【文徒】2020年(令和2)6月10日(第8巻105号・通巻1762号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】米大使がNHK「これでわかった!世界のいま」に侮辱的で無神経だと抗議
2)【記事】サービスデザイン推進協議会と電通が記者会見を開催
3)【記事】箕輪厚介が謝罪を発表したけれど…
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.6.10 Shuppanjin

1)【記事】米大使がNHK「これでわかった!世界のいま」に侮辱的で無神経だと抗議

NHK「これでわかった!世界のいま」(毎週日曜午後6時5分~)の水先案内人であるMr.シップは、次のようにツイートしている。
ツイッターに掲載した動画について、多くのご批判・ご意見をいただいており、動画の掲載を取りやめました。
掲載にあたっての配慮が欠け、不快な思いをされた方にお詫びいたします。
詳しくはこちらをご覧ください。》
https://twitter.com/nhk_sekaima/status/1270221411332665344
このツイートに添付された章は次の通りである。
《「これでわかった!世界のいま」のツイッターに掲載した CG アニメーションにつきまして、多くのご批判・ご意見をいただいております。
掲載したアニメーションは、6月7日放送の「拡大する抗議デモ アメリカでいま何が」の中で放映したものです。
番組では、デモの発端が、黒人男性が警察官に押さえつけられて死亡した事件であることを紹介したうえで、今回の事件に様々な人たちが怒りを募らせている背景やトランプ政権の対応とそれに対する批判、アメリカ社会の分断の現状などを 26 分間にわたってお伝えしました。
CG アニメーションは、番組の中で、アメリカの黒人の人たちが置かれている厳しい状況をわかりやすくお伝えしようと、格差のデータや指標とともに約1分20 秒間にまとめたものです。
しかし、視聴者からこのアニメーションについて、問題の実態を正確に表していないなどというご批判をいただき、掲載を取りやめました。
掲載にあたっての配慮が欠け、不快な思いをされた方にお詫びいたします。
NHK では、人権を尊重し、取材や制作のあらゆる過程で細心の注意を払うよう取り組んでまいります。》
https://www.nhk.or.jp/program/sekaima/sekainoima_doganitsuite.pdf
ニューヨーク在住の米国弁護士・渡邉葉はリプライしている。
《「不快な思いをされた方に」お詫び?本当に何もわかっていない。そうじゃない。
「事実を著しく歪め、偏見を助長した」ことが批判されている。
それを理解しない限り、#NHK @nhk_sekaima は何も反省していないし、同じことを繰り返すだろう。》
https://twitter.com/YoWatShiinaEsq/status/1270224219503300609
駐日米国臨時代理大使のジョセフ・M・ヤングまでが侮辱的で無神経だと抗議しているのだ。
《米国の複雑な人種問題に焦点をあてようとする @NHK の意図は理解していますが、この動画ではもっと多くの考察と注意が払われるべきでした。使われたアニメは侮辱的で無神経です。》
https://twitter.com/USAmbJapan/status/1270217592418918401
孫崎享は次のように解説している。
NHKは何故こんなに早く謝罪と削除をしたか。「NHK、米デモめぐる番組動画 掲載やめ謝罪”配慮欠けた”」(産経)、答え簡単。ヤング米駐日臨代大使はツイッターで「使われたアニメは侮辱的で無神経です」とツイート。属国ですから。》
https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/1270313604953202688
「ハフポスト日本版」は6月9日付で「NHK番組の動画をアメリカ駐日臨時代理大使も批判。「侮辱的でデリカシーに欠ける描かれ方をしています」を発表している。
《内容は、番組のキャラクターが「白人と黒人の格差について説明する」というもの。
白いタンクトップを身につけた筋肉質の黒人男性が、「俺たち黒人と白人の貧富の格差があるんだ」などと話し、さらに、白人の平均資産が黒人の7倍にのぼることや、新型コロナウイルスの影響で多くの黒人が失業したり、労働時間が削られたりしたことを挙げ「こんな怒りがあちこちで噴き出したんだ」と締めくくっている。
一方、動画では黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件を受け、世界各地で広がる抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」には一切触れられていなかった。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5edf210fc5b621d9aa4d2d70
朝日新聞デジタルは6月9日付で「米デモ解説の動画に『差別的』の声 NHKが削除し謝罪」を掲載している。
《問題となった動画は、米国でデモが起きている理由を解説する1分強のアニメ。7日放送の番組内で放映し、同日中に番組の公式ツイッターで紹介された。
その中では、財布を握りしめた筋骨隆々の黒人男性が粗野な口調で「黒人より白人は平均で資産を7倍も持っている」「そこにコロナウイルスの影響がよう!」などと話し、抗議の背景にあるのは経済問題だと説明。男性の周囲には、黒人の男女が火などを持っている、暴動を連想させる様子が描かれた。
番組では抗議活動の起点となった警官による黒人の殺害や暴力についての解説があったが、SNS上に投稿された動画では全く触れられていなかった。動画が拡散されると、番組の公式ツイッターには「誤った認識を拡散するのか」などの抗議が殺到した。》
https://www.asahi.com/articles/ASN695CV1N69UCVL006.html
コラムニストのBaye McNeilは次のようにツイートしている。
《"あなた方は黒人のことがよくわからないと言い訳をしてきたくせに、黒人の問題や #BLM について誰からも話を聞かずに醜悪な差別的コメントの番組を作った。話が聞きたいなら我々はここにいる。しかしこのBS(醜悪極まる嘘)は許されない"》
https://twitter.com/BayeMcneil/status/1270125729137623040
Mr.シップは次のようなツイートも公開している。
アメリカ社会は、考え方の違う両者が互いにののしり合って、どんどん分断が深まっていってしまったんだ。》
https://twitter.com/nhk_sekaima/status/1269561000316960770
これを小田嶋隆がこうリツイートしている。
《なるほど「考え方の違う両者」が「互いに」「罵り合って」「どんどん」「分断」が「深まってしまった」と。いじめにもレイプにも応用可能な加害者擁護ですね。いわゆるセカンドレイプ言説そのまんまではありませんか。これをNHKが全国民に向けてテレビで放送したのか? マジか?》
https://twitter.com/tako_ashi/status/1270169132646850560
東京大学大学院総合化研究科教授の清水晶子もリツイートしている。
《例のNHK動画が「ご不快」謝罪で削除されたというので、問題は不快感ではなく歴史的構造的差別への抗議運動について不正確で差別的な説明をしたことだろうと思いつつアカウントを確認したら、このtwは残ったまま。根本的な理解をこれほど欠いたまま「世界のいま」とか無理だし、番組をやめるべきでは。》
https://twitter.com/akishmz/status/1270251055108943872
「日本型ヘイトスピーチとは何か」の梁英聖はNHKに問いかける
レイシズムを煽動し続けているトランプ政権の米大使館からも批判されるNHK
どれほど酷いレイシズムを煽動したか、NHKはわかってますか?
NHKは日本で差別を煽っただけでない。
世界中のレイシストを勢いづける「優れた」差別煽動アニメを、全世界に発信したわけですよ?》
https://twitter.com/rysyrys/status/1270245191736160256
能町みね子のツイート。
NHKのBLMについてのアニメ、問題がめちゃくちゃ歪曲化&省略されてるのも問題だし、最近のテレビのダメな部分も全部集約されている気がする。難しいものをとにかく易しく、なんでもユーモラスに、キャラ化して面白く、ってやっていった結果、深刻な問題まで全部大喜利みたいに消費することになってる》
https://twitter.com/nmcmnc/status/1270171965760786432
「これでわかった!世界のいま」の公式ホームページに掲載されているMr.シップによる四コマのカラーマンガは動画よりも酷くはないだろうか。
https://www.nhk.or.jp/sekaima-blog/200/430393.html
仲俣暁生も私と同じように感じたようである。
《流れてきたアニメーションも酷かったが、この4コマはもっと酷い。不手際ではなく確信犯的にやってる気がする。別部署だが中の人と会うので話を聞いてみよう。》
《他の回をみるとまるで政府広報みたいに思えるのですが…。》
https://twitter.com/solar1964/status/1270160064200884226
https://twitter.com/solar1964/status/1270160588975403008
「ジャパニーズ・アメリカ」の日比嘉高もこの四コマの存在に気がついている。
《NHKの動画に批判が集まっているのを見て、一応番組サイトを確認に行った。そしたら4コマ漫画も出してた。タイトルが「化するデモ」で、4コマのうち後半2コマが「過激すぎない?」&トランプのアンティファ発言になっていて、ちょっとほんとに感覚を疑う。》
https://twitter.com/yshibi/status/1270156471204851713
「これでわかった!世界のいま」には「前科」もあるようだ。
アメリカの駐日大使が抗議するにまで至った無神経で侮辱的なイラスト・動画を作ったこのNHKの番組には「前科」があるんですよね。https://bit.ly/2MIlh08率直に言って。この番組の制作陣、総入れ替えすべきだと思うよ。
https://twitter.com/deadletterjp/status/1270223898995421185
「前科」は、今から4年前に遡る。
NHK「これでわかった!世界のいま」18:10~
南シナ海問題を伝え、いきなり中国のことを中国共産党と表現。解説パネルの絵が怖すぎる!
これパンダで中国を表しているそう》
https://web.archive.org/web/20160719002325/https:/twitter.com/doyonnami/status/754613048631889921
これが公共放送なのか!
-----------------------------------------------------

2)【記事】サービスデザイン推進協議会と電通が記者会見を開催

地方紙も取材に動き始め、独自の記事を掲載している。信濃毎日新聞は6月9日付で「持続化給付金申請 サポート事務局『県担当』、見えぬ実態」を掲載している。
新型コロナウイルス対策で中小企業に最大200万円を支給する国の「持続化給付金」事業で、申請手続きを支援するため県内16カ所に開設された申請サポート会場の業務を担う「持続化給付金申請サポート事務局」について、複数の担当者が持つ名刺に記された東京都内の住所には事務局がないことが8日、信濃毎日新聞の取材で分かった。電話取材にも実態や受委託の関係を答えていない。事業を担当する中小企業庁も取材に詳細を明らかにしていない。》
中小企業庁は取材に、申請サポート会場の運営業務が電通子会社電通ライブなどを通じて複数の事業者に再々々委託されている―と説明。その上で「適当にやっているわけではない。地域ごとの詳しい委託先などの情報は手元にない」などとした。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200609/KT200608FTI090048000.php
東京新聞は6月9日付一面に「給付金事業 異例検査へ 有識者会議も設置」を掲載している。デジタル版のタイトルは「給付金委託先法人に異例の『中間検査』 電通などにも」となっている。
梶山弘志経済産業相は八日に記者会見を開き、国の持続化給付金事業を委託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会に対し、業務の執行体制をチェックする「中間検査」を行うと発表した。監査法人など外部の専門家も交えて六月中に開始する。通常、外部への委託事業は年度末に人件費など資金の執行状況を検査するが、六月の段階で外部の専門家を交えた中間検査を実施するのは異例。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/34297
「解説」の見出しは「身内への外注重ねる」。デジタル版では「769億円は法人→電通→子会社…身内で外注を重ねムダ遣いの疑念」。
《さらに電通は法人に隠れる形で子会社五社に業務を外注。子会社の一部も電通と同様に法人の設立に関わった人材派遣のパソナなどに、業務の一部を発注していた。委託・外注の回数が多くなれば、それぞれの企業で税金を「中抜き」されかねない。今回の構図では外注先も身内の企業ばかりなので、外注費を下げるような競争も働きにくくなっている。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/34298/1/
朝日新聞デジタルは6月9日付で「電通『通常より低い利益』 給付金委託問題、決着まだ先」を掲載している。
《連日話題となっていた持続化給付金の民間委託問題。業務を担う広告大手電通とサービスデザイン推進協議会の関係者が8日、都内で初めて会見した。具体的な利益の見通しなどははっきりせず、問題はすぐには決着しそうにない。
「一刻も早く給付金を届けるべく活動しているが、振り込みの遅れなどが発生している。加えて税金を取り扱う重要な事業なのにもかかわらず、事業体制への批判をいただいている。説明責任を果たしてこなかったことを深く反省する」
サービスデザイン推進協議会の代表理事になった電通グループ執行役員の大久保裕一氏は、会見の冒頭でこう述べた。》
https://www.asahi.com/articles/ASN68758YN68ULFA03M.html?iref=pc_ss_date
毎日新聞は6月9日付で「持続化給付金業務、『低い利益率』強調 サービスデザイン推進協議会と電通の記者会見詳報」を掲載している。
《持続化給付金の支給業務を受注した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」と、業務の97%を再受託した広告大手「電通が8日、東京都内で記者会見を開いた。協議会の平川健司・業務執行理事は「中小企業支援を目的に設立され、電子申請のノウハウを持つ協議会がやるべきと考えた」とし、電通の榑谷(くれたに)典洋・副社長は「通常と比べ低い営業利益になる見通しで、非常に難しい業務に取り組んでいる」とし、中抜きで巨利を得ているという見方を否定した。》
https://mainichi.jp/articles/20200609/k00/00m/010/031000c
時事通信は6月8日付で「推進協トップが説明不足陳謝 電通、再委託は『経理上の理由』」を配信している。
《政府の持続化給付金事業を受注した「サービスデザイン推進協議会」の大久保裕一共同代表理事は8日、同事業の不透明な事務費をめぐる問題について、東京都内で記者会見した。大久保氏は「説明責任を果たしてこなかった」と陳謝。推進協から事業を再委託され電通の幹部は、経理上の理由から巨額の公金を直接受け入れるわけにはいかなかったと経緯を説明した。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060800953&g=eco
「YAHOO!ニュース」は6月8日付で「THE PAGE」の「電通副社長『通常業務より低い利益』 持続化給付金の再委託で会見」を掲載している。
電通はさらに、複数のグループ会社に業務を委託していた。会見で、電通の榑谷典洋副社長は、グループ会社への委託は「われわれができ得る限りの品質」を追求したためと説明した。
この事業の利益率について問われると、同副社長は「経済産業省ルールで管理費は10%か電通一般管理費率の低い方で計上するようにと指導されている。我々の一般管理費率は10%を超えているので、今回はルールに則り10%とした。われわれが通常実施している業務に比較すると低い営業利益になる」と述べた。》
https://news.yahoo.co.jp/articles/eab32b302221eb664f239b9efd0ad6e3999e3b22
中国新聞デジタルは6月9日付で社説「≪新型コロナ≫対策事業の委託 透明性の確保が不可欠だ」を掲載している。
《民間企業のノウハウを生かせるなら、委託自体が悪いわけではない。だが協議会はその後、業務をそのまま大手広告代理店の電通749億円で再委託し、「丸投げ」していた。
さらに電通もグループ会社を通して人材派遣大手のパソナなど複数の企業に外注していた。多くの企業が絡めば、コストが膨らみ、利益が「中抜き」される恐れも高まる。政府は差額の20億円の使途や名目などを明らかにしなければならない。
協議会は4年前に電通などが役員を出して設立した。1日時点で理事は8人いて全て非常勤。職員は21人しかいない。どのように業務全体を管理しているのか。巨額事業を託す相手として適切だったのかは疑問だ。
なぜ電通に最初から委託しなかったのか。経産省は、過去の事業で電通が国の補助金の振り込み元になり、問い合わせが集中したからという。とても納得できる理由ではない。》
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=650720&comment_sub_id=0&category_id=142
沖縄タイムスは6月9日付で社説「[持続化給付金委託]政府は疑念を検証せよ」を掲載している。
《769億円で事業を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会(東京)が749億円で広告大手の電通に再委託していたのだ。業務を丸投げし、差額の20億円を「中抜き」していたのではないかとの疑いが払拭できない。》
《協議会はこれまで経済産業省の計14件(総額1576億円)の事業を受託。9件を電通などに再委託していた。協議会が電通などに仕事を回す「トンネル法人」ではないかと指摘されるゆえんだ。
ホームページには電話番号の記載もなく、法律で義務付けられている決算公告も1度も出していなかった。設立経緯や業務実態が不透明なのである。なぜこのような協議会が受託できたのだろうか。》
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/582916
熊本日日新聞も6月7日付で社説「コロナ対策事業 透明性高め適切な運営を」を掲載していた。
《売り上げが半減した中小企業に最大200万円を支払う「持続化給付金」は、所管する経済産業省が一般社団法人のサービスデザイン推進協議会(東京)に769億円で委託。協議会から大手広告会社の電通に749億円で再委託されていた。さらに同協議会は、理事8人すべてが非常勤で、16年の設立以来、法律が定める決算公告をしていないなど実体の乏しさが浮かび上がっている。
経産省は「協議会は事業全体を管理している」とするが、不自然さは否めない。国費を投じる事業を託す相手として適切なのか、委託費の差額20億円はどう使われているのか、なぜ事業を実質的に担電通と直接契約せず協議会を通したのか-。契約の詳細を明らかにし、疑念に答えるべきだ。》
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1484242/
これだけ多くの新聞がこの問題を社説で取り上げていることの「重さ」を電通は真摯に受け止めるべきだろう。
日刊ゲンダイDIGITALは「自民は電通から巨額献金 安倍首相ら“重鎮”政党支部に寄付」を掲載している。
献金を受領していたのは、安倍首相をはじめとした自民党の重鎮が代表を務める政党支部だ。安倍の支部は2011~14年に計40万円、二階俊博幹事長が代表を務める支部も、11~14年に計40万円の寄付を受けている。他にも、高村正彦前副総裁、小池百合子都知事林芳正元農相、野田聖子衆院議員ら、党の要職を務めてきた“お歴々”が代表の支部が10万~40万円の寄付を受けている。
自民党政治資金団体国民政治協会」にも、電通から巨額の資金が渡っている。今月5日付の「しんぶん赤旗」によると、国民政治協会は第2次安倍政権が発足した12年から18年までの7年間で、計3600万円もの寄付を電通から受領。毎年の寄付額は、480万~720万円に上る。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/274269
通産官僚出身で、自民党衆議院議員泉田裕彦は次のように首を傾げる。
《私が通産官僚時代は、委託先を選定する際に再委託費は50%を超えてはいけないという省内ルールがありました。50%を超えたら委託先と再委託先を逆にすべきと指導され厳格に守られていました。いつこれが崩れたのか?電通への再委託が認められたのは不思議です。》
https://twitter.com/IzumidaHirohiko/status/1269966403689263104
弁護士の紀藤正樹はサービスデザイン推進協議会と電通の記者会見について、次のように評価している。
《サービスデザイン推進協議会の新代表理事の大久保裕一氏は電通の出身。昨日までは平理事だった人。代表になってすぐに電通副社長と同席し記者会見。電通副社長の横で本当のことが言えるわけがない。前代表が傀儡っていうことも露呈した》
https://twitter.com/masaki_kito/status/1270007752945922050
フリージャーナリストの田中龍作は、記者会見では電通マンのスーツにも注目している。
《記者会見に登壇した電通幹部と電通OBは皆、仕立てのいいスーツを着ていた。田中は映画俳優の記者会見にも出たことがあるが、電通マンの方が上等だ。》
https://tanakaryusaku.jp/2020/06/00023083
元TBSテレビプロデューサーの氏家夏彦は次のようにツイートしている。
《テレビCMなどでは代理店手数料は20%以上が普通ですから、半分以下の設定ですね。低い利益で句だけ言われてお疲れ様です。複数の電通子会社に委託していることを批判する人もいますが、これだけ多岐にわたる事業を1社でできる企業などないでしょう。それより推進協議会に渡った20億の説明が知りたいです。》
https://twitter.com/natsu30/status/1270189080744062976
しかし、広告業界の常識やルールが何の説明もなしに一般社会に通じるはずはあるまい。
私もYouTubeで記者会見の様子を見たが、登壇している電通マンは、確かに下手な代議士よりも仕立ての良いスーツを着ていた。そうした高価なスーツを身にまといながら、「通常と比べ低い営業利益になる見通しで、非常に難しい業務に取り組んでいる」と言われても、そりゃあ、それだけ立派スーツを身につけられるほどの高給企業の高コスト体質からすれば、通常と比べ低いということになるのだろうと受け取られ、彼らの怒りにガソリンを投下するようなものである。そういう意味では広報戦略的に言っても「服装」には、もっと注意を払うべきであったろう。広告業界の弊風(=美風!)を引きずっているのであれば、こうした仕事に手を出すべきではなかったとも言えよう。
https://www.youtube.com/watch?v=6PcSCEax4Wo
OurPlanetTV代表の白石草が呟いている。
《政府は、高コスト企業に随意契約するのは辞めるべき。「私たちの管理費は高いんです!」と弁明されても…。》
https://twitter.com/hamemen/status/1270118058284118016
フリージャーナリストの志葉玲のツイート。
《そもそも、民間企業に業務委託する必要があったのか。経産省自治体でできることだったのでは?
どうしても民間の力が必要だったとしても、入札はきちんとして、適切なコストにすべきだったのでは。開示された書が真っ黒なので、電通副社長の言い分は信用できないな。》
https://twitter.com/reishiva/status/1270120330015596544
朝日新聞記者の鮫島浩は、意気込む。
電通東京五輪で税金を食い物にするビジネスに傾斜し、安倍内閣のシンクタンクとして税金を貪ってきた。そこへコロナ危機が到来し持続化給付金の中抜きが発覚した。コロナ不況による広告不振で税金ビジネスを一層拡大する腹づもりだろう。今ここで徹底的に叩く必要がある。》
https://twitter.com/SamejimaH/status/1269897317500346368
こんなツイートもあった。
《持続化給付金。一件五万円も手数料取って、「それでも足りない」と電通副社長。
それはノウハウを持っていないからでしょう?
二度とこんな企業に委託するな》
https://twitter.com/haha_takashi/status/1270089387645087747
電通の論理は、一般の生活者にとっての常識ではあるまい。ツイッターのタイムラインには電通に厳しいツイートが並んでいる。
《昨日の電通副社長の会見は国民を馬鹿にしているのかと見ていて呆れたけど同じ様に感じた人が多いみたい
営業利益が高い低いの問題じゃないんですよ
巨額の税金を扱うにも関わらず、そのプロセスが不透明な事が国民は疑問なんですよ》
https://twitter.com/Char_star_sun/status/1270115343281741824
《国から多額の税金を浮けとっておきながらピンハネして下請けへ再委託した問題で電通幹部は『利益低い』と説明…電通副社長は『利益低い=不正ではない』と本気で釈明になると思ってるのでしょうか。利益が低かろうが高かろうが、電通ではなく下請けに国が直接頼めば少しでも税金を節約できたはずです。》
https://twitter.com/TeacherChildish/status/1270115828369747968
電通とサービスデザイン協議会が記者会見を開きました!より疑惑が深まったと感じるのは、私だけでしょうか?怪しいですよね!出て来たのは今日、代表理事についたそうです?支給配布事業を別の場所でしている?中抜きの20億円は認めました!電通も104億円を中抜きした事を認めました!納得します?》
https://twitter.com/shingo19580312/status/1269982621724884993
《利益がいくらで、どんな仕事をしたの?電通を通さなかったら出来無いの?下請企業に丸投げなら、最初から国がその下請け企業に頼めば、経費は節約出来たのでは?
疑問が山程で、昨日の会見を見て納得できた人って、何人いるのでしょうか?》
https://twitter.com/shiseinokoe/status/1270087168040382470
映画「れいわ一揆」にも出演しているマリンバ奏者の片岡祐介は次のように決意を語っている。
電通が間に入っている仕事は断っています。行政が主催する変なイベントとか。
たっぷり中抜きされているにも関わらず、ギャラが良かったりするので「お金につられて引き受けて、結果イヤな目に合う」というのを、今まで数回繰り返してきました(笑)
今は、ぜったい引き受けない決意は強いです。》
https://twitter.com/Kinoko0427/status/1269803539582205952
田中康夫が次のように指摘していたことを思い出す。
《我が友 山本敏電通グループCEOは代表取締役櫻井翔君パパ櫻井俊社長と2人で
説明責任を果たした方が良くね!?ってか日本記者クラブが会見を求めるべきでしょ!》
https://twitter.com/loveyassy/status/1269404484104417280

-----------------------------------------------------

3)【記事】箕輪厚介が謝罪を発表したけれど…

朝日新聞デジタルは6月8日付で「セクハラ報道の箕輪氏謝罪 ニューズピックスブック終了」を掲載している。
《箕輪さんは「僕自身、一般的常識を欠き、傲慢な人間になっていたことを自覚し、深く反省しております」などとするコメントを投稿。「自分なりのけじめ」として、テレビ出演の自粛のほか、ニューズピックスと幻冬舎の協業で発行する書籍レーベル「ニューズピックスブック」の編集長を退任するとした。》
https://www.asahi.com/articles/ASN6871VPN68UCVL03R.html
これが箕輪厚介の謝罪ツイートである。《皆様へ》と呟き、次のよ章を添付している。
《一連の問題で不快な思いをさせ申し訳ございません。
僕自身、一般常識を欠き、傲慢な人間になっていたことを自覚し、深く反省しております。
今回の件に対する自分なりのけじめとして、テレビ番組出演等の活動を自粛致します。またニューズピックスブック編集長を退任致します。ニューズピックスブックは既刊の『東京改造計画』を最後に終了します。
これまで支えてくださったみなさま、心からありがとうございました。また直接ご説明できずに申し訳ございません。
いま一度自分の人生を見つめ直し、精進して参ります。》
https://twitter.com/minowanowa/status/1269901996636598273
6月9日に放映された「スッキリ」(日本テレビ系)の番組エンディングで、アナウンサーが箕輪の謝罪を読み上げた。「リアルライブ」は6月9日付で「加藤浩次、“セクハラ報道”箕輪氏に『この場で発言して』と伝えていた 『迷惑かけてるのは女性』キャンベル氏も厳しく糾弾」を発表している。
《これを受けて、加藤浩次が初めて口を開いた。彼は「(春の)あの記事が出てから、箕輪さん自身も『本当じゃないこともある』という風に言っていた」と切り出し、「『この場でしっかり発言してただきたい』と番組サイドとしても、僕個人としても、箕輪さんに伝えていた」と、コメンテーターとしての責務を果たすようにお願いしていたのだという。
そして、「何か反省があるんだったら、その場で言うというのが、テレビに出ている人間のやらなければいけないことではないか」と、何も言わずに箕輪氏が降板したことに不満を吐露。「箕輪さんとは、そこの考え方は違ったんだなというのはちょっと非常に残念に思っています」と、その逃げ腰の姿勢を改めて疑問視した。》
https://npn.co.jp/article/detail/200004795
6月8日付で「書籍レーベル『NewsPicks Book』終了のお知らせ」が発表された。
《ユーザベースグループの株式会社ニューズピックスは、5月発売の『東京改造計画』をもって、幻冬舎との協業で発行する書籍レーベル「NewsPicks Book」を終了いたします。
この度、「NewsPicks Book」の幻冬舎側の責任者である箕輪厚介氏に関わる一連の問題を重く受け止め、今回の終了を決断いたしました。同時に、箕輪氏本人からも、自ら責任を取って退任したいとの申し入れがありました。
2017年4月の創刊より、本レーベルの書籍をご購入いただいた皆様へ深く感謝申し上げるとともに、突然の終了となることを心よりお詫び申し上げます。
なお、2019年10月にNewsPicksが創刊した書籍レーベル「NewsPicksパブリッシング」は継続いたします。
今後も、NewsPicksのサービスや、記事、動画、書籍、イベントなどのコンテンツを通じて、ユーザーの皆様、読者の皆様に良質な経済情報をお届けできるよう全力を尽くして参ります。》
https://www.uzabase.com/ex/company/news/newspicks-book-end/
集団的自衛権の思想史―憲法九条と日米安保」(風行社)などで知られている国際政治学者の篠田英朗がツイートしている。
《新書まで含めて、学者が付き合う編集者は真面目な方々ばかりなので、同じ出版業界でも天と地ほどの差があるのだなあ、と痛感する。》
https://twitter.com/ShinodaHideaki/status/1270145322375761920

-----------------------------------------------------

4)【本日の一行情報】

産経新聞共同通信から配信された「日本、中国批判声明に参加拒否」を削除した理由がわかった。産経新聞は6月8日付で「政府 対中非難 G7外相共同声明を調整 菅氏『失望の声ない』」を掲載している。
菅義偉官房長官は8日の記者会見で、中国による香港への国家安全法制導入をめぐり、「米国や英国などはわが国の対応を評価しており、失望の声が伝えられた事実は全くない」と述べ、「米国などから失望の声が出ている」とする共同通信の記事を否定した。先進7カ国(G7)の外相は中国に制度導入の再考を求める共同声明を出す方向で調整しており、日本政府はこれを主導する考えだ。
https://www.sankei.com/politics/news/200608/plt2006080029-n1.html

◎「ガラスの城」「聖ロザリンド」「悪女シリーズ」などの作品で知られている、わたなべまさこは1952年デビュー、2006年には女性漫画家として初めて旭日小綬章を受勲している少女漫画の巨匠だ。現在、91歳になるわたなべが「JOUR 素敵な主婦たち」7月号(双葉社)で新連載「中国怪異譚 朱い紐」をスタートさせた。何と「密」を避けるためアシスタントなしで描き上げたそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000181.000014531.html
https://futabanet.jp/articles/-/81240?page=1

◎「FINDERS」は6月8日付で「ネットメディアの脈を熟知する人気ライター・ヨッピー氏、中川淳一郎氏が『博報堂入り!Withコロナ時代は組織の枠超えが加速?」を公開している。博報堂執行役員の嶋浩一郎は次のように発言している。
《まず、広告の作り方自体が変わっていること。だから、中川やヨッピーさんの持つネット脈を理解するナレッジは、博報堂にとても重要だと考えました。それから、ダイバーシティSDGsで言われる新しい働き方がうちの会社にあってもいいなあと考えたんですよ。
中川にしろ、ヨッピーさんにしろ、フルタイムの正社員ではなく、フリーでやっているからこそ、組織にいる人間にはできない体験ができているわけです。そうした人たちが“週一社員”のようなかたちで、ゆるい連携ができるといいなと考えていました。旧知の仲の中川には、「お前は博報堂に帰って来い」とずっと言っていた経緯もあって、今回ついに出戻ることになりました。》
中川淳一郎の発言。
博報堂には、業務委託契約を結んで毎週火曜日に来ています。基本的には、ヨッピーさんも僕も社内の「よろず相談役」として、小さな相談でも受け付けています。それから個別にPRの相談を営業やプランナーから受けています。今は、ヨッピーさんと僕が2人で一緒に担当している案件もありますよ。》
これはヨッピーの発言。
《意外と広告業界の人もインターネットのことをそこまで追いかけていないんだなということを実感しましたね。ネット業界の人ならみんな知っていることも業界が違うと知らない人も多くて。でも、テレビCMの制作担当だからといってネットを知らなくていいという時代ではないですよね。
そういう意味でも、まだまだお伝えできることがあるんじゃないかと。具体的に「この表現を今やると絶対にたたかれる」とか、「これをちょっと入れておくだけで印象が変わります」といった、ネット廃人だからこそわかるような脈もあるので。》
https://finders.me/articles.php?id=2016&p=1

小学館の美容誌「美的」は「フローラノーティス ジルスチュアート」とコラボし、晴雨兼用で遮蔽率99%以上のハイスペック日傘とSPF50+・PA++++のUVプロテクターというダブルで紫外線を防ぐ「無敵のUV対策キット」(¥4,900+税)を発売している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000693.000013640.html
https://www.biteki.com/life-style/others/552884

◎漫画家のはすみとしこが次のようにツイートしている。
《伊藤詩織さんへ。
550万円欲しかったら、私が木村花さんの様にならないよう、最新の注意を払った方がいいんでねぇの?》
https://twitter.com/hasumi29430098/status/1270124029140021248
これを#KuTooの石川優実リツイートしている。
《それは伊藤詩織さんではなくそのようなツイートをする人へ言うべきです。
そうやって訴訟する権利を奪おうとするのはやめてください。詩織さんはご自身の被害を訴えているだけです。》
《そしてはすみとしこさんに彼女が言っているような誹謗中傷を投げている人はやめてください。
批判は事実に基づきするべきで、関係ないことや侮辱、死ねなどの脅迫は誹謗中傷です。
そのような言葉は使わなくても批判できるはずですし、詩織さんに連帯できるはずです。》
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1270164784277671936
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1270170369857425409
江川紹子リツイートしている。
《他者の被害には鈍感で、平気で人格攻撃をする人が、自分に対する非難には強い被害者意識を示す、というのは、結構ありがちな現象かもしれない》
https://twitter.com/amneris84/status/1270165279402688512
これは豊崎由美リツイート
《あなたの問題に、木村花さんの名前を出すのは不謹慎です。自殺を匂わせて伊藤さんを脅すのは卑怯です。さんざっぱら大胆不敵な誹謗中傷をしてきて、こんなツイートを投下するなんて案外小心者なんですね。》
https://twitter.com/toyozakishatyou/status/1270162447161192450
香山リカリツイート
《はすみさん、そこは「最新の注意」じゃなく「細心の注意」ってしないと!(小声)》
https://twitter.com/rkayama/status/1270149076923805696
東京新聞の佐藤圭は、はすみとしこについて次のようにツイートしている。
《はすみ氏はフェイスブックのグループ「安倍総理を支える会」の中心的な人物だった。シリア難民を中傷するイラストは、国際NGOの職員で写真家のジョナサン・ハイアムズ氏の作品を無断で借用。 はすみ氏は国際的な批判を浴び、FBへの投稿を削除せざるを得なくなった。》
https://twitter.com/tokyo_satokei/status/1270197953097957377

◎「上越タウンジャーナル」は6月8日付で「大型書店が妙高市ら消える 教堂書店新井店が7月12日で閉店」を発表している。店舗面積が約495平方mで、オープン当初は約9万冊の品ぞろえを誇っていたという。
上越地域では、昨年2月に「戸田書店上越店」が閉店し、今年3月にはバロー上越店内の「くまざわ書店上越店」が閉店したばかり上越地域に計3店を出店していた地元妙高市の老舗書店「栄堂」は、2017年10月に破綻している。
妙高市には大型書店がなくなり、妙高市中心市街地から約11km離れた上越市大貫4の「蔦屋書店高田西店」が一番近い大型書店になる。》
https://www.joetsutj.com/articles/53722536

-----------------------------------------------------

5)【深夜の誌人語録】

成功は失敗のもとである。