク”は洗ってもまた使えるマスクで、経済的、環境にも優しいマスクです」とある。
朝日新聞の通販サイトで販売していたマスクを製造したのは、1917年創業の泉大津市の老舗繊維メーカー「大津毛織」。同社によると、マスクは計4層構造。綿は医療用レベルの原料を使うなどし、150回洗濯しても使えるという。1日1000~1500セットを社員約15人で手作りしているという。》
https://mainichi.jp/articles/20200421/ddm/012/040/044000c
有本香は、もちんアベノマスク擁護なのであろう。
《他社の件になぜか過剰反応する毎日新聞。「今こそ集団的自衛権行使」みたいな気分なのかしら。》
https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1252502147117092864
清水潔ツイッターで反応している。
《アベノマスク騒動で、首相が朝日新聞の記者に対し「御社も2枚3300円で販売していた」と“反撃”。しかし一回の洗濯で縮むアベノとは違い「アサヒノマスク」は高品質。150回洗濯可能で長時間快適 。なぜ、一国の首相から一メーカーが攻撃対象にされねばならないのか。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1252371474138099719
総理としての器が小さいということしか理由が思い当たらないのだけれど…アベノマスクの配給は既に始まっている。「BuzzFeed News」は4月21日付で「『効果がない』『間違ったメッセージ送る』布マスク2枚配布、専門家はどう評価したのか」を発表している。
《では、感染症の専門家は「布マスク2枚」政策をどう評価したのか。
神戸大感染症内科教授の岩田健太郎医師は「効果がない、あるいはコスト効果が極めて悪い策だと思います」と言う。
「もともと布マスクは、感染防御(口や鼻に病原体が侵入するのを防ぐ)においても、感染者が感染を広めない(口や鼻から病原体を撒き散らすのを防ぐ)意味でもエビデンスに乏しく、実質的効果は期待できません」》
《岩田医師は、感染がほとんど起きていない県なども含む全世帯に布マスクを配るのは「無駄であるばかりか、『マスクさえすれば大丈夫』という間違ったメッセージを送りかねない」と指摘する。》
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/two-masks

◎「春オンライン」というメディアがなかったならば、藝春秋は、こういう寄稿家を起用できなかったのではないだろうか。「刀剣乱舞」の論を提出したという筑波大学社会系助教の渡部宏樹は「春オンライン」に「星野源との”コラボ”動画炎上 安倍首相のコンテンツ力を過信したのは誰?」を発表している。
《最も標準的な解釈は画面の左右──つまり星野源と安倍首相──を対立構造で捉えるものだ。このような解釈はソ連の映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインの「衝突のモンタージュ」という発想に遡ることができる。
「衝突のモンタージュ」とは簡単に言えば、異なる二つの要素の衝突によって新たな意味や概念が生まれるというものである。例えば、以下の『戦艦ポチョムキン』(1925年)という映画のシーンでは、画面の上部に兵士たちが、画面の下部に彼らによって虐げられる市民が配置される。この二つの要素の衝突によって、映画全体のテーマである圧政に対する革命の正当性という観念が作り出されていくのである。》
https://bunshun.jp/articles/-/37326
簡単に言うとね、渡部がツイートしている。
《自堕落な権力者と彼が操作する音楽家を衝突モンタージュでぶつけて見せることで革命を引き起こすためのアヴァンギャルドな自己犠牲精神の現れか、あるいは単に首相周辺は首相を金正日と思っているかのどっちかなら後者だな。日曜の朝を返してほしい。》
https://twitter.com/kohkiwatabe/status/1249170977134653442
現在の新聞やテレビが圧倒的に欠如しているのは、ジガ・ヴェルトフであると私は指摘しておくことにしよう。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」に出て来る「私は、私が見える世界を皆に見せるための機械だ」という台詞は、ジガ・ヴェルトフからの引用である。ジガ・ヴェルトフは映画監督である。ちなみにエリア・カザンの「波止場」や「草原の輝き」で撮影を担当したボリス・カウスマンはジガ・ヴェルトフの弟である。ボリス・カウスマンのカメラマンとしてのデビュー作はジャン・ヴィゴの「新学期・操行ゼロ」である。

中日スポーツは4月19日付で「元NHK住吉美紀アナがコロナ疑い 19日肺炎で入院 PCR検査も…陽性かどうかはまだ判明せず」を掲載している。
《元NHKアナウンサーでフリーの住吉美紀アナウンサー(47)が肺炎で入院し、新型コロナウイルスに感染した疑いがあるとしてPCR検査を受けていることを19日、所属事務所が発表した。》
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2020041902100080.html

◎「IDEAS FOR GOOD」は4月20日付で「本に先払いしよう。閉鎖中の書店を助けるスペインのキャンペーン」を公開している。スペインのカタルーニャ州で3月後半から「本屋さんを開けよう(Open Bookstores)」というキャンペーンが始まったそうである。
《仕組みはシンプル。ウェブサイトに提示された6,000を超える書籍からお好みの本を選んで注し、本を受け取る店舗を指定。クレジット決済すると、本の代金全額がその書店に支払われる(書店への支払いは期間中に50%、店舗閉鎖期間が終了した後、店を再開すると残りの50%が支払われる)。本の受け取りはお店が再開してからとなるが、書店にとっては当面の支払いを工面できる。
https://ideasforgood.jp/2020/04/20/spain-book-store/
わが国でも、こういう仕組をできないものか。

◎「小学一年生」元編集長の渡辺朗典がツイート。
《休校措置も、子どもも親もそろそろ限界。これで5/6になって「延長します。策は無いです」だと精神の安定を保てない人が出る
なるべく早めに「秋まで休校!」と決めてしまって、秋からはオンラインで公教育ができるよう今から準備を進めるべき。
感染症なので、5/7から急に平時に戻るのはありえない。》
https://twitter.com/nabe_routen/status/1252244419861835776
「認定補聴器技能者の耳子」がリプライ。
《そんな中、オリンピック延期料3000億円日本が負担することに首相同意 お金あるなら、教育の保障、生活の保障に回して欲しい!》
https://twitter.com/g5z06AEDxjDjNOs/status/1252450909474308097
渡辺は同意したうえで、こう主張している。
《そうですね。
そろそろ、学校休校によるママパパたちのストレスも限界でしょう。これで5月6月とズルズルと延長、なんてことになったら、間違いなく、政権の支持率も下がると思います。
現政権ははっきり言って教育と子どもに冷たい。でもそこをないがしろにされたら怒るで!と示す必要があります。》
https://twitter.com/nabe_routen/status/1252469049184772096

森絵都直木賞受賞作「風に舞いあがるビニールシート」や100万部を超えるベストセラー「カラフル」など、庫に収録された8作品が電子書籍としてリリースされた。
https://books.bunshun.jp/articles/-/5437

集英社は4月20日、公式アプリ「ゼブラック」にて、「週刊少年ノベルジャンプ 2020特別号」を4月20日~5月12日の期間限定で無料配信している。
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1248239.html

◎「映画秘宝」が版元を双葉社に変えて4月21日に復活した。
《今日は復刊した『映画秘宝』の発売日です。出版社、印刷所、取次、物流に携わる皆様、そして今日から売ってくださる書店員の皆様のお陰で、当然のように発売される奇跡に感動しております。
普通に本が発売される喜び!
そしてご購入くださる皆様!大変なときに本当にありがとうございます!!!!》
https://twitter.com/tksthiho/status/1252419899047043076

◎4月19日放送のNHKサンデースポーツ」は創刊40周年を迎えた藝春秋発行の総合スポーツ誌「Number」を大特集していた。第1001号(4月16日発売)の表紙を飾ったのは笑顔の三浦知良だった。
https://getnews.jp/archives/2504790
新型コロナ危機を象徴する表紙として語り継がれるのかもしれない

◎「まんたんウェブ」は4月20日付で「ジャンプ+:『連載陣読み切りパック』配信 『鬼滅の刃吾峠呼世晴の『殊史郎兄弟』 尾田栄一郎『MONSTERS』も」を発表している。
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+」で、「週刊少年ジャンプ」(同)の連載陣の読み切りを集めた「【デジタル特別増刊】ジャンプ連載陣傑作読切パック」が4月20日、配信された。アプリの「週刊少年ジャンプ」定期購読者向けの特典で、「ONE PIECE」の尾田栄一郎さんの「MONSTERS」や、「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの「殊史郎兄弟」、「ハイキュー!!」の古舘春一さんの「詭弁学派、四ッ谷先生の怪談」などが掲載された。 デジタル特別増刊は、「週刊少年ジャンプ」21号の本誌の発売、デジタル版の配信延期に伴い、配信されることになった。》
https://mantan-web.jp/article/20200420dog00m200009000c.html

山形国際ドキュメンタリー映画祭に行ったならば、夜は「香味庵クラブ」で酒精を交わしながら世界の映画人と交流したものだ。新コロナウイルス感染拡大による観光客の激減が打撃となり、丸八やたら漬が5月末で廃業することになった。山形新聞は4月21日付で「丸八やたら漬(山形)廃業へ 販売減響き、感染拡大追い打ち」を掲載している。
《白壁が映える座敷蔵と趣深い木造の本店は、中心市街地の観光拠点の一つにもなっていた。2年に1度開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭で世界の映画関係者、観客が交流する「香味庵クラブ」としても親しまれた。座敷蔵の移設や部材の活用も考えられるが、現状では取り壊される可能性が高い。売却されるとみられる土地は約1900平方メートル。》
https://www.yamagata-np.jp/news/202004/21/kj_2020042100617.php

◎「J-CASTニュース」は4月20日付で「テレワークとは『戦い』である ネットニュース編集者が感じた『可能性と孤独』」を発表している
《仕事内容そのものには影響がないと書いたが、一方で変わったのがコミュニケーションだ。気軽に雑談できないもどかしさは、日を追うごとに積み上がっている。そこに拍車をかけるのが、諸事情により出社を余儀なくされている同僚の存在。実際にそんな事はあり得ないのだが、オフィスにしばらく顔を出していないと、新型コロナ収束後に「輪」へ戻れないのではないか、と疑心暗鬼になってしまう。》
https://www.j-cast.com/2020/04/20384529.html?p=all

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5)【深夜の誌人語録】

迷いとは観念の放浪なのである。迷いを大切にしなければならない理由である。