【文徒】2020年(令和2)6月12日(第8巻107号・通巻1764号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】小学館が仕掛ける書店巡礼「御書印プロジェクト」!
2)【記事】持続化給付金問題で問われているのは「倫理観」
3)【本日の一行情報】
4)【人事】オレンジページ 2020年6月11日付
5)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.6.12 Shuppanjin

1)【記事】小学館が仕掛ける書店巡礼「御書印プロジェクト」!

下野新聞は6月10日付で「『御書印』ひそかな人気 那須の書店、絵柄は九尾の狐」を掲載している。
《来店者が持参した帳面などにオリジナルスタンプを押す、高久丙の書店「那須ブックセンター」の御朱印ならぬ「御書印」が好評だ。》
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/321142
小学館と書店がコラボしての「御書印プロジェクト」をご存知だろうか。全国の参加書店で御朱印ならぬ「御書印ください」と伝えると、訪問した日付と3つの印、そして各書店のメッセージや書店が選んだ本の一節がもらえるというものである。3月1日より全国46の書店で始動しているが、小学館パブリッシング・サービス 営業企画部の小川宗也のアイデアである。「和樂web」も一枚噛んでおり、同サイトは3月26日付で「書店と人の思わぬ出会いにワクワク!全国46店参加の『御書印プロジェクト』って何だ?」を発表しているが、そこで小川は次のように語っている。
《たしか2019年10月末だったかな。荻窪のとある書店に立ち寄った帰り道、とつぜん「御書印」というフレーズが舞いおりてきたんですよ。》
《書店のレジで「御書印ください」と伝えると、店主が手帖に印を捺して、一筆をしたためてくれる。御書印というフレーズからそんな妄想が膨らみました。》
https://intojapanwaraku.com/editorgo/85679/
「御書印帖」までもが用意されている。しかも無料である。どのようにすれば良いかといえば、「プルリー」が手順を公開している。
《御書印帖(御朱印帖で代用可)を持って行って、本屋さんに行く

店員さんに「御書印ください」と声をかける。

御書印代(各書店で異なるみたい)を払うと、
①その本屋さんオリジナルのスタンプ
②御書印マークのスタンプ
③お店のナンバーが入ったスタンプ
④お店からのメッセージや、お店オススメもしくはゆかりのある本のタイトルや一節(スタンプまたは直筆)
⑤来店日(直筆)

御書印完成。》
https://proof-reader.net/gosyoin-report01/books-and-publishing/
https://twitter.com/goshoinclub/status/1268739354064818176
神保町では内山書店も参加しているのか!創業者の内山完造は書物を「知識の源泉 人格の原動力」として捉えていた。
https://twitter.com/uchiyamasyoten/status/1234772378174943232
往来堂書店は「なんかたのしい おうらいどう」。なるほど書店とは「なんかたのしい」場所である
https://twitter.com/tyouken/status/1234623556455026688
王様書房は遠藤周作の「沈黙」を推薦している。
https://twitter.com/sutekinayokan/status/1270667824340463616/photo/1
朗月堂書店の御書印も欲しくなる。
https://twitter.com/goshoinclub/status/1267652167852347394
6月8日には第二次参加書店が加わり、全国137書店となった。どういう「御書印」があるかといえば、こんな感じ。不思議なもので、これを見ていると欲しくなる。長崎次郎書店なんか、特にね。若林書店も良いなあ。旅、読者、書店というトライアングルはなかなか魅力的である。新型コロナによる緊急事態宣言に巻き込まれ、このトライアングルの面白さが発揮されるのは、これからであろう。それこそ「go to書店」キャンペーンをダイナミックに展開できる可能性を孕んでいるのだから。
https://scrapbox.io/goshoin/
実際、こんなツイートが投稿されている。
《旅行に行けるようになったら、本屋さん巡りをするのが楽しみ。
https://twitter.com/kawasemi_tsuyo/status/1265590604022472709
御書印グッズも販売している。iPhoneスマホケース、ジェットキャップ、アノラックなどが用意されている。
https://suzuri.jp/goshoin
新潟市の本の萬松堂がツイートしている。
《当店の御書印をご紹介します。オリジナルスタンプは、ブックカバーをベースにしたデザインです。書名、作家名は、「めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる」草思社 横田早紀江。めぐみさんが通っていた学校から近い書店であり、これまらも拉致問題を風化させないためにという理由から決めました。》
https://twitter.com/honbanshodo/status/1270183150853820416
本の萬松堂の創業は江戸末期である。渡邉製本も噛んでいるのか。
https://twitter.com/goshoinclub/status/1270233554664910848
渡邉製本による御書印帖特装版とはワクワクするではないか。究極のノートとも言うべき「BOOK NOTE」は渡邉製本の仕事である。これは販売されるようだ。うん、買おう。
http://www.booknote.tokyo/
http://www.booknote.tokyo/store
北海道利尻島にある本庫屋書店も参加している。遠いよあ。でも、行ってみたいなあ。
https://twitter.com/goshoinclub/status/1268090053970014213

-----------------------------------------------------

2)【記事】持続化給付金問題で問われているのは「倫理観」

春砲」が炸裂し続けている。今週は「アンジャッシュ渡部建
複数女性との不倫認める」。六本木ヒルズの地下駐車場に隣接した多目的トイレがすっかり有名になってしまった。
《都内在住会社員の女性Xさんが「週刊春」の取材に重い口を開く。
「たしかに私と渡部さんは、多いときには週2回ほど関係を持っていました。結婚後も別れることなく、トータルで30回は超えているかもしれません」
そのうち、渡部が密会場所として指定するようになったのが、東京都港区に聳える六本木ヒルズだった。》
https://bunshun.jp/articles/-/38334
https://bunshun.jp/articles/-/38320
左肩が渡部建なら、右肩は「ウソの女帝 小池百合子と同居男『疑惑の錬金術』」。
《7月5日に迫る東京都知事選に向け、その動向が注目される小池百合子都知事。「週刊春」が小池氏の関連団体の支払いや東京都の予算を調べたところ、PR会社「ベクトル」(東京都港区)とその子会社に対し、巨額の支出をしていた。また、ベクトル社の代表取締役社長・長谷川創氏と、小池氏の元秘書で前回知事選直前まで資金管理団体の会計責任者を務めていたM氏との間に複数の不動産取引があることが分かった。》
https://bunshun.jp/articles/-/38326
今の「週刊春」が凄まじいのは、更なる三本目のスクープも用意しているところだろう。「経産省最高幹部と幽霊法人電通社員 テキサス"癒着"旅行」がそうだ。
経産省中小企業庁が一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、サ協)に発注した持続化給付金問題。経産省の最高幹部、前田泰宏中小企業庁長官(56)が、民間業者とアメリカ・テキサス州へ視察旅行をしていたことが「週刊春」の取材で分かった。前田氏らはアパートの一室を借り上げ、「前田ハウス」と称し、共に宿泊していた。サ協を取り仕切っていた平川健司業務執行理事も「前田ハウス」でのパーティに参加していた。
2016年の設立直後から、サ協は「おもてなし規格認証事業」を皮切りに3事業を次々と受注。これらの事業はすべて経産省の商務情報政策局サービス政策課から発注されており、この間、前田氏は同局担当の大臣官房審議官だった。》
https://bunshun.jp/articles/-/38333
誰よりも慌てたのは経産省であったようだ。朝日新聞デジタルは6月11日付で「経産省電通と会食報道で異例の書 『法に抵触ない』」を掲載している。
《持続化給付金をめぐり、連日批判を浴びていた経済産業省が追い詰められている。10日には「春オンライン」が、前田泰宏・中小企業庁長官が2017年に海外で開いたパーティー電通社員が同席していたと報じた。経産省は同日夜に、懇親会があったことなど報道内容を一部認める異例の書を発表した。》
https://www.asahi.com/articles/ASN6C2HBKN6BULFA047.html?ref=tw_asahi
しんぶん赤旗日曜版」によれば二人とも「家電エコポイント」の担当だった。
電通経産省の癒着は11年前から続いていた―。持続化給付金事業を受託した社団法人理事の電通元部長と、給付金を所管する中小企業庁の前田泰宏長官がそろって09年に「家電エコポイント」の担当だったことが判明。「経産省電通に外注先を紹介した」との証言も。癒着の原点を追います。》
https://twitter.com/nitiyoutwitt/status/1270608425781608448
衆議院議員原口一博がツイート。
《持続化給付金事業を調査しているが元と現、2人の中小企業庁官の名前が出てきた。
A事務局企業の1つTOW顧問に元長官長谷川榮一氏がかつて就任していたが現在の首相補佐官と同一人物である事。
B前田泰宏長官が平川健司サ推協業務執行理事(当時電通社員)とSXSW視察旅行。》
https://twitter.com/kharaguchi/status/1270821216866021377
国民民主党代表の玉木雄一郎のツイート。
経産省の内規では談合等の疑いを持たれないよう入札希望者と事接触する場合には接触記録票を残すこととされているが、今回提出された記録票は中身がスカスカで透明性や中立性を確認できるものではなく、かえって電通ありきの疑惑が深まった。より詳しいメモがあるはずだから、その提出を求めていく。》
https://twitter.com/tamakiyuichiro/status/1270693052009463808
朝日新聞デジタルは6月11日付で「『前田ハウス』で電通関係者との接触認める 前田長官」を掲載している。
蓮舫氏が、男性と「現地で会ったか」と追及したのに対し、前田長官は「少し接触があった」と認めた。自身は友人が借りたシェアハウスに宿泊し、そこで毎晩パーティーが行われ、意見交換をしていたと説明したうえで、男性が「そのパーティーに1度だと思うが参加したのではないかという記憶がある」と語った。そのほか「コーヒーバーみたいなところで話した記憶がある」とも述べた。
週刊春は、「前田House」「雑魚寝宿泊。女子部屋あり」「ビール、ワイン飲み放題、軽食フリー」などと記載された書の内容も報じている。前田氏は答弁で「そういうチラシがあることは事実」とも認めた。》
https://www.asahi.com/articles/ASN6C3Q6HN6CUTFK004.html
時事通信は6月9日付で「『広告代理店内閣』とやゆ 衆院委で辻元氏」を配信している。
《9日の衆院予算委員会で、立憲民主党辻元清美幹事長代行が安倍晋三首相との質疑で、安倍政権を「広告代理店内閣」とやゆした。持続化給付金の支給事務に大手広告代理店が関わっていることに引っかけたもので、久々に「辻元節」が飛び出した。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060900785&g=pol
時事通信は6月11日付で「持続化給付金『再々々々委託』 政府も全容把握できず」を配信している。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中小企業などを支援する持続化給付金事業をめぐり、支給事務の委託や外注が繰り返される不透明な実態が9、10両日の衆院予算委員会の審議を通じて明らかになった。「再々々々委託」まで広がる構図を指摘する声も上がるが、政府は全容を把握し切れていない。野党は「国のチェックが行き届いていない」と批判を強めている。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061001067&g=pol
「再々々々委託」が6月11日ツイッターのトレンドに入った。アクシア代表取締役の米村歩のツイート。
《再々々々委託というワードがトレンドに出てるけど、IT業界でも再委託は一般的。下請けに仕事を流すことそれ自体を問題とは思わないけど、自社では何の付加価値も提供しないのに完全にマージン抜くことだけを目的とした再委託が横行しているのは大問題だよね。こんな会社が介在するメリットが全くない。》
https://twitter.com/yonemura2006/status/1270885294410104832
弁護士の川口創は、「再々々々委託」について次のように指摘している。
《この国では、「事業の効率化」と言って公務員を減らして続け、「民間へ」とされてきましたが、「民間」で「再々々々委託」しているのなら、「事業の効率化」からは程遠い、むしろ真逆だと思うんですが。》
https://twitter.com/kahajime/status/1270868407789817858
茂木健一郎は「なんだか、委託のねずみ講みたい。。。効率の良い行政からは程遠いですね。。」と呟いたところ、ビジネスは委託は常識、そんなことも知らないのかという反応も多かったようだ。しかし、である。
《ジョークでツイートしたのに、ビジネスは委託は常識、そんなことも知らないのかというドヤ顔ビジネス系ツイートが多数で疲れる。それくらい誰でも知っているでしょう。一方middlemanをAIなどで中抜きする議論なんて大昔からある。「再々々々委託」のどこに付加価値が?ドヤ顔の面々将来仕事なくなるよ》
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1270898467070607361
いずれにしても、電通時事通信に「再々々々委託」とまで書かれるとは、時事通信の最大の得意先を考えれば夢にも思っていなかったのではあるまいか。共同通信にしても6月10日付で「持続化給付金と電通
国策実動部隊の顔も、裏方徹し地位確立」を配信している。
《国内最大手の広告代理店として名をはせる一方で、霞が関の「実動部隊」としての顔も併せ持つ。》
電通はグループ副社長に元総務事務次官の桜井俊氏を抱える。業種別の売上高では官公庁・団体がトップ5に入る得意客だ。経産省幹部は「電通でなくても早く確実に事業を行える企業であればどこでも歓迎だ」と口では語るものの、電通の人脈と実績に霞が関も絶大な信頼を寄せているのが実情だ。》
《…持ちつ持たれつでやってきた霞が関からも「功罪相半ばする」(経済官庁幹部)との評価が聞かれる。》
https://www.muromin.jp/news.php?id=5706
毎日新聞は6月10日付で「持続化給付金 5月1日、2日申請の1万件超が未払い 全体の3.5%」を掲載している。
経済産業省は10日、新型コロナウイルスで打撃を受けた中小企業などに支給する「持続化給付金」について、受け付けを開始した5月1日と2日に申請された計約28万7000件のうち、約3・5%の1万件超が未払いになっていることを明らかにした。事業に関わる事業者の全体像を示す資料を、経産省が受け取ったのが8日だったことも判明。巨額事業をコントロールできていない実態があらわになっている。》
https://mainichi.jp/articles/20200610/k00/00m/040/256000c
毎日新聞は6月11日付で「持続化給付金委託法人の入居ビル、まるで『電通公共政策部』 経産省6事業の事務局に」を掲載している。
《持続化給付金の業務が活動実態の乏しい一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に外部委託され、大部分が広告大手の電通再委託された問題で、同協議会が入居する東京都内のビルに、電通経済産業省から受託した事業の事務局が他に六つ入居していることが判明した。6事業を合わせた電通への支払額は15億円超にのぼり、このビルが電通が請け負った経産省関連業務の事実上の集約拠点になっていた。野党は「ビルは事実上の『電通公共政策部』。経産省電通の関係の深さを示すものだ」と批判している。》
https://mainichi.jp/articles/20200611/k00/00m/040/015000c
東京新聞は6月11日付三面で「給付金の受託法人、事務所また無人に 前日に報道公開」を掲載している。小手先だけの広報対応は即刻止めるべきである。
《国の持続化給付金業務を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会の東京都内の本部事務所は十日午後、無人だった。法人は前日九日、報道機関の代表取材に内部を公開したばかり。「実体に乏しい」という疑念の払拭に努める姿勢を示したが、訪れた野党議員は「パフォーマンスだった」と批判した。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/34780
東京新聞編集局がツイッターで、この記事を紹介している。
《やっぱり実態なし。給付金の受託法人の事務所は報道公開の翌日、また無人になっていました。実態があるかのようなパフォーマンスだったことが明白に。》
https://twitter.com/tokyonewsroom/status/1270887449120501765
舩田クラーセンさやかがリツイートしている。
《これ・・・マジで。声を大にしていいたいが、日本の皆さん、怒ったほうがいいよ。20億円が中抜きされてたことを隠すための、1日工作だった訳。日本の納税者、議員、メディアが、いかにこの政権とそのオドモダチにバカにされてるが、いい加減気づく良い機会じゃない?皆の命・健康・暮らしに直結してる》
https://twitter.com/sayakafc/status/1271035419187204096
東京新聞のこの日の一面は「持続化給付金 審査現場は『素人が大半 大丈夫か』」である。電子版のタイトルは「給付金の審査現場は『素人が大半』
下請け派遣社員が証言」。
《「『資料を読んでください』と指示され、ほぼ一日、何もしなかった」。東京都北区にある審査現場で働いていた男性は、五月一日の申請初日から数日間のことを振り返った。後に、初日は申請が殺到したことで経産省中小企業庁のホームページにアクセスしにくくなっていたことが分かった。初日と二日の申請分のうち、一万件超の未入金があることが六月十日、明らかになった。
審査は次から次へと回ってくるのではなく、待ち時間の方が長い日もあったという。「時給が付いているのに居眠りする人もいて無駄が多い」と業務の進め方に疑問を持った。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/34782
北海道新聞は6月10日付で社説「補正予算審議 ずさんな使途にメスを」を掲載している。
《持続化給付金は、実態が不透明な一般社団法人から電通を通じ事務の委託や外注が繰り返された。
いわば中小企業を救うお金が一部の大手企業に「中抜き」され、食い物にされた―。そんな疑念が拭えないと言って過言ではない。
経済産業省は予算執行の妥当性を検査するという。国会の追及を逃れる時間稼ぎではないか。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/429101?rct=c_editorial
信濃毎日新聞は6月10日付で社説「政府コロナ対策 国会の会期延長し検証を」を掲載している。
《給付金では、経済産業省から769億円で委託を受けたサービスデザイン推進協議会が、電通にほぼ全額を再委託。電通は子会社を通じ、業務を複数の企業に外注していた。
協議会が経産省に示した事業の詳細な中身も、野党の合同ヒアリグで事実上の非開示とされた。入札の中身も不明である。
本紙の取材では、給付金申請の県内サポート会場の運営者がはっきりしないことも判明した。
電通は、直接受託しなかった理由を「巨額の預かり金を貸借対照表に計上するのは不適切」としている。公金事業を担うなら決算書で内容を明らかにするのは当然だ。納得できる説明といえない。
再委託が繰り返されると、契約の全体を把握するのが難しくなる。「中抜き」など無駄な経費が生じている懸念が拭えない。責任の所在も不明確になる。
会計検査院は2003年度決算検査報告で「再委託は契約の適正な履行を阻害する」と指摘した。それ以降、財務省が中心になって進めてきた改革にも逆行する。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200610/KT200609ETI090006000.php
「税理士ドットコム」は6月10日付で「給付金『税金ピンハネ惑』、行政学者『なぜ協議会が落札できたのか不明。国は説明責任を』」を公開している。中野教授とは神戸学院大学教授の中野雅至(行政学)である。
《中野教授が「最も問題」と指摘するのが、今回行われた一般競争入札(総合評価落札方式)の基準を考えた時に、協議会が落札した説明がつかないという点です。総合評価落札方式は、価格と価格以外の要素を総合的に評価して判断します。持続化給付金事業の入札には、コンサルティング会社デロイトトーマツのグループ会社も参加しました。
中野教授は「デロイトトーマツのグループ会社がよほど高い価格を提示したのなら別ですが、組織体制や実績があると思われる会社がなぜ協議会に負けたのでしょうか」と疑問視します。経産省は企業側が入札額を明らかにすることを望んでいないとして非公開にしていますが、中野教授は「この点を今後、経産省がどう説明するか注目しています」と話します。》
https://www.zeiri4.com/c_1076/n_936/

-----------------------------------------------------

3)【本日の一行情報】

◎「週刊現代」の編集長に石井克尚が就任する。神津陽や福井紳一の教え子である。

◎宝島社のファッション誌「SPRiNG」7月号の付録は「JOURNAL STANDARD」(ジャーナル スタンダード)とコラボしたUV99%カット&遮光率99%の折りたたみ日傘で、雨天兼用。税込1290円。
https://bg-mania.jp/2020/06/09342544.html
「SPRiNG」7月号の発売日は5月23日であり、今頃になってパブリシティを効かせようとしているのは、店頭に7月号が残っているからだろう。

白泉社は「夏目友人帳」25巻を発売したが、「LaLa」7月号(白泉社)付録と対になるデザインのニャンコ先生のフィギュアストラップ付き特装版も用意している。
https://books.j-cast.com/topics/2020/06/09011929.html

◎学研プラスは、幼児向け雑誌編集部の公式YouTubeチャンネル「リトルプリンセスちゃんねる」を公開した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002808.000002535.html

集英社が2018年11月5日に初版7000部で刊行した宇山佳佑の「この恋は世界でいちばん美しい雨」だが、6月9日(火)に11刷となり累計50,000部を突破した。じわりじわりと売れ、少しずつ部数を積み上げての5万部達成だ。昨年11月には2019年啓堂書店芸書大賞を受賞したことも追い風になっている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000011454.html

◎「AFP BB NEWS」は6月10日付で「米動画サービスが『風と共に去りぬ』配信停止 人種差別理由に」を発表している。
《米国をはじめとする各国で人種差別と警察の暴力に抗議するデモが拡大し、放送業界が配信内容の見直しを進める中、動画配信サービスHBOマックス(HBO Max)は9日、映画『風と共に去りぬGone with the Wind)』をストリーミング配信のコンテンツから削除した。
南北戦争を舞台にした1939年公開の同作はアカデミー賞(Academy Awards)9部門を受賞し、インフレを考慮した興行収益で歴代トップに君臨する歴史大作だが、奴隷が不満を言わず、また奴隷所有者が英雄のように描かれているという部分は批判の的にもなっている。
HBOマックスはAFPへのコメントで、「『風と共に去りぬ』には残念なことに、現在の米国社会でも当たり前となっている民族・人種差別的な表現がみられる」「このような人種差別的な表現は当時も間違っていたし、現在でも間違っている。これらの表現について説明も非難もせず、作品を配信し続けることは無責任だと考えた」と説明した。》
https://www.afpbb.com/articles/-/3287586?fbclid=IwAR222c7tRvR-a1_6CLs7uc4lYvPiy6665EKJjCpp4NQJa0hDYoBtSUhBnVA

◎「BUSINESS INSIDER JAPAN」は6月10日付で「『君のような顧客をぼくは喜んで失う』アマゾンCEO、人種差別的な顧客への対応が称賛される」を公開している。
《ベゾス氏はアマゾンの顧客2人からここ数日以内に送られてきたEメールのスクリーンショットを投稿した。メールは同社が"Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)運動"を支持していることを批判するものだった。このうちデイブ(Dave)と名乗る男性が送ってきたメッセージには、下品な言葉や人種差別的な中傷が含まれていて、「お前とのビジネスは終わりだ」と書かれていた。
ベゾス氏はこのメッセージをインスタグラムに投稿し、そのキャプションに「デイブ、君のような顧客をぼくは喜んで失う」と書いた。》
https://www.businessinsider.jp/post-214326

◎「FASHIONSNAP.COM」は6月10日付で「米 『ハーパーズ バザー』153年の歴史で初の黒人編集長が誕生、元エルのサミラ・ナスルが就任」を公開している。
《ハーストマガジン社が、アメリカ版「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」の編集長にサミラ・ナスル(Samira Nasr)氏が7月6日付で就任すると発表した。編集長に黒人が就任するのはハーパーズ バザーの153年間の歴史で今回が初めて。》
https://www.fashionsnap.com/article/2020-06-10/harpers-samiranasr/
このアメリカでの一連の流れを理解しておく必要がある。久しぶりにエレイン・ブラウンの「SEIZE THE TIME」でも聴いてみるか。
https://diskunion.net/rock/ct/list/0/717336
https://www.youtube.com/watch?v=4hnL9rOzSbU
https://www.youtube.com/watch?v=oC-JbT9ic7g&list=PLKEKKDPDJd8q-UVVaj0vC_GSkIhlbLVfu

◎「講談社メディアカンファレンス 2020」は中止。10 月を目途に、「111 年目の挑戦 新しいカタチで 届ける、繋げる」(仮)をテーマにオンラインイベントを開催する意向。
https://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/2020/20200610_mediaconference.pdf

◎22年前に書かれた五木寛之の「大河の一滴」(幻冬舎庫)がwithコロナの時代に売れている。日販の「ほんのひきだし」によれば庫ランキングで二週連続1位というから凄い。親鸞の「歎異抄」現代語訳なんて誰か企画しないだろうか。中村則あたりがやれば面白いと思うけれど。
https://hon-hikidashi.jp/more/109128/

◎「魅惑する帝国――政治の美学化とナチズム」(名古屋大学出版会)の田野大輔による「ファシズムの教室」は版元が大月書店ということもあって手を出しかねていたが、この「週刊新潮が掲載した倉本さおりの書評を「ブックバン」で読んで、即座にアマゾンでポチることにした。
《本書のベースとなっているのは、彼が大学で実際に10年にわたって行ってきたファシズムの「体験学習」だ。自ら「田野総統」というアイコンに扮し、白シャツ・ジーパンという共通のドレスコードを「制服」に見立て、受講者全員で行進の練習をした後、構内でいちゃつく“リア充たちを大声で糾弾する(! )……徹底的に戯画化された状況に、当初はあくまで面白半分だったはずの学生たちが、次第に「やってやった感」を自覚するようになる過程を追ううち、足元がぐにゃりと歪むような感覚を覚える。》
https://news.yahoo.co.jp/articles/425fc81bb66af29b0441e22f78035074cd6ffbf2
ヴィスコンティの「地獄に堕ちた勇者ども」もまたナチズムを「欲望を解放するもの」として描いていたことを思い出した。

アミューズメントメディア総合学院AMG)キャラクターデザイン学科の卒業生である、まどさわ窓子が白泉社との産学共同カリキュラムを通して、白泉社の電子コミックアプリ「マンガPark」において長距離バスをテーマにしたお仕事マンガ「おかえり、南星バス」の連載を開始し、マンガ家としてデビューした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000228.000025577.html

◎「ハフポスト日本版」は6月9日付で「キンカン、94年の歴史で初めてファッション雑誌に広告掲載。その悲痛な理由とは?」を発表している。「キンカン」の広告がマガジンハウスの「POPEYE」7月号に掲載された。
《同社広告宣伝課の担当者によると、若者向けの新パッケージ「KINKAN Noirキンカンノアール)」を2月に発売。このPRとして渋谷PARCOに5月下旬に「Salon de KINKAN Noir」というポップアップストアを出店する計画だった。同社創業以来で初めての渋谷の商業施設への進出となるはずだった。「高齢者向けのキンカンのイメージを覆すものになる予定でした」(担当者)。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、出店計画は中止になった。夢を諦められなかった同社は特設サイトで「幻の渋谷店」を再現することにした。それが、「キンカン渋谷の夢 -KINKAN’s DREAM-」だ。
その上でキンカンの歴史上初めて、ファッション雑誌に広告を掲載することで特設サイトへの誘導を計ったのだという。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/kinkan_jp_5edf2f2ac5b613cb07062bf0
http://www.kinkan.co.jp/kinkan/noir/2020/campaign/?fbclid=IwAR2NZRmMWTCQv2CGXKJQtw-UaherbycxkuD8-JsuW-Jg2ADnE8BaTWqlVlA#1
特設サイトにはこんなキャプションも。
《そういえば、余談ではありますが、「イベント実施後にはこうなります!」と少し胡散臭い広告代理店の人が言っていました。ホントかな…?》
時代を代表する雑誌広告として語り継がれるのではないだろうか。

◎「MITテクノロジーレビュー」は6月10日付で「グーグル・ドキュメントがソーシャルメディア化抗議運動でなぜ使われたか」を公開している。
《ジョージ・フロイドが殺害された翌週、米国や世界各地で何十万人もの人々が抗議行動に参加し、教育、配慮、そして正義を要求した。しかし、抗議行動を取りまとめる鍵となったツールの1つは驚くべきものだ。暗号化されておらず、ソーシャルネットワークへのサインインも必要とせず、さらには抗議行動を目的として設計されたものでさえない。グーグル・ドキュメントだったのだ。》
《実際に活動家や選挙運動家は、フェイスブックツイッターよりも効率的でアクセスしやすい抗議ツールとして、書作成ソフトウェアであるグーグル・ドキュメントを何年も前から使っている。》
https://www.technologyreview.jp/s/208418/how-google-docs-became-the-social-media-of-the-resistance/
凄く納得させられる記事だ。

◎「東スポWeb」は6月11日付で「セクハラ疑惑の“天才編集者”箕輪厚介氏に女子アナ包囲網 宇垣アナは“共演NG”」を掲載している。
《箕輪氏が急転、追い込まれたのは、やはり女性の怒りを買ったから。その筆頭格が宇垣アナだ。
火曜パートナーを務めるラジオ番組「アフター6ジャンクション」(TBSラジオ)で、「立場の弱い女性ライターの方がどれほど気を使って、笑いに持っていこうとして、セクハラを流そうとしているのかを見たら、もう泣いてしまいそうになりました」「立場が違う人と恋愛するのを、本当にちゃんと考えてほしい」と強く訴えた
テレビ局関係者は「箕輪氏の行動が許せなかったのか、今にも涙を流しそうな感じで声を震わせながら、コメントしました。宇垣と一緒に居合わせたスタッフたちもみな、驚いたそうです」。
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/1898376/

◎世界化社は、5月1日(金)に発売した、「『これから』の時代を生きる君たちへ」の3刷重版を決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000827.000009728.html

朝日新聞社が運営するwebメディア「withnews」は、5月に過去最高を更新する月間1億5300万PVを達成した。UUは月間830万。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000858.000009214.html

朝鮮日報は6月11日付で「ハンギョレ新聞の株主配当を受け取大統領」を掲載している。ハンギョレ新聞が配当を行うのは1988年の創刊以来初めてのことだという。
在寅(ムン・ジェイン)大統領がハンギョレ新聞の株式380株を保有しており、9万5000ウォン(約8500円)の株主配当を受け取る予定であることが分かった。》
大統領は88年5月、ハンギョレ新聞が創刊して以降、創刊発起人、創刊委員、釜山支局長などを歴任した。》
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/11/2020061180068.html

トーハンは、光社と協力し、書店店頭支援企画「がんばるあなたを応援したい! 初夏のプレゼントキャンペーン」を6月10日(水)から、全国979書店で実施している。
https://www.tohan.jp/news/20200610_1588.html

トーハンは、中央社と協業範囲の拡大について検討していると発表した。
https://www.tohan.jp/news/20200611_1590.html

◎光社は5月20日(水)に刊行した「ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ」(前野 ウルド 浩太郎)が売れ行き好調につき、発売即重版を決定した。光社新書の児童書版だが、大人が読んでも面白い。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000416.000021468.html

◎マガジンハウスは、インスタグラムでフォロワー10万人突破と人気を集める「もちさん」(@__mo_chi)の書籍デビュー作「見たまんま作れる! もちのおえかきレシピ」を6月25日に発売する。マガジンハウスはレシピ本のコツを掴みつつあるようだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000030125.html

◎「『本当のこと』を伝えない日本の新聞」や「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」の著書で知られるニューヨーク・タイムズの元東京支局長マーティン・ファクラーツイッターで連投しているのだが、実に示唆に富む内容である。
NHKのこの動画を見ると、日本の大手メディアの一つの欠点がはっきり見える。それは、多様性が足りないということである。こんな動画を作っても大丈夫だと思わせる働く現場となっているのは、物事を色んな視点から見ていない、見ることができないという証だと言える。》
《メディアの働く現場の多様性を増やすというのは、アメリカでも大きな課題である。これはただのポリコレではない。様々なバックグラウンドの人が一緒に働くと、物事を色々な視点から見ることができ、単純なステレオタイプを避け、真実を見抜く力が強まる。もっといいジャーナリズムとなる。》
《日本の大手メディアは、女性が増えているものの、多様性がまだまだ少ない。今の働く現場を見ると、同じバックグラウンドの人が多い。有名な大学を卒業し、新卒として会社に入り、ずっと同じ会社に務めるパターンが多い。これは日本の大手メディアの致命的な欠点に繋がる。》
《キャリア官僚も、有名大卒のエリートで、記者と同じバックグラウンドを共有する。この結果、権力を監視する立場にあるはずの記者たちが、むしろ権力側と同じ感覚や価値観を持ち、国民側より官僚側に立つようになる。だから、東京地検検事長が新聞記者と賭け麻雀を密かに遊ぶ事件が起こり得る。》
《それだけではない。記者と官僚が同じバックグラウンドを共有すると、記者が権力者と仲良くなり、過剰的に依存してしまうという、日本メディアの一番大きい問題も生まれるわけである。記者クラブもあるが、それ以前、記者の独立性が足りないというマインドの問題があるのだ。》
《ちなみに、多様性というのは、違う人種やジェンダーも大事だがそれだけではない。例えば、途中採用を増やせば多様性も増える。私の経験では、他の職種からメディアに転職した人の多くは、色々な知識や経験を持っていて、社会に貢献したいという気持ちからジャーナリズムを選んだので使命感が強い。》
https://twitter.com/martfack/status/1270197825062662144

https://twitter.com/martfack/status/1270197830737514497

北國新聞は6月11日付で「読者投票結果を発表 うつのみや大賞」を掲載している。
《石川県内で書店を展開するうつのみや(金沢市)が開催する「うつのみや大賞2020」(北國新聞社後援)の読者投票結果が10日、発表され、大賞に辻村深月さんの小説「傲慢(ごうまん)と善良」(朝日新聞出版刊)が選ばれた。》
https://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20200611104.htm

◎オレは、こういう日本史の味方だよ。双葉社から刊行された「おっさんずLOVEだらけの日本史」(監修:山本博)。
https://ddnavi.com/review/632160/a/

-----------------------------------------------------

4)【人事】オレンジページ 2020年6月11日付

【組織変更】
(1)アカウントプランニングI部とアカウントプランニングII部を統合し、アカウントプランニング部とする。
(2)アカウントプランニングII部のカスタム案件を含む編集業務については、エディトリアル
コンテンツ部へ移管する。

【人事】
姜 明子
新:常務取締役 アカウントプランニング 部担当 くらしデザイン部担当
旧:常務取締役 エディトリアルコンテンツ部担当 アカウントプランニングI部担当 モノクリエイト部担当 e ビジネス推進部担当

鈴木 善行
新:執行役員 法務室担当兼室長 広報室担当兼室長 コトラボ推進部長
旧:くらしデザイン部長

森 聡二
新:アカウントプランニング 部長
旧:アカウントプランニングI部長

三木 裕
新:アカウントプランニング部 スーパーバイザー
旧:アカウントプランニングII部長

岩井 直一
新:アカウントプランニング部 マネジャー
旧:アカウントプランニングI部 マネジャー

岡田 奈都
新:アカウントプランニング部 マネジャー
旧:アカウントプランニングI部 マネジャー

田崎 洋次
新:アカウントプランニング部 マネジャー
旧:アカウントプランニングI部 マネジャー

戸沢 佳子
新:アカウントプランニング部 マネジャー
旧:財務部 マネジャー

本田 律子
新:アカウントプランニング部 マネジャー
旧:アカウントプランニングII部 マネジャー

-----------------------------------------------------

5)【深夜の誌人語録】

記憶力と同じくらい忘却力も大切だ。